どの話もとても面白い。 梅崎春生は1915年生まれだから、小説の時代は古い。でも、今読んでも面白い。 戦争ものも、戦後のものも、どちらも良い。 語る口調が良いし、ストーリーも良い。 親交の深かった福永武彦は梅崎春生の文学の本質は「風俗的ニヒリズム」であり、「ニヒリズム的風俗を描くのではなく、現代風俗の中に、より観念的に昇華されたニヒリズムを探求しようとする」精神があると言っている。とてもよく分かる。 短編集で読みやすいし、おすすめ。