Reader Store
蛸足ノート
蛸足ノート
穂村弘/中央公論新社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

60件)
4.1
18
24
9
1
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ビックリしたのが若い人だと思ってたけど、読み進めて、あれ?60代超えてるの?と思った。文章がおじさんらしくなくスッキリで説教くさくない、おじさん特有の自虐的卑屈さもなくヘヘっと笑ってそうな文章力が魅力的な人。 それを踏まえて奥様とのやりとりもチャーミングでお互いをよく見ていてよく話を交わして、よくある真実の愛や愛してる心から!なんて愛を語る事はハリボテでこの二人の間にある事こそが、愛というべきものだと思う。 唐突な話をしてもよく聞いて、見ている世界が違っても受け入れて、謎だとしても謎だなぁとしみじみして、こんなに話をしている二人なのに、ずっと一緒だったのにこんな事知らなかったと新たな相手の側面を発見したとして喜ぶ二人がかわいい。 本自体も見開き1頁に一区切りで読みやすく、 ぼんやりした日常の中でもふと思った事を上手に書き縮められ また、1つの事を大きく頭の中でパラレルワールドを展開し思いにふける事もあるので エッセイと一言にはいえない、愉快さも持ち合わせている。 好きなのは280ページの「旅行のこれから始まる喜び」。メインイベントの名所の絶景よりも リュックを背負って初めての街にでた、平凡な町並みの方が空気がキラキラしていて旅が始まった!という感覚が好き。コースもそうだメインのステーキよりも前菜のこれから始まります!のワクワク感がたまらない! という事をたった2頁にしっかり書ける 気づきと要約さ。この本を読んでよかったなと思える。 旅行の新幹線や空港のワクワクとか 宿からでた1歩目…そうそうわかるわかる! という日常の些細な散りばめられた好きを大事に掬ってくれている。

    1
    投稿日: 2025.10.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久しぶりの穂村弘さん。 一時期よく穂村さんのエッセイを読んでいたのを思い出して、調べたらあれからまた数冊出ていることを知り、読んでみることに。 今回は見開き1ページがひとつの話になっているのでサクッと読めたけど、あと半ページくらい長くてもいいのにな、と少し物足りない気もした。

    0
    投稿日: 2025.08.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    目次の時点で面白い。今回も期待を裏切らない一冊でした。クスッと笑えたり、共感したりと感情が忙しかったです。「只者じゃない」「風邪の原理」「お棺に入れるもの」「憧れを買う」「猫で満員の電車」「だるくて何もできない理由」等が特にお気に入りです。購入予定。

    1
    投稿日: 2025.08.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    シンジケートに続き、こちらも購入。 読売新聞人気連載となっていた、穂村弘氏のエッセイ集。 見開き1ページずつエッセイが収録されていて、どれもくすっと笑ってしまうような日々のささやかな瞬間が描かれていて、めちゃくちゃ癒される一冊です。 特に奥様とのやり取りをつづられている話がお二人の仲の良さが垣間見えて特に好きです。 それにクリアなカバーの下に、いろんな蛸が所狭しと載っている装丁が本当に好きです。

    0
    投稿日: 2025.08.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     とにかく装丁が可愛くてジャケ買いしてしまった。内容は何でもない日常を少し変わった視点から捉えたエッセイ。一編見開き1ページどんなに疲れていてもスナック感覚で読むことができてとても良かった。  これを読んだこともあって最近日記をつけ始めているが、面白いと思ったことがあっても振り返ると思い出せない。何気ない日常を留めておくことも文筆家の一つの能力なのだなあと思った。

    0
    投稿日: 2025.07.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    291変なおじさんと呼ばれて 『それでも頑張ってぴょんぴょんしていたら、息が切れ、目が霞み、とうとう地面に倒れてしまった。でも、男の子は蝶を見ている。縄跳びには飽きてしまったらしい。はあはあはあはあはあはあはあ。変なおじさんは口の中が血の味だ』

    0
    投稿日: 2025.07.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    日常のゆるゆるエッセイだった。 奥さんとのやりとりを見て、結婚って何気ない会話の連続なんだろうなってなった。 お棺に入れる物なんだろうなぁ。

    0
    投稿日: 2025.04.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    安定の面白さでした。 掌編だったので寝る前にちょっとずつ読んで読んで。やっと読み終わりましたがとても楽しかったです。 あとはカバーデザインが蛸がたくさんでとても可愛くて好きでした!

    0
    投稿日: 2025.04.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かったです!やはり穂村さん、最高! びっくりクイズが一番笑えました。校長先生を追い抜いた話も良かったです。

    0
    投稿日: 2025.04.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    昔、巨人ファンではないけど、読売新聞を愛読! その時穂村弘氏のコラムを読んで、とても身近な生活感を掲載してあり、読むのを楽しみにしていた。 エッセイ集も出しているのに、知らないで、新聞だけを楽しみしていた。 読んでいて、時々 歌が、記載されて、この方は、歌人と知ったのは、だいぶ読んでからだった。 肩肘張らずに、「ほむろほろし」などの自分の失敗談なども、読者の心を掴む。 北海道での学生生活も、若い時の無謀ぶりにも、…… 又、奥様との対話も微笑ましい。 嫌みが無く、誰も傷つけないでのエッセイに、いつも安心感を持っていた。 この本を読んで、ああ、こんな事も読んだ事あったなんて、昔を思い出していた。

    1
    投稿日: 2025.04.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    図書館にて借りる、第675弾。 (京都市図書館にて借りる、第140弾。) いつもの穂村弘のエッセイだが、新聞連載のものであるため、文字数があるせいか、ひとテーマにつき、見開き2ページ。 いつものほむほむの味ではあるものの、もうちょっと読みたいな、と思う。ちょっと短いし物足りない。退屈はしないが、もっと文字数とか制限のなく自由に書いたエッセイが読みたいなぁ。 星は3つ。3.5としたい。

    1
    投稿日: 2025.04.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    歌人・穂村弘さんのエッセイ タイトルは蛸の足のようにあちこちに言葉が伸びてゆくイメージだそうです すぐに読めちゃう短いエピソードはどれも絶妙に面白く、思わずクスッと笑ってしまう。 奥様がよく登場するのだけど、とてもユニークな方ですね。 すっかりファンになってしまいました。 きっとご本人は面白いとは思っておられないでしょうが、それがまた良いのです。 きっと可愛らしい方と想像します。 繰り返される日常も、こうしてスポットライトを当てれば意外と彩り豊かなんだと気付かされました。 ちょっとヘコむ出来事も、言葉にしてみたら笑いに変わったり出来そうだなと。 なんだか一日一日が愛おしく感じますね。 最後に好きなエピソードをひとつ紹介 【凄い遊び】 「歩行者天国なのに車道の真ん中を歩かないなんで、私も大人になったもんだね」と妻。 それから色々と自分が大人になったって思ったのはどんな時?と話し、私は妻の手を取って、歩行者天国の真ん中にふらふらと歩み出していた。 なんて素敵なご夫婦! ほっこりしました(*´ェ`*)

    78
    投稿日: 2025.03.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    穂村弘の蛸足ノートを読んだ。 穂村弘を知らなかった。 変換しても一発で出てこない。 本書の中にも、読者が穂村弘を知らなくて、悔しいと書いてあった。 本書は、読売新聞に連載されていたものを1冊にまとめたものである。 1つが全部2ページなので、とても読みやすい。 著者はよくよく変わり者だと思う。それも夫婦して。 これだけ変わってるのだから、ネタは尽きないなのだと思う。 私は変わってないと思うのだが、周りからすると変わっていると言われる。 しかし、とてもとても著者の足元にも及ばない。 小さい頃や若い頃を思い出しながら面白く読ませてもらった。

    19
    投稿日: 2025.03.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    見開きページで1話完結するエッセイ集。 連載タイトルの由来が「タコの足みたいにあちこちに心と筆を伸ばして書いてゆきたい、その気持ちを込めたい」とあった。穂村さんの感性についていけるのか、不安ではありましたが、天然な奥様の言動を筆頭に共にツッコミ入れて、楽しく読めました。ご本人のトホホ…な展開も、よく分かるので好きなのかもしれません(*´σー`)エヘヘ 『柴犬って、あのどうして人気あるか分からない演歌顔の子?-妻という謎-』 『「メニューに書かれてはいるけど今日は作れないもの」を何故か注文してしまうのだ。…ひいと思う。なんならあるんですか。-旅先の不安な店-』 『他人から見れば、「ほむらひろし」でも「ほむらほろし」でも「ひむらひろし」でも、そんなに変わらないよ。「ぽぽぽぴぴぴ」だったら、さすがになんか変だなと思うけど。-恥ずかしい名前-』 念願叶って猫と一緒に暮らし始めたようなので、その後の猫持ち生活も気になります。“ひるねちゃん”ってどんな猫なんだろう…。 2025.2

    40
    投稿日: 2025.02.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読売新聞の夕刊で連載中のものらしい。フォローしている方が読まれてたので気になって読了。タイトルから引き込まれ、短いのにおもしろく、何度も笑ってしまった。なんとも妻とや猫とのエピソードが微笑ましい。何か癒やされた。

    28
    投稿日: 2024.12.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    穂村弘さんのエッセイは面白くて好きで何冊か読んでいるのですが、今回もとても面白かったです。見開き2ページで一つの話が書かれていて、最後まで飽きることなく楽しめました。 タコで埋め尽くされた表紙もユニークで印象的でした。

    1
    投稿日: 2024.12.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    思わず読売新聞の夕刊だけとりたいと思うくらい、穂村さんの日常を綴るエッセイに1本、いや10本は取られた。 思わず声を出して笑っちゃうエッセイもあり、考えさせられるものもありで、緩急がすごい。たまに紹介される短歌も抜群のセンスのものばかり。穂村さんは文を綴る神様に好かれた人なんだと思う。

    8
    投稿日: 2024.12.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    笑いの神様降臨! 穂村弘さんは、歌人で幅広い分野で活躍する作家さん。 はて、蛸足ノート?何故これを手にしたか憶えてませんが、短い笑いの文面で橫っ腹がツンツン痛い。いや、次から次へと繰り出される笑いのジャブ応酬にわたしの腸は、ネジきり裂けました。 完全な敗北です。 皆様、穂村ワールド御賞味あれ!責任は一切負いませんが! 追伸、穂村さんの奥さまは笑いの女神様です。

    59
    投稿日: 2024.12.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「長生きするお水」のくだりは穂村さんの勘違いと言うより、学生さんの説明不足やろ!笑 それなのに変なこと言っちゃったと思ってしまうような穂村さんがいちいち愛おしい。 こういうかわいらしいおじさんに私もなりたい。 おじさんは失礼か。

    1
    投稿日: 2024.10.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    穂村さんのエッセイ最新刊。なんか以前より丸くなったというか穏やかな空気感になってるな〜と思って読んでたら還暦のお祝いの話が出てきて「!?」となった。ずっとアラフォーのおじさんみたいなイメージだったから… そりゃ丸くもなりますよね…

    1
    投稿日: 2024.10.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初めて男性のエッセイを読んだ気がする。ところどころに短歌がさしこまれていて、なぜ?と思ったら穂村さんは歌人なんですね。普段短歌とは縁遠い生活をしているので、紹介されている短歌が楽しい。 蛸足ノートというタイトルがセンスよくて好き。烏賊足ノートではなんか違うの非常にわかる。 奥さんの話がよく出てきて、奥さんのことが好きで、いっしょにいると楽しいんだろうなという気持ちが伝わってきてほっこり

    9
    投稿日: 2024.10.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    力の抜けた日常エッセイ。読売新聞の夕刊に連載中のエッセイをまとめたもののようです。 体言止めの文章は、偉そうというか怖い感じがするものもありますが、このエッセイは、体言止めなのに優しい。 「〜かなあ」とか「〜だなあ」が多用されているからでしょうか。 穂村さんは独身時代が長くて、モテない僕みたいなキャラが定着していましたが、結婚して、エッセイには妻もたくさん出てきます。 この妻が天然な感じで一風変わっていて面白いのですが、妻の言動をネタにしている作品は、なんだかずるい感じがしてしまいます。妻の自慢をしているように感じるのかしら…。 一方、90歳超えのお父さんがでてくる作品は好きで楽しみに読みました。 余計な一言と反対で、穂村さんは最後の一言がよいです。

    2
    投稿日: 2024.09.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2ページ分の短いエッセイが読みやすく、エピソードもおもしろい。(声を出して笑えるくらい) 奥様との関係も微笑ましくて素敵!! 穂村さんのエッセイには、かかわる人たちへの愛情を感じる。 ブク友さんのレビューを見て、穂村さんに出会えた。ありがとうございます。

    43
    投稿日: 2024.08.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    すべてのエッセイが見開き2ページに収まっていて、隙間時間に読むのに最適。願わくは、こうして単行本で読むより新聞でリアルタイムで読めるといいなと思う。読売新聞オンラインに無料で載せてほしいが、自分でも虫がよすぎるとは思う。

    2
    投稿日: 2024.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    読売新聞の夕刊に連載しているエッセイ集。見開き2ページに1つの話題が収まっているので,テンポ良く読める,切りよく中断できる。筆者の日常には妻と猫と父親が多めにあるのだろう。その他も,他者によって日常が彩られる。一人で孤独に生きている人にはエッセイのネタはなかなか生まれないだろう。この手のエッセイは二度読むことはないけど,著者は読むのだろうか。人がエッセイを読む動機とは,人の私生活,心,を見たい,のか。普段は見えないから。個人的には,自分が体験していない世界を見て楽しんでいる感覚に近い。雑談に近いのかも。

    2
    投稿日: 2024.07.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    胃カメラの飲み方を褒められ、似合わない服装に赤面し、おばちゃんの会話術に学び、仔猫を飼い始める…。日常に予期せぬ笑いと魔法が絡みつくエッセイ集。『読売新聞』夕刊連載を単行本化。 くすっと笑える。

    2
    投稿日: 2024.06.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    穂村弘はエッセイをたくさん出しているし、どれも面白いが、文体や語り口はいつも同じではない。シュールだったりファンタジックだったりちょっとブラックだったりするが、今回はふわっとしている。 どれも短いが面白い。 最期のまとめ方が優しい。これも戦略(あるいはテクニック)の一つなのか?それとも還暦を過ぎて穏やかになってきたのか? 戦略や加齢はあっても、どこか心を射抜くところはいつもと変わらず、特に「透明人間たちの飲み会」は深く共感してしまった。 こういう人たちと飲み会(お茶会でもよし)してみたい。

    2
    投稿日: 2024.06.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読売新聞夕刊に連載のエッセイ集。 穂村さんって、やっぱりいいなぁ~。穂村さんの奥さんも、いいなぁ~。お二人、仲良しだなあ〜。

    3
    投稿日: 2024.05.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    エッセイは、日常生活の微細すぎて気が付かないようなことを鋭い感性と文体ですくい上げるのがよくて、このエッセイもそうですね。自虐と卑下が入るエッセイが多いが、これはそれでもAクラス。

    2
    投稿日: 2024.05.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    多分雑誌の新刊情報に載っていたのを見て、図書館で予約。借りるまでに2ヶ月半ほどかかったので、半ば忘れてました(笑) まず300頁ほどの頁数に怯みましたが、よく見ると1エピソードに付き見開き2頁なので、なら読めるかなと思ったのですが…逆に言うとエピソードがその分多いって事でしたねw これはこれで盲点でした…。 思ったのは、こういうエッセイ集は追われて読むものではないですね…。まったりと布団の中で読むのが一番良いのかなぁ。現実は他の本も借りていた兼ね合いもあったので、読める時にガンガン読むってスタンスになっちゃいました。なので、「読んだ」と言うより「目を通した」が近いかも。 一通り読んでみて、著者さんはちょっと変わった人なのかなと思ったけど奥さんは更にその上を行く変わった人というか感性が独特と言うか(宇宙人と言う表現は言い得て妙と言うか)、私の感覚では共感しづらかったのと、図らずも胃カメラへの恐怖が植え付けられてしまったのが印象に残った部分でしょうか。 あと途中で挟まれる俳句とか短歌とかが、どこで区切られるのかがよく分からなかったです(;´Д`) スペースないのがデフォルトなんですかね?おーいお茶のラベルに載ってた奴はスペース区切りだった気がするんだけどなぁ。 本書に挿絵を付けるとしたらサザエさん(長谷川町子)が雰囲気的に合いそうだなとも思いました。

    1
    投稿日: 2024.05.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ほむほむのエッセイはしんどさがなくていい。自分と年齢は倍近く違うし性別も異なるが、共感できる話が多い。

    2
    投稿日: 2024.05.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白い、好きです。「夢ではずっと会社員」魘されるの漢字覚えました。「可愛さのピークを保存する」気持ちわかる。「真っ白なスパゲティ」自分の家のルールが普通だと本当に思っていました。「本当の誕生日本当の名前」実は私も誕生日が本当じゃない、近い日付の叔母の誕生日に合わせたとの事、占いが信じきれない。「食べてもいい日」ほむらさんちの玄関を見てみたい。「お金の入った袋の話し」実際に私もお祝いの受付で経験しました、やっぱりすぐ確認大事です。「妻のヒートテック」私もヒートテックの素が欲しい。

    1
    投稿日: 2024.05.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

     久しぶりに手に取ったほむほむのエッセイ。いい年だし(なんと齢60らしい!)、そろそろ世界に慣れたかな?と思ったら、まだおそるおそる生きてパラレルワールドのこと考えていて安心しました(褒めてる)。  名づけにおいては偶然の祝福こそ大切――私がまさに大切にしたかったことが初っ端から言語化されていてうれしくなった。椿を見ながら誕生を待ちわびた娘は「椿」、新緑の中散歩したときにお腹にいた息子は「翠(みどり)」「風」とか考えてたっけ。結局どちらも別の名前にしたけれど、世界に祝福されているんだよと伝えたかった。  「ヒートテックの素が落ちる」と表現したり、物件の内部に入る前に虹がかかっていたという理由でその家に決めようとする奥さん可愛すぎるんだけど。このまま穏やかに暮らせますようにと祈りたくなる夫婦。

    2
    投稿日: 2024.05.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    クスッと笑えてほんのり幸せな感じ。所々に挟まれる俳句も味わい深い。 肩の力を抜いてリラックス。 ネコさんとの生活で又楽しくなりそうです。

    1
    投稿日: 2024.05.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    穂村弘の文章はすごく好きで、モテない自慢とか、独りよがりで暗くて、独特の色気のあるところが魅力だったのだけど、人間界にやっと馴染んだし、と惰性で書いてるように感じてしまった。一編が短いからかな…。長い文章なら印象は変わったかも。 奥様とのエピソードも多過ぎて食傷気味。

    1
    投稿日: 2024.04.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どんなに忙しくても、どんな精神状態の時でも、穂村さんのエッセイだけは読むことができる。読むたびに「日常は楽しいことで溢れている。」と、思わせてくれる。この本については装幀もすばらしい。楽しめる一冊。

    1
    投稿日: 2024.04.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    同じ人に三回告白したことがある。 『諦めの儀式』を呼んで、まさにこの理論!!と目が覚める大納得だった。いやあ、懐かしいなああの頃! ・・・・・・・ 全てが見開き1ページなので、ちょっとしたスキマ時間で読み進められ、忙しい中でも読書を楽しみたい人にはオススメだ。 "ブームが来た!”と思ったら次のページでもうそのブームは終わっていたのには笑った。 『二つのやばい記憶』『消えた包丁』『変なおじさんと呼ばれて』その光景を想像して笑ってしまった。 穂村さんと奥さんのほんわかした生活が思い浮かび、何気ない毎日の中の面白さに触れた感じで楽しい読書時間となった。

    22
    投稿日: 2024.04.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    何故タイトルが「蛸足ノート」なのか。 穂村さんらしいタイトルの付け方だなと最初からホッコリする。 奥さんとのエピソードが多くて仲良さそうで素敵です。

    1
    投稿日: 2024.04.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     子どもの頃、台風が近づいてくると食材の買い出しに家族で出かけた。 なぜかその時はスナック菓子をたくさん買い込んだ。私は大好きなポテトチップスを選んだ。  大人になった今も、台風の時はポテトチップスが食べたい。  そんな習性が今回わかったのだ。  いや、仲間が見つかったのだ。 (P.222 食べてもいい日)  そんな嬉しい思いをもらえる話、不思議な感覚になる話がたくさんあり、ますます好きになる穂村さんである。

    8
    投稿日: 2024.04.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    夕刊の連載を単行本化したものにしては、装丁懲りすぎ。「シンジケート」同様、ジャケ買いしてしまった。内容もとってもおもしろい。こんなエッセイ書けるようになりたい。

    1
    投稿日: 2024.03.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    新聞に連載されているエッセイたちをまとめたもの。 2ページで完結するので隙間時間に最適。 穂村弘の人柄が溢れる一冊。 たまに出てくる奥さまもまたとても良く。

    1
    投稿日: 2024.03.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    つるつるっと読めた 仔猫がやってきた後の話を読みたくなる あとがきの後に表紙はタコのコラージュだと書いてあった。よく見たら気持ち悪いので知らないほうがよかった。

    1
    投稿日: 2024.03.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本を読むことが楽しくなる本。 見開き2ページで完結するので、とても読みやすい。著者は日常を切り取る天才!

    1
    投稿日: 2024.03.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

     歌人穂村弘のエッセイ。昔から作者のエッセイは好きで読んでいる。もうそろそろ還暦なのか。あと、結婚して約20年くらいだそうだ。  若い頃の、もう少し鬱屈したというか、自分の思うような日常ではないことに対するつぶやきなどが書かれた文章も好きだったが、作者も年を重ねて落ち着いてきた印象。前々から作品は安定(の面白さ)。それに加えて日常や環境を一歩引いて見ているような感じ。各エピソードが見開き2ページで、なんだったら、2ページでも空白が残っているという話も多いけど、不足がない。そして無駄もない。短歌を詠んでいる人だから、限られた文字数で伝えるのが上手いのかな。  妻という人も発想や台詞が面白い。そりゃこんな人と毎日一緒にいたら穏やかで楽しい暮らしになるよ。ラスト、猫を飼い始めたという話もよかった。  気に入ったエピソードをいくつかあげたいと思ったが、多すぎて難しい。また読み返したい本。

    2
    投稿日: 2024.03.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とても面白かった。 奥さんも面白くて羨ましい。 何となく日々感じる世界とのズレを共有できるようで、嬉しくなる。

    1
    投稿日: 2024.02.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この人の周りでは、何故こんなに面白いことが発生するんだろう、気付く感度も素晴らしいのかな、根掘るし。

    1
    投稿日: 2024.02.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    レビューを見て読んでみました。とても面白いエッセイです。うんうん、分かる、分かりますっ、という笑える話ばかり。 私が特に面白いと思ったのは、四つの話。 『辞書にない文字』 この話が私が一番面白いと思った。どうしても覚えられない名前がある、間違えて覚えてしまって正しい名前とゴチャゴチャになって造語を作ったりなど、「まさに私だよ。」と思った。奥さんのチーズの話も一緒。近いところまでいくのに、どうしても正しい名前が出てこない。いつもちょっと違う。 『正直な人』 私はどうも似合わない気がするけど、本人はとても気に入ってて自慢気に見せてくる時がある。私はそういう時正直に言えなくて困ってしまう。違う事を言って話をそらしてよく誤魔化してしまう。 『酸っぱい部屋』 私はPCR検査を受けた事がないので分からないけど、知人が検査を受けた時、唾液が出なくて困ったと聞いた事がある。この話を読んでなるほど、と思った。梅干し、レモンこの二つのポスターが部屋にいっぱい貼ってあれば、出ないものも出るかな。 『校長先生を追い越した日』 これもすごく分かると思った。私の場合、学校の先生とお医者さん。ずっと頼れる年上の人だったのが、いつの間にか私より年下の先生ばかり。申し訳ないけど、たまにこの先生で大丈夫?と思う事がある。 穂村弘さんと奥さんのやり取りもほのぼのしてて好き。奥さんの発言が、なんというか芸術家っぽいので、その発想力に感心してしまう。だから、ご結婚されたのかな?なんて思った? 短歌も出てるんだけど、全く短歌の事が分からない私でも、「あぁ、これ面白い。」と分かるのもあり楽しめた。分からない短歌もあり「?」はあった。 新聞では連載中との事。猫を飼い出したところで終わったので、その続きも読みたいです。きっと"ひるね"がいっぱい登場するんだろうな。

    38
    投稿日: 2024.02.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読売新聞にて連載中のエッセイ。 我が家は読売新聞を購読しているので毎週楽しみに読んでいるのですが、本当にこの連載を読むと、なんとも言葉で言い表せない気分になります。 あの真面目な紙面の中で、突如そこだけパラレルワールドに繋がったような……もう10年以上ほむらさんのエッセイは愛読しておりますが、変わらぬ姿がそこにはあります。 しかし、「天使」を探していたほむらさんにも、今では立派なパートナーが……! ベッドに横になって菓子パンを食べていた頃を思うとなんだか感慨深いです。 けれどもそこは厄介なファン心理で、あのほむらさんとこんなにも感性ぴったりなお人が実在するなんてどうにも信じられず……(信じたくないともいう)。奥さまが登場するエピソードよりも、ほむらさんお一人でいる時のお話の方が好きだなと思ってしまうのでした。嗚呼こじらせファン。 なーんて面倒なファン心理は置いておいて、これも外で読むのは危険なことには変わりません。 「自分は何かの間違いで地球に生まれてきてしまったのかもしれない。遠い故郷の星では、人々は今日もアイスモナカを一口齧っては、大事に冷凍庫にしまっているのだ」(アイスモナカ論争) なんて発想、どうしたら思いつくのでしょうか?他にも、思わず吹き出してしまっては夫に不審な目で見られることが度々、でした。 大学に入学したものの周囲に馴染めず焦りを感じていたあの頃。 書籍部でたまたまほむらさんのエッセイを見つけて「あぁこの年になってもこんな人がいるならきっと大丈夫だ」、そんな安心感を覚えたあの時から、やっぱりほむらさんはほむらさんのままなのでした。

    17
    投稿日: 2024.02.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    相変わらずホムホム節、この小市民的な感覚。 めっちゃあるあるとうなずきながら時には声を出して笑ってしまう箇所あり。 でも、よかった。奥さんが著者にぴったしの人で。 このエッセイを読むとかなり面白いお方だ。 今後のエッセイにもたびたび登場しそうなキャラクター。 あと念願の(引っ越しして)猫を飼えるようになったとか。 ”ひるね”可愛いんだろうな。 次回のエッセイもひるねも含めて楽しみ。

    1
    投稿日: 2024.02.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    妻の話に外れ無し。基本2ページで一編なのでどこから読んでも良し。続きも読みたい。猫のひるねの話をもっと読みたい。 こういうエッセイを読みながらいつのまにか寝てしまう休みの日の午後 最高

    2
    投稿日: 2024.01.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ほむほむ、読む度に大好き。そして今回、ほむほむも自身の読者が好きとの一節。これはアピールせねば。電車の中で読むときに、カバーをせずに読了。ほむほむに知らぬ間に目撃されていたら嬉しいのだけど。

    4
    投稿日: 2024.01.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ほむほむこと歌人・穂村弘さんのエッセイ。 読売新聞の夕刊に2017年4月から2023年9月19日まで連載されたもの。 さらさら読めてくすくす笑える、どこか上品なエッセイ。 今回は奥さまのエピソードがたびたび出てきて、おふたりの仲の良さと、奥さまの地上から5ミリ浮いているような天使感にほっこり。 穂村さんもちょっとだけ浮いているイメージのお方なので、子供の頃薄氷の張ったプールに落ちてしまったエピソードは印象的。ほむらさんも人間だったんだ。 『世界中のひとが全部じぶんじゃなくて良かった』エピソードは、私も全くおんなじことを思っていたのでびっくり。 ファンが推しに似る(寄せていってしまう)のか、それとも似ているところがあるからファンになるのか、いやいや、意外とみなさん、一度は思うことなのか、と、考えた。 でも、世界中の人々がほむほむになったなら戦争はしないらしい。(そんなエネルギーはないそうだ。) だったら、世界ほむほむ化計画とかあってもよさそうではないか。 世界中の言語にほむほむのエッセイが翻訳され、それを読んだ読者がほむほむ化。 そうしたら平和が訪れるかもしれないのに、と、空想する。

    53
    投稿日: 2023.12.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    老化を「困ったなあ」と捉えているところ、猫や犬を人と同じ様に観察しているところ、奥さんの感性がすごく好きそうなところが良かった。

    1
    投稿日: 2023.12.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    だめだめなエピソードについ笑ってしまうが、目の付け所や言葉の紡ぎ方が巧みだ。やはり日常を切り取る術に長けているんだなあ。

    3
    投稿日: 2023.12.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    穂村さん、海が似合わないと気にされています。 短歌はかっこよくて、海、似合いそうですけどね。 大学生の時赤いバンダナをしていた話は笑いました。 穂村さんの作歌方法はなるほどと思いました。 そうめんを箸で掬っていてコップにつけてしまった話は年齢のせいじゃないと思いました。正解は「めんつゆ」。穂村さんだからです。 飾り玉のために土下座返しをした子供の頃の話も、「そんなばかな!」と笑いました。 奥様も、天然感のある方ですね。 壊れた洗濯機のふたを計量スプーンで10年間、開け続けた奥さんは凄い! ミスドの景品が欲しくて、カードを捨てようとする人に声をかけて集めていた奥さん。24歳くらいの時に。 ウォーキングのレベルが「梅だ」という奥さん。 どのエッセイを読んでも笑いがこみあげてきます。 でも、なんだか心が温まる話ばかりでした。 各エッセイの目のつけどころはセンスが感じられます。 これも才能だと思いました。

    98
    投稿日: 2023.12.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    書評やエッセイをここ近年気に入って読んでます。 読み初めの頃は、価値観がなんだか合わなくて、読み心地が決して良いとは思わなかったのです。でもそのずれ具合が新鮮で、古本屋や新刊を見ると買っちゃう作家でした。 今回は、奥さんのお話しがとびっきりに面白かったです。 奥さんエピソード、もっと読みたい。

    1
    投稿日: 2023.12.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久しぶりの、純粋なエッセイ集。 60過ぎて初めてネコを飼うなんて。50過ぎて、ネコもイヌも飼ったことのない自分からすると、尊敬しかない。

    1
    投稿日: 2023.11.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    装丁からポップで楽しい。 でも表紙のプラが固くて外れてきちゃうんだよね、それがちょっと読みづらかったかな~。 雰囲気たっぷりだから、まぁいっか。 丸みを帯びた、ページ数の書体も可愛い。 やっぱりこの方のお話は面白い。 短歌は繊細で尖っててイケメン風で"ほむほむ"なんて雰囲気ではないのに、何故にエッセイはへなちょこなのか 笑 妄想癖のおっとりさん。 エッセイには可愛らしさも滲み出て、思わず笑ってしまう。 加減が絶妙だ。 このギャップが大好き。 面白かったのは、 近藤真彦の真似をしていたら近所のおじいさんに「君はアカか?」と話しかけられた話。 なんかこれ、ツボだった。 それから、「長生きするお水」をもらった話。 取り違いってあるよね。 何気ない一文が楽しくてニヤニヤしたり、何故かセンチメンタルな気分になったり。 「私の死後、代わりに数えてくれた誰かが「3億円もありますよ」と驚くのが楽しみだ」 「妻という謎の塊がここにある」 「さようなら、一度きりの今年の夏よ」 「「ほら」と云いながら、Yくんはとんどんマヨネーズを絞ってくれた」 今回は多くのお話がちょっぴり不思議な終わり方で、帯にも"にゅるりと世界も自分も裏返る"とある。 自分としては、溶けたマーブルアイスの渦がぐにゃりと回転するみたいな、そんなイメージだった。 それらのなんとな~くぐんにゃりしたお話の数々を、ある意味もっとも不思議な穂村さんの奥様がなごませてくれている。 チャーミングな女性だなぁと思う。 可愛らしい。 そしてご高齢でありながらアクティブなお父様も素敵。 そう、「蛸足ノート」ではご家族のお話が多いのだ。 たまにポロリと紹介される短歌もとてもいい。 ほうじ茶さん 「覚えたてのひらがなで書いた「好きです」のお返しはガンダムの絵でした」 東こころさん 「居場所などない夏休み図書館に行くことだけにささげた素足」 まるやまさん 「こんなところまでついて来てくれてありがとう52階で払う猫の毛」

    29
    投稿日: 2023.11.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    隣人のスマホにのぞく「山崎パン向けマヨネーズの件なのですが、」  涌田悠 作中の〈私〉は電車か何かの中で、偶然、隣の人のスマートフォンを覗いてしまったのだろう。そこには「山崎パン向けマヨネーズの件なのですが、」というメールの言葉があった。そんなものお存在を意識したことは、今までに一度もなかったのだ。  社会には無数の細部があって、普段はほとんど意識することもなく暮らしている。でも、それぞれの場所で体を張って生きている無数の誰かがいるのだ。引用した短歌には、その中の一人を偶然見出した瞬間が描かれている。メールの最後の「、」もいい。生きるための言葉はまだ続くのだ。(p.49)  本物の子どもだった頃は、「アタリ」が出たらその人うちにお見せでもう一本貰っていた。ところが、今はどうだ。いつでも替えられると思うせいで、ずるずると先延ばしになっている。一本のアイスに対する集中力が、思いの純度が、下がっているのだ。(中略)当時と今とでは、なんというか、世界と自分の命との距離感が違う。子どもの頃は世界という舞台の真ん中で生きていた。それに較べると、今は目の前の世界がなんだか遠い。観客席に座っているみたいだ。(p.31) →無数の細部をたまに意識した時に脳が楽しい感じることはあるので、それを言語化してくれてありがたい。また、子どもの頃の世界との距離についてもよく分かる。アイス棒のアタリへの執着心がなくなってきたことは危機感を覚えるべきかどうか。  何もする気にならない日がある。体がだるい。頭がしくしくと痛む。部屋が散らかっている。すべてが嫌だ。ぼーっとしたまま、何時間も過ぎる。このままじゃ駄目だ、と気持ちだけが焦っている。  ふと思いついて、スマートフォンに「気圧」と打ち込んでみた。すると、「低気圧ヤバい」「頭痛い」などの文字が目に飛び込んできた。やっぱりと思って、ほっとする。だるいのは私だけではなかった。皆もそうだった。すべては低気圧のせいだったんだ。やる気が出ないことの正当な理由が手に入って嬉しい。(p.198) →ちょうど昨日今日がそんな感じだったので、同じように「気圧」で検索して安心感を覚えておくことにした。  欲しいものがない人間にとって、最後の希望は旅である。行ってみたい場所なら、まだあるんじゃないか。父を誘ってどこかに出掛けたい。(p.247)  荷造りの準備のために整理をしていたら、同じ本が2冊3冊と出てきた。うっすらそんな気はしていたのだ。ぱらぱらと中を開くと、どの本も同じ頁の端が折られていて、うーん、と思う。同じ人が同じ本の同じところに感動している。私だ。(p.258)

    1
    投稿日: 2023.11.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    胃カメラの飲み方を褒められ、似合わない服装に赤面し、おばちゃんの会話術に学ぶ。日常に予期せぬ笑いと魔法が絡みつくエッセイ集

    1
    投稿日: 2023.11.13