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種村季弘コレクション 驚異の函
種村季弘コレクション 驚異の函
種村季弘、諏訪哲史/筑摩書房
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総合評価

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    大変恥ずかしながら、著者のことを全く存じ上げておりませんでしたが、強く感銘を受け、感服致しました。 これほどの読書体験は中々味わったことがございません。博覧強記とはまさにこのことでないでしょうか。 主流とは反対のもの、マニエリスムを鋭く追究してきた姿勢から放たれる氏の知識量を測れる人間はもうこの世には残っていないのではないか。 今年2024年で没後20年だそうだが、時間をかけて氏の偉業を追っていこうと思う。

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    投稿日: 2024.09.19
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    種村季弘が残した様々文章を諏訪哲史が編纂し、入門書的にまとめた書。怪物や吸血鬼、人形など幻想味のある題材を論じる文章と文章の間にはイメージの奔流が迸り、読者のイマジネーションを多分に刺激する。迷宮のように広がる知識の函をもっと覗いてみたくなったので、恐らく『傑作選』も買うだろう。

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    投稿日: 2024.08.08
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    諏訪哲史さんによる、種村季弘入門として編まれたコレクション。ほぼどれも読んだことのある文章ではあったけれど、諏訪さんが並べた順番で読んでいくと、生前の種村さんがどのように生きて、どのように学問と芸術を吸収して自身の世界を構築していったか、追体験する感じを味わえた。種村流読書論であり人生論である『落魄の読書人生』も面白いけれど、はやくに失うことになる母から幼少期寝しなに語られた昔話を回想しつつ、やがて母を操る父の影に気づき母に裏切りを感じることによって書物の扉を開いていく『文字以前の世界』にはハッとさせられた。本を手に取ることは、親への反逆でもある。

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    投稿日: 2024.02.20