Reader Store
法王の牙 病院サスペンス集
法王の牙 病院サスペンス集
黒岩重吾、日下三蔵/中央公論新社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

3件)
3.0
0
0
1
0
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    病院、病気をテーマにしたサスペンス集。金銭、愛憎、権力といった人間の欲がこれでもかといった感じで渦巻く、どろどろ感いっぱいの作品が多いです。病気そのものよりも心理的な病み方が印象的で、共感できる登場人物がまったくといっていいほどにいない。むしろ共感してしまったら自分大丈夫か? と心配になりそうですが。 お気に入りは「造花の値段」。癌で余命幾許もないことを知った男は、死ぬまでに華やかな生き方を望む。真面目に生きてきた人生を拒絶し愛人と共に暮らそうとする彼は、手に入れた書類で会社を恐喝し大金をせしめる計画を立てるのだが……これって絶対破滅するよね、と最初から思いました。あまり同情する気にもならないのだけれど、ただタイトルの意味は悲しいです。「さ迷える魂」もひどいなあ。これもまた主人公の彼女に共感も同情もできないとはいえ、ここまでのクズ男はなかなかいないよな、と腹立たしい気分になります。 表題作「法王の牙」は唯一ほっとさせられる結末でした。これは是非ともハッピーエンドであってほしいです。

    1
    投稿日: 2025.04.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ★3.5 令和の時代に読むと舞台設定も古くナゾな展開も多いのですが、そんな些末なことを吹き飛ばす熱量を感じます。 「さらば星座」を読み返したいです。

    1
    投稿日: 2024.10.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    黒岩重吾初期作品の真骨頂、「病院」「医療」を背景にしたサスペンス集。戦後社会の底辺から、虚栄、愛憎、欲望など、人間の業を描き出す六篇。生誕百年記念。

    1
    投稿日: 2024.08.29