
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
はい、断言します、この『週末! やらかし飯』は、相当に良い食漫画です。 食系の漫画の感想を書く度に、くどいくらいに力説しているんで、またか、と私のレビューを読んでくださっている方に思われそうですけど、言わせてください。私にとって、良い食漫画は読んでいて腹が空いて来る作品だ、と。 逆に聞きたいんですけど、読んでいて、強烈な空腹感に襲われない食漫画の何が面白いんですかね? この『週末! やらかし飯』に登場するっつーより、主役である空子さんの作る料理は、どれも美味しそうで、危険度は高いです。 仕事でストレスが溜まっているOLが、それを思い切り発散するために作る料理が不味そうに見える訳がありませんから、確実に、皆さんの中にいる、「暴食」が咆哮するはずです。 空子さんと近しい境遇、心境で働いている社会人の漫画読みの中には、食べてストレスを吹き飛ばす爽快感に、激しく同意できる人が多いんじゃないでしょうか。 食べてストレス発散するのが唯一無二の正解とまでは言いませんが、私はギャンブルや爆買いよりは良いよな、と思ってます。まぁ、食べすぎて、健康を害してたら本末転倒ではあるんですがね。 どのレシピも、ある程度、料理が出来る人なら再現できそうってのも、個人的に評価が高くなりますね。全て美味しそうでしたけど、最も美味しそうだ、と涎が止まらなくなり、これは年末年始の休みに作ってみよう、と決めているのが、第3話「くそでか角煮」の豚の角煮。 「くそでか」ってのは上品な表現じゃありませんが、確かに、このビッグサイズは、「くそでか」と表現するより他ないですわ。豚の角煮のメインが、柔らかくなった豚肉ってのは言うまでもありませんけど、その豚の旨味がしっかりと染み込んだ大根も魅力的。何より、米はマストでしょう。 また、この『週末!やらかし飯』は空子さんのストレス撃破に全力な食事シーンだけじゃなく、お隣に住む、ちょっとセルフネグレクト気味な青年との交流、ここも私的に刺さりました。基本的に、肝っ玉母ちゃんっぽさ、もしくは、貫禄のある姐御肌な空子さんが、このヒョロガリメガネ君と、(2)で、どんな感じに仲を深めていくのか、恋愛に発展するのか、結構、ワクワクしています。 この台詞を引用に選んだのは、体と心、そのどちらも健康的に生きていくには、これが大事だよな、と思ったので。 自分の頭で、しっかりと問題を考えるのは大切ですけど、それをすべき時と場には適切さが大事です。 少なくとも、腹が減っている時にする考え事は、良くありません。 突破口を見つけるどころか、逆に、自分をカオスな迷い道に追い込んでしまいます。 精神的にキツいな、と自覚が出来ているのなら、そういう時はゴチャゴチャ考えず、背徳的だからこそ美味いモノを食べる、それを優先すべきです。 満腹になったら考える前に寝ちゃうじゃん、と言われそうですが、しっかりと寝た方が、ベストなアイディアが出る可能性が高まりません? 「っつあ―――だめだ、だめだ!!おなかすいてるときに、もの考えるの、いっちばんダメだから!!ゴハン、やらかしますか」(by久留米空子) こちらの台詞を引用に選んだのは、空子さんへの好感度がギュンッと上がったものなので。 まぁ、私よりも、灰谷さんの方が、もっと、キュンと来ているみたいですけど。 社会人だからこそ、自分の上手な甘やかし方を見つけておくのは大切ですよね。 人間、ずっと、全力じゃ頑張り続ける事は出来ません。 どっかのタイミングで、自分を「頑張ってるね」と労って、甘やかしてあげるのが、良い結果を出すコツじゃないかな、と思いますね、私は。 「あの、でも、すみません。オレ、この量全部は食べきれないかも・・・」 「あははっ、いいんですよぅ。むしろ、絶対、食べきれない量を作ってるんです。私もたべきれません。そのとき、食べきれないものが、目の前に食べきれないほどあって、それを自由に好きなだけ食べて、いつ、やめたっていい。もちろん、食べきってもいい。そういうふうに、自分を甘やかすのが好きなんです。へへっ、ばかっぽいけど」(by灰谷征一郎、久留米空子)
0投稿日: 2024.11.03
