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はじめての戦争と平和
はじめての戦争と平和
鶴岡路人/筑摩書房
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総合評価

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    著者は慶應義塾総合政策学部の准教授。 戦争と平和に関連する各国のパワーバランスが、いかにして成り立っているのかを論じた本。

    7
    投稿日: 2025.10.04
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    啓光図書室の貸出状況が確認できます 図書館OPACへ⇒https://opac.lib.setsunan.ac.jp/iwjs0021op2/BB50380500 他校地の本の取り寄せも可能です

    0
    投稿日: 2025.09.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    戦争について個人、国家、国際師システムの視点からみて、また脅威、国益、軍事力、同盟として守ることを分析している。新書版の戦争の分析の本である。抑止についてははっきりとは書かれていない気がする。防衛省の研究官をつとめていたので分析は現実的ではあるが、学生にとってはあまり面白みはないかもしれない。推薦図書も標準的な本や教科書的なものなので、学生は読みたいと思うだろうか?

    0
    投稿日: 2025.08.11
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    わかりやすく、面白かった。 安全保障をどのような視点で考えたらいいか、日本の立ち位置を世界全体で見てどのように考えたらいいか、などがわかりやすく書かれている。 抑止論の考え方も面白い。核ミサイル保有の是非が言われるけど、ただ持てば、ないし持たなければ、で済む話でもない。何を、何から、いかにして守るのか、が安全保障なんだと。 日本がどのような戦略を持っているかについてもちゃんと知っておかないとなと思う。 最後のコラムも面白いので、最後まで読んでほしい。

    1
    投稿日: 2025.06.04
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    安全保障とは、リスクをゼロにするのではなく、把握してコントールできる状態にすることである。 ちくまプリマー新書がどんなものか知りたくて手に取ったが、非常に濃い内容であった。本書の内容は、様々な場面で活用出来ると思う。

    12
    投稿日: 2025.04.26
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    ともすれば難解な記述になりがちな、国際秩序のための国際政治を理解するための一冊。 入門書としてありがたい。 さっそく付録の読書ガイドに紹介されている3冊を読むことにした。

    0
    投稿日: 2025.04.25
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    メインテーマ: 本書は、特に初めて戦争と平和の問題に触れる読者に向けて、現代世界における戦争の原因、構造、そして平和を構築するための視点を多角的に解説することを目的としています。ウクライナや中東などの紛争を例に挙げつつ、「なぜ戦争は起こるのか」「国はなぜ戦争をするのか」といった根源的な問いから出発し、国際関係の基礎、安全保障の概念、核兵器の問題、そして平和構築への道筋までを幅広く考察しています。 主要なアイデアや事実: 第一部:世界を見る三つの視点 三つのイメージ: 国際関係を理解するための三つの視点として、「第一のイメージ(個人)」「第二のイメージ(国家)」「第三のイメージ(国際システム)」を提示。個人の性質、国家のあり方、国際システムの構造がそれぞれ戦争と平和に影響を与える要因であると説明しています。 第一のイメージでは、人間の本性(平和的か好戦的か)に焦点を当てつつ、兵士自身や指揮官が必ずしも戦いたくないと考えている場合があることを指摘し、個人レベルでは説明できない戦争の要因の存在を示唆しています。 第二のイメージでは、国家を国際関係の主要なアクターと捉え、国家体制、特に政治体制が国際関係に与える影響を強調。民主主義国家間の戦争は起こりにくいという「民主的平和論」を紹介しつつ、民主主義国家も自衛のために戦う場合があること、また、民主主義国家の意思決定の遅れや足元を見られる可能性についても言及しています。 「民主主義国家『同士』は戦争をしないという、より限定された命題が注目されるようになりました。」 第三のイメージでは、国家間の相互作用、国際システムの構造(勢力均衡など)が国家の行動を制約し、戦争と平和に影響を与えると考えます。覇権国の存在やその交代、現状維持と現状変更の対立、「力の空白」などが国際関係の安定・不安定に繋がる要因として挙げられています。 「強大な力を持つ覇権国が秩序を支え、他国は覇権国との関係を維持することによって、自らの安全保障を確保しようという仕組みです。」 国家システムの中心性: 国際関係は国家を中心としたシステムとして理解されるべきであり、国家の行動原理や相互関係を分析することが重要であると主張しています。 「国家を基礎に国際関係を見るとということは、国際関係を規定する主要アクターが国家だということです。」 現実主義への転換: 政権交代が起こっても、安全保障や外交の基本的な方向性は容易には変わらない傾向があり、理想主義的な政策から現実的な路線への転換が起こりやすいと指摘しています。 「より構造的な事柄として、政権をとると現実路線に転じざるをえないことがよく指摘されます。」 勢力均衡の重要性: 国際システムの安定には勢力均衡が不可欠であり、力の分布が平和を維持する上で重要な役割を果たすと論じています。「現状維持」と「現状変更」の概念を紹介し、主要国がどちらを目指すかによって国際関係の安定度が左右されると説明しています。 「秩序の安定が極の数によっては決まらないとすれば、重要になるのは、主要大国が『現状維持(status quo)』を目指すのか、『現状変更』を目指すのかです。」 緩衝地帯の役割: 対立する大国間に意図的に「力の空白」を作り出し、緩衝地帯とすることで、紛争の発生を抑止する考え方を紹介しています。 「対立する大国間の『緩衝地帯(buffer zone)』にされることもあります。大国主義の発想をさらに突き進めた姿です。」 第二部:何から何を守るのか 安全保障の概念: 安全保障とは、脅威や危険に対処し、それらがない状態を目指すだけでなく、脅威が存在する状況下で適切に対処することによって安全を確保することを含むと定義しています。「脅威」は「能力」と「意図」の掛け合わせであると説明しています。 「脅威は、『能力』と『意図』をかけ合わせたものです。どちらかだけでは脅威になりません。」 脅威の種類: 国家からの直接的な侵略の脅威だけでなく、北朝鮮の核・ミサイル開発、国際テロ、ハイブリッド戦争(サイバー攻撃、偽情報流布など)、自然の脅威など、多様な脅威が存在することを指摘しています。 「サイバー攻撃やディスインフォメーション(偽情報の意図的な流布)などが含まれます。偽情報を含む情報を手段とした戦いは『情報戦』とも呼ばれますし、さらに、人間の脳などの認知機能に直接影響を及ぼそうとする『認知戦』も懸念されます。」 守るべきもの(国益): 国家が守るべきものとして、領土、国民、経済、価値(自由、民主主義など)を挙げています。経済安全保障の重要性も強調し、サプライチェーンの脆弱性や経済的威圧への対策の必要性を指摘しています。 「我が国と国民は、自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的価値を重視する諸国と連携しながら、平和で安定し、繁栄した国際社会の実現に貢献する。」(国家安全保障戦略より) いかに守るのか(手段): 軍事力(自衛隊の役割、陸海空・サイバー・宇宙の各領域における能力)、同盟(日米同盟の重要性、集団的自衛権)、核兵器の役割(抑止力)について解説しています。軍隊は戦争するためだけでなく、平時の活動(災害派遣など)も重要であると述べています。文民統制の原則や民主的統制の重要性も強調しています。 「軍隊は戦争するために存在するのか?/自衛権とは?/軍隊とは?/自衛隊は罪悪か」 誰と守るのか(同盟): 自助努力が基本でありつつ、同盟国との連携が重要であることを強調。日米同盟の特殊性や、他国を助けることのコストとリスク、同盟管理の難しさ(「見捨てられ」と「巻き込まれ」のリスク、負担共有)について論じています。 「基本は助けてくれない/権利を義務に/他国を助けるということ/拡大抑止の難しさ/『見捨てられ』と『巻き込まれ』/同盟管理と『負担共有(burden-sharing)』」 核兵器: 戦略核と戦術核の分類、核兵器保有国の現状、核不拡散条約(NPT)の意義と課題、核兵器の破壊力と犠牲者数、核抑止の理論(相互確証破壊、最小限抑止)、核兵器の有用性と危険性について詳しく解説しています。オバマ大統領のプラハ演説と「核兵器のない世界」への道のりの険しさも指摘しています。 「核兵器による危険と平和/さまざまな核兵器/世界は核兵器だらけ?/核兵器はなぜ特別?/核兵器は強者の兵器か/オバマ大統領のプラハ演説/『核兵器なき世界』への長い道のり/『核兵器なき世界』は通常兵器の世界…?」 第三部:より平和な世界をつくる 国家間の協力: 外交と軍事の連携、協力の難しさ(「囚人のジレンマ」)、国際機関の役割と限界(国連安全保障理事会の問題点など)、地域統合(EUによる平和)の可能性について考察しています。 「外交と軍事は繋がっている/協力が困難な『囚人のジレンマ』/『囚人のジレンマ』を乗り越える/国際機関は無力なのか/欧州統合による平和/戦争を『不可能にする』/国際法の目的と効果」 戦争の抑止: 抑止の概念(懲罰的抑止、拒否的抑止)、能力・意思・伝達の重要性、核抑止の課題(信頼性、均衡性、合理性の落とし穴)、サイバー抑止の可能性、経済制裁の抑止力としての限界について議論しています。 「抑止による戦争の阻止/懲罰的抑止とは?/拒否的抑止とは?/能力と意思、そして伝達/核兵器使用の抑止/大規模すぎる脅しは逆効果/合理性の落とし穴/さまざまな抑止のバランス/サイバー抑止へ?/抑止としての経済制裁?」 日本の平和と世界の平和: 日本の安全保障の現状と課題、世界への関与のあり方、価値とパワーのバランス、日本が果たすべき役割について考察しています。 「日本『だけ』を守れるのか/どのように世界に関与するか/安全保障面での役割も必要なの?/価値とパワー/日本の舵取り」 結論: 本書は、戦争と平和の問題を理解するための基本的な概念、歴史的背景、そして現代的な課題を網羅的に解説しています。読者に対して、多角的な視点からこの問題について考え、より平和な世界を築くために何ができるのかを考察するきっかけを提供することを目指しています。 特筆すべき引用: 「人類に戦争はつきものだ、という声をよく聞きます。」(まえがき) - 戦争の不可避論に対する問題提起。 「重要な点は、どのレベルに視点をおいて読み解くかによって、見えてくる世界が異なることです。同時に、視点をおくレベル次第で、どうすれば平和になるのか…」(第一章冒頭) - 分析視点の重要性を示唆。 「脅威は、『能力』と『意図』をかけ合わせたものです。どちらかだけでは脅威になりません。」(第二部 安全保障とは?冒頭) - 脅威の本質を簡潔に定義。 「抑止とは、攻撃によって得る利益よりも、被る損害の方が大きいと潜在的な敵に思わせることで、相手の攻撃意図をなくさせる考え方です。」(戦争はどうすれば抑止できるのか冒頭) - 抑止の基本的な考え方を説明。 「根源的には、我々がどのような社会で生きたいのかという問題です。」(日本の平和と世界の平和) - 安全保障の議論の根底にある価値観の重要性を指摘。 今後の検討課題: 本書で提示された三つのイメージの相互関係や、それぞれの視点から得られる分析結果の統合について、さらに深く考察する必要があるかもしれません。 具体的な事例研究を通じて、本書で解説された理論や概念の適用可能性や限界を検証することが有益でしょう。 読者層を考慮し、より平易な言葉遣いや具体的な例を増やすことで、理解を深めることができるかもしれません。

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    投稿日: 2025.04.16
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    防衛白書の最新版を高校生向けに書くとこんな感じになるのかな、という内容。著者と政府・防衛省のスタンスは完全に重なっているような感じ。それはそれで参考になるし、第8章から第10章にかけての、「抑止」に関する様々な議論は面白かった。ただ、ロシアや中国の問題を指摘する一方でアメリカの問題についての指摘は薄く、在日米軍や日米地位協定を巡る問題についても言及されない。それはまた別問題でこの本で伝えたいことではない、と言われればそれまでだが、高校生向けの入門書であるからには、そこにも触れた方がよかったのではないかと思う。

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    投稿日: 2025.01.08
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    メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1858454684450857012?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

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    投稿日: 2024.11.20
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    このところの ロシアのウクライナ侵攻、 イスラエルのガザ攻撃から、 どうしても 平和とは? 平和を維持するには? と思わざるをえない。 戦争にならないように するには? 先の戦争の反省から 新憲法によって平和主義、 国際協調を国是とする、 我が国がウクライナのように ならない為には、 どうしたらいいのか? 「平和」「戦争反対」「反軍」と 声高に叫んでも、方法にならない。 冷静に、この世界を 見つめて行動する必要がある。 そんなことを しっかり理解できる本です。 プリマー新書なので 平易で分かりやすく、 学生だけでなく、社会人も おすすめです。

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    投稿日: 2024.11.17