
総合評価
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powered by ブクログ人も遺品も〝ゴミ〟になる 凄まじい腐臭の漂う部屋で―― 私は、亡くなった人々の抱えていた「生きづらさ」が 他人事とは思えなかった。 誰もが自分の死から逃れられない。 気鋭のノンフィクションライターが壮絶な〝後始末〟の実態に迫る。 各メディアで大反響! 待望の文庫化。 「特殊清掃」 とは、自殺や殺人事件などが起きた凄惨な死の現場の原状回復を行う業務全般をさす。そして、そのほとんどを占めるのが孤独死だ。 私たちはいずれ一人になる。孤独死やゴミ屋敷などの壮絶な清掃現場をクローズアップし、死者たちの苦悩に思いを馳せ、特殊清掃人らの生きざまを描き、日本社会が抱える孤独・孤立問題に斬り込んだ渾身のノンフィクション。 男の人の方が寿命が短いので 最後は1人になるんだろうなと思い読んでおこうと思った。 終わりの方の大阪の業者さんの社長さんに頼りたくなる気持ち、とてもよくわかる。 苦しまないで死ぬのって難しいな… この本読んだら 病院や施設で最期を迎える方がまだマシだなと思った。 暑い時期に賃貸で孤独死したら 業者によってはすごく費用がいるんだな。 これから、孤独死する人も特殊清掃会社ももっと増えるだろうなと思う。
12投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログノンフィクション作家が、特殊清掃のリアルに迫り孤立問題に向き合った本。特殊清掃人と壮絶な現場に向かい、遺体発見が遅れたせいで腐敗が進んでダメージを受けた部屋の様子を生々しく文章にしている。また、故人がなぜ孤立して、その後どのような生活を送っていたかを描いており、日本社会の問題点が見えてくる。残念ながら孤独死は今後も増え続けるのだろう。75~77歳の団塊世代の死亡数が多くなるこの10年間は、急増することが予想される。その後は生涯未婚率の上昇で親族のいない老人が増え、社会問題として大きくクローズアップされると思われる。テクノロジーの助けも借りて問題を最小化する取り組みを始めてもいいころだと思う。
0投稿日: 2025.07.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昨今、「人と人のつながりが希薄になった」とよく言われる現代。 孤独死も特別な出来事として捉えていない人も多いだろうし、自分も社会問題化していることは知っていたのだが、実際に日本で年間3万人以上が孤独死している現実を知ると当然他人事ではない。 年齢、年代で区切ったデータなので統計では拾いきれない人たちの数も合わせるともっと数は膨大になるという。 元警官の人が死体を引き揚げる部分の描写はかなりリアルで、死を誰もが身近に捉えざるを得ない迫力がある。ノンフィクションで身を立てる作家の真剣味を感じた。 女性よりもコミュニティや友人を作るのが下手な人が多いのは男性なので、自分も気をつけないとつながりやコミュニティが薄くなってしまうんだろうと思う。外に関心を、つながりを新たに持ってそれを継続していくことも仕事と同じくらい立派な努力、活動なんだなとこの本を読んで思う。 孤独死している人は生前から、日常の中で部屋がゴミ屋敷化していたり食生活の乱れなどにより生活習慣病を患っていたり、様々な生活面でのハンデを抱えていることが多い。そのきっかけは、本書にも書かれているがほんの些細な出来事が引き金となっていることがある。または、職場での男女関係の問題で結婚を諦めないといけなくなったことでストレスにより暴飲暴食、過食による肥満…。エリートコースに乗っていて仕事もプライベートも順調だったが、部下のミスへの対処による小さなボタンの掛け違いから上司のパワハラが始まり、そこから退職を余儀なくされたことで人生が180度変わってしまった男性の話…など。 それは活字で追うだけでもかなり胸に迫るものがあり、同情せずにはいられないほどのそれぞれの計り知れない"個人的事情"がある。 感じたのは、不器用で生き方があまり上手くない、人から都合よく利用される、自分の意志がなくいわゆるいい人である、などが孤独死につながる人の特徴として共通する点があること。 あくまで主観だが、現代社会では各々余裕がなく殺伐としている様相もあるため、どうしても自分の身は自分で守っていく強さは身につけなければいけない。特に東京のような大都会、都心部で生きていく者はそういった強さを今まで以上に求められている気がするのである。自戒ではないが、行政や国にもすべて頼れるほどの安心感は今後も望めないと考えているので、本書を読んでどうすれば充実したミドルライフを送りながら、コミュニティや人間関係も切らさずに魅力的な人生を送っていけるのか(それは自分の中に答えがあるはず)、改めて考えさせられた。 著者からは、この孤独死増加問題をより関心が低い人へ、理解が足りない人へ向けて目を向けさせるきっかけにしたいのだという思いを強く感じた。 細かく取材を重ねる中で、日本社会に対する危機感を非常に感じていることがひしひしと伝わった。特殊清掃の現場で死者たちの"声なき声"に向き合ってきたのも大きいのだろう。 孤立社会へ進む日本を食い止めたい。AIが発達して特殊清掃の仕事ももしかしたら不要になる日がくるかもしれないが、それでも著者はこの現実をひとりでも多くの人に伝えることで日本の退化を食い止めたいのだと私は受け取った。 その思いだけは忘れないように心と頭に留めておきたいと強く思う。
0投稿日: 2025.06.22
powered by ブクログ●2025年5月12日、5/8に吉祥寺・外口書店で見つけた「不安に克つ思考」をメルカリで300円で出品してる方がほかに出してた「分子をはかる」(300円)を出してる医療系の女性がほかに出してた本。470円。
0投稿日: 2025.05.12
powered by ブクログ特殊清掃現場から見えてきたものが書かれている本。 孤独死した人のことだけでなく、特殊清掃業者や生きているときにサポートする団体や人にもスポットが当たって話を聞いているところが興味深かった。 終活サポートする団体の人が「要介護者と親族が笑顔で接するのが一番。ニコニコして介護できる状態を作る」というのが納得。 こういうことはお願いしたいなと思った。 特殊清掃現場というと老人の孤独死ばかり想像していたが、ゴミ屋敷に住んでいた若い人が失踪した事例は結構衝撃的だった。オムツが散乱したゴミ屋敷になっている最中も別居の家族と普通に付き合っていて、仕事にも普通に行っていたなんて…。
3投稿日: 2025.02.26
powered by ブクログ年間3万人にも及ぶ孤独死。想像を絶するような惨状。それを文章にて伝えてくる。文章だけでも目を背けたくなるような事実に、特殊清掃の仕事には頭が上がらない。 現場には故人の人生や背景のヒントが転がっている。そこから伝わる孤立や社会的孤独。それをいかにして防ぐかというのが課題なのだろう。
0投稿日: 2025.02.05
powered by ブクログ現実に起きている孤独死という深い闇とその縁の特殊清楚業者などの微かな暖かい光が書かれていた。人と人との繋がりが取り戻される社会にするにはどうしたらいいかまだわからないが、とりあえず挨拶をしようと思った。
0投稿日: 2025.01.03
powered by ブクログ読み終えた後に街中を歩いているとき、すれ違った人たち一人一人に悩みがあって人生があるということを何となく意識してしまった。 孤独死の現場の描写は生々しくて読むのに覚悟が必要だったが読んで良かったと思う。
0投稿日: 2024.11.13
powered by ブクログ孤独死したくない〜でも自分がどう死ぬかなんて自殺以外にはわからない。孤独死しても早く発見されるようにはどうすればいいのか読後頭の隅で考えています。
7投稿日: 2024.08.31
powered by ブクログセルフネグレクト、孤独死や特殊清掃に興味がある。 私達普通の人は常に何かの目標に向かって毎日を忙しく過ごしている。好きな人に愛されたい、昇進したい、評価されたい、子供を良い大学に入れたい、美味しい物を食べたい、、、など生きることや生殖に関連した煩悩に常に振り回されそれを満たすのに忙しい。 でも、それらが上手く行かなくなったときに、全てがどうでも良くなる瞬間というのは誰にでもある。 そこから這い上がるか、そのままネグレクトに陥るかの違いで、孤独死、廃人が社会から隔絶されてしまうのは悲しい世の中。コロナを経て、ネット社会も合間って繋がりがなくても普通の人は生きていける世の中になったが、弊害というのは確実に存在する。 孤独死が悲しいことだと思うのは生きている人間からの偏見だと思うが、その前段階で、ネグレクトに陥らないネットワーク、近所同士の井戸端会議のようなものは、人類繁栄には必要なものだったのではないか。 特殊清掃人はこの世の中で「人がやりたがらない事」の代表格を引き受けているすごい人たち。いくら仕事といえども地獄のような環境で黙々と作業する姿を想像するとむしろ神々しい。
15投稿日: 2024.08.13
powered by ブクログ菅野久美子『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』毎日文庫。 壮絶な特殊清掃の現場にスポットを当てたルポルタージュにより、今まさに崖っぷちにある日本社会の現状を炙り出したノンフィクション。 以前読んだ双葉文庫の『孤独死大国 予備軍1000万人時代のリアル』とも重なる部分が多い。 自殺や殺人事件などが起きた凄惨な死の現場の原状回復を行う業務全般を担う『特殊清掃』。『特殊清掃』に頼らざるを得ない現場の殆どをを占めるのが孤独死である。 本作では、こうした悲惨な特殊清掃の現場や孤独死した人物の過去や家族、関係者の証言などから孤独・孤立社会の実態に迫ろうとしている。 日本独特の終身雇用制と年功序列が崩壊し、非正規労働と言う名の搾取が当たり前になり、みるみる日本の労働者の賃金は低下していく。 かつては就職すれば、ほぼ一生安泰だったが、年功序列が崩れ、成果主義という競争社会の中で、精神的ストレスから引きこもりになる若者たちも増えている。 さらには賃金の高い仕事を求め、労働者は親元、地元を離れ、核家族化が進行する。これらが原因となり、結婚出来ない若者が増加し、出生率は激減する。 一方で良い時代を経験し、まあまあの額の年金を貰える高齢者は長生きすることになり、超少子高齢化社会と単身生活者が激増していく。こうした負のスパイラルが孤独死を増加させているのだろう。 本体価格900円 ★★★★
66投稿日: 2024.08.09
powered by ブクログゴミ屋敷の解像度が高い。特段文章力や表現力や語彙力が高いわけでもないのに、これでもかこれでもか、と繰り出される描写にかなりダメージをうける。現場を見たからこその執拗さなのだろか。 特殊清掃業(のみならず、人が避ける仕事)を信念を持って生業とする方を尊敬するとともに、これは行政の仕事だよな、とも思う。 社会福祉が国や市町村によらず、ビジネスによって賄われることと、相互扶助の精神が機能しない事は同じ問題に根ざしているのではなかろうか。 AIと機械が死体を片付ける社会、結構ではないかと思ってしまう私は緩やかに孤独死に向かっているのかもしれない。 この本から受けたダメージが回復したら安楽死の本でも読もうと思います。
0投稿日: 2024.08.02
