今まで楠木正成を主人公にした作品は、いくつか読んだ。楠木正成は、「太平記」のせいで、主人に忠義を尽くす「武士」というイメージがあるけれど、そもそも楠木正成は「武士」ではない。作品の題名の通り「悪党」なのだ。この作品は、そのことを最も良く描いた作品だと思う。