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滅ぼす 上
滅ぼす 上
ミシェル・ウエルベック、野崎歓、齋藤可津子、木内尭/河出書房新社
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総合評価

11件)
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    いつものウエルベック節を求めている人にとって期待以上に楽しめる本だと思う。 序盤から断頭台の図解が出てきて笑ってしまう。まだ上巻しか読んでないけど、ポールとプリュダンス夫妻の歩み寄り・関係の修復が見られそうなのがこれまでのウエルベック作品とは違う点かな。 ポールが人間嫌悪とテロリストへのシンパシィを独白するシーンは正直ドキッとさせられた。 一番印象的だったのはポールの妹セシルが得意の料理を武器に働きに出て、ブルジョワの家で作業をする中で社会的階層の違いを痛感するところ。「こんなの知りたくなかった」けど夫と合流する頃には「楽しかったわ」と表面上取り繕う。うーんしんどいな

    1
    投稿日: 2025.01.21
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    下巻読了後にまとめて感想とする。 なかなか捉えどころの難しいお話。 掴みどころのよくわからないお話。 でも、何かが少しずつ動き始めている。

    2
    投稿日: 2024.11.16
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    初めてのミシェル・ウェルベック 惹き込まれる。 大統領選を補佐する情報解析員。親子、兄弟、夫婦の問題が非常にリアルで違和感なく読める。そこに時折絡んでくるテロの話題。上巻の最後に父親とテロの話題が交錯してきた、、、

    1
    投稿日: 2024.10.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    家族のキャラクター設定がものすごく良いと思った。 シニカルで真面目な官僚の長男、慈悲深く家族を繋ぐ役割をしている妹、うだつが上がらず、災難ばかり降りかかる弟。父やマドレーヌ、そして彼らの結婚相手しかり。みんながキャラクターとしての役割を見事に演じていて、物語の情景が自然と頭に浮かんだ。

    0
    投稿日: 2024.06.09
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    同年代の自分と重なる部分があり、導入の巧みさ、 ウェルベックの過去作で一番面白かった ある島の可能性 より引き込まれてしまった

    0
    投稿日: 2024.04.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    X(旧Twitter)で頭が良さそうな人が皆読んでたので読んだ。フランス次期大統領戦の最中、謎のテロリストが台頭し、経済大臣の秘書の回りの人達の色々を書いた話。フランスの小話と、各登場人物の考えを細く散漫に書いているのでXのTLを見てるかのような印象だった。まだ下を読んでないけど、ボールとブリュダンスが仲良くなって、オーレリアンが無事に離婚できるように応援する

    1
    投稿日: 2024.03.05
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    2026年12月23日、インターネット上に拡散される謎の映像とメッセージ、財務大臣をギロチンで斬首するフェイク映像は、相当に手が込んだレベルの高い映像で。冒頭の緊迫感に期待が高まったが、その後の展開はスローダウン、まったりと、鬱々とした感じさえする流れで、どこへ話が進むのか迷走気味になり。しかし、上巻のラストで、冒頭の出来事への驚きのリンクが明らかになり、下巻に多いに期待! 2027年のフランス大統領選を前に、謎のテロ組織が暗躍するなか、経済・財務大臣秘書官のポールは、妻との関係に回復の兆しを見出す。やがて現大統領の肝煎りで、テレビの人気タレント、サルファティが立候補し…。

    6
    投稿日: 2024.02.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    巧妙なフェイク動画の謎は、船を沈めたテロリストの正体は、正五角形と五芒星の意味は、ポールの父親のメモの真意は…すべての伏線は一体どこに行ってしまったのか? 下巻の半ば以降は、ポールが患った病を通して生の意味を問う、ひたすらそんな類の描写に尽きることに、いささか面喰らい、そして肩を透かされた思い。 性描写がここまで必要なのかどうかも、私には分からない。 惹句にあるように、リーダビリティが高いことは認めるが、カタルシスを得ることはなかった。 「フリードリヒ二世は愛犬のそばに埋葬されることを望んでいた。邪悪な種である人間にかこまれて眠らなくていいように。」 「森は、生命の本質であり、闘いも痛みも知らない、穏やかな生命である。永遠を思い起こさせることはなく、それは問題ではなかったが、我を忘れてじっと眺めていると、死はそれほど重要ではないと思われてくるのだった。」

    1
    投稿日: 2023.11.10
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    もはや一種の黙示録とも呼べる文学作品を作り続けているフランスの鬼才、ミシェル・ウエルベックによる新著であり、過去の作品と比べても単行本上下巻という大著。 個人的に新著が出たら、迷わずに買うことを決めている現代作家の一人がウエルベックなのだが、迷わずに買ったことを全く後悔しないほど完成度高く魅惑的な作品であった。 ウエルベックの作品は登場するテーマや意匠に強い共通性がある。デビュー当初は、カルト宗教やセックス/性の問題に始まり、ここ10年ほどは極めてアクチュアルな移民問題やテロリズム、資本主義の限界など政治・経済学的な側面が強まっている。本書はまさにウエルベックを構成するであろう様々なテーマ・意匠が総動員されることで、作家自らの代表作といって過言ではない文学世界が構築されている。 正直、圧倒的な物語の面白さはありつつも、その陰惨たるテーマ・意匠の連続によって読み手の体力を著しく奪う書物に仕上がっている。そのような辛さを味わってでもなお先を読み進めたいという中毒性を与えてくれる作品というのは非常にレアであり、その黙示録的な現代社会の救いのなさの前でただ佇むことしか私にはできない。

    1
    投稿日: 2023.09.09
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    舞台は2027年、大統領選を目前に控えたフランス。 家族間の金をめぐるいざこざや健康問題、冷え切った夫婦関係、政治とテロの話。 ウエルベックってこんなんだっけ?と思うくらい普通のリアリズム小説。 ドラマチックな展開は今の所ないが、これまでの作品にないほどすらすら読める。 露悪的な性描写もなし。300頁、3日で読了。 作品全体に静かな諦念や悲哀のトーンが強く漂っているのが印象的。

    0
    投稿日: 2023.08.23
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    上巻は、珍しくいつもの強烈な性的描写なし。政治的描写も少なめ。老いた父、疎遠の兄妹、夫婦の話だけで淡々と進む。上巻だけでの評価はできない。下巻でどうなるか。

    0
    投稿日: 2023.08.12