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日本漢字全史
日本漢字全史
沖森卓也/筑摩書房
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総合評価

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    このレビューはネタバレを含みます。

    漢字について、中国からの伝来から説明して現在のコンピュータで用いられる漢字まで説明している。非常に詳細なので、国語教育に関わる学生は読む必要があろうが、小学生免許では教養として読んでおくといい程度であろう。

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    投稿日: 2025.10.13
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    古代日本の黎明:地名が語る渡来人の足跡 本書は、古代日本列島、特に九州北部と近畿地方に残る地名や遺跡を詳細に分析することで、朝鮮半島南部との深いつながりを考察します。漢字伝来以前の日本に文字が存在しなかったことを明示しつつ、金印や刻書土器といった初期の漢字資料を紹介し、古代における朝鮮半島からの文化伝播の可能性を示唆します。 九州北部の地名に残る古代朝鮮語の痕跡 唐津の「韓津」をはじめ、脊振山地の「セフリ」、糸島地方の「フル」や「バル」、そして「伊都」が「鉄の国」を意味する可能性など、九州北部の地名に色濃く残る朝鮮語との関連性を具体的に示します。これらの地名は、古代における朝鮮半島からの人々の移動や定着、そして文化交流を物語る重要な証拠となります。 古代交流の実態と遺跡からの証拠 古代の日本列島への移動は、単なる一時的な往来ではなく、長期滞在を伴うものであった可能性が指摘されます。福岡県の飯盛遺跡や和歌山県の鳴滝遺跡、大阪府の高井田山古墳など、各地の遺跡から出土した朝鮮半島由来の遺物は、古代の交流が活発であったこと、そして渡来人が日本に大きな影響を与えたことを示唆します。 神話と言語学から探る古代の関係性 『古事記』や『日本書紀』に登場する神話の記述を、地名や言語学的な視点から再解釈する試みがなされます。天孫降臨神話の地や「日向」の意味、伊邪那岐命の禊伝承地などを分析することで、古代の人々の世界観や朝鮮半島との認識を探ります。 氏族の出自と渡来人の影響:紀氏、蘇我氏、秦氏 紀伊の紀氏、大和王権で勢力を振るった蘇我氏、そして秦氏といった有力氏族の出自について、朝鮮半島や中国大陸からの渡来人との関連性が議論されます。これらの氏族の活動は、古代日本の政治や文化に大きな影響を与えたと考えられています。 加耶と任那、そして百済武寧王の伝承 朝鮮半島南部に存在した加耶諸国や任那の解釈、『日本書紀』に記された百済武寧王が日本で生まれたという伝承を紹介し、古代における日本と朝鮮半島の深い関わりを改めて示します。これらの記述は、当時の政治情勢や両国の関係性を考察する上で重要な手がかりとなります。 鉄生産と古代の技術交流、そして「島」の意味 糸島地方が製鉄に関わる「鉄の国」であった可能性や、須恵器の名称が新羅の言葉と関連する説を紹介し、古代における鉄生産技術の交流を考察します。「島」(シマ)という言葉の語源についても触れ、古代における日本列島と朝鮮半島との間の活発な交流と技術伝播が示唆されます。

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    投稿日: 2025.05.19
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    勉強のために読んだので別にいいが、正直おもしろくはなかった。 専門外なのもあるが、もう少し漢字資料の写真を載せるなどビジュアルに配慮してくれたほうがわかりやすかった。 中国文化の受容と漢字の受容が切り離せないのはわかるけれど、中盤から中国文化の受容についてのほうが厚みがあって、漢字の話から遠ざかっているのも自分には合わなかった。 個人的には漢字の扱いがそのときの文化状況をどう反映しているのか、イデオロギーや政治といかにかかわるのかなどの読解を期待していたのだが、そもそもそういう本ではなかったようだ。

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    投稿日: 2025.01.05