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忘却の河 上
忘却の河 上
蔡駿、高野優、坂田雪子/竹書房
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総合評価

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    申明は南明高校の教師だ。名門の北京大学を卒業してこの高校の国語の教師になった。同期の友はもっと高い地位に就いているというのに。申明に関わる事件が起こる。そして申明が殺される。誰に?、それは後の申明の記憶を持った者にとっても大きな謎だった。輪廻転生を中心に据えたミステリー小説。下巻ではどんな話に繋がるのだろうか?

    1
    投稿日: 2024.04.15
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    濡れ衣を着せられ、殺害までされてしまった国語教師が、記憶をそのままに生まれ変わって… #忘却の河 ■あらすじ 1995年の中国、主人公である申明は高等学校で国語の教鞭をとっていた。ある日、教え子の女子高生が図書館の屋根で倒れているのを発見する。救助に駆けつけるも彼女は亡くなっており、しかも警察に容疑者として逮捕されてしまうのだ。 その後、教師としての職や婚約話もなくなってしまった申明は、自暴自棄になって疑わしい人間を殺害してしまう。しかし申明も何者かに殺されてしまうのだった。 時を経て2004年、とある小学校の授業中に国語の問題に解答する児童がいた。彼の解答は大学教授とも思えるほど高等な内容で… ■きっと読みたくなるレビュー これまた力作ですね、面白いっ 大衆小説として読者を楽しませようという気合をビシビシ感じます。 主たるテーマは輪廻転生ではありますが、謎解き、復讐劇、恋愛、家族愛、師弟愛、社会問題性などてんこ盛り。しかも中国をはじめとする世界中の文学作品が引用され、美しさに浸ってしまうこともしばしば。 上下巻の長めのお話ですが、文章も読みやすく、ラストまで怒涛のように読み切ってしまえます。人間関係が複雑なので、ぜひノートに関係図を書きながら読んでみましょう。そのほうが楽しめると思いますよ。 〇忘却の河 このタイトルは一体なんなのか…?答えは比較的すぐにわかるのですが、中国にはこういう考え方があるんだと勉強になりました。なるほどなぁ~ 本作の一番の読みどころとなる「生まれ変わり」。もし自身が殺されてしまったら、人はどういう感情になり、どんな行動をしてしまうのでしょうか。 主人公が生まれ変わった後、小学生から中学生、高校生と徐々に成長していくのですが、当然前世に関わっていた人物たちも年齢を重ねていく。世代ごとに生まれ変わりの事実を隠しながら、関係性を再構築していくのですが、ここが面白味の妙なんです。 現世では年下なのに前世では先生だったり、前世では恋人関係なのに現世では親子関係になったり。そして物語が進行するにつれ、隠されていた情報が提示され、誰かが殺害されたりと、コロコロと関係性が変わってくる。 まさにジェットコースターのような小説で、登場人物たちの感情の起伏が激しく変化していく。まぁ登場人物は大変な人生でしょうが、読み手からするとめっちゃ面白いんですよね~。ぜひ味わってほしいです。 続きのレビューは下巻にて https://booklog.jp/users/autumn522aki/archives/1/4801928099

    73
    投稿日: 2023.11.19
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    華文ミステリーが本当にレベル高くて面白い。「幽霊ホテルからの手紙」でファンになった作家さんの邦訳2作目?訳者が4人でしかも仏語の翻訳家、と言う点も出版までの紆余曲折を疑ってしまう。少しホラーがかった輪廻転生をモチーフに始まる。日付ごとに展開していくので少年の成長ぶりや申明の命日などが分かり易く追えるのも読み易い。

    4
    投稿日: 2023.07.26
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    蔡駿『忘却の河 (上)』竹書房文庫。 刊行予定に書名が載っては何度も延期されるということを繰り返した曰く付きの作品が、ようやく刊行された。翻訳者に4人も名前を連ねていることから、翻訳から刊行に至るまでに相当な苦労があったことが窺える。 中国人作家による輪廻転生ミステリー小説である。同じ華文ミステリーの陳浩基の『13・67』のような変わったスタイルのミステリー小説だ。 翻訳がしっかりしていて読みやすく、ミステリー小説としても非常に面白い。なかなか馴染みの薄い中国人登場人物の名前には何度もルビがふられているのも嬉しい。また、中国独特の社会の風習や文化なども読み取れる。 1995年6月19日を描いた第一章で語り手を務める名門高校の教師の申明が何者かに殺害されるところから物語は始まる。 申明が何者かに殺害される前の6月6日、高校の図書館の屋根で申明の教え子の女子高校生・柳曼の遺体が発見される。申明は教育界の大物の一人娘、谷秋莎と婚約しており、付き合っていた柳曼が邪魔になり、殺害したのではないかと疑われ、殺人容疑で逮捕される。 嫌疑不十分で釈放された申明だったが、高校教師を免職となり、共産党からも除名され、婚約者の谷秋莎とその父親からは見捨てられる。柳曼殺害事件の真相は判らず、事件は未解決となる。 時は流れ、2004年。かつて申明の婚約者であった谷秋莎が訪れた小学校で流暢に漢詩を暗誦する小学3年生の司望と出会う。 司望を父親が経営する私立学園の広告塔に起用した秋莎は次第に司望の才能に執着し、司望を養子にする。時折、司望の背後にちらつく申明の影。やがて司望自身もまるで申明の記憶を持ったような行動を見せる。 その後、司望と申明のかつての教え子である馬力が出会うと物語は大きく動き出す。 次々と殺害される申明の関係者。事件の真相は一体..... 本体価格1,400円 ★★★★★

    43
    投稿日: 2023.07.02