
総合評価
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powered by ブクログ戦後77年を過ぎて、当時の記憶もだんだんと失われつつある。 終戦間もない東京で、焼け野原の中、復興をしようとしている日本。 軍用機を設計して多くの若者を死なせた後悔の設計技師が 安全で早く美しい乗り物を作ろうと、旧国鉄の技師と対立しながらも、 夢の超特急、新幹線ができ上がる。 肉親を失った哀しみを抱える人、大陸からの引き上げ時の記憶等に苦しむ人、 内なる傷を抱えながらそれぞれが懸命に生きていく姿が胸を打つ。
0投稿日: 2023.07.05
powered by ブクログ一言でいえば、零戦を作っていた人たちが戦後ゼロ系新幹線を開発するお話なんですが、そこに戦争に行けなかった聡一や満州から引き揚げてきた寧子等々のエピソードが加わることでお話の厚みは出たのかな、と。ただ、実際の開発風景がおぼろげというか具体的に見えないというか…終盤も畳みかけるように進んでしまって、物足りない感じ。平和な乗り物を作るのだという開発者たちの思いや気概というものは十分解ったけど…なんというか、小学生向けの本を読んでる感じがした。
0投稿日: 2022.06.12
powered by ブクログ新幹線を作る事がメインかと思いきや、登場人物の戦中戦後の生活が大きく関わりノンフィクションに近い物語となっています。戦後生まれの作者ですが、北九州出身なので引き揚げの話しを入れるのも当然だと思いました。
0投稿日: 2022.04.24
powered by ブクログ第33回読書感想画コンクール中学高校の部指定図書 読書感想文じゃなく、読書感想画。 本を読んで、印象に残った場面を絵で表現するというもので、まだあまり知られてないかも…。 零は零戦の零。 ゼロは新幹線ゼロ系のゼロ。 かつて、あの戦争で零戦を開発した人々が、自分達の手によって、多くの未来ある若者を死に追いやったことへの悔恨から、平和を象徴する乗り物を創りたい、と開発に執念を燃やしたのが新幹線ゼロ系。 そのゼロ系がこの世に送り出されるまでの、旧国鉄で開発にあたった人々の苦闘を描いた物語。 登場人物は架空の設定であるが、多くの史実に基づいて書かれている小説。 主人公は、視力が悪い為に戦地に行くことなく終戦を終えた若者。 本人にはその事が悔いとなっており、敗戦後の日本で役に立つ仕事をしたいと、大学を中退して国鉄の研究職に就く。 しかし、そこでは元日本軍で戦闘機などの開発にあたっていた技術者と、従来の国鉄職人が対立する日々があった…。 物心ついた頃には新幹線が走っていたので、開発に元軍人の方たちの平和への願いが込められていたとは、全く知らなかった。 主人公と結婚する事務職員の女性が、満洲からの引き揚げてきた時の話も並行して語られるが、それも残留孤児の方の高齢化に伴い、埋没しつつある話だと思う。 子どもだけでなく、我々の世代も読むべき物語。 2022.1.24
18投稿日: 2022.02.20
powered by ブクログだからゼロなのか!! 読み終わった瞬間につぶやきました。まはら三桃さんが史実に即した物語を書かれるとは、驚きました。
2投稿日: 2021.12.29
powered by ブクログとても真面目な本。戦争のための兵器を作った技術者が、その後悔から平和のために自分の技術を役立てたいと力を合わせる史実に取材したフィクション。プロジェクトXを思い出す。
0投稿日: 2021.11.29
powered by ブクログ戦時中、零戦や特攻機などの戦闘機を開発・設計していた技術者たちが、戦後、夢の超特急『新幹線』の研究開発を行い、実現させた実話を元に描かれた物語。 「自分が持っている技術を投じてつくった飛行機で、若いパイロットたちが死んでいった。大勢の人が亡くなってしまった」という悔いる気持ちから、「戦いを生み出さない美しくて安全な乗り物を作りたい」と、戦後復興と平和のために、新幹線開発に没頭する技術者達の想いが、心に沁み込み、伝わってきました。 その想いに共感し、一緒に「平和を運ぶ乗り物をつくりたい」と没頭する主人公・聡一の、未来に向かって前を向く姿が、なんだか胸をすっとしてくれるような、爽快で、明るい気持ちにさせてくれました。また、満州からの引き揚げの際に眼にした凄惨な光景のせいで、トラウマを抱えている同僚の寧子との恋愛も、初々しくて、二人で未来に向かっていく姿も気持ち良かったです。 新幹線の誕生にこんな実話があったのかと、心を打たれました。 3年前の夏、従弟の結婚式に出席するため、父親と妹家族と一緒に、新大阪から九州新幹線に乗りました。姪っ子二人が、初めての新幹線に凄く興奮していたのを思い出しました。みんなでお弁当を食べながら、そこには笑顔がいっぱいで、平和そのものでした。後悔に苛まれ、新幹線の開発に携われた方達の想いが、こうして報われています。私達はその想いを、引き継いで行かなければな・・・と思わされました。 コロナ禍が終息し、次に新幹線に乗る時は、平和を噛みしめたいと思います。そんな気持ちにさせてくれる1冊でした。
6投稿日: 2021.06.21
powered by ブクログ今、当たり前にある新幹線には、 こんなドラマがあったんだよと、 子どもが知るにはいいなあと思ったけど、 満州の話の部分は厳しいか。 それも大事な歴史の一部だけど、 今回の話はそこがなくても成立したはず。 なんか、、もったいない。
0投稿日: 2021.06.19
powered by ブクログ零戦を作っていた技術者が、新幹線0系を作る。 タイトルの通り。 が、内容がうっす〜い。 鉄道の技術屋が主人公の小説なのに、 話は技術寄りでもないし、 ホンワカした恋愛要素を軽く混ぜてみたり、 なんか話が軽い。 今回の話は車両設計だけど、それにしても、もっと話を深めるエピソードがあってもいいだろ。 車内信号機化したせいで、線路にATC信号流して時速200kmで受信するのに、当時のアナログ信号でどうやって克服するとか、 車両試験で電車線が切れまくったから急遽ヘビーコンパウンド化したとか、 開通10日後に開業するとか今なら考えられんでしょ。 何でもネタはあるだろう。 もっと、一つのテーマを深く追求して、頭のおかしい技術者の変態的な情熱が読みたいんだよ。 感想として、別にこの話は新幹線じゃなくてもいいやん思いました。
0投稿日: 2021.05.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
武器を作り、人を死なせてきた贖罪の気持ちから、自分たちの技術を平和のために使いたいと思った技術者たちの苦闘を描いたもの。希望が伝わってくる作品である。 極度の近視のために徴兵検査に落ちたことを引け目に感じている19歳の聡一と、満州から引き上げたときの恐怖がトラウマとなっている19歳の寧子の初々しい関係を並行して描く。 当事者ではない助手という立場の若者の視点で描いているため、苦闘の生々しさは薄い。その分読みやすいのは確か。 ただ、寧子が男ばかりの職場に自ら乗りこんだエピソードには違和感を感じた。そこまで欲張らないほうがよかったのではないか。 資料を読み込んで書いたとのことだが、全体的に消化しきれていない感じがした。
0投稿日: 2021.03.25
powered by ブクログ第二次世界大戦時、戦闘機の開発に携わっていた技術者たちが、戦後の復興を支える鉄道開発にも関わっていたという事実に基いたストーリー。『プロジェクトX』(参考文献にも上がっている)的な技術屋さんを主人公としたハードな話かと思ったけれど全然そんなことはなく、どちらかと言えば気楽に読めた。♫ビュワーン ビュワーン 走る 青いひかりの 超特急 時速250キロ……まさにこの歌がBGMにピッタリの作品だった。しかしこの曲、ぼくが2歳の時のものなんだが、未だに歌えるぞ(^_^;)。
1投稿日: 2021.03.20
powered by ブクログ理系的な話しで、文系的な深みがあると思った。(個人的な感想で、個人の表現力の域内です) 薬学の子ども向けの本を読んで面白い!と思い、子どもに読ませようと思ったが、読み始めて文章から大人向けだと気付きました。 書名がカッコいいと思いました。
1投稿日: 2021.02.24
powered by ブクログ敗戦後、GHQから「航空の研究、生産の一切」を禁じられた日本では、軍用機を生産していた軍の技術者たちが贖罪の気持ちから、高速鉄道の実現に向けて取り組むことになる。 小説としての着想と筋書きは素晴らしいが、零戦で実現させた技術力の高さを、鉄道という平和利用の形で0系新幹線で実現させた技術者の思いは、もっと感動的に描けたのではないか?この作者への期待値をこめて評価は3にした。
0投稿日: 2021.02.08
