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ふらり珍地名の旅
ふらり珍地名の旅
今尾恵介/筑摩書房
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総合評価

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    注意すべき点としては、まず本作は学術書ではなく随筆であるということ。そのため、随所に「~だろうか」というような推測表現が頻出するが、その後「正解」について記載がないまま話が進行することが多い。司馬遼太郎作品を読んでいると「著者」が急に顔を出してあれこれと講釈を垂れることがあるが、ちょうどあのような感じである。しかしだからといって学術的に不正確であるといいたいわけではない。むしろ著者はわたしを含めた地理好きにとっては名前が知られた存在で、地名に関しては一家言をもっている。そのため豊富な智識量をもとに、各地に伝わる地名の由来とされる「俗説」についてすぐに疑問を呈するなど、さすがの博学ぶりを発揮している。かといってそのような「俗説」も一刀両断してしまうわけではなく、たとえば新潟県上越市にある「猿供養寺」という地名については、「地元の人が猿供養寺にまつわる『物語』を今に伝えていることこそが重要なのではないだろうか。」と配慮してみせる暖かさをもっている。このような絶妙なバランス加減が、本作中で随所に登場する地域住民との親しげな会話と相まって、読後感をじつに心地よいものにしている。また、地名の由来を離れて、たんに本作で取り上げられているようなさまざまな地名があることを知るだけでも楽しい。なかなかおもしろい作品であると思う。

    0
    投稿日: 2024.05.06
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    星を付けるかどうしようか大変に悩みました。何故ならば、面白くてもっと読みたいのに絶妙に物足りない分量でもっとちょうだいよ!とお預け状態を引きずった読後感を覚えたからです。が、自分ルールの縛りで評価を付けないと平均点が下がってしまうのもアレなのでやっぱり星を付けることとしました。 実際、自分の街歩きにも影響を与えまくるだろう、言わずと知れた地図・地名界隈のレジェンド研究者・今尾恵介先生による金言の数々と変態的とも言えるムーブがたまらなくたまりませんぜ。 ただダラダラと地名の由来の答えのみを記すだけなんてそんな甘っちょろい事は致しません。まず事前にたんと妄想を繰り広げたのちに現地へ入り、地形図・地図と見比べながら現地を‘体験’し、そこに住まう方々と交流し情報を得ながら考えをまとめていく。この際、‘正解’を求める事だけに固執するのではなくて、あえて俗説を取り入れつつその土地を「愛する住民」(p217)の気持ちに気付き寄り添う。それこそ今尾先生がレジェンドたる所以ではなかろうか。 読者である私も紙面を通じて見知らぬ土地の風景が知らず頭に浮かんで来るような、先生の旅を追体験出来た読書でした。 早速『角川日本地名大辞典』を読んでみたくて試しに調べてみたら全51巻、お値段829,391円(+税)と敢え無く轟沈。背伸びはせずに、とりあえず郵便番号簿を入手してみるところからやってみよう。ひょっとして今はPDF配布のみで紙版はないのかしら? 1刷 2023.11.17

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    投稿日: 2023.11.17
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    これはもう単純に「へー、こんな地名があるんだ、おもしろー」って楽しむために読みたい。著者の地図、地名、駅名に対する偏執的な愛を楽しめそうなのも読みたい理由のひとつ #ふらり珍地名の旅 #今尾恵介 23/8/9出版 #読書好きな人と繋がりたい #読書 #本好き #読みたい本 https://amzn.to/3Ky4Bqj

    5
    投稿日: 2023.08.09