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正義の弧(下)
正義の弧(下)
マイクル・コナリー、古沢嘉通/講談社
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総合評価

17件)
4.5
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    正義の弧。 正義というベクトルは、どんなに悪が蔓延っても最後は弧を描いて正しい場所にたどり着く。 正義はボッシュである。 悪は、もちろん犯罪者である。 2つの未解決事件を軸に物語は進むが、 未解決事件だからこその難しさと、その事件にはボランティアとして参加している難しさが ボッシュを苛立たせる。 そして正義の弧はラストに思いも寄らぬ弧を描いてたどり着く。 原題はDesert Star。 砂漠に咲く花。 未解決事件の凄惨な現場が砂漠であることにちなんでいるのだろう。 原題より邦題がこの物語のすべてをひとことで物語っている。

    0
    投稿日: 2024.11.27
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    前作の流れが続くボッシュ&バラードシリーズ。相変わらず常に先が気になるストーリー展開と、一作ごとに成長していく登場人物たち。バラードはついにリーダーとなり、ボッシュは…、ちょっと元気が足りないかな。 いつも楽しみな訳者解説(あとがき)、ついに「全作翻訳」できたそうで、おめでとうございます。映像作品もまだまだ続くようで、そちらも含めて楽しみです 。

    4
    投稿日: 2024.11.13
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    70歳のヒーロー、ハリー・ボッシュとLA市警未解決事件担当のレネイ・バラード。過去の未解決事件を解決する。最後にそうくるのか。面白かったね、一気に読んでしまった。

    0
    投稿日: 2024.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ボッシュは1950生まれの設定。 本書の出版は2022年、物語は2021年の設定と考えると71歳というところか。 ボッシュシリーズは常に事件の解決なり解明はされるのだが、一方で必ずほろ苦い側面も用意されている。 その多くの苦さは、ボッシュの性格vs.世間、組織の理不尽さの摩擦から来るものだったが、今回はちょっと違う。 もう最終回なのだろうか? 自分なりのケリを付けて辞めた警察組織、そして私立探偵、ボランティアとしての未解決事件への関与。 初めてボッシュシリーズを読んでから随分経つが、そうだよな。いつまでも続くはずもない。 これが最後とは思わないが、次にどの物語で会えるのだろう? そんなことを思いながらもう一度初めの方のシリーズを読み返してみたいものだ。

    20
    投稿日: 2024.06.24
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    本当に長い間読み続けているこのシリーズ。今だに高い水準を維持しているので毎回楽しみだったが、 最後の展開が衝撃的。今後どうなるんだろう?

    0
    投稿日: 2024.03.10
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    物語の最終盤に、衝撃的な事柄が明らかにされるんですけど、訳者あとがきを見ると、実はその後、作者の気が変わった様で、その“衝撃的事柄”は解決する方向に向かう示唆がありますね。どうなるのか、次の作品が待ち遠しいです。

    4
    投稿日: 2024.02.15
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    レネイバラード・ハリーボッシュのコンビものの傑作。情報量が多いのに無駄がなく、複雑なプロットなのにスリリングであり、とにかく文句のつけようがない。伏線回収も単なるプロットの答え合わせでなく、キャラクターの心情を滲ませて効果的な場面を演出していて説得力が抜きん出ている。単体の作品としても、シリーズものの一作としても、その内容は見事。

    2
    投稿日: 2023.10.08
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     時は過ぎゆく。その感を作品毎に強くしてゆくのが、本シリーズのこのところの読後感である。若いベトナム帰りの辣腕刑事であったハリー・ボッシュは、今や警察を退官し老いた私立探偵となっている。その後も何作もシリーズを続けていること自体奇跡的なのだが、本書ではナイトシフトの警察官であったレネイ・バラードが未解決事件専門の新部門の責任者となった構図がシリーズに新しい風を与える。  さらにレネイ・バラードは、チームに退職者であるボッシュを迎え入れる。現役を退いてなお未解決事件に挑んできたボッシュの最新のヒストリーに、若き女性捜査官レネイ・バラードの運命を重ねることがシリーズの合体と継続とを奇跡的に成功させ、なおかつ成熟させているのだから、コナリー魔術とその奇蹟的世界設計に再々ながら驚かされた。  新しいチームに組み入れられた癖の強い新しい面々もそれぞれの個性が浮き立ち、カラフルかつ摩擦や緊張にも満ちていて本書の新しい読みどころとなっている。  本書では未解決事件に執念を見せるチームの面々も面白いところだが、彼らの一部の背景となる構造も、本書では二つの大きなうねりとなる同時並行的捜査に複雑な影となってついて回る。過去からの犯罪者を追跡しつつも、現在のチーム内に疑惑を呼び起こす奇妙なメンバーの動きなどもあって、内外ともに気が抜けないボッシュとバラードの様子が、物語全体に張りつめた緊張感を与えてゆく。  静かな捜査と大団円でのガンショット。犯罪はいつでも暴力に満ちたものだし、発生した場所や、犠牲になった人々の想い出は常に悲しくむごたらしい。それらを巻き起こしたネガティブな存在を、常に追跡し対決を挑み続ける私立探偵ハリー・ボッシュと、彼よりはるかに若いが人間的にも魅力的なレネイ・バラードという女性警察官のコンビネーションを本書からはシリーズとして新たに楽しめる。そんな期待値いっぱいの大団円を迎えながら、本書ではシリーズとしては少しショッキングなしこりのようなものが最後に残される。  ボッシュの娘である市警刑事マディと現在の相棒であるレネイ。ボッシュの正義は今、次世代に少しずつ継がれようとしている。そんな重要な局面に居合わせているような感覚を覚えるこの頃。ここのところの新作は、そういう意味でも一作一作に、まさに見逃してはならないという感覚を強烈に覚えている。次の作品が待たれると同時に、読むのが怖いような気さえしてくる。予断を許さぬシリーズ転換点に今ぼくら読者も立たされているのである。

    8
    投稿日: 2023.10.03
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    前作のあとがきで「次作の展開はファンには衝撃的」と書かれていたので、ちょっと読むのが怖いような気がしていたのだけど。いやあこれは確かにショッキング。「えーっ!? ウソでしょボッシュ!!」と思わず口から出た。しかも二回。参ったなあ。 ここ数作はレネイ・バラードが中心で、ボッシュは助言者っぽい脇役だったが、今作では形はダブル主演でも、焦点ははっきりボッシュにあたっている。長いスロープで息を切らしたり、立ち上がる時膝がバキバキいったり、ボッシュも加齢には勝てない。チンピラにあなどられて「じいさん」と呼ばれたりしてる。あのタフでかっこいいボッシュが。ずっと読んできたファンとしては、うたた感慨に堪えないのであった。 ボッシュがずっと追い続けてきたのは、自分の考える「正義」だ。非道な犯罪者に罪を償わせることで、被害者に(たとえ本人が死んでいても)正義をもたらす。犯罪の蔓延する大都会で徒労のように見えるその営為に、ボッシュはすべてをかけてきた。「悪」と取引はしない、「悪」と同じものにはならない。それこそがボッシュ。…のはずだった、けれど…。 シリーズを通してずっと、ボッシュは痛みを抱えている。事件解決の爽快感とは無縁だ。今回終盤で、ボッシュが予定していた行動も、実際に行ったことも、痛みに満ちている。その痛苦を引き受け、耐える姿に共感を寄せずにはいられない。やっぱりボッシュはかっこいいのだ。 訳者あとがきでも書かれていた通り、読み終えた時は「もしかしてシリーズ終了?」と思ったが、どうやらそうではないようだ。ボッシュの物語はどう着地するんだろうか。見届けたい。

    5
    投稿日: 2023.09.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    (上巻より) それと、昔の事件でセシウムを扱った影響がまた出始め死を覚悟したボッシュが、 自分を一家殺人の犯人に殺されて逮捕に導こうとしていたのも衝撃的だった。 結局返り討ち(?)にして、死体を始末していたが。 巻末の解説によると、 コナリーはアメリカン探偵作家クラブの巨匠賞を受賞したらしい。 お菓子探偵ハンナの著者ジュアン・フルークとともに。 その組み合わせには驚いた。 ボッシュのシリーズはこれで最後なのだろうか。 刑事となった娘と活躍する日が来るかと思っていたのに。

    0
    投稿日: 2023.08.23
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    ボッシュシリーズとも長い付き合い。いずれ終わるときが来る、と覚悟はしていたが、いざ終焉が見えてくると自分でも思ってたよりずっと寂しい。切実に次作が読みたい。レネイもいいけどやっぱりボッシュが好きなんよな…

    2
    投稿日: 2023.08.15
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    マイクル・コナリー『正義の弧 (下)』講談社文庫。 レネイ・バラード&ハリー・ボッシュ共演作の第4弾。マイクル・コナリーの37冊目の長編。 全ての高みを極めた現代ハードボイルド小説の最高峰。 シリーズの終焉を予告するようなラストには驚いた。31年間続くシリーズもいよいよ終わりの時を迎えるのか。 マイクル・コナリーとの出会いは扶桑社ミステリーから1992年刊行の『ナイトホークス』である。以来31年間、新刊が刊行される度に読んでいる。まさかハリー・ボッシュが登場する作品がここまで続くとは思わなかった。70歳のヒーローというとハリー・ボッシュの他にはスティーヴン・ハンターのスワガー・サーガに登場するボブ・リー・スワガーくらいしか思い当たらない。両者ともに本当に息の長いシリーズであるが、面白いことにボッシュもスワガーもガンマン或いはガンスリンガーであるという共通点がある。 さて、下巻。ボッシュとバラードはサラ・パールマン事件とローラ・ウィルスン事件の犯人を突き止めるが、意外な事実が明らかになり、真犯人が別にいることを知る。単身で真犯人を追うボッシュに生命の危機が襲いかかるのだ。真犯人が死亡し、辛くも絶体絶命の危機を脱したボッシュは満身創痍になりながらも、一家4人が殺害されたギャラガー事件の捜査を再開しようとする。しかし、サラ・パールマン事件とローラ・ウィルスン事件はまだ終わっていなかった。ボッシュとバラードは2つの事件を結ぶミッシングリンクの解明に挑む。 さらに一家4人が殺害されたギャラガー事件の捜査を再開したボッシュが知ることになる悲惨な事実…… ラストで明らかになるボッシュの苦悩。人はいずれ終わりの時を迎えると言うが…… 定価10,12円 ★★★★★

    54
    投稿日: 2023.08.06
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    ボッシュがとあるバーテンダーと話す場面はハードボイルドの見本。 そういえばハリー・ボッシュシリーズもネオ・ハードボイルドって呼ばれてたっけ。

    0
    投稿日: 2023.08.03
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    ボッシュが見つけた糸口から女子校生殺しの容疑者が浮上する。 バラードたちはDNAを採取するための罠を仕掛けたが、事態は思わぬ展開を見せる。 さらにボッシュは一家殺害犯の正体に迫り、潜伏先へと単身乗り込んでいく。 彼を狩りへと突き動かすものはあまりに激しく、正義を為すための道は、暗く険しい──。 著者も翻訳者も、主人公も、そして読者である私も、年齢を重ねて今日がある。読後、しばらく物思いにふけってしまった。

    2
    投稿日: 2023.07.29
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    レネイ・バラードとハリー・ボッシュのコンビ第四弾。ふたつの未解決事件を追うバラードとボッシュ。警察を引退していたボッシュをチームに入れたバラードだけれど、ボッシュの行動に振り回されていく。バラードシリーズが始まり、ボッシュが合流するようになってから本当に面白くなった。事件を追う二人の執念と、今作のラストにある展開と一気読みの面白さ。ここ何作か読み応えのある作品が続いているけれどその中でも一番の今作。

    0
    投稿日: 2023.07.26
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    ハリーボッシュとレネイバラードの共演作。今までのシリーズで1番だと思う。ボッシュの刑事や人間としての強さが強く描かれていて、本当に素晴らしいキャラクターになっている。ドラマを見たことはないが、本ほどは描けないのではないだろうか。唯一の苦言は日本語タイトル。本当にしょうもないタイトルを付けるものだ。「砂漠の星」の方がずっと良いと思う。

    0
    投稿日: 2023.07.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    法の手続きを順守するだけでは正義が実現されない場合もある。ボッシュはこれまでも限界ぎりぎりで事態に対処する場合があった。しかし今回は… ほとんどの読者が想像するような次回作にして警察官としてのボッシュ像を守ってほしい。バラードやマディに次を託していくためにも。

    0
    投稿日: 2023.07.17