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異教のローマ ミトラス教とその時代
異教のローマ ミトラス教とその時代
井上文則/講談社
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総合評価

6件)
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    このレビューはネタバレを含みます。

    キリスト教化する前のローマ帝国。伝統的な神々に加えてオリエントの神々や一神教など多彩な信仰で賑わうローマ。中でもミトラス教は際立った勢力を誇っていたが、文字資料の乏しさゆえにら謎の多い存在。 『地中海世界の歴史』シリーズを読んでいて、最近この時代の頭になっているので積読を消化。マズダー教やゾロアスター教との関係やローマの歴史の中でどのように広がっていったかなど、面白くて良い。

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    投稿日: 2025.09.21
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    ・BC27年、アウグストゥスが即位。 マルクス・アウレリウスの実子コンモドゥスは暴君とされ、その即位をもって五賢帝時代は終わったとする。 ・193年に上パンノニア総督のセプティミウス・セウェルスが新たにセウェルス朝を開くも、235年に断絶。284年まで軍人皇帝時代となる。 ・ディオクレティアヌス帝が即位した284年~を後期帝政と呼ぶ。

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    投稿日: 2025.08.17
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    ミトラス教について研究史、資料、儀式や位階、その誕生から終息、どうしてローマ帝国の西側で流行したのか?など網羅的に書かれた本。ただしミトラス教は文献資料が大変少ないために推測に頼る部分も多く、研究者の間でも意見が異なることが少なくないようだ。ミトラス教は兵士に人気だったローマの密議宗教という教科書程度の知識しかなかったので、難しい部分もあったが勉強になった。

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    投稿日: 2025.07.12
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    名前は聞いたことがあるが、精々「ミトラ」という名の太陽神を奉じている、ということくらいしか知らない謎多き「ミトラス教」を概説的/網羅的に記述した興味深い本 どうやら、キリスト教が出現しコンスタンティヌス帝が公認するまでは、ローマ帝国で広く信仰されていたという大規模な宗教だったらしい 文献資料がほぼ遺されておらず、神殿に刻まれたレリーフや図像、論駁者が相手(ミトラス教)の主張として出したものを参考に丹念に全体像を描き出していく。 教祖・教義として明らかな物が遺されていないにもかかわらず、ミトラス教がフォーカスした社会階層や、取り入れた思想などを考察していくのが面白かった。 密儀宗教(密教)らしく、位階のシステムや昇格にあたっての秘密の儀式などもあったようで、そういった点でも読んでてワクワクさせられた

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    投稿日: 2025.04.21
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    ゾロアスター教や仏教の弥勒菩薩などとの関連が取り沙汰されている以外は今一つハッキリわからなかったミトラ神、それを主軸に据えた宗教ミトラス教について、フランツ・キュモンの研究史から始め数少ない文献と各地に残る遺跡を用いることで、その起源や信仰の内容、教徒となった人々の階層、ローマ帝国に及ぼした影響や、ローマの伝統宗教やキリスト教との関係といった様々な側面をつぶさに解きあかそうとしている。

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    投稿日: 2025.04.12
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    1. ミトラス教の起源 - フランツ・キュモンの研究: ペルシア起源のミトラス教の研究に大きく貢献し、彼の解釈は日本の教科書にも影響を与えた。 - キュモンの論文: 1888年に発表した「ラテン語碑文に現れる永遠なる神々」と「エデッサにおけるミトラ崇拝」により、ミトラス教の研究が始まる。 2. ミトラス教の文献と資料 - 文献史料: キュモンは1899年に「ミトラの密儀に関する文献史料と図像史料」を発表し、ミトラス教の研究を体系化。 - 主要な文献: 第一巻では儀礼、信者、ローマ帝国との関係、密儀の教義などが取り上げられている。 3. ミトラス教の特徴 - 神話と信仰: ミトラスは太陽神と関連付けられ、多くの儀式や信者がローマ時代に広がった。 - 儀式の内容: 牛を殺す儀式や密儀が信者に行われ、特定の位階が存在していた。 4. ミトラス教の社会的影響 - 信者の層: 軍人や高官など、特定の社会層に支持され、ローマ帝国の広範囲に浸透。 - 他の宗教との関係: キリスト教との対立や共存が見られ、ミトラス教の儀式や信仰が時にキリスト教の影響を受けることもあった。 5. 近年の研究動向 - 新たな発見: 1990年代には新たな遺跡や資料が発見され、ミトラス教の実像に関する理解が深まる。 - 現代の学者の研究: R・ベックやR・メルケルバッハなどの研究が進展し、ミトラス教の位置づけが見直されている。 6. ミトラス教の教義と位階 - 七つの位階: ミトラス教には、父、ライオン、太陽の走者などの位階が存在し、それぞれ特定の儀式や役割があった。 - 位階の意義: 各位階は神話の登場人物と関連付けられ、教義の中で重要な役割を果たす。 7. ミトラス教の衰退とキリスト教の台頭 - 異教の終焉: コンスタンティヌス帝のキリスト教の公認後、ミトラス教は次第に衰退。 - ユリアヌス帝の復興策: 一時的に異教の復興を試みたものの、最終的にはキリスト教の普及により影響力を失う。

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    投稿日: 2025.03.16