
総合評価
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powered by ブクログ公民権運動やディスコの登場によって、それまでの黒人の音楽から何かが失われてしまった、といった本当に大雑把な流れ(一部の見方?)は何となく知っていたが、その裏側での教育や団結などについては全く知らなかったので興味深く読めた。 またテリーキャリアーやウィリーライト、ルーボンドなどといった人たちに関する話が書かれているのもうれしかった。 現在のようにサブスクで音楽を聴く機会が増えると音楽家の顔が見えにくくなってしまう、と感じることが多いので誰でも知っているわけではない上記のようなミュージシャンの声(証言?)が聞けると、その音楽家の存在感が立ち上がってくるような気がして、単純にうれしい。こういう本(翻訳)や記事、ライナーノーツ等をなくさないで欲しいな、と書いていて最後の章に出てくるNumero Groupがシカゴ産だったのにも驚いた!
0投稿日: 2025.02.17
powered by ブクログ第1章 廊下とラジオ コミュニティの変化と新しいメディアが音楽を変えた 第2章 アイム・ア・テリング・ユー 新興のアーティストと起業家が拓いた新時代 第3章 ウィアー・ア・ウィナー ミュージシャン、活動家、教育者たちが音楽業界を築き、発展させた 第4章 サイケデリック・ソウル シカゴの一九六〇年代のカウンター・カルチャーが社会運動と音楽の方向を変えた 第5章 ア・ニュー・デイ 一九六〇年代の闘いの答えとなったアフリカ中心主義と明確な政治的声明 第6章 リズムがすべてではない 企業の力が一九七〇年代のブラック・ミュージック、商業、政治を動かした 第7章 サウンド・パワー ファンク、ディスコと結束、分断、希望 第8章 未来予想 リイシュー、サンプリング、若いアーティストたちが再考するソウルの歴史
0投稿日: 2024.02.19
powered by ブクログソウルというブラックミュージックの1ジャンルについて、私自身はそこまで詳しくないのだが、その中で最も敬愛するアーティストの一人がカーティス・メイフィールドである。 極めてソフトなその歌声と美しいメロディー、ストリングスをふんだんに使ったアレンジなど、個人的な好みとして昔から彼の作品を愛聴している。本書は彼の出身地であるシカゴで生まれたカーティスらのソウルミュージックの歴史を描いた概説書である。 シカゴ・ソウルとして本書で扱われるアーティストは本書タイトル”Move on Up”という名曲を残したカーティス・メイフィールドと彼がソロ以前に活動していたボーカルグループ、The Impressions、シル・ジョンソン、ダニー・ハサウェイなどである。 本書ではアメリカ南部から北部への黒人の大移動によって都市動態が大きく変化したシカゴという都市の政治・社会・経済などの歴史を追いつつ、丹念に各時代でどのようなアーティストが生まれたのかを追っていく。特に新設されたレコード会社・レーベル、レコーディング・スタジオや優秀なスタジオミュージシャン、ラジオ局との関わりなど、ある種のインフラとして優れた作品が生み出されていくシステムに関する記述は非常に丁寧であり、汎用性あるメカニズムとしてのシステムの様相を知ることができたのは面白かった。
3投稿日: 2024.01.14
