
総合評価
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powered by ブクログ龍州市で続けざまに不審死が起こった。直前に宅配便が届いてその差出人が次の犠牲者になるという連続殺人。羅飛は事件を防ごうと奔走するが… 作中に登場する、犬を積んだトラックが愛犬家グループに走行阻止されるというのは実際の事件らしい。 前作『邪悪催眠師』ですっかり催眠に詳しくなった羅飛と、催眠を駆使する犯人との攻防がスピーディーに描かれる。殺人方法がかなりグロいのと、真犯人はうーんと思わないでもないが、全体としては一気読みの面白さだった。
0投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
洗脳のプロ同士の命をかけた戦い。色んな読みにくさ、がある。 登場人物の名前と地名が永久に読めず、名称が出る度に目が止まるのが、すごいストレス。毎度ルビ振るか、略称にすればいいじゃん。内容について途中から七つの大罪をテーマにしたブラッドピット主演セブンの映画に似ているな、とテンションが下がる。冷ややかな気持ちで読み進めてた。 面白いのは終盤。セブンになぞらえた連続殺人であると判明。ふむふむ。犯人とその動機を知ると、伏線がきちんと回収されるのが気持ちよい。そうか、ベビーカーを押す母が怪しいとおもったら、乗っている方が犯人かい!動機まで知ると、犯人に気持ちがよってしまった。 最終的にはとても面白かったんだが、読みにすぎて反吐が出たので、この評価でした。
0投稿日: 2025.06.08
powered by ブクログ華文ミステリー。邪悪催眠師シリーズの2番目。龍州市公安局の刑事隊長の羅が主人公で、凄惨な連続殺人事件を追っていく。実務一辺倒の羅が兎に角カッコいいし、部下の劉とのコンビも最高でついつい肩に力を入れて応援してしまう。催眠術での犯行も4千年の歴史の中国ならあり得ると感じてしまう。ラストの意外な犯人に驚いたが、心情的には犯人に同情してしまった。
13投稿日: 2025.02.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
警察小説に催眠術を大幅に取り入れることには抵抗があり、前作も全く受け入れられなかったが、主人公の刑事隊長に魅力があり、本作は途中まではとてもおもしろいと感じながら読んでいった。 しかし、最終盤に突然登場する意外すぎる真犯人も反則だと思うし、そこからはもはやミステリーというよりファンタジーになってしまい残念。 3部作のラストは読まないと思う。 中華系の方々にとって恥辱を受けるということがなによりも行動原理に結びつくとは聞いていたが、恐ろしさがよくわかった。 グロい描写や荒っぽさが目立ち、中華ミステリーはまだ洗練されていないという感想になった。
0投稿日: 2025.01.20
powered by ブクログ周浩暉『7人殺される』ハーパーBOOKS。 何度も何度も刊行予定が先延ばしになり、ようやく刊行。半年以上は延びたのではないだろうか。 ハヤカワから刊行された『死亡通知書 暗黒者』の前日譚にあたる前作の『邪悪催眠師』でも主人公を務めた凄腕刑事の羅飛を主人公にした中国の警察ミステリー小説である。 読み進めば『邪悪催眠師』の続編であることが少しずつ見えて来る。となると俄然、『死亡通知書 暗黒者』も読みたくなるのだが、勿体ぶるだけでなかなか文庫化しないドケチなハヤカワでは期待は出来ないだろう。 タイトル通りとするならば、作中で『7人殺される』のだろう。異常な状況で遺体となって発見される被害者たちの共通点とは一体何か。 連続殺人事件を描いた華文警察ミステリー小説とは時代は変わったものだ。劉慈欣の華文SF小説『三体』三部作にも驚かされたが、周浩暉の羅飛刑事シリーズも全く引けを取らない程の驚きである。何とも見事なプロット。冒頭から読者をみるみる間に物語の世界へと引き摺り込まれ、予想はあっさり覆されるという所に面白さがある。 見事に周浩暉の術中にハマり、二転三転四転と目まぐるしくストーリーは展開し、全く予想もしなかった結末に愕然とした。まさか、あの映画が……最終番は少々やり過ぎのようにも思ったが、それはそれで良いのかも知れない。 中国の龍州市にある高層マンションの一室で21歳の美しいモデル女性、趙麗麗が奇妙な遺体となって発見される。彼女は二酸化硫黄が溶けた亜硫酸の風呂に浸かり、肌を焼きながら恍惚の表情を浮かべていたのだ。刑事の羅飛が劉東平と共に現場を調べると彼女が亡くなる前に宅配便の配達員から彼女の元恋人から荷物を受け取っていたことが判明する。その荷物こそ、二酸化硫黄を発生させた恐るべき装置であった。 さらに彼女の元恋人の24歳の男性、姚舒澣が、自宅で全裸でラブドールを抱きながら局部から大量出血した極めて異常な状況で遺体となって発見される。やはり、彼も亡くなる前に宅配便の配達員から荷物を受け取っていたのだ。 被害者に宛てた荷物の送り主が次の被害者になることに気付いた羅飛と劉は荷物の送り主であるネットショップの経営者、李小剛の元を訪ねるが、既に所在不明となっており、翌日、異常なる状況の中、遺体となって発見される。 羅飛と劉が3人の被害者の意外な共通点から犯人の身元を調べると何と催眠師の蕭席楓に辿り着く。蕭席楓の話から見えて来た犯人像。しかし、その正体はなかなか掴めない。 と思っていると、犯人は意外にあっさりと捕まるのだが…… 本作にも描写があるが、中国出張に行った時、街中を走るバイクが殆ど全て電動バイクだったことに驚いた。しかも、殆どの電動バイクにはパラソルみたいな雨除けが付いていた。中国の街中は車であふれ返り、常に渋滞しているので、車の隙間を縫ったり、歩道を走れる電動バイクの方が有利なのだろう。 定価1,700円 ★★★★★
76投稿日: 2025.01.17
powered by ブクログ2024年の41冊目、今年のラストを飾るのは、周浩暉の「7人殺される」です。華文ミステリーです。周浩暉の本を読むのは、「死亡通知書 暗黒者」以来です。主人公は、共に龍州市公安局刑事隊長の羅飛(ルオ・フェイ)です。 全体を通して催眠が大きな鍵となっています。が、決して、荒唐無稽なオカルト話で終わっていないのは、本格派の刑事小説という土台が、しっかりと出来ているからだと思います。7に引っ掛けた構図も面白く、細かな伏線も作者の技量を感じます。 事件の真相は、中国社会の冷たさと欺瞞を炙り出します。主人公の羅飛が、自らの信念を曲げてまで、導き出したラストが何とも言えません。 ☆4.5
1投稿日: 2024.12.29
