
総合評価
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powered by ブクログ『バリ山行』を気に入った母にプレゼントするために買った。プレゼントの前に読む。 『バリ山行』と同様の読み応えに久々に浸れた。決定的な破滅でもなく、確実な安心感でもない、でも何か吹っ切れたような読後感が同じだ。これは、母も気に入るだろう。そもそも、出てくる地名がいちいちその辺の、よく行く、よく目にする地名だからより身近に思えるのがさらに良い。 タイトルの『カメオ』。あの大理石でできたcameo、装飾品の女性の横顔的な、ペンダントトップのような、それを想起させるのに犬の絵が表紙ってどう言うことだろうかと思いながら読み始めたが。cameoとは全く関係なかった。
0投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログよく知る土地の名前が出てきて、その土地の空気感とか匂いもちょっとだけ想像してしまう。そして、私もむかしむかし建設業に関わったことがあるので、とってもよくわかる話。
0投稿日: 2025.10.23
powered by ブクログ「バリ山行」で芥川賞に選ばれた松永K三蔵のデビュー作。「バリ山行」よりこちらの方が断然面白かった。 会社が請け負った建築現場の施工管理担当者に指名され、そもそも厳しい工期と隣人住民からのクレームなどあれこれ四苦八苦してるうちに、面倒な隣人の飼っていた犬の世話を任される羽目になってしまった男。 理不尽な状況に振り回され、不承不承ながらも始まる犬との生活。主人公だけでなく、隣人クレーマーも飼い犬もペーソスを誘う。面白くて一息で読んでしまった。 #本 #小説 #読了 #図書館 #松永k三蔵
1投稿日: 2025.10.06
powered by ブクログ著者、まつながけーさんぞうさんは ちょっと変わった名前なんですけど 昨年、「バリ山行」で芥川賞を受賞された方で (↑ 読んでいませんけど) この本は、デビュー作らしく、 先日、新聞で「面白くて哀しい」と書いてあって 気になったので読んでみました。 主人公、高見は、神戸の物流倉庫に勤務し 新倉庫の建設の管理を任されることになった。 しかし、建設用地の隣地に住む犬連れの男が 何かと工事にクレームをつけてくる。 厄介な男だなと思いつつ、 日々対応に追われていたのだが ひょんなことから、なぜか、この男の犬を預かることに。。。 そして、一人暮らしの高見は ペット飼育不可のマンションで犬と過ごすことになる。 この主人公が、また、なんとも言えない「いいやつ」で ぶつぶつ言いながらも、犬の世話をし 頑張る姿が可愛くて面白い。 そして、想像もしなかった結末に なんだか感動してしまったのでした。 これ、映画になったらいいのにな。。。 なんて思っちゃいました。 きっと私は泣く(^^;)
1投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ犬を連れた偏屈な男に、工事の妨害をされている会社の担当者が主人公。 タイトルの「カメオ」とは、そもそもは妨害し続ける男の名前だが、一気に流れの変わる後半には犬の名前になる。 引きこもり気味のクレーマーである中年男の言動も、その姉の振る舞いも、主人公の上司の仕打ちも、主人公のいい加減な不器用さも、すべてが無責任で理不尽だが、どこか可笑しさがにじむ。 唯一魅力的なのは逞しい犬の存在で、主人公がどういう選択をするのかが気になって、一気に読み切った。 芥川賞受賞作『バリ山行』同様、疾走感のあるユニークな作品だった。
2投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
カメオ、って西洋人の顔のブローチ的なものを想像していたのだがまさかの展開。超ド級のクレーマーの出現、不細工だけどどこか愛嬌のある犬、その間で右往左往することとなる主人公。なかなかどうして面白かった。先日太宰治の『畜犬談』を読んだのだがそのバッドエンド版という感じで、畜犬談を非常に気に入った私としてはかなりツボにはまった。舞台の西宮も土地勘バッチリで楽しめた。そして犬の処遇がどうなるか、ということに密やかにハラハラ。お座敷犬で収まるタイプには思えず、スケールのでかそうな犬なのであの結末でもアリだと思う。
2投稿日: 2025.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公の兄に選ばれなかったカメオと、カメオに選ばれなかった主人公。一人と一匹が同じ様に野山を駆ける。という構図が良い。 正直に言えば、私が「犬を捨てる話」で思い出すのが太宰の畜犬談。あれは別れ際が凄く好きだったため、この二人はどうなるのだろう、と勝手にハードルを上げてしまっていた。さらりと終わる2人の関係性に少し消化不良を覚えてしまった。 カメオの飼い主である亀夫の語られない背景が気になった。 自分を工事現場の人間だと思い込んでいたこと、まともに働いていないこと、以前は陸上自衛隊に所属していた事、それでも犬には良いものを食べさせていたことなどが語られる。本作では悪役でしかなく、因果応報も食らわずに死んだ(死が天誅とも言えるかもしれない)ため、それ以上のことは教えられない。けれどその存在感はあまりに大きく、読み終わった後になんなんだろうアイツ...というノイズとして残った。姉も良い人間とは呼べない。 カメオ P27 西日がそう 見せるのか 近くで見ると 短い毛先に非が反射して 乳白色の犬は 胴体のうねりに沿って 光沢を帯びているように見えた。 P91 弾かれたピンボールのように 向きを変えながら私の存在を無視し身を震わせながら 全速力で駆け回った。 ・ピンボールに例えるのが好き。一瞬で想像ができる。 P92 犬は木の葉が吹き散る草原の中を駆け回った。時折 街灯の明かりに体毛が光り その下の背中の筋肉が透けて見えた。 P141 EVO 3を先頭にチームの皆も追いついてきた。そして私の叫び声を何かの掛け声とでも思ったのか、頂上を通過しながら皆、口々に「カメオォー!」「カメオォー!」と叫んだ。 ・主人公の思いの熱とは逆に、周りの反応はシュールで良い。
0投稿日: 2025.07.07
powered by ブクログ建築現場のクレーマーが、亀夫。その飼い犬がカメオ。話の舞台もごく身近でカメオの様子にもいちいち頷いて、「バリ山行」も一気読みだったが、こちらも一気に読んでしまった。
1投稿日: 2025.06.30
powered by ブクログ「バリ山行」で芥川賞を取った著者のデビュー作。 こちらはバイク、自転車。山が好きなのかな。 そこに、工事現場の隣地のクレーマー「亀夫」さんとその犬が登場、 バイクが趣味の現場監督に絡む。 そしていろいろあって現場監督と犬「カメオ」の生活が始まる、、、 きわめて日常。どこにも空想の世界はない。 でもどこか非日常感が漂う。ドキドキする。引き込まれる。 うまいなあ、この人。これからが楽しみだ。 山以外の作品もでるのだろうか?
5投稿日: 2025.06.07
powered by ブクログ物流倉庫に勤める主人公が、工期厳守の倉庫建築工事の担当となったが、犬を連れた隣地の迷惑な男がたちはだかり、さらにその連れていた犬と深く関わることになっていくというストーリー。 純文学の範疇に入ると思うが、読ませる文章で面白く、良い読後感だった。クレーマーの男の描写も実にリアリティがあった。諸々の軛からの解放というのが一つのテーマなのかなと感じた。
1投稿日: 2025.06.06
powered by ブクログ『バリ山行』で芥川賞を受賞した松永K三蔵さんの「不条理な可笑しみに彩られたデビュー作」 確かにね。主人公が建築指揮している倉庫の隣家のクレーマー男も、主人公に押し付けられた犬が本性を出してくる様子も、主人公を取り巻くあれこれが全部なんか不条理。でも不気味さではなく、それらに戸惑いつつ苦労している主人公はどこか滑稽です。 ちょっと理不尽な小さな会社や、妙に職人気質な脇役。さらに主人公がきつい運動で自分の存在感を確認しようとする事など、『バリ山行』との類似点も多い。 まだ、小説はこの2作だけの様です。まあ、じっくり面白い小説を書いていただければ。。 ちなみに松永K三蔵さんのHPに以下の様な文章が有りました。ナルホドネ! 【オモロイ純文運動】 純文学はおもしろい。 純文学はひらかれていて、オモロイのだということを世間にわかってもらう文学運動。 運動と言ってもその活動は、ただ書くだけ。 オモロイ純文を。
3投稿日: 2025.05.11
powered by ブクログテンポが良くて、凄く面白かった! 第171回芥川賞受賞「バリ山行」に先行する著者デビュ一作。第64回群像新人文学賞・優秀作 「バリ山行」と同じように自然、心理描写が細やか。展開にハラハラして引き込まれた。 個人的には最後、主人公の決断には⁇驚いたけれど、、、 終始面白くて読めて良かった!
30投稿日: 2025.04.26
powered by ブクログ予約本が1冊も届かず、図書館の平台にあった本から適当に選んだ1冊。著者は第171回芥川賞受賞作家である。(受賞作はこれだったかな?)とうろ覚えで借りたら違っていて、第64回群像新人文学賞優秀作を受賞したデビュー作だった。 趣味でロードバイクに乗るサラリーマンが、新倉庫建築現場の隣地に住む住人にいちゃもんをつけられて苦労する話から一転、ペット禁止のマンションで犬を飼う苦労話となる(←違うか)。 タイトルの『カメオ』は装飾品の意味ではなくて、「これかい!」(笑)とツッコミを入れたくなる。 おもしろかった。芥川賞受賞作も読まねば。
6投稿日: 2025.04.21
powered by ブクログなんという、切ない話。 なんという、残酷な話。 なんて言えばいい? この気持ち。 ボクは「行け! 行け!」とは言えないよ。
1投稿日: 2025.04.21
powered by ブクログ「カメオ」は読む前と24頁あたりで頭の中で発音が変換した・・・。 これは狙いか? 前作もそうだったけど、今作も「何でこんなに面白いんだろう?」と思いながらも一気読みしてしまった。 作者との相性ってあるのかな。 主人公と私は何1つ共通点はないけど、共感できてしまう。特に劇的な盛り上がりがある訳でもないが、ずっとハラハラドキドキだ。 リアルな人生ってハッピーエンドもバッドエンドもない。平凡だけど面白い。それを体感させてくれる作品だと思う。
5投稿日: 2025.04.14
powered by ブクログバリ山行が面白かったので 愛犬家のひとが読んだら眉をひそめる内容ですが、面白かった 犬を飼いはじめて1年くらい、いろいろな発見があり、ペットがはやってる訳がおぼろげに分かった気になります 作者の書きたいものが次作と地続きなのが感じられてさらによかった
1投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログ人のイイお人好しの男と……………… 飼い主に雑に扱われてきた犬……………… 可笑しくも切なくもあり……………… 感想は 『行け!行け!カメオ!!』 だな(^^)
12投稿日: 2025.04.05
powered by ブクログバリ山行きが面白かったので。工事に立ちはだかるカメオと犬。妨害に辟易していたがカメオは突然死。残された犬の処遇にてんてこ舞いする高見。ペット禁止の部屋で息を潜める2人暮らしをするが、、ドタバタぶりがなんとも面白い。選択肢はなかったのか、最後のやり方には納得が行かないし、エゴ過ぎる高見にも残念。
12投稿日: 2025.03.05
powered by ブクログ二体のカメオ(人と犬)に振り回され、窮地に追い込まれてゆく高見。意想外にも人のカメオには解放されるのだが…カメオを飼うか、放つか。二択のジレンマに揺れ動く高見の心。天使と悪魔の葛藤がリアル。彼に愚かな選択をさせることで、いかに人間が弱く、保身に走りやすい存在かを強調していた。ブルテリアのカメオ。可愛さ満点だった。
1投稿日: 2025.02.16
powered by ブクログカメオどうなるの?と途中まではぐいぐいと読み進めたくなったけど、マジレスすると人として最悪。犬を飼うどころか預かる資格もなし。優柔不断に預かって、困ったから山に捨てる。なんやそれ、と最後は冷めた…
0投稿日: 2025.02.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
めちゃよい。 主人公の気の好さが滲み出ているし、あまりに普通。普通だからこそ、追い詰められた結果、犬を遺棄しようと思ってしまうし、逃げてしまった後になって後悔の念に襲われるんだと思う。 誰にでも起こりうるエピソードだった。 なんやろ、やっぱり理屈であれこれ考えるより、いやそれも大事なんやけど、直感に従うべき瞬間っていうのは人生にいろいろあるよな、と感じた。 大袈裟かもしれないが笑。 自転車仲間の野犬に追われたエピソードから始まり、主人公が会社に命ぜられて用途不明の倉庫を突貫で建てさせられる。その隣地のいちゃもん男・亀男が飼っているブルテリア。突然ぽっくり逝った亀男に代わって、ブルテリアを育て、いつしかカメオと呼ぶようになり、ペット飼育不可のマンションで悩んだ末、山に捨てに行く。倉庫建設の遅延による会社からの理不尽な処分への腹いせもあったのかもしれない。微かな期待をよそに、山に飛び込むカメオ。心のどこかで一緒に暮らす未来を思い描いていた自分に気づき、名前を呼ぶも、もう、戻れない。 そして最後は、自分自身が「カメオ」になる。
1投稿日: 2025.02.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
工事現場の隣りに住むクレーマーの亀夫、ある日犬を残してポックリ死ぬ。ロードライダーの主人公がやむなく預かってのてんやわんや。ペット不可のマンションでの生活などペットを安易に飼うことについて考えさせられる。この主人公、少し気は弱いけど人はいい。カメオは自由に生きてるのか、野犬は怖いけどカメオが野原山野を駆け回るのは良かった。
1投稿日: 2025.02.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
タイトルはそう結びつくのか・・・納得(笑) 芥川賞を受賞したバリ三行と同じ匂いがする。 とことん追い詰める人がいる。 野犬から始まるくだり、きちんと完結している。 人の好さが自身を追い詰める、プチホラーでもある(笑) 次回作の人物像に期待したい。
5投稿日: 2025.02.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白くて一気読み! サラリーマンあるあるのシチュエーション、ノーと言えない性格、突然始まる犬との生活、とにかく色々ストレスの溜まる毎日。主人公に感情移入しながら読んだ。 細やかな心理描写や風景描写が素晴らしい。ラストで主人公のストレスが発散される時、読み手のストレスも発散され、一緒に叫びたくなる。
2投稿日: 2025.01.27
powered by ブクログ犬との距離感を楽しめる本 兵庫を舞台にしている小説で地名などスッとイメージできました。 また、工事現場の近隣方々との距離感など、普段では想像できない業界の雰囲気を味わえる感じがリアルでよかった。 ただし、メインは主人公と犬との少しずつ縮まる距離感がほっこりして楽しめます。 そして、最後の主人公と犬との出来後がどうなるのか・・・ 気になってページを捲る手が止まりません。 本書はページ数が多くないのでさらっと読めるのも魅力でした。 犬好きにはこの距離感が面白くていいと思います。
25投稿日: 2025.01.26
powered by ブクログ読みながら、高齢者(飼い主)が犬より先に亡くなった場合、ほんとどうなるんだろうって悲しくなった。 主人公は、突然に科された「犬」をどうするか真摯に真面目に不器用ながら自己解決しようと努める姿に共感を覚えた。
11投稿日: 2025.01.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
松永K三蔵さんの芥川賞の本を以前読んだ時にはお仕事小説を描くのが素晴らしい人だと思っていた。こちらも?と手に取ったらお仕事+ペットもあり、人間の良心に深く訴える部分もありで、これもまた心に残る一冊となった。 ファンタジックな(?)結末だけど小説なら致し方ない。 まだまだこの人の本を読んでみたい、つぎに繰り出すのは何か、楽しみにしたい。
11投稿日: 2025.01.23
powered by ブクログ法律とか、社会規範とか、社内規定とか、明文化されたルールから取り溢れた問題への対応を間違えて、どんどん出口が塞がれていく話。 設定されているルール無視で怒鳴り込んでくるクレーマーや言葉の通じない奴がノルマの障壁になっているときに、ルール通りに進めていると締め切りに間に合わないので、ルールからは少し逸脱するがその方がコストがかからずに解決できる、っていう方法があると、現場としてはそれを選ばざるを得ないときがある。 とても小さな嘘を吐いてしまうようなものだ。 でもその嘘と現実の整合性を保つために立ち回っていると、さらに厄介ごとがまとわりついてきて、仕事のためについた嘘に気がついたら自分の私生活が蝕まれていく。 そして主人公は厄介ごとのひとつである犬を厄介に感じながらどうしても愛着を持ってしまう。 最後に仲間内でアダ名のなかった主人公が呼ばれたアダ名はちょっとしたホラーだった。
6投稿日: 2025.01.13
powered by ブクログバリ山行も面白かったがこちらも良かった。どちらも力強い(生きることに対して)、そんな印象を受ける作品。
5投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログ『第171回芥川賞受賞「バリ山行」に先行する著者デビュー作。第64回群像新人文学賞・優秀作が待望の単行本刊行。』 かかりつけの整形外科医院で 「あっ、バリ山行の人や」 とお借りしてくる。 何しに行ってるのか?私 『不条理な可笑しみに彩られた』とあるが うーん、 なんかグルグル回ってて 犬カメオが切なくって 人って勝手だなあ カメオに共感してしまって…… 前作は山登り、今回はロード タフだなあ ≪ ペーソスに 満ちすぎてるよ 犬文学 ≫
33投稿日: 2025.01.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
まず書き出し、松永K三蔵氏は山歩きだけでなくバイクもこなすのか…これはかなりのレヴェルで乗っているサイクリストしか描けない情景だぞ…と、同じくロードバイクに乗る末端の一人として、その実力にひれ伏すことから始まった。 そして「バリ山行」と同様、私が個人的によく知るエリアが出てくるので、とても馴染み易い。 ラストに至る展開に関しては、この小説を文学作品として成立させるために必要な通過儀礼なのだということは頭では分かるが、バカの付く犬好きとしては理屈を超越して生理的に受け容れ難い…。 また、その文学的な効果についても、高見が憤懣を抱えていく過程があっさりし過ぎているように感じた。 会社員を主人公に据え、仕事を通して苦悩する様を主軸に物語を構築している点は、これまた「バリ山行」と同じく、兼業作家としての立場を巧く活かしているなと思うが、あるいは高見がもっともっと不条理に直面し不遇をかこち、ストレスに押し潰され沈み込んでいく…そんな弓を引き絞る深さがさらにあったとしたら、カメオの解放がもたらすカタルシスはどかんとより大きくなったのではないだろうか? 散歩は基本中の基本だぞ、高見くん。
1投稿日: 2025.01.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公の決断の是非は別として(普通に違法)、その行動に行き着くまでの描写に無理がないというか、すーっと読み手側に伝わるのがすごいなと思った。なんにせよ読後爽やかな気持ちになれる一冊 読むとタイトル【カメオ】のイントネーションが変わります
2投稿日: 2025.01.03
powered by ブクログ亀夫やバリ山行の妻鹿さんのような、社会の中でバランスをとるのは難しいだろうなというような人たちが物語のど真ん中にどーんといて、その比率が新鮮なのかなと思う。
5投稿日: 2025.01.01
powered by ブクログ松永K三蔵『カメオ』読了。動物をまともに飼った経験のない身からすると、マンションの自室に一日放置して帰ってきた時の描写など、ほとんどホラーでも読んでいるような緊迫感があり新鮮だった。 ペダルを踏むことで日々の鬱屈に抗う主人公が、束縛から解放され野生を取り戻していくカメオの姿に救いを見出していく。読後感がびっくりするくらい爽やか。
3投稿日: 2024.12.29
powered by ブクログ非常に読みやすい! 愛犬家ですが、主人公の気持ちに共感します。 カメオは色んなことを学ばせてくれる。
6投稿日: 2024.12.27
powered by ブクログめっちゃいい。バリ山行もよかったし、カメオも最高。鬱々とした生活から肉体、精神の限界まで力を出して解き放たれる感じ!
8投稿日: 2024.12.27
