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撮るあなたを撮るわたしを 自撮りとスクショの写真論
撮るあなたを撮るわたしを 自撮りとスクショの写真論
大山顕/講談社
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総合評価

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    初出は雑誌ということで、途中少し抑揚が無く感じられたが、「おわりに」で綺麗にまとめられていたので読後感は良かった。 写真やカメラはつくづく西欧近代の産物だなぁと思う。

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    投稿日: 2025.09.13
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    いまスマホで撮っているものは、「写真・映像」ではなく、「画像・動画」なのだという。前者が記録としての機能を持つ一方で、後者はコミュニケーションの機能がある。後者のシェアの時代に至るまで、長らく写真は「見られないもの」であったという考え方が面白かった。 自分が子どもの時によくあったインスタントカメラでは、シャッターボタンを押すという概念が実際にボタンを押すことで成り立っていた。そして少し前から、目的に沿って必要なものを選別して残りを消去するという「プレビュー」ができるようになった。さらに時代が進むと、Googleフォトのように枚数制限のない格納サービスも出てきて、プレビューして削除をすることもなくなっていく。そして「一年前のあなたの思い出」というようにAIが思い出を決める時代になったと記載される。これらの段階がそれぞれ革命的な話だなと思いつつ、思い出すら外注化することができるようになったとのかと言葉にしづらいモヤモヤ感がある。 SNSの「いいね」 によって自分がいだく感情を認識させてくれる時代になった。これも「感情の確認」のアウトソースと書かれていて、目の前の風景や出来事に対する感情を他人へのシェアによって判定してもらえるようになったそう。SNS登場以降に無意識レベルでこれをやっていることばかりだなと思ったりもするので、何かの事象や出来事に対して、まず自分がどう考えたかを他人の見解(いいね、他人の感想など)に触れる前に記しておく必要があるなと改めて実感する。良いものを他人の判断で決めることが当たり前になっていくと、どのように生活は変化していくのだろうという問いは定期的に自分に問うようにしておきたい。

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    投稿日: 2025.06.08
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    写真好きの友人はいつも高そうなカメラを持っていて、一緒に食事をする時には、本当に美味しそうな一枚を撮ってブログに上げています。同じ料理を自分がなんの工夫もせずにスマホで撮影しても同じには見えません。カメラの写真とスマホの写真って、そういうクオリティの違いだと思っていました。その友人から今年、食べ物の写真じゃないけどメチャすごい風景写真がSNSで送られてきて「これ、どんなカメラでどうやって撮影したの?」って返信したら、「今、スマホで設定いじれば撮れるんだよ!」と。そう言えば新しいiPhone出るたびにカメラの個数増えて行っています。今、写真がカメラからスマホに劇的にシフトしているのはわかります。その変化は何を変えているのか?を考察する本です。副題になっていますが、自撮りとスクショはそう言えばスマホ以前にはなかった撮影行為…このすごく刺激的な論考です。旧来のカメラへのメッセージのプーチンと自撮りのゼレンスキーの対比とか、なるほどなるほど。ちょっと揺さぶられます。デリケートな差異にナイーブなところ、なんか知っている感じがしましたが、一年前に読んだ「モールの想像力 ショッピングモールはユートピアか」の作者でした。

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    投稿日: 2024.12.03