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いのちの選別はどうして起こるのか──ER緊急救命室から見たアメリカ
いのちの選別はどうして起こるのか──ER緊急救命室から見たアメリカ
トーマス・フィッシャー、宮﨑真紀/亜紀書房
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総合評価

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    端的にいえば、資本主義社会で、さまざまなリソースに限界があるから。それがコロナを経て、歪みが酷くなった。 それを選別というのかどうかは難しい。 選別されるのが、資本主義社会。 間違えるべきではないのは、金のあるやつがプラスアルファを得る社会ということである。 それが悪いかと言えば必ずしもそうではないはずだが、機会均等結果不平等、機会均等も金次第で、カテゴライズと差別が大好きな大米国ではより酷いことになってるのはわかる。それでも結果的に人種差別という発想は嫌いだな。歴史的、社会的に色々な問題はあってのことだが、貧困問題と差別問題を一絡げにするべきではない。それは問題を曇らせる。 著者は大米国の貧困と犯罪が吹き荒ぶ地域で、救急救命室に属する医師で、理想と現実に引き裂かれて苦悩する。 まあ。 自分でも理想に挑んで失敗している。 問題提起にはなるが、解決にはならない。 事象の描写と著者の考え、これは手紙形式ではあるが、綺麗に分けて書いてあって読みやすいし本としては面白い。 しかしこいつら、毎日愛してるという、毎日手を繋ぐ、毎日キスをする、とか言っといてそれが出来なくなるとあっという間に離別するってなんなんだろう。

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    投稿日: 2025.07.14