
総合評価
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powered by ブクログ内容紹介文が全然内容を紹介していない件について。 少年チャンピオンお得意のヤンキー漫画、髙橋ヒロシまんが大賞・大賞受賞作。 タイトルの『ガブ』は表紙にも描かれているメインヤンキー〈我布里公一(がぶりこういち)〉のアダ名だと思われるが、1巻では誰もまだ「ガブ」とは呼ばない。 舞台の群狼町は「昔からこの群狼町は不良達で溢れかえってた」(p12)土地であり、描かれるのどかな町の規模の割にやたらと高校がたくさんある、実は子育て支援に手厚い自治体なので毎年度高い出生率を誇る町なのかな?と思わされる。ただ教育水準は低そう。 そんな群狼町には「その不良達から逃げるように町の端っこに建てられた」(p13)群狼北高校という「他校の財布代わり」(p10)とされる高校がある。他校のヤンキーから毎月毎日のようにカツアゲをされる宿命にある群狼北高校には、なんと「建設当初から受け継がれてる逃げの伝統がある」(p15)のである。だんだんそうなったのではなくて、建てる時から「カツアゲされる用の生徒を押し込めておく為の高校」として開校されるという恐るべき土地。 この群狼北高校に我布里が転校してきて、「群狼北高校の伝統をぶっ潰す! その為には他校の奴らが必要なんだ」(p69)すなわち「この町の強ェ奴ら全員群狼北高校に転校させる」(p70)という壮大で無茶な計画を進めていくのである。 我布里と組んでこの計画に協力するのは〈浅尾勇士〉と〈小森哲〉というふたりの非ヤンキー。とても正気とは思えない我布里の提案にやる気を見せるが今のところ戦闘要員にはなれない普通の人ら。 早速1巻では西童高校の頭の弟ヤンキー〈錦大翔(にしきやまと)〉を群狼北へ転校させることに成功する。我布里のすごいパンチ一発で(p64)。ちなみに、仲間の細眉メガネからは「大翔くん」(p77)と呼ばれている可愛い一面がある。 1巻のラストは大翔の兄にして西童の頭〈錦鷹飛生(にしきたかとき)〉が群狼北を潰す為に動き出すところで〆。3-4の教室が本拠地っぽい。西童高校大丈夫か。 なお本作、1巻時点では大人がひとりも登場しない。正確にいうと学校や町内の背景や群衆のなかにも大人が一人たりとも描かれていない。教員や警察官、通行人すらも描かれていない。 それだけでなく、女性や女子生徒もひとりも登場しない。正確にいうと(以下略)。 徹頭徹尾、不良生徒とカツアゲられる側の群狼北男子生徒しか出てこないディストピアSFのような作品。 果たして今後、大人は出てくるのか。植木陽介先生が描く女子はどんな感じなのか。そして何より、群狼北高校の伝統は打ち破られるのか。 1刷 2025.1.4
9投稿日: 2025.01.04
