Reader Store
親愛なる八本脚の友だち
親愛なる八本脚の友だち
シェルビー・ヴァン・ペルト、東野さやか/扶桑社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

8件)
3.5
1
3
3
1
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     知能の高い水族館のミズダコと、そこで夜間清掃に従事する70歳老婦人。心温まる物語でした。  次々と身内を亡くし孤独な老女のトーヴァ、家族愛を知らず自暴自棄なバンドマンのキャメロン、そしてミズダコのマーセラスを主に、物語はマーセラスとトーヴァの章に、キャメロンの章が加わり、三者の章が繰り返し進みます。  構成の妙で、トーヴァとキャメロンの章が3人称、マーセラスの章だけ1人称で語られています。マーセラスの知能の高さは、(最初は)読み手のみぞ知る、なんですね。  章が進むごとにマーセラスの行動が意味をもち、マーセラスの思考が徐々に伝わり、驚くべき秘密が明かされていく過程が面白いです。  また、タコと人間の友情という、ファンタジー寄りな設定ですが、一方で登場人物たちはそれぞれ孤独・虚しさ・寂しさを抱えており、十分過ぎるほどリアルに描かれています。さらにタコも自らの寿命を心得ているので、類は友を呼ぶ? 両者の交流が深まるほど胸に迫るものがあります。  それにしても、マーセラスの観察眼が凄く、思考があまりにも道義的(あ、これは人に使う言葉か?)で…必見!じゃなく必読です。タコとの友情を背景に、孤独からの恢復と家族の再生を描く癒しの物語でした。

    68
    投稿日: 2025.02.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    トーヴァが「ジャザサイズ」やってたなんて!! 同じトレーニングしてたと思うと超親近感♫ どうりで、凛として前向きなわけね… ジャザサイザーは、こうでなくっちゃ!! とっても素敵なお話でした♡

    1
    投稿日: 2024.07.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    やっと読み終わった。。。 全米で100万部を突破したベストセラー。 「あの本読みました?」という番組で紹介されて気になったので手に取りました。 水族館のミズダコ、「マーセラス」は水槽の中から人間たちを観察し、時には水槽から抜け出して徘徊していた。 水族館に来てから1300日、ある日マーセラスは掃除係の女性「トーヴァ」に命を助けられる。 言葉は交わせずとも人間の言葉を理解できるマーセラスは、トーヴァと関わっていくうちに彼女の家族の真相に気付き・・・。

    8
    投稿日: 2024.07.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    30年前に息子を亡くした水族館の清掃員・トーヴァ、脱走癖のある天才ミズダコマーセラス、親に捨てられたダメ男・キャメロン、の心温まるお話。 途中までは、まあまあかなと思っていたら半分読んだあたりからやめられなくなりました。2日かけて読むつもりが、8時間で一気読みです。 マーセラスの脱走シーンが手に取るように想像できます。特にマーセラスVSキャメロンの格闘のところではププッと笑いました。 キャメロンのダメっぷりには中二病か、と突っ込みたくなるけど、憎めないキャラクター。2人+1匹の愛情ある距離感が素敵です。 読んでいて、おおっ!と嬉しくなったり、気を付けて!と言いたくなったり、イーサンのTシャツの件では、やっちゃったよ…と思ったり、と、完全に物語の世界に入り込みました。 マーセラスの寿命が1460日と書かれているので、ある程度は先が読める内容だけれど、なんだか良かった。とっても良かった。

    37
    投稿日: 2024.06.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    水族館のミズダコとそれに関わる人々の話。 物語の最初って要は登場人物の紹介から始まるのが鉄板で、私はその部分がどうにも詰まらんと思ってしまって苦手。この話の登場人物たちはみんなどこか不幸せな人たちで、そういうのに惹かれない自分としては、またそんなのか〜…とちょっと退屈な出だしだった。でも物語が進んでいくにつれて、タコが人々を繋ぎ出して、話が動き出していき、ハッピーエンドで終わったところは勢いよく読めた。

    2
    投稿日: 2024.06.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    正直あらすじから勝手に予想してたのとは違った。後半の主要な3つの視点の人たちが直接会ったところからはおもしろかったかも。でもたぶん再読しなさそう。ちょっと自分には長かった。

    2
    投稿日: 2024.02.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    水族館にいる巨大なミズダコのマーセラスと清掃員のトーヴァ70歳の交流の物語。冒頭がマーセラスの一人称で始まり、そこからこの物語に魅了され一気読み。30年前に息子を失った喪失感と、物語の途中から登場する元バンドマンのキャメロンとの出会いやその後の交流と読みどころがたくさんあって面白い。次第に明かされていくトーヴァの家族のことや、マーセラスと深まる友情。トーヴァの腕に巻きつく場面や声に反応を示す仕草がいい。とても優しい再生の物語。

    1
    投稿日: 2024.01.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    最近無くなった本屋さんで自分を呼んでる声が聞こえ購入のパターン。水族館で賢いミズダコが不器用でタイミングの悪い人間たちをアシストして、予定調和に導くハートフルなストーリー。デビュー作だが、あまりベタな展開にならず、ある意味単純なストーリーを上手に膨らませ最後まで読者を離さない筆力は今後楽しみ。気分転換的に楽しく読めたので、おすすめ。まあどれだけ賢くても所詮タコはタコなので、会話したり八面六臂の大活躍をしないけど、それが良い(往年のSFでないし)。老境の寂しさをしみじみ感じる作品でもある。 ただ、主な登場人物、他の文庫(創元とか光文社)とかは、数多くの登場人物を掲げるので、わからなくなっても参照しやすいけど、この扶桑社のやつは、列記が少なすぎ笑。私の場合、出だしの100ページで主要な名前をインプットし関係構築していくので、この部分の充実さは重要と思っているけど、この文庫の不親切さはなかなかのもの。まあもともと原著にはないかもだけど、まあ最初はなかなか苦労しました。

    3
    投稿日: 2024.01.15