Reader Store
世界経済史講義
世界経済史講義
水野和夫、島田裕巳/筑摩書房
作品詳細ページへ戻る

総合評価

4件)
4.0
0
3
0
0
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    メガロポリス(巨大都市)と民主主義は相性が悪い 近代化の成功の象徴である大都市のあり方そのものが、曲がり角に差しかかっている 世界経済史は「経済学の中で一番下」(水野氏) 過去の人間の経済活動は、実験データの宝庫 世界を動かす原動力は資本の流れ(シンボル・エコノミー) リアル・エコノミーは従属変数となった 今後は「地域帝国」が中心になるだろう 9.11事件は、1527年の「ローマ劫掠」に匹敵する出来事 近代人は宗教を追放し「資本教」あるいは「貨幣教」に入信した 資本に代わる新しい中心を模索する時代に入った 貨幣は最初からシンボル的なものだった 農業が社会経済を安定させると、帝国に結びつく 1000年前の国境線を認めることは「パンドラの箱」を開けること イスラムには「法人」という考え方がない 「王の増税は戦争・祖国防衛のためであれば教会の許可は不要」 グローバルサウスへのツケが先進国の中央銀行に回ってきている(本来ビリオネアが負うべきツケ) オリーヴィ理論の核心は、貨幣が「石」から「種子」に変わったこと 市場で形成された価格が公正だと考える(効用価値説) システムが変わる際は、中心が機能不全になり弊害が現れる 法人を作ることは人間の希望や願いを託すアイデア オランダの新しい型の船が陸と海の歴史の転換点 チューリップ球根1個が家一軒分の価格になる(チューリップ・マニア) ロンドンで23%もの人々が死刑判決を受けていたという衝撃的な試算 ブルクハルトの「芸術家が国家を作る」 地球が特別ではないという考えは、中世の支配構造を根底から覆した(コペルニクス) アメリカは株式市場を通じて世界中の富を吸い上げる仕組みを考えた 東京生まれ育ちの官僚は地方の実態にリアリティがない 戦争で経済は落ち込み、その後復興し、むしろ戦争前より成長する 人間の欲望に資本主義発生のメカニズムを見出した(ゾルバルト) バブルは心理的な変化がなければ発生しない 反対意見は注目されない、たとえ正しくても採用されない会社の限界 意図しない行為が歴史の大きな流れを作る一例(チューリップ泥棒) 資本主義は常に「外部」を必要とする バブルは常に超低金利の時に発生している (フランスは)政治は手放したが資本は手放していない リアリティ、ディテール、深さがマルクスの大きな強み 資本主義的経済組織は、変革しがたい鉄の檻(ウェーバー) 相手国が「ノー」と言えない状態にするのが帝国の特徴 化石燃料を支配した国がリーダーとなる 「幸せは自分で見つけてください」(島田氏)

    0
    投稿日: 2025.04.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ☆☆☆ 2025年4月 ☆☆☆ 『資本主義の終焉と歴史の危機』などで知られる水野和夫氏と宗教学者である島田裕巳氏の対談。ゼロ金利というのは、これ以上の成長は見込めない成熟状態に入っていることの現れであり、辺境から富を収奪することで繫栄する資本主義は終焉の時を迎えつつある・・・これが水野氏の意見であるというのが僕の中での予備知識。 この本『世界経済史講義』では、資本主義の歴史が対談と言う形でわかりやすく読者に提示される。理解が難しいところは何となくで飛ばしながら読んでも良いと思う。以下に、僕が興味深いと感じた点をまとめる。 <以下、興味深い点(引用ではなく、僕の言葉でまとめたもの> ・人々は、来世の幸福を保証する神=宗教を追放し、貨幣教≒資本教に入信した。利子とは、今日より明日、明日より明後日が進歩し、良くなるということの現れであり、人々は来世の幸せよりも、現世での幸せを求めてこの宗教を信仰するようになった。 ・資本主義とは、常に中心と周辺(辺境)があり、辺境から中心へ富を蒐集する仕組みである。かつては、ローマ帝国の辺境地であり、近代国家における植民地であり、南北問題に代表されるような途上国であった。現在、日本などの先進国では自国の労働者が周辺(辺境)であり、収奪の対象となっている。 ・キリスト教にとって最大の敵はルターではなく、コペルニクスであった。ルターはあくまでキリスト教内部での意見の相違だが、コペルニクスの宇宙論はキリスト教世界を根底から覆すものであった。それは地球と言いう星を、土星や冥王星と同じ惑星の一つと位置付け、神が創造したはずの世界を相対化し、破壊する思想であったからだ。 ・資本主義が成立するためには、まずは資本の蓄積が必要であるが、最初の資本はどうやって蓄積されたのか?その答えは強奪=暴力によって蓄積された。イギリスにおける海賊ドレークの例がわかりやすい。資本主義は暴力によって始まった、ということだ。

    3
    投稿日: 2025.04.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ページ数はあるが対談形式のため重たくはない。経済と社会が密接不可分であることからも、一般的な歴史(世界史)を辿りながら経済の興隆と思想の変遷を再確認するかたちになるが、対談相手としての島田氏の立ち位置もあって、パラパラと歴史を振り返る興趣がある。

    0
    投稿日: 2024.12.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ヴェーバーとゾンバルトの論争が興味深かった。個人的には資本主義の出発点を倹約に見るヴェーバーの議論はどこか綺麗事過ぎて違和感があったので、「海賊ドレークの盗んだ金塊が最初の資本」という本書の参照点には共感できる。 フロンティアが限られることからいずれ将来に資本主義が終焉することを語っていた水野和夫が、本書では「人類の続く限り資本主義は終わらない」と立場を変えたようだ。そこに何があったのか。はたして実際に利子率が0に収斂し資本家の安楽死は訪れるのか、日銀が利上げに踏み込みつつある中、興味深く見守りたい。

    1
    投稿日: 2024.12.08