
総合評価
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powered by ブクログ主人公ミアの現実世界の話とそのミアが読んでいる本に書かれてる話の行ったり来たりだったけど個人的にはどっちにも入り込めた。 こういう世界で生きている子供たちがいるということを知るだけでも意味があると思う。自分に何が出来るというわけではなくとも読んでよかったと思える。 「私は私だ。私の価値を決めるのは私。」
7投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログ読むのが辛い…でもミアがこれからどうなるのか知りたいから読み進める。 ミアがカネコフミコの自伝を早く読みたいと思うのと同じく、カネコフミコとミアのことが知りたくて最後まで読んだ。自分の周りにはミアのような環境にいる子は(たぶん)いないけど、こういう世界もあるんだということは忘れずにいたい。読んで良かった。
0投稿日: 2025.11.04
powered by ブクログイギリスの貧困家庭の女の子のお話 以下、公式のあらすじ ---------------------- 私たちの世界は、ここから始まる。 寒い冬の朝、14歳のミアは、短くなった制服のスカートを穿き、図書館の前に立っていた。そこで出合ったのは、カネコフミコの自伝。フミコは「別の世界」を見ることができる稀有な人だったという。本を夢中で読み進めるうち、ミアは同級生の誰よりもフミコが近くに感じられた。一方、学校では自分の重い現実を誰にも話してはいけないと思っていた。けれど、同級生のウィルにラップのリリックを書いてほしいと頼まれたことで、彼女の「世界」は少しずつ変わり始める――。 ---------------------- ブレイディみかこさんは「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んで、中々に注目していた ぼくイエにも貧困の子は描かれていたし、この作品は第三者視点ではなく当事者の視点での現状をフィクションとして描いた、より「リアル」な作品 親ガチャという言葉 認めたくないけど、そんな要素はこの世界ににはある 親どころか、まずは国ガチャもあるし そんな家庭に生まれ育ったミア ろくでもない親はともかく、弟と離れたくないという想いがある 母と幼い弟のヤングケアラー 強くあらねばならない切実さと過酷な現実 よくこんな環境でも強く生きていけるものだと感心する ミアたちを幼い頃から気にかけてくれたのが友人イーヴィの母ゾーイ 以前、ゾーイの子供にして欲しいと頼んだが、断られた事があるため、大人に期待しないようになったという過去 ただ、ゾーイは今もミアの家庭を気にかけていて 本人が望むと望まざるにかかわらずソーシャルワーカーの手を借りることを、通報によって強制してしまう そんなミアが、日本の政治犯 金子文子の半生を描いた本と出会う ミアとフミコ 国も生きてる時代も違うけれど、親に育児放棄された過酷な生活の二人の少女の感情が共振する この本がミアにとって救いであったのは良いことではあるけれども、悲しいことでもある この物語は、子供にも読んで欲しい気持ちと読んでほしくない気持ちもある 「性的な行為」「幼児虐待」「母親の薬物の使用」もあったりするところは子供には触れて欲しくないところではあるけれども それでもこんな境遇の子がいる可能性は知っておいて欲しい気持ちもある なので、似た境遇の子にも読んで欲しいのと 恵まれた子にも読んで欲しい ミア視点で描かれているので、母親がろくでもない人間に思えるけど 母親にも母親の苦しみがあるのだろうな、きっと こんな物語は何と言うのだろう? プロレタリア文学?と言うには労働者ではないし 貧困を描いた小説は何て言うんだろうね? 「リアル」という言葉は、階級社会のイギリスでは「恵まれない・タフな境遇にいること」を示す、ある意味で差別的な言葉であることも描かれている そんな言葉を使ってしまうウィルには、ミアの置かれた環境が見えているようで、見えていないのかもしれない もしくは、見えていても奥深くまでは想像できていない これはイギリスだけの話ではなく、日本でも同じ境遇の子がいるはずで 映画「あんのこと」は実話を元に作られているように 私が普通に生活していると見えないけど、確かに存在するのうだろうな 過酷な生活をしている少女の物語である「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」にしても 拳銃や弾丸は生きるための力の象徴の言葉になっている この話を読み終わった後に、金子文子が実際にどんな人だったのかWEBで調べたけど テロリストとしての印象を受ける まぁ、巻き込まれただけという解釈もできるけど、思想としてはそんな側面があったように感じた ある意味で、過酷な少女時代を過ごした女性が、当時を生き抜くための力が必要だったのかもとも思った
4投稿日: 2025.10.02
powered by ブクログ読み始めて10日以上掛かってしまった。 イギリスの貧困層の厳しい現実と、日本の戦前の似たような境遇の小説が並行して交互に出てくるので読みづらかった。 薬物中毒の母親と、一人では行動できない弟を抱えた少女のミア。生活保護を受け、次々と男を変えて行く母親。悲惨な少女が救われるのは、同じような境遇の日本人の小説を読むときだけ。 彼女の魂の叫びを聞いた少年が勧めるのはラップ。「両手にトカレフ」もその叫びから生まれたもの。 母親と弟を抱えたヤングケアラー。誰にも相談できずに抱え込む姿が悲惨すぎて、どんどん読む気持ちが重くなっていった。最後まで読んで、やっと陽が当たって来たというところだろうか?
65投稿日: 2025.09.22
powered by ブクログ自分はこんな残酷な人生を歩んできていないが、世界は広いんだということを改めて実感することができた。もっと自由に生きてもいいのかなと思った。
0投稿日: 2025.09.21
powered by ブクログ少女に突きつけられた重く厳しい環境は読んでいて胸が苦しくなった。何度も足掻き苦しみ前進したらまた足元を崩される感覚。とてもこの年齢の子供が背負っていいものではないと2人の少女を通して辛い現実を見せられた。単なるシスターフッド的な展開にならず性別や階級などの属性をこえた連帯、繋がりに一筋の希望が見えてとても良い作品でした。
0投稿日: 2025.09.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
タイトルが好きです。 とても重たいテーマでしたが、ミアの持つ芯の強さや、周囲の人々の等身大の善意に救われて、暗い気持ちになりすぎず読み進められました。 金子文子さんのことはこの本で初めて知りました。巻末の対談を読むまで、恥ずかしながら架空の人物だと思い込んでいました。それくらい、金子さんの文章の引用と、ミアの物語がよく馴染んで調和しているのかなとも。 主な登場人物達の名前はきちんと明示されているのに、ミアの母親だけが最後まで「母親」表記だったのが、印象的でした。
0投稿日: 2025.09.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一気に読んだ。 ミアの話は、内面×外的環境どっちも変わらないと、その人に良い変化は訪れないよなと思った。 カネコフミコの話は、内面の変化にフォーカスされていたから、 カネコフミコがミアの内面に変化をもたらし、 レイチェルやゾーイ、ウィルが外的環境に影響をもたらしたということなのかな、と思った。 ここで終わっちゃうんだ感があった。でもそのお陰で、何回も話を振り返って考える機会をもらった。
0投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログ読み終わった後にも余韻が残る。 ふと背表紙のあらすじを読んで、 あ、そうか。 自伝、ってことは、終わらなかったんだ。 変えられるんだ、と思った。 さらに参考文献を見て、 なんだ、めっちゃ変わってる、と思った。
0投稿日: 2025.08.27
powered by ブクログ物語なのかリアル(本で言及してるので読んでほしい)なのか。 限りなくリアルだと言うこと 私が恵まれていると言うこと
4投稿日: 2025.08.18
powered by ブクログ金子文子という女性の存在を、この本を読んで初めて知った。また、「ぼくはイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー」よりもさらに踏み込んだ形で、イギリスの貧困家庭の子どもの姿が描かれており、その境遇や思いに触れることができた。フミコやミアが十分な養育を受けられない、あるいは信頼できるはずの大人から大切なものを奪われる場面は読んでいて本当に辛かった。 子どもが子どものままに生きられる社会をつくることが、私たち大人の責務だと強く感じた。
1投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログ薬物依存の母親のもとで8歳の弟を守りながら生きる14歳のミアが、ラップのリリックを通じて別の世界を作り出し始めるまでを描いた作品。 本来守られる存在である子供が、安全の確保や空腹をしのぐ方法すら自分で考えなくてはいけない。 そんな状況に、強い憤りを感じる。 この作品は、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」でエッセイとして書けなかった存在を小説で書いたと何かで読んだ。 ミアのような環境にいる子供がリアルにいることにやるせなさを感じるが、日本でもたくさんいるのだろうと思う。 自分で環境を選べない子供にとって、生まれ育つ環境の違いは、そのまま生きる世界の違いになり、当然見える世界も違う。 日本でもそんな世界の分断が一層進んでいると感じた。
1投稿日: 2025.07.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
金子文子が死の淵で世界の僥倖に気づきを得て(劣悪な環境は何一つ変わらぬまま)生きる希望を持つことと、 ミアが寒さで凍てつく道端で保護されゾーイが家族になってチャーリーと引き離されずに済んだこととでは 救われ方の種類が違うな、と思った 弟(愛すべき、無条件に自分よりも弱い存在)を守るために生きて来たミアが、 リリックを手にしてラップを作り上げる仲間を得たことは、本の中で最も幸福な出来事だったのかなと思う ミアがミア自身を生きるパートがもう少し見たかったなと思った
0投稿日: 2025.07.06
powered by ブクログ2025.5.28 読了 「伝える」ことと「聞くこと」、簡単なようで、とても難しいけど、決して蔑ろにしてはいけないと感じた。 エンパシー、覚えておきたい。
0投稿日: 2025.05.28
powered by ブクログ帯にあったよう、ブレイディさんにしか書けない、と思いました。移民や貧困、ネグレクトやヤングケアラーなど様々なテーマが軽すぎず重すぎず描かれていて、遠い日本の時代も違うカネコフミコとのオーバーラップ( overlap)と音楽のラップ(rap)を軸にティーンエイジャーの弱さ、強さ、青春が輝いて切ない中にも希望がある小説でした。
0投稿日: 2025.05.26
powered by ブクログふたつの物語が同時並行で進んでいくがわかりやすかったし、メインのミアの心にフミコが深く響いていることがとても強く感じられた。 ただ読んでいる最中は引き込まれる分、登場人物たちの深刻な状況に胸が張り裂けそうになり、なんとも言えないやるせない気持ちになったので余裕がある時に読むことをおすすめする。 自分がどれだけ恵まれているかを再認識するとともに、嫌なことがあってもどうにかできるなんとかなると思える勇気をもらえた。 (個人的に弟がいることがミアと共通点だったため、自分が同じ状況でもチャーリーを守らなきゃと必死になるなと感情移入してしまった)
1投稿日: 2025.05.11
powered by ブクログ大正時代、夫のアナキスト朴烈と共に大逆罪で投獄され獄死した金子文子の幼少期の境遇に重ねて、英国に住む14歳のミアの悲惨な生活を描いた物語。父は家を捨て、母は子供を置き去りにして再婚し、文子は弟と引き離され朝鮮に住む父方の祖母の家に預けられる。朝鮮での新しい生活に夢を抱いた文子に、祖母による更に過酷な心身への虐待の日々が待ち受ける。文子は自らの境遇に絶望し死を覚悟するが、未来に希望を託し生きることを選択する。(その結果、人生の最期を牢獄で迎えることとなるのだが) 一方ミアは生活保護の給付金をドラッグに使う依存症の母親のネグレクトにより機能不全となった家庭で、母代わりとして8歳の弟チャーリーを守りながら極貧の生活を送るが、母親の入院を機に弟とよすがのない家出を決意する。 幸せを毫も感じることもなく、心が蝕まれるばかりの悲惨な境遇の中で、文子の孤立無援に対し、ミアの周りには友達のイーヴィ、その母親で1ポンドで食事が出来るカウリーズカフェでボランティアをするゾーイ、ラップのリリックをミアに頼むウィルなどそこに行けばひと時心が憩える場所が用意されているのが救われる。とはいえ愛着障害などの癒えることのない深い心的外傷を抱えて生きて行くミアとチャーリーの将来に不安を感じながら読了。
18投稿日: 2025.05.09
powered by ブクログイギリス・ブライトンの地でイギリスの格差社会を日々綴っているブレイディみかこさんの書く小説 団地暮しで薬物依存の母と弟暮らすミアがふとある時に金子文子の自伝と出会い過去と現在から何かを感じ取る描写やクラスメイトのウィルとラップの曲を制作するという描写で何かを表現して心を形取る事でほんの少しだけでも何かが変わって欲しい気がした。 昔は良かった?現在も変わらない部分がある。そんな気持ちに自分もなっていたので読んでよかった。また関係ないけど、ブライトンで三笘薫がヒーローのようにあの土地のサッカークラブの顔になっている事が個人的には嬉しい。 そしてあれだけ聞いたRadiohead ミアに届くことはないだろう。 個人的には西洋文学に位置付けたいと思った。
4投稿日: 2025.05.08
powered by ブクログ【2025年55冊目】 14歳の少女・ミア。シングルマザーの家庭で弟のチャーリーと共に暮らしている。母親は薬物中毒者で、昼も夜も寝ているだけ。明日どころか目の前の食事にも困る日々。ある日ミアは一冊の本に出会う。カネコフミコの自伝を読み進めながら、ミアの人生も少しずつ前に進んで行くが――。 読了後の余韻がすごいと言うか、簡単に感想を言葉にできないなと思った一冊。こちらも一万円選書で選んで頂いたもの。「ぼくはイエローで〜」をカルテの中の読んだ本リストに入れていた気がするので、選んでくださったのかもしれない。選んでいただけて良かった。 金子文子の自伝と並行して描かれるミアの日常。ミアも金子も幼少期から恵まれているとは決して言えない環境の中で、逞しく生きていて、過剰過ぎない感情が本当にリアルに描かれていて、興ざめさせてくることがないのでそれが余計に苦しいというか。 ミアの周りにいる人達がそれぞれの価値観で生きていて、女の人だけでなくウィルという男の子の視点を入れたことでより、ミアが「女」という個だけでなく一人の人間として葛藤しながら生き抜いているのがよりよくわかるというか。 最後の章で絶望していたミアがフミコのように、青空を掴みに行こうとするセリフと心情描写がもう、すっごいかっこよくて、刺さりまくって泣けてきたというか。 全然上手く言葉にできないんですが、ティーンエイジャーじゃない、もうかなりいい年齢のおばさんになっている私にもぐさぐさ刺さる物語でした。また「ぼくはイエローで〜」も読み直してみようかなあ。今作も決して息が楽な小説ではないんですけど、学校の課題図書とかにして若い子達に読んでみて欲しい。 それはそうと、フミコの祖母がクソすぎてビックリしました。人間の皮を被った鬼婆じゃん…。
1投稿日: 2025.05.06
powered by ブクログブレイディみかこさんのいつもの文章と比べるとティーン向け。舞台はイギリスだけど日本でもこういう子がすでにたくさんいるのかな。貧困の問題はまさに今の問題なのかも。今すぐになにができるというわけではないが、まずはこういう状況の人たちがいるということを知っておく必要はあると思う。読めてよかった。
2投稿日: 2025.03.10
powered by ブクログブレイディみかこ、らしく英国の貧困に焦点を当てた小説。 貧困家庭の少女が、金子文子という実在した日本人女性の自伝に書かれている少女と、自分を照らし合わせながら日々を懸命に生きていく話。 主人公の少女がクールで非常にカッコ良い。 本作はフィクションだが、主人公の少女を取り巻く環境はおそらく事実に基づいていることが多いと思われる。 ブレイディさんの貧困をテーマにした本はいつも非常に解像度が高い。 中流階級で生きる人からの、善意や褒める言葉が結果的に貧困階級の人を傷つけてしまうといったような、生きる階級が違うことによる隔たりが巧みに描かれている。 とても面白い小説でお勧め。個人的には黄白青より面白い
1投稿日: 2025.02.18
powered by ブクログ一気に読んでしまった。 日本でも今では「ヤングケアラー」と言う言葉がよく聞かれるようになってきた。 自身がまだ子供であるミアが、弟を食べさせるために自分が食べるのを我慢したり、世話をしたり。 でも、チャーリーがいたからこそ、死んではいけない生きなければ、と思ったり。 すごく苦しかった。 ゾーイやレイチェルなど、信じていい頼っていい大人が近くにいるということ、まだミアの世界は変わっていけること、私も信じたい。
1投稿日: 2025.02.01
powered by ブクログ母はアル中のシングルマザー、8歳の弟・チャーリーを抱えて生きるヤングケアラーの14歳のミア。 カネコフミコの自伝を偶然借りたミア。 自分と同じように、恵まれない幼少期を過ごしたカネコフミコ。 フミコに共感すりミア。 ミアの苦境は続く… ミアの一番の恐れは、母が育児をできないと判断され、ミアとチャーリーがバラバラになること… イギリスの貧困層のリアル。 胸が痛い… ソーシャルワーカーの介入は本当に良いのか…と考えさせられてしまう… 最後には希望が見えたが… ミアとチャーリーのようにゾーイたちのようにいい大人に出会うケースは少ないだろう… それを思うと胸が痛い…
19投稿日: 2025.01.22
powered by ブクログ一気読みしてしまった。 これでもかとキツくなる状況に胸が苦しくなる。 福祉と大人と繋がれる機会があっても、福祉や大人に裏切られる傷つけられてきた過去がそれを選ぶことを出来なくさせる。 大人として、エンパシーをもってこの小説を受け取りたい。 そして今同じように苦しんでいる子どもにとって、この小説は救いになるかもしれない。ミアにとってのフミコのように。
12投稿日: 2025.01.19
powered by ブクログ弟を守るために、心を病んだ母親から、そして貧困から逃げずに頑張る中学生ミア。今日の食事にも困る中でも、弟のために頑張る姿が健気ですが傷ましい。 そして青い表紙の本のフミコの自伝とミアの日常が重ねられながら進んでいく物語がハラハラしっぱなしでした。でもいつの場面でも心折れることなく弟のためにまっすぐに全力に頑張るミアは、痛々しくも応援せずにはいられません。何より自分で考え、自分をしっかり持っているミアが羨ましい。 舞台がイギリスとはいえ、これは日本でも現在進行形だと思う。声を上げられない子供たちは今もどこかで闘ってる。 「見ないふりをせずに、言い訳をせずに、何かをしなくてはいけないのは大人たちのほうだから」大人としては心に刺さりました。
10投稿日: 2025.01.13
powered by ブクログブレイディみかこさんの2冊目になりますが、 新年早々に気が緩んでいる時に読む本ではなかった。 終始重苦し過ぎた。 「ぼくは…、ちょっとブルー」は未読なので、ここにどんな子たちが登場していたのか知らない。 本書は小説でフィクション仕立てだが、「ぼくは…、ちょっとブルー」で書けなかった子たちを取り上げたそうだ。 身勝手な親の元に生まれて、日々の食事にも困り、貧困に喘ぎながら生きている子供が主役なので痛々しい。 多くの人が見て見ぬ振りをしているが、現実社会でもかなり近い状況があるのだと、ブレイディみかこさんが訴えかける。 ミア(のような子たち)が、自分の生きている世界を変えられることを願う…
55投稿日: 2025.01.08
powered by ブクログぬるま湯的な生活にいて気楽に手に取って読むと、横っ面を殴られるような衝撃を受ける本。 裕福な人もミドルクラスも、男性だって、理不尽に耐えたり悩み苦しんだり、それぞれの立場で精一杯生きているのだろうとは思う。けれど、女性、それよりも子供が弱い立場にいること、自助の手段も力も持ちにくいことを改めて思い知る。 諦めてしまうことと、別の世界に一歩踏み出せるきっかけを掴むことは本当に紙一重。格差や貧困の問題が取り沙汰される昨今、単なる同情や見て見ぬ振りや気まぐれな慈善行為では解決できないことをどうするのか。なかなかにヘヴィーな内容で読んでいて辛くなるようなところもあるが、多くの人にぜひ読んでほしい一冊。
2投稿日: 2025.01.01
powered by ブクログ限られた狭い世界で、必死にその日その日を生きている子供たちが確実にこの世界にはいるんだ。 助けを求める術、学ぶことで今いる世界から飛び出せることを知ることも出来ない、そんなのって悲しい。 フミコとミアの異なる時代、異なる国での出来事がリンクし会ったこともないフミコに引き込まれていくミア。 ミアのリリックが彼女の羽になり羽ばたけますように。
6投稿日: 2024.12.31
powered by ブクログヨシタケシンスケさんの推薦帯で即購入。 全世界の子どもに、子どもだった大人たちに、理不尽で受け入れ難い現実というスクリーンにむかって両手でトカレフを撃つ勇気を与えてくれる一冊だった。 ミアのリリックを昇華させてくれるのがイーヴィでもレイラでもなく、ウィルなのが好きだったので、巻末対談で触れられてて嬉しかった。
1投稿日: 2024.12.16
powered by ブクログブレイディみかこさんが「僕はイエローでホワイトでちょっとブルー」(ノンフィクション)では描けなかった、親に恵まれず貧困に苦しむ少年少女の世界をリアルに描いたフィクション。 ブレイディみかこさんのすぐ側で実際に起きている出来事であり、彼女自身の人生とも重なる部分も多分あり、本当に彼女にしか描けない世界観だと思った。 似たような境遇を持ち、子どもという牢獄に閉じ込められている少年少女とその周りの人々への、強烈なメッセージを含んでいる。 自分とは違う世界で、「リアル」を生きている他者のことなんて最初から分かるはずがない。だけど、分からない言葉の意味を、少しでも分かるために努力したい。自分が分からない世界で生きている他者を、尊重し、リスペクトする気持ちを大事にしたい。 自分が今いる苦しい現実の世界とはかけ離れた、頭の中で空想するここではない世界とは、自分がいる世界が変わったその先に辿り着く世界なのかもしれないということ。世界は自分で変えられる可能性があることを、檻の中の少年少女たちに伝えたいのだと思った。 ブレイディみかこさんの伝えてくれるメッセージは、芯が強く、一貫している。そして私はそれに強く共感する。
3投稿日: 2024.12.06
powered by ブクログミアが、リリックで自分の思いを紡ぐことで、少しずつ社会を人を信用できるように、未来に期待できるようになっていくと良いなと思った。 子どもの純粋な気持ちや期待を裏切り追い詰めてしまうのはいつも大人だなと思う。この本にもどうしようもない大人たちや、大人の都合や欲望で動く人間が描かれていて反吐が出そうになる。 私は大人として、大人の都合を振りかざしていないか考え直す必要があるなと思った。
1投稿日: 2024.12.04
powered by ブクログ子どもが自分で決めることの大切さ、大人が責任をもって決める(守る)べきことが描かれている。全て大人が決める(強制する)べきではないが、子ども任せにせず、大人が決め切らないといけないことが世の中にはある。子どもの未来を思い責任を持って決め切る人こそが大人と呼ばれるのかもしれない。 ソーシャルワーカーが登場する小説は日本ではそう多くない。責任をとることが難しい大人になりかわりサポートする役割をもつこの仕事をもっといろんな人が知ってくれたら嬉しく思う。 日本では社会福祉士が主にソーシャルワーカーの責務を負う。
8投稿日: 2024.12.01
powered by ブクログPR誌「*asta」の連載をたのしみ(しかし雑誌が休刊してしまい)、単行本にまとまったの(2022年)を買って積んでるうちに文庫になってしまった⋯今度こそ、持ち歩いて読む!(ブレイディさんのメッセージのはいったすてきな栞がついていたのがうれしい!) 巻末には、バービー✕ブレイディみかこの対談「私は私なんだ」という想いを持つ(初出「ダ・ヴィンチWeb」2022年8月16日)
2投稿日: 2024.11.08
