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いま読む『源氏物語』
いま読む『源氏物語』
角田光代、山本淳子/河出書房新社
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総合評価

20件)
4.6
11
3
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    古典が苦手で、源氏物語も毛嫌いしてたけど、人によって解釈の違いが出るのが面白いんだな思った。 男女で解釈が違うのも面白い。 源氏物語の話が長いので、完全には理解しきれなかったが、読む前よりかは理解が深まった気がする。 対話形式なのが個人的に読みにくかったので⭐︎3にした。

    0
    投稿日: 2025.10.27
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    とても読みやすくて面白い。源氏物語を読み始める前に読んだけれど早く読みたくなった。たとえ読んだ後でも、こんな視点で読めるのかと読み返したくなるだろうと思うので、まさに源氏物語の導入にうってつけの本。内容とは離れて、実りのある内容の濃い対談ってこういうのを指すんだなとも思った。

    1
    投稿日: 2025.07.20
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    源氏物語を新訳された角田光代さんと源氏物語研究の第一人者山本淳子さんの対談。これが非常に面白い。二人の波長がピッタリあって、話の興が尽きない様子が伝わる。藤壺は果たして光源氏を愛していたのか。紫の上の内面に迫る2人の考察、など楽しくて、また、深くて一気読みでした。

    5
    投稿日: 2025.07.14
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    源氏物語を未だ通読できたことがないが、大事なポイントや面白いポイントが掴めた気がします。実際に源氏物語本文を読んでみたいと思えました。新書を読むのは苦手なのですが、対談を文字に起こしたものなので読みやすかったです。

    0
    投稿日: 2025.06.14
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    とても興味深い知見がたくさん得られた。 ○藤壺は光源氏に恋情を持っていたのか? ○紫の上の不幸と覚醒 ○瀬戸内寂聴は花散里が大嫌い ○六条御息所が何度も登場するのはなぜか など、そうだったのか〜!と面白い。 角田さん山本さんだけでなく過去の研究者たちの解釈も、端的に知ることができて楽しかった。 1000年前から今まで、たくさんの人が尋常でない熱量でもって読み込んで、さまざまな解釈をしてきたことが、「源氏物語」の懐の深さの証明なんだろうと思った。

    6
    投稿日: 2025.05.03
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    NHK大河ドラマで紫式部を主人公とする「光る君へ」が2024年に放映され始めた頃に 小説家の門田光代が源氏物語の研究家・山本淳子と対話した記録が大変興味深かった。女性2人の対話からは、これまでの「源氏」解釈が如何に男性の立場から光源氏視線で行われていたかを指摘し、女性研究家が増えてきた現代では、登場する女性たち(藤壺、朧月夜、紫の上、髭黒の妻、女三宮、浮舟とその母など)の心の内面分析などが進み、源氏解釈がかなり変化してきているということが強調され、非常に納得がいくように感じた。 その中で、従来は薫君、匂宮のことばかりが注目され、その二人の間に浮舟はの如くさ迷う女性だとされていたが、浮舟は実は自ら判断し、行動する女性になった! 私自身も目が開かれる思いがした。また物語が玉鬘の登場するあたりから内容が一変し、長編小説のようになる理由が、道長から彰子にパトロンが代わった時期ではないか、また桐壺帝と桐壺更衣の関係は一条天皇と定子をモデルにしているのでは、などと政治的な背景の分析も面白かった。正に、「いま読む」に相応しい書だった。

    0
    投稿日: 2025.04.25
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    男性研究者が多かったゆえにスタンダードな解釈とされるものが男性主義的なものであった、それが最近になって山本淳子さんをはじめとする女性研究者が増えてきたことで違う読み方ができるようになってきたという話が面白かった。研究者だけでなく現代以前の1000年の間の市政の人々もみなそれぞれ「こうあってほしい」「こうあるべきだ」という視点が女性キャラクターを過剰に罪人のように扱ってきたのだろう。しかし「いま」はそうでない読み方だってできるのだという可能性を感じた。また現代的な読み方をしてもほれに応えうる源氏物語の強度の高さに驚き感嘆するばかりだ。

    0
    投稿日: 2025.02.25
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    角田光代さんと山本淳子さん 源氏物語を巡るお二人の対談 角田さんは五年かけて源氏物語の現代語訳を完成させました。 山本さんは平安文学研究者です。 地球っこさんといるかさんのレビューがとっても良くて、手に取った本です。 ありがとうございます♪ 感想は一言 「とにかく面白かった!」 もう、全てのお話が興味深くて、読み終えてもパラパラと気になる頁を読み返したりしました。 特に惹かれたのは第三章の〝気になる登場人物〟 藤壺、花散里、末摘花、六条御息所、などを例に挙げ、どんな人物だったのかをお二人の自由な視点と解釈で語り合っているのが深くて… また紫式部については 【山本】 〝主人公がつらく悲しいときほど、嬉々として筆が進んでいる感じがします。逆に主人公が幸せなときには、滑稽だと感じるのか、凡庸な文章になってしまうところがある〟 【角田】 〝たしかに、人が不幸になっていくほど描写が冴えまくりますよね〟 そうなんだぁ!面白い! 平安の人たちがすごく身近に感じられ、この日本という国に生きていたのだなぁと、しみじみ思う。 対談の中で山本さんの著書「源氏物語の時代─一条天皇と后たちの物語」 が何度も出てきます。 この本も地球っこさんに教えて頂き手元にあるので、読むのが楽しみです。 私が源氏物語を読み通したのは10代の頃、田辺聖子さん訳のものでした。 それ以降は読んでいないので、角田光代さんの源氏物語は絶対に読みたい!

    72
    投稿日: 2025.01.22
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    源氏物語は、「あさきゆめみし」で読了としていたが、「光る君へ」に触発され、再度、チャレンジすべく、最新訳の角田光代さんの本を読もうと思い、その前に、この本を見つけたので、読んでみた。 目から鱗の話が多く、現代語訳を読む前に、山本淳子先生の「平安人の心で「源氏物語」を読む」、「道長ものがたり」を読まねば!と思う。 紫式部は、高慢ちきなイメージを持っていたが、今に通じる視点を持っていたのだな。

    0
    投稿日: 2025.01.11
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    NHKの大河ドラマ『光る君』も残すところ一か月と少し。 これまでの大河とは全く異なる趣で、毎週 楽しみに観ています。 そんな中、いるかさんの わくわくするようなレビューが目に留まりました。 古典や古文には苦手意識があります。 でも、この対談集、面白い。 夫との死別で紫式部は絶望。 現実逃避をして虚構の世界に足を踏み入れることに。 しかし、その虚構が口コミで評判になり、道長がスカウト。 道長は政治的に利用したわけですが…。 稀有な能力を持った女性が、運命の渦に巻き込まれた。 そして、まっとうに評価されたということですね。 これが千年以上も語り継がれる物語を生むとは。 奇跡のようなものを感じます。 『源氏物語』の解釈が時代とともに変遷していく様子も面白い。 まず、まさか今上天皇をモデルにするわけがないという先入観があったという話。 現在は、桐壺帝と桐壺更衣が一条天皇と定子に重ねられているという説もあるとのこと。 TVドラマを見ていると、後者のような気がしますが。 そして、男性目線の読み方と女性では大きく異なるという点。 光源氏が太陽のように輝き、周りを女性たちが回っているという男性目線解釈。 しかし、女性研究者たちが増えてきて解釈が変わってきている。 藤壺は光源氏から逃れるために出家したのではという女性目線。 表だって嫌ですとは言えないから逃げたのでは?と。 山本氏が、アメリカの大学で『源氏物語』は人気がないと言う。 幼児性愛や性暴力への拒否感が強いからだと。 それに対して、角田氏の意見。 男性優位を肯定している物語ではないと答えていて興味深い。 柔軟に読み解くことができるのもこの物語の魅力なのだと。 愛や権力は人を幸福にするのか、不幸へと導くのか。 こういった根源的な問いを投げかける『源氏物語』 博識で、人間の機微を表現することに長けていた紫式部。 山本氏はこんな風に賞賛しています。 紫式部は「自分の書きたい物語しか書かない」を初めて実行した人です、と。 こんなにも自由で素晴らしい女性が、千年以上も前に存在していたのですね。 わくわくします。 そして誇らしく思います。

    37
    投稿日: 2024.11.10
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    角田光代源氏物語6まで読んでモヤモヤばかりしてたけど、この凄いふたりの対談で、源氏物語はもちろん、紫式部のことまで、理解できることが増えました。紫式部ってとても偉大です。

    1
    投稿日: 2024.10.22
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    読みやすくおもしろかった。 10代のころに初めて源氏物語を読んだとき面白いと思わなかった理由が分かった気がする。 古典だからというわけではなく、顔と権力で女をとっかえひっかえ好き勝手する話というとらえ方で、いわゆる平安版昼メロとちょっと刺激的な少女マンガが合わさったようなもののイメージを持っていたような。 その後、あらすじになるストーリーそのものより、心情と情景描写が見事だったり、 お人形のようだった紫の上の葛藤や不安定さを想像できるようになったり、 女性目線の研究が進んで、世の価値観が変わり、私自身も年を取ったことで、より源氏物語の良さもすごさも分かるようになったなあと思いました。

    0
    投稿日: 2024.10.13
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    5年かけて全訳に挑んだ作家角田光代さんと平安文学研究者山本淳子さんが、「源氏物語」と紫式部、道長など、現代の視点で語り尽くす ー本書の帯よりー 面白かった! 今まで何度か源氏物語に挑んだけれど、1〜2巻で挫折。 今NHKの大河ドラマが面白くて、書店でこの本を見つけた。 いよいよ、角田源氏を読んでみようと、今は意気込んでいる! ドラマで人間関係を把握できたから、本書も面白く読めたかな。 山本淳子さんの著書「源氏物語の時代」は角田さんが大絶賛だったので、ポチッと買ってしまった。 果たして、全巻読めるのだろうか? とりあえず、源氏物語の時代、を読んでから読み始めようと思う。 (ちなみに1巻だけ購入済みなのですが…)

    23
    投稿日: 2024.10.10
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    最高に面白かった。。。 これまで歴史にまったく興味がなかったのに、地球っこさんのレビュー  『源氏物語の時代』一条天皇と后たちのものがたり に魅せられて読んでみたら、これが衝撃的だった。 歴史上の人物もしっかりと生きた結果。 それぞれの人間模様がしっかりと描かれている。 歴史に対する考え方が変わってしまった、自分を変えた一冊でした。 そしてまた、地球っこさんのレビュー 角田光代さんと山本淳子さんの対談集「いま読む『源氏物語』 」をみて、これもまた絶対読まなきゃと購入。 角田さんは5年かけてご自分で訳した源氏物語 全8巻を出版されたとのこと。 このお二人のなんとも贅沢な一冊。 源氏物語の人間模様、そしてその解釈の仕方でこうも変わるのかという深さ。 源氏物語にハマってしまいそうです。 角田さんの「源氏物語」と山本さんの「道長ものがたり」は絶対読んでみたいと思います。 これまでの自分を変えてしまう本に出会えて感謝です。 地球っこさん ありがとうございます。

    104
    投稿日: 2024.10.09
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    コレは是非ともおすすめ 色んな源氏物語関係が出版されていますが明らかに新風を感じます この本で山本さんを再認識しましたが調べてみると以前にも読んでることが判明しました 少し掘り下げて他の本も買うことに決めました

    7
    投稿日: 2024.10.06
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    平安文学研究者の山本淳子先生 源氏物語全訳した角田光代さん なんて贅沢な対談!近くで聞きたかった。笑 あっという間によんでしまった。 この時代に生きる人達からは、 どんな感情でどんな風に行動してどうなったのか、 が今の時代とそんなに変わらないように感じる。 だからとても魅力的な時代だなと思っている。 源氏物語がなぜ途切れることなくこの時代まで読み続けられているのか。 紫式部の成長と 「愛は人を幸福にするのか、不幸へと導くのか」 そして最後に角田光代さんが仰っている「人の生き死にの間にあるものが見たい」 で、ちょっと分かったような気になっている。笑 だって私はまだ 源氏物語読んだことないんだよな。笑

    1
    投稿日: 2024.09.29
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    面白くて、読みかけの他の本をすっ飛ばして先に読んだ。 この本で印象に残ったこといくつか。 藤壺は本気で光源氏を拒否してるということ。 なんとなく、「嫌よいやよも好きのうち」という、気持ち悪い男目線で藤壺を見ていた自分が恥ずかしい。きちんと読めば、本当に光源氏を避けてるのに。そういう見方を自分に許していたことに反省。 宇治十帖の浮舟について。 あまり魅力を感じなかった浮舟の印象が変わった!「蜻蛉」において、浮舟が苦しんで姿を消しても、男たちは決して結局何も変わらなかったことを書いていると、山本さんは言う。その一つも変わらなかった男たちの男の愚かさを「蜻蛉」で書いておいて、その後の「手習」で死んだと思われていた浮舟が現れ、歌によって浮舟の内面の変化を表す。それによって「何も変わらなかった男たち」と、「一人になることで変わった女」と言う対比が強く印象付けられると言う。そういう見方もあるのかと目から鱗。 源氏物語は男性が女性を保護するように見せかけて、実は女性の精神性が上回って、男性たちを追い越していく物語だと言う。なるほど! 最後に山本さんが昭和的男性的な見方からの解放と言うことを提案されている。古典研究の大家の萩谷朴氏が、皇子の誕生五十日祝いの祝宴で席を立った倫子について、「更年期も近い女性心理の凄まじさが目に見えるようである」と書いているらしい。そういう古い男性的な見方について、山本さんは、女性の研究者が増えることでそういった思い込みというのが検証されて更新していけばいいと言う。 源氏物語も様々な多様な解釈がなされることで、どんどん紫式部の本質に迫っていけるのだろう。なんせ、紫式部は天才ですもん。昭和的な解釈の枠にはまるわけがない。 非常にスリリングで面白い本だった。 山本淳子さんの「源氏物語の時代」を再読したくなった。(この本のことは本書でも何度も触れられていたが、本当に面白く素晴らしい本なので、何度でも)

    27
    投稿日: 2024.09.05
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    目から鱗、というけれど、まさにそういう読書体験だった。 源氏物語は丸谷才一、瀬戸内寂聴、田辺聖子など色々な方が口語訳しているが、角田光代は初めて敬語を用いず、現代の小説の語り口で翻訳をした。 平安文学研究者の山本淳子さんは、物語がドラマとして現代に受け入れられやすくなったのは画期的なことだという。 これまでの口語訳では、男性の視点からであったり、恋愛や性愛を基準に解釈されたり、作家によって個性が現れるようだ。 さらに「源氏物語」を現代の女性の立場から読むと、視点や論点が違う解釈も生まれているし、道長からの依頼説など、今のところ否定されていない説も生まれている。 (でもそれが定着するとしたら、ゆうに50年はかかるであろうということ) 「源氏物語」はかくも時代ごとに、色々な形で受け入れられていく物語であったことに、改めて驚かされる。

    9
    投稿日: 2024.08.31
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    河出書房新社の池澤夏樹個人編集版日本文学全集で「源氏物語」の現代語訳を手掛けた小説家と、紫式部研究の第一人者による対談。大河ドラマ「光る君へ」の副読本として読む一択。 (まずは帰省中の長女が持ち去った) 対談スタイルなのでどんどん読めるし、「源氏物語」の魅力もよく伝わってくる。大河ドラマの脚本家の想像と重なる部分もけっこうあり、ドラマのほうがこの先どう展開していって、そこに「源氏物語」がどう見え隠れしていくのかも含めてますます楽しみになってきた。 藤壺女御に源氏への思いがありや無しやとか六条御息所、花散里、末摘花といった人物をどうみるかなど、時代や個人の考え方によって多様な捉え方ができるのがおもしろく、この本では主に昭和までの男性視点での見方と、女性では性愛を重視した瀬戸内寂聴の見方が話題になっていたが、「源氏物語」の解釈史を系統だててまとめたような研究もあったら読んでみたいなあ。

    4
    投稿日: 2024.08.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最高に面白い対談でした。 源氏物語を数年かけて読み続けてきた答えを貰ったような気がします。 定子が藤壺更衣のモデルであるのか? 藤壺女御は光源氏を愛していたのか? 読みながら納得がいかなったことにお二人の言葉が染み入ります。 面白かった。特に大河ドラマのページが少ないことに笑ってしまった(*´艸`*)

    34
    投稿日: 2024.08.09