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赤羽せんべろ まねき猫
赤羽せんべろ まねき猫
坂井希久子/中央公論新社
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総合評価

20件)
3.6
1
10
8
1
0
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    人生のターニングポイントっていきなり来るんですよね、きっと 自分は幸い親にも恵まれ、妻や子供にも恵まれて居ますが、主人公の様な境遇だったらどうなっていたことやら… 絶縁していた父親の紡いだ縁がキッカケで親子が和解し前に進めて良かったです

    2
    投稿日: 2025.11.07
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    ひょんなことからせんべろの店で働くことになる主人公。 自分の好きそうな話なのに、結局好きになれなかった。主人公が出なく、取り巻くせんべろの住人たちが「人情に厚いのはいいこと」を振りかざして結局は我を押し通していくようなキャラばかりで、主人公はそれに助けられてるというより「翻弄されている」と感じるため、どうも読んでいて愉快でないのでした。 そのくらい、他者との垣根を設けないズカズカした関係性が下町人情のよさなんだよ、というところまで作者は描いているとは思うのですが、前段の不快感の方が7:3くらいで勝ってしまって、こいつら虫のいいことばっかり言い出してやがんなあ、などと思ってしまう。残念です(作品でなく読み手の自分が)

    1
    投稿日: 2025.08.25
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    音信不通だった父親が倒れたという連絡がきて、父親の介護や、経営していた居酒屋をどうするのか等々、諸々の問題に頭を悩ませることになる明日美。 幼い頃から、女の出入りの激しい父親に愛想を尽かし、さらには心に傷も負っている彼女には、介護も店の経営も受け入れ難いことだった。 こんなふうスムーズに介護問題も相続も片付けば世話はないという話ではあるが、テンポ良く読めた。キャラクターもそれぞれ立っていておもしろい。 下町の人情がまだ残っているところもあるのかと信じたくなる物語。

    12
    投稿日: 2025.07.31
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    昔住んでいた街なので、イメージもしやすく そうそうこんな感じの街だったと思いながら読めました。 人との繋がりがあって温かい話でした。

    27
    投稿日: 2025.06.08
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    10年連絡もない間柄だった父親が倒れたと連絡があった。40代バツイチで一人暮らしの明日美は、やむを得ず父の営む居酒屋「招き猫」に駆けつけるとそこには父を慕う従業員や常連客がいた。 女出入りが激しくて父親らしい事をほとんどしてこなかった父に今更情もわかずにいる明日美。冷たいようだけど、今までの関係性から考えると仕方ない。 だけど父の周りの人達は父を慕っており、店を続けていく。借金もあり仕方なく店を手伝ううちに、明日美は過去の辛い出来事を乗り越えていく。 過去の出来事から周りの人達と距離をおいていた明日美。でも店で働くうちに少しづつ気持ちが変化し、周りと打ち解けるようになる。 一人の女性の辛さを乗り越えるまでを描いた作品。すんなりと面白く読めた。

    2
    投稿日: 2025.04.20
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    悲しいエピソードも入っているけど、暖かい気持ちになった。 サクサク読めて、読後もほんやか。良い作品だった。

    1
    投稿日: 2025.03.28
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    ジワジワと良さがしみ出してくるお話。 いろんな問題がここには書かれていますね。 ある人が、自分にとっては大嫌いでも、他の人にとっては素敵な人となりうるんですね。 素敵な胸にしみこんでくる物語でした。

    6
    投稿日: 2025.03.26
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    懐かしい赤羽せんべろ横丁。おじさんだけでなく若い人たちが多くてびっくりしたが、コロナ後、賑やかさ取り戻したかなあ。そうした楽しい酔っ払いの人情噺かとおもったら貧困、介護のシビアでやりきれない現実。理不尽な現実に流されながらも立ち向かう明日美のような善人にはなれないな。父親そんな簡単に許していいの?「親と子の繋がりが、必ずしも美しいものであるとは限らない」

    2
    投稿日: 2025.03.23
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    飲んべなので題名の「せんべろ」に惹かれて初読みの作家さん。折り合いが悪かった父親が倒れ、父が営んでいた居酒屋を手伝う羽目になった明日美。人情噺ではなく内容はシリアスで虐待や貧困、介護などの社会問題が描かれる。

    1
    投稿日: 2025.03.16
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    こども食堂や福祉など私たちがメディアから得ている情報は、実態とは違うものかもしれないと気付かされた。ただ傍観する立場の時には気づかない、当事者になって知る現実。深い内容が込められているが、重苦しくなくサラッと読み進められた。

    1
    投稿日: 2025.03.12
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    裏切られたー。 もちろん、良い意味で。 軽くサラっと読めるエッセイ的な展開で、今宵の一杯がより美味しくなる!というのを想像してたけど。 表装、狙ってる? お話しは生々しく現実的で悲しくて寂しい。 でも、さすが赤羽というキラーコンテンツが上手くブレンドしてくれて重くなりすぎない。 離れて暮らす家族に久しぶりに会いたくなる。 心地良い読了感。

    8
    投稿日: 2025.02.11
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    実の娘には冷たかったのに他人は助けていた父親。そんな父親を慕い、まねき猫は繁盛している。が、明日美の気持ちを思うと求や常連の男どもにはイライラさせられた。親子なんて何があるか分からないのだから容易に立ち入るべきではない。ただ、それでもそんな周りの人たちに囲まれて明日美はなんとか生きていく。明日美1人ではきっと潰れていたと思う。結局人は周りに支えられているんだなあ…

    1
    投稿日: 2025.01.28
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    赤羽の下町で育った明日美。父親は自分勝手な生き方を貫き、明日美にとっては大嫌いな存在。すっかり疎遠になっていたある日、父親が脳出血で倒れたと連絡が入り、急遽、大嫌いな父親と向き合うことになってしまう。 下町のせんべろ飲み屋で人情味がある人達と触れるにつれ、父親に対する気持ちや助け合いの気持ちが芽生えてくる。悲しいことや貧困や借金など悩みはそれぞれあるけれど、それを受け入れて、前へ進む話。江戸の長屋で暮らす人々の話の現代版かな(笑)読みやすいので、サクッと読めちゃう作品です。

    8
    投稿日: 2025.01.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    赤羽せんべろまねき猫 著者:坂井希久子 発行:2024年10月25日 中央公論新社 初出:「婦人公論.jp」2023年7月28日~2024年5月10日 近ごろ時代小説の市井小説を結構読むようになった。とりわけ女性の作家が書いた、女性が主人公の物語が性に合っている。朝井まかてや西條奈加など、読みたい作品はまだまだあるけれど、未読の作家にも魅力的な人がいっぱい。「居酒屋ぜんや」シリーズを書いているのが、この坂井希久子。1977年生まれ、47歳という、まだ若い部類の作家。読もうと思っていた矢先に、新刊の本書を図書館で見つけて借りてみると、現代小説だった。東京の赤羽を舞台にした、いわば人情小説。長編だけど、長くなく、シンプルでさらりと楽しい、それでいて最後はちょっと泣かせるような娯楽小説だった。 日本に生きる今の人々、なかでも〝強者〟〝成功者〟〝勝者〟ではない、生きるだけでも精一杯という状況の人たちが主役。主人公は42歳の明日美、非正規の立場でコールセンター勤務。10年前に4歳の息子を水の事故でなくす。その後、夫とぎくしゃくして離婚。赤羽の実家を16年前に離れ、ほとんど帰っていなかった。実家では身勝手な父親が好き勝手に生きている。母親は明日美が小学校3年の時に愛想を尽かして出て行ったが、その時、生みの母親ではないことを聞かされる。生んだ母親はもっと幼いころに出て行ったという。 その父が、脳出血で倒れたと連絡が来る。父親は長野の旧家出身で、手切れ金がわりにもらった財産でアパートを買って経営していた。家族のことをほったらかしにし、自分は外で飲み歩き。母親が出て行き、自分も結婚して出て行った後、父親は知り合いに、居酒屋を経営してくれないかと頼まれた。そんなところでいい顔をしたい父親は、アパートを売って自宅兼店舗のその居酒屋を買った。ランチタイムから客が入る、安くて人気の立ち飲みだったが、実は赤字で借金をしていたことが判明した。 父親は入院先で意識混濁、もちろん話は出来ないし、明日美のことも分かっていない様子。ごみ屋敷化している2階の自宅を片付け、店を処分し、父親を施設に入れることを前提にしていると、店には勝手に女性が。どうやら従業員らしく、父親が倒れているのを見つけて入院させたのも彼女だったようである。ひかり、という中年女性。そこに、常連客の宮さんとタクさんも、我が物顔でやってくる。 明日美が店はもうやらないと言うと、それなら借金を返してくれとタクさんに言われる。父親の時次郎に、無利子で300万円を貸しているという。タクさんは雑居ビルなどをいくつか持つ人物で、居酒屋を続けるという条件付きで時次郎にお金を貸していた。やめるなら全額すぐに返して欲しいという。 そんなお金は明日美にないし、そこに新しい従業員の求(もとむ)も入ってくるし、流れで店を続けてしまっている。明日美自身もコールセンターとのダブルワークになっていた。土日は居酒屋勤務。休みがない。 店には8歳のアキトという小学生がしばしばやってくる。借金を抱えるシングルマザーと暮らしていて、いつもお腹をすかせている。居酒屋「まねき猫」は、そういう子供を受け入れている。聞けば、求もそうだったようで、時次郎には本当にお世話になったからと、店を続けるべく前の仕事をやめてやってきた。他に、同じように世話になった若者がアルバイトに来ている。 時次郎は、徐々にましになってきている。口はまともにきけないが、何を言いたいのかは明日美に理解できるようになっていた。転院し、そこでの入院限度後に入る施設も決まった。もう家には帰れないということも、本人には分かっている。覚悟を決めたようだった。 自宅で介護をしない、できるわけがない、と明日美は考えてそうしたのだが、それを最初に求に話したとき、求は激怒した。親の介護をしないなんてどういうことだと考えた。親代わりだった時次郎への思いが強かった。しかし、現実問題としてそれは無理だと、求も分かってきた。 幼馴染みで、八百屋を継いでいる弘が、アキトを連れて市民プールへ行った。明日美も一緒に行ったが、流れるプールがあり、用水路に入って流されて死んだ自分の息子のことを思い出した。顔をつけてぷかぷか浮いているアキトを見て、事故ではないかと心配して全力で救出に行くと、顔を上げて何でもないことが分かる。本当に心配し、おどろいた明日美だった。 そんなこんなで、いろいろがありながら、最後は勝手気ままだった父親も娘に少し感謝する態度を示した。そして、居酒屋「まねき猫」には、また新たな腹ぺこ少女がやってきた。なにかを食べさせてあげなければ、と明日美。 ******* 篠崎明日美:新宿のコールセンター勤務、42歳、10年前に4歳の息子・晃斗をなくす 篠崎時次郎:明日美の父、74歳、長野の旧家出身、アパート所有→まねき猫購入 美代子:明日美が小3の時に出て行った母(育ての母親) 梅野ひかり:時次郎発見者、従業員 萩尾求:新しい従業員、子供ころから時次郎に世話になっている 京也:アルバイト、大学生 安里:アルバイトに誘っている、パチ屋とのダブルワーク 宮さん:時次郎に300万円を貸している、ビル持ち タクさん:年金暮らしの客、忙しいと手伝ってくれる 柊アヤト:小3、 柊百合絵:アヤトの母 弘:おさな馴染み、八百久、4年前に離婚、中3と中1の娘にあまり会えない 早恵:おさな馴染み、8歳と5歳の男子がいる

    2
    投稿日: 2024.11.25
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    赤羽にある大衆居酒屋。 突然父に代わって店をやる事になる。 元々のスタッフや飲兵衛の客仲間の力を借りてなんとか営業持続。 父の介護、店に来る子供の貧困、自分自身の辛い過去、賑やかな居酒屋の中に現代の課題が色々含まれていて、考えさせられた。

    2
    投稿日: 2024.11.18
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    ただの赤羽せんべろ小説ではなく、介護や貧困についても考えさせられる。 明日美を取り巻く状況を自分に置き換えながら読んでいったので、正直しんどかった。自分の生活もいっぱいいっぱいなのに、疎遠にしていた親を大事にとか、当たり前のように他人に言われるのが辛いね。求くんとの会話は本当にイラッとした。なんとかラストはいい感じに着地したので良かったよ。

    3
    投稿日: 2024.11.15
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    42歳の明日美は、10年前に息子を亡くし離婚して今はコールセンターで働いている。 母が誰なのか記憶になく、飢えることはなかったが常に女がいた父とは没交渉のまま10年が過ぎていた…父が脳出血では倒れたと連絡がくるまでは。 医師からは、麻痺が残ると言われ働くのは難しいだろうと「まねき猫」を閉めるつもりで飲み屋に行ったところ…。 知らない女が店内に… 店の常連が運転資金として300万を「まねき猫」を続ける条件で貸していると聞き、借金を返すまでは続けるしかない状態になり…。 三食を満足に食べられない子どもたちを受け入れていることもわかり…。 そんななかで父の介護は…となる。 明日美は息子を亡くしてから人と深く関わらずに孤独の中で必要最低限の暮らしをしてきたが、父の傍にはいつも誰かがいて、助けたり助けられたりしていたことを知る。 人との縁を大切にしていた場所が「まねき猫」だと気づき、知らない間に馴染んでしまっていた明日美。 大きな問題を抱え込んでしまった…と思っていたが、気づいたら誰かが手を差し伸べてくれて面倒なことも相談できる人がいる。 慌ただしくも出会いがある限りやっていけるということは嬉しいことなのだろう。

    61
    投稿日: 2024.11.05
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    介護、貧困の子供、QOL…… 今時の話題がふんだんに詰め込まれている。 主人公の背負い混むものの多さに、途中は胸が苦しくなったが、最後まで読むとほっこりした。

    3
    投稿日: 2024.11.04
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    義理と人情あふれる人間ドラマを堪能。 物語の舞台は飲兵衛の聖地『赤羽』。 お酒を飲まない私だが、次々と登場する美味しそうな料理と、ざっくばらんで温かな心根を持つ人達に触れるたびに一緒に飲みたくなった。 主人公は42歳の篠崎明日美。 折り合いが悪く疎遠だった父親が脳出血で倒れた事で、再び人生が交差する。 家庭を省みなかった父へのわだかまりが解けない明日美の気持ちに共感しつつも、父・時次郎の情け深さに胸がジンとする。 つくづく人間の多面性を感じる読書時間だったが、一期一会の大切さを噛み締める時間でもあった。 心温まる読後。

    7
    投稿日: 2024.11.03
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    明日美の父が、脳出血で倒れた。父が営んでいた 立ち飲み屋を閉店しようとしたが、運転資金を 貸してくれている店の常連がつけた返済期限は、 「店が続くかぎり無期限」というもので…。

    3
    投稿日: 2024.10.21