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馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow
馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow
森博嗣/講談社
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総合評価

31件)
3.4
4
6
13
3
0
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    表紙が綺麗で買った (本当はすべてがFになるが欲しかったけどなかった) 社会不適合者って、柚原みたいな人のことを言うんだな 私ってば、なあんにも考えず社会の家畜として生きてるから、つまりここで言う馬鹿かな 社会の家畜である馬鹿が社会適合者ってことかぁ 皮肉だなぁ、

    0
    投稿日: 2025.09.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    加賀屋と小川令子の新シリーズ(?)1作目。 ホームレス青年の柚原の身辺調査を依頼された2人は彼に接触し、依頼内容について探るがまぁ彼の出生とか依頼者とかはこの際どうでもいい。 加賀屋にずっと海月くんを思い出させる柚原は、一見海月くんのように理知的で達観している印象を与える。 でも海月くんは同じ状況だとしてもこんなことしなかっただろうから、比較にすらならない。 選択して今の人生を歩んでいるのに、自分の境遇を世界のせいにして己が優秀な人間と勘違いしているクソガキだった。哲学をかじっているクソガキほど厄介なものはない。 「人は弓だ。 誰かに引かれ、精一杯撓って、解き放たれる。 その解放で満足する。それが生きることだと思い込める。 愚かで、偽りの弓たち。」

    1
    投稿日: 2025.07.31
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    ようやく新シリーズ読めた!小川さんと加部谷ちゃんのコンビ好きだから嬉しい! いや、話は相変わらずよくは分からないけど…これも後々何かに関係していくのかな…と思いながら。

    0
    投稿日: 2025.07.15
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    Wシリーズ、WWシリーズの世界がどんな流れで作られていったのか、という個人的な疑問の答え合わせがきているなと思いながら読了。 「社会」というものの歪みに加部谷が触れていく流れになるのでしょうか。柚原に小さな幸せを、と考える加部谷が痛々しくも愛おしい。彼が真賀田四季と出会っていたらどうなっていただろうか、とも考えた。

    1
    投稿日: 2025.05.06
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    読んでも読んでもどこに導かれているのか分からない不思議な感覚。全ては見えない空白のある小説。 本を読むという行動は導かれるものではなく自分で進んでいくものなのだろうか、とふと思った。

    0
    投稿日: 2025.04.21
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    感想としては微妙... まず柚原の印象が異なってる気がする。 作中では理知的で穏やかと表現されてましたが、理知的は認める。だけど穏やかではない。笑顔を見せろ。 加えて自分の読む感覚が悪いせいもあるかもしれない。(ミステリだから痛快なんだろうな)と思ったけどサスペンスよりでした。 あとお恥ずかしながらS&Mシリーズも読んでません。それが原因説も否めない。 (解説の方が西之園萌絵推しすぎ気になりすぎる) 一方でロジックに従った柚原の考え方が哲学的であり、問題を含んだものなので 問題提起をしているサスペンス強めのミステリーとして読むと面白い。 私は考えさせられる小説が大好きです。 ですからミステリという面ではもやっとしますが、サスペンスという面では満足を得られような感覚でした。XXシリーズを読む気には全然なれる。

    0
    投稿日: 2025.01.29
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    物語が1箇所に集結しない感じ。伏線かな?って箇所はたくさんあったけど、あんまり回収されなかったし、回収されなかった箇所ほど難しかったから一筋縄では読めない。でも、社会不適合者は一見、独特で特殊な雰囲気を持っていたりする人のことを指してると思われがち(それも合ってる)。だけど、柚原のように自分の偏った思考と他が交流する機会が少なかったのか、自分の意見が全てだと思って、思考が濃すぎる場合もそれらに分類されるのかなって思った。

    1
    投稿日: 2025.01.09
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    241231*読了 小川令子と加部谷恵美、2人が探偵コンビとなって謎の解決に挑むXXシリーズ。 解説で斜線堂さんがS&Mシリーズを読むタイミングを見計らいすぎていたように、わたしもいつ読もう、今じゃないとこの本をあたためていた。 そして、やっぱり圧倒的おもしろさに夢中になり、次作を続けて読むことになる。 S&Mシリーズから順を追って、ほぼシリーズすべてを読んできているから、小川令子と加部谷恵美には親しみがあって、彼女たちのことをよく分かっているつもりで読めるのはいいところ。 今作から森博嗣さんを読んでも絶対に夢中になるんだろうけれど、そういった方にも必ず2人それぞれが登場する他シリーズを読んでほしい。もっと楽しくなること請け合いである。 自分はちょうどこの2人のあいだの年齢で、小川令子はお姉さん的存在、加部谷恵美は後輩みたいに思って読んでいる。 ホームレスである柚原典之を調査するにつれ、浮き彫りになっていく事実。 ハラハラする展開があるからおもしろいんじゃない、謎解きそのものがおもしろいんじゃない、それなのにページを繰る手が止まらない。 それこそが森博嗣さんの小説の魅力のひとつ。 ちょうど12月に「ラブセメタリー」でも、ホームレスの男性について調べるために、他のホームレスの人に聞き込みを行うという今作と似たようなシーンがあって重なった。 柚原典之の視点でやっと考え方、生き方についての理解ができたけれどそれは共感できなくて、やるせなくて…。 森博嗣さんが投げかけた問いは、普段考えもしてこなかった現実を、変化球で投げつけられたような感じ。結局、答えは出せないのだけれど。 それでいいのでは?と森博嗣さんなら言うだろうか。

    0
    投稿日: 2024.12.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    社会に絶望して生きる気力がない青年、柚原典之。 彼の行動を調べてくれと依頼を受けた 探偵事務所の小川令子と加部谷恵美が柚原と彼に関わった人たちと接触して彼を知るうちに冷静で理知的な彼に少しずつ好意的な目で見始めたのにあっさりと裏切られる結果に。 複雑な生い立ち、学歴もなく社会にも適応できずにホームレスとなって、最後はあまりにも短絡的で凄惨な無差別殺人事件を起こす。 探偵事務所の二人がなんとも魅力的でした。 このシリーズの続編を読むべきか、Xシリーズを読むべきか悩むところ。 (Xシリーズに加部谷さんが出てるらしいので)

    0
    投稿日: 2024.12.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    [こんな人におすすめ] *心がざわざわする小説が好きな人  やるせない。心が落ち着かない。消化しきれない。読み終わった後に上記のような感覚に陥ることが好きな人におすすめです。「ぞくぞく」でも「もやもや」でもなく「ざわざわ」します。  登場人物の一部あるいは全員に共感できない可能性がありますが、現実にいてもおかしくない人たちばかりです。リアルさを感じられる小説だからこそ消化しきれない問題にぶち当たってざわざわします。心の不安定さを味わいたい人におすすめします。 [こんな人は次の機会に] *他者を慮ることのできる優しい人  彼を止めることはできなかったのか。彼女ができることは他になかったのか。相手の気持ちに寄り添おうとする優しい人であればあるほど、考え込んで疲れてしまうと思うので気をつけてください。

    1
    投稿日: 2024.09.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2024/8/31読了。小川と加部谷という馴染みのある2人がメインキャラクタに添えられており読みやすい。 ストーリィはいつもの感じながら、テーマは確かに考えさせられる。個人的には、理解はできるが共感はできない内容だが…うまく小説の形に嵌め込んでるなあという感じ。解説にある、形のないものに輪郭を与えるという表現がしっくりくる。 島田や加部谷のキャラもいいんだが、本当に求めているものは西之園萌絵なんだよな。

    0
    投稿日: 2024.08.31
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    重い……。ストーリーの緩急(起伏?)が少なく、全体的に単調な感じです。謎を解くようなミステリ要素はほぼ無く、結末もあぁやっぱりそうなるのか…という感じ。 主人公の思想がリアルで共感できません。働きたくないって思想はわかるけれど、死にたくないからお金は必要で、そのために他者に害を為すのも自然の道理だ、というのはただ怠け者なだけでは?と思ってしまう。コンピューターがやればいい、他者と関わらずコンピューターに管理された世界でぼんやり生きたいというのも、そのコンピューターを管理する人はどこから出てくるんだ?と思ってしまう。働きたい人だけが働くなら、考える人が減る分技術は衰退するだろうな…。 こういうことを考えさせるのが目的のストーリーなのだろうけど、私の好みでは無かった。

    2
    投稿日: 2024.08.13
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    柚原の屁理屈にずっとイライラさせられたのが、リアルだなと感じた。 ネットだと気軽に社不(社会不適合者)って言うけど、現実の社会不適合者ってこうだと思う。 全く共感ができないし、最後の警察とのやりとりも会話になってない。 加部谷はなにを持って真面目そうと思ったんだろう。言葉遣いが丁寧だから?? 小川さんが恋愛脳なところがうざかったです。

    1
    投稿日: 2024.07.16
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    現実の無差別連続通り魔殺人を恐らく題材に,加害者を主人公に据え,それまでの足跡が描かれる.どこに動機,あるいは人生の分岐点となるトリガがあるかは判らない.殺人を犯した者も人であり,犯していない者との明確な境界などない.決して無関係ではなく,連続した時空間を共有したイベントであることを印象づけられる.

    0
    投稿日: 2024.07.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文系の私が、理系ミステリと呼ばれる森先生の作品たちに、どうしてこれほど惹かれるのか、未だに自分でもよくわからない。 描かれていることの半分も理解できていると思えない。 それでも理屈抜きで読んでしまうのだ。 今作もそう。 プロローグからもう惹き込まれている。 そして加部谷ちゃんとの再会に嬉しくなってしまう。 「そして、彼から離れる方向へ歩くときに、何故か涙が流れ始めた。 自分がどうして泣いているのか、わからなかった。 ただ、人間って悲しいものだな、くらいの茫洋としたイメージだけがあった。 その悲しみが、一部の人間を包んで、一生そこから抜け出すことはできないのだ。 それが、悲しい。 悲しいから、悲しい。理由なんてないのかもしれない。 そもそも悲しい存在なのだ。 悲しくないように、錯覚し、誤解し、誤魔化して生きているだけなのだ。 深呼吸をして、空を見上げた。これ以上、涙が溢れないように。」 思わず付箋を貼ったページ。 森作品には、冷静で頭の切れる人物が多く、どこか淡々としてロボットのような印象を受けることがある。 けれど、おべっかだとか謙遜だとか、人間関係を円滑にすると思われる上辺だけの言動を取り除いた先の、本質的な人間らしさのようなものがしばしば垣間見えて、その度に胸を衝かれる。 第4章の展開には息苦しくなった。 どうか、どうかやめてください。 祈らずにはいられなかった。 綺麗ごとだろうか。 世の中で起きている事件の犯人像を、ステレオタイプな型に押し込めて、あぁ、こういう生い立ちで、性格で、不運も重なって、それでこんなことになっちゃったのね、はいはいはい、とわかった気になる危うさ。驕り。 そのほうが楽だから。安心できるから。 エピローグは無性に泣けてしょうがなかった。 加部谷ちゃんは疫病神なんかじゃないよ。 海月くんはどこで何をしているんだろう。 これから二人がまたどこかで交差することはあるだろうか。 うまく言語化できないけれど、これまで読んだ森作品の中で、自分にとっては最も生々しく、強烈に生というものを感じる一冊だった。

    0
    投稿日: 2024.06.11
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    森博嗣作品初挑戦。 本屋で数ある森博嗣作品を見かける度に、 タイトルが秀逸だなと 感心しているだけであったが、 我慢できずに手に取ってみた。 まず驚いたのが、タイトルがそれとなく 回収されているところ。 森博嗣愛読者の方にとっては 普通のことなのかもしれないけれど、 字面だけみたら「なんのこっちゃ?」な タイトルを終盤によく回収したなと思った。 加えて、登場人物が魅力的だった。 会話のテンポの良さが印象的で それぞれの掛け合いは読む手が止まらなかった。 加部谷さんが、特にツボだった。 終盤の柚原の行動については、 自分の読解力もしくは想像力が足りていない為か なぜそういう方向にいったのか 理解できなかったが、 それこそがむしろこの作品が取り扱っている テーマの複雑さを表しているのではないか と思った。 単なるミステリーでは片付けられない。 自分は続編も追いたいと思ったが、 ミステリー小説の読書体験に 何を求めているかによって 好みが分かれやすい作品だと感じた。

    6
    投稿日: 2024.05.01
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    全てがFになる を読んだ時、シリーズの何冊目かは出ていた。それからもう20年位? えっ?犀川先生とあの子供が同一人物!?のあの衝撃は10年たった今でも覚えている。それとは違ってもう2人の関係性は我々には見えているだけに、このシリーズがどんな展開をしていくのか楽しみ。 ‥ではあるが、本を一冊読み終わったというより、長いプロローグを読んだ感じで⭐️⭐️⭐️。

    2
    投稿日: 2024.03.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    新シリーズ。探偵物だけどミステリィではない。 ジャンルはなんだろうな…? 最後、柚原の考えが恐ろしい。理解できない考えではないことが何より恐ろしい。 馬鹿は誰だったのか? 装丁が綺麗。

    2
    投稿日: 2024.02.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

     もしかしてほんまに加部谷恵美に救いってないのか?今回のタイトルは「風来坊」から来てるんだろう。社会から外れた生き方を望むことはできないのか?という確固たるテーマ性を持っている。そして次は「歌の終わりは海」で「尊厳死」か。なるほど。

    0
    投稿日: 2024.02.25
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    「持つものと持たざるもの、悪いのは誰か」という帯のコメントと綺麗な装丁に惹かれて手に取った一冊。 そして、どっと疲れた昼下がりの読後。 小説だけれど、新書を読んだあとのような。きっと好みが分かれる作家さんだと思う。あとから名古屋大学工学部で工学博士として勤務してる作家さんって知ってすごく納得。 理知的で、冷静なホームレスの少年。自分の確固たる信念のようなものを持っていて、社会を俯瞰して見ているのだけど、どこか掴みどころがなくて不気味だった。 なぜか説得力のある彼の言葉は、共感はできないけれど頷けるところもあって、たくさん考えさせられた。 〜*〜〜〜*〜 働いていない人間、金を持っていない人間は、事実上、普通の社会人としては扱ってもらえない。1人でぶらぶら歩いてる自由は、この国にはないようだ。 革命が起きるには、日本の社会は成熟しすぎた、ということだ。 だが、全ての成功には代償が伴う。何かを得ようとすれば、差し出すもの、奪われるものがある。普通に生きるために生き物の摂生が必要なように、築くためには破壊しなくてはならない。 だから、その偉くなった奴らが定めたこの日、この場所だけで、羽目を外して自由になろう、というわけだ。馬鹿じゃないだろうか。そんなものが自由か? 目の前に吊られた餌を、自由だと思って噛み付く連中。馬鹿ばかりだ。馬鹿の社会なのだ。 自由なんて、全部嘘っぽっちなのに。 面白いものは、すべて偽りなのに。

    10
    投稿日: 2024.01.29
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    「どうして、世の中には、あれほど筋の通らないことを平気で主張できる人間がいるのだろうか。 こちらから、理由を尋ねても、なにも答えない。都合の悪い場合には、ただ声を大きくして叫ぶだけ。感情で、すべてを押し切ろうとする。まるで、自分たちの感情が正義だと言わんばかりである。これだけ、法治国家、自由主義が発展した現代においても、人間の精神は昔のまま、貧しいままではないか。」 「え、そんな大事な本を、捨てちゃったんですか?」 「大事なのは、書かれている文章です。それは、もう読みましたから、メディアは必要なくなりました」 「メディア?ああ、本のことですね」 「あれが、子供の頃から大嫌いだった。 だから、祖母のことも好きになれなかった。自分を可哀相だと思っている。そういう顔で見る。優しくしてくれる者は、例外なく、哀れんでいるだけだった。同情というのは、人を蔑むことと同じではないだろうか?」 「いつまでも他者に、そしてこの歪んだ社会に依存して生きていくのは、体液が濁るほど潔くない、と理解していた。」 「生きていることに価値がある、と意識させるのは、よくできたプログラムだ。自分も、それに逆らえない。生きている以上、逆らえないような仕組みになっている。優れた機能といわざるをえない。」

    0
    投稿日: 2023.12.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ホームレスの若者もそれを調べる探偵と依頼者と… なぜ依頼されたのか、を探る感じ。 でも最後に急展開。 ホームレスの子の言うこともわからんでもないけど…自分は社会に埋もれる人間なので、彼から見たら馬鹿なのかな。どう感想を抱いていいかわからなかった。 まぁでも、読み解いていく感はあって面白かった

    0
    投稿日: 2023.11.27
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    表紙の美しさで手に取ったのと、シリーズものと知りながら読んだが、やはりシリーズものとしてて楽しんでいる人向けなのか、話の全容がぼんやりと感じて、最後の部分がヤケに異質に浮かび上がって見えた。

    0
    投稿日: 2023.11.03
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    XXシリーズの1作目。 時系列的にはGシリーズ9作目と10作目の間のエピソードぼい。 残念ながら森博嗣作品多すぎて全く追いつけてないので、この9.5にしてGシリーズ初読み(^^;; 勉強不足ではあるが、ストーリーは謎解きという感じでもなく「どうしてそうなった!」な2時間ドラマっぽい読み切りで、初読みでも問題なし。 と言うよりX Xからはじめよう (^^) ホームレスとして生きる柚原(ゆはら)青年。 彼の調査を依頼された小さな探偵事務所の小川とスタッフの加部谷(かべや)。 複雑な生い立ちなのは〝同情〟に値するし、ホームレスを生きる道としたのも〝自由〟だと思うけど、社会が悪いとか馬鹿だとかに立派な理由付けをしてるわりに、自分を支えてくれた人に対しての感謝がないのは違うな。 下手に〝賢い〟もんだから、自分を特別な人間だと思っている〝愚か〟な青年Fool Lie Bow (風来坊)の〝残念〟な物語。 調査依頼をした柳瀬や、元教授の飯山との関係が焦点というか、その先行きが知りたくてページを捲ったけれど、最終的に全部ぶっ飛んだな…。 加部谷さんが可哀想過ぎる。 今年の23冊目

    12
    投稿日: 2023.10.05
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    社会に絶望した青年の話。 ホームレスという世間的にはよく思われない人に彼はなる。 自由になるというのは簡単であり、この世界で生きていくには難しく、苦しい。 青年にとっての、自由、生きるとはなにか。

    0
    投稿日: 2023.09.18
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    Amazonの紹介より 探偵事務所への匿名の依頼は、あるホームレス青年の調査だった。彼は穏やかで理知的な人物だが、社会に絶望していた。調査の目的に疑問を感じながら、探偵が尾行を続けるうちに、青年の知人の老ホームレスが急死し、遺品から彼の写真が見つかる。それは依頼人から送られたのと同じものだった。 新シリーズ開幕。 森さんというと、SFミステリーのイメージが強かったのですが、今回はそういった不可思議な要素はなく、現代ミステリーということでちょっと驚きでした。ただ、ラストの展開は、驚きの展開であり、それは現実でもありえることなので、深く印象づけられました。 ある男の調査依頼から始まり、事件という事件が起きるというわけではありません。森さんだから、何か起きるんじゃないか、起こさせるんじゃないかと思っていたのですが、淡々と時間が流れていきます。 途中、事件っぽい匂いがくるのですが、むしろヒューマンドラマの要素が前面に出てくるので、この作品はこういう趣向なんだと思いました。 その要素なんですが、一人の男の調査を通じて、「生きる」って何だろうと思いました。男は良い意味として、正論を言う至極真っ当な男ですが、悪い意味ではめんどくさく、世間で渡り歩くのは容易ではない存在です。 社会に不満を持ち、正しいことを言っているのですが、なかなか思うようにはいかず、周囲と溝が深まるばかりです。 社会における理不尽さが滲み出ていて、生きることの難しさを感じました。 森さんは、小説だけでなく、エッセイとして新書としても発売されていて、森さんの考え・思想が書かれています。 そういうこともあってか、もしかして男の主張は、森さんの今までの考え・不満なのかな?と思ってしまいました。 また、主人公の2人が探偵に至った経緯も描かれています。右葉曲折の人生であり、今後どんな「2人」になっていくのか楽しみです。 事件の雰囲気はありつつも、あまり事件という事件は起きないので、これで終わりなのかなと思ったのですが、最後の展開に衝撃が走りました。 「何で?」他に言葉が見つからないくらい、一瞬、時が止まりました。 ただ、こういったことは現実でも起きることであり、こうして犯罪が生まれることに何とも切なさややるせなさを感じました。 新シリーズということで、今度はどんな事件がまっているのか気になります。

    5
    投稿日: 2023.09.16
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    世の中を「食わず嫌い」した青年。馬鹿は誰か? 本の表紙のような美しさは濁った水の上側なのかもしれない。

    0
    投稿日: 2023.09.06
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    すべてがFになる、でお馴染みの森博嗣さんの作品。 理系大学教授という肩書きを持つ作者ですので、リアルなトリックや大学描写が強みかと思いきや、全く違ったテーマの本作でも非常に味わいのある内容でとても面白かったです。 生きることや働くこと、「普通に」生きていく中でなかなか立ち止まって考えないようなテーマですが、改めて提示されると自分の中でも明確な答えは出せないものだなぁと思いました。 本作は新シリーズの一作目ということで、次回作もめちゃくちゃ楽しみです。

    2
    投稿日: 2023.08.05
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    途中まではそこそこ良かったのに、ラストは意味がわかりません。 ただこの作者様沢山の著書も賞も受賞されてると言う事で私にはまだまだ読解力がないと言う事でしょうか? 人を殺めては絶対に行けないと思います。ましてや健康な身体を持つ事は何より尊い事です。 残念な作品でした。

    0
    投稿日: 2023.07.25
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    またもや、深く考えさせられる結果となりました。 生きるとはなんなのか、人間とは何をもって認識されるのか。 難しいと簡単に片付けたくはないです。

    2
    投稿日: 2023.07.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    森博嗣ファンです。定価では無く、古本屋で手に取った一冊なら良かったと言っていたかも。陳腐でした。そう感じるほどに人物の描写が浅い。私向きではありませんでした。S&M、スカイクロラ、百年などのSFやトーマの心臓はとても良かったのですが、現代社会を描くとなるとこうなってしまうのでしょうか。 どれだけ人々の営みや集団を達観しようとも、生への執着は捨てられないのが柚原の浅さです。彼は人間を馬鹿にして自分は宇宙人なのだと思考で嘯いても、どうしようもなく人間です。さて、無差別殺人犯の罪状を持つ柚原に、刑務所の人々はどう接するでしょうか。彼はプライバシーの無い空間で悠々自適に人権を守られて過ごせるのでしょうか。虚しいですね。 人生が幸せの無い穴のような空虚さであり、それに気づかず前向きにやっていける馬鹿さが彼にあればこうはならなかった。中途半端に賢いと悲惨です。

    4
    投稿日: 2023.07.18