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町山智浩のアメリカスーパーヒーロー映画 徹底解剖
町山智浩のアメリカスーパーヒーロー映画 徹底解剖
町山智浩/イースト・プレス
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総合評価

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    スパイダーマンと哲学の話がアカデミック方向の町山さん節全開で特に読み応えがあった。 町山さんは米国社会のキャッチーなフレーズを取り込む読み物的でスピード感ある書き方にたけてる。 p.69 米国ではアイスティーは黒人の...南部の飲み物の象徴なんだとか。 これでスッキリしたのが、Law & order SVUシリーズで俳優として有名な黒人ラッパーのIce-Tのラッパーネームの由来。なんでこれなんだ??と思ってきたんだけど、南部的記号だったわけね。 pp.136-139 タルサの虐殺(1921):西方開拓最後の土地だったオクラホマのタルサ。 ブラック・ウォール・ストリートとも称された黒人ビジネス街の中心地(その背景には、南北戦争後の経済の好況があった。)を白人が上空から飛行機で集中砲火し街ごと消滅させた。 →1920s:一般的には米国の戦間期=黄金期。butその陰で黒人の経済反映はこんなにも被害にあっていた...歴史の二面性。 interview with Vampireの冒頭もこの時代?? KKKが元々南北戦争後に、黒人の選挙への投票を阻もうとした組織だった...選挙関連のスタートだったのはなるほど。 p.147 オジマンディアスの設定:核戦争から地球を救うため第三の敵として人類の共通的になることで本来の敵同士を団結させるという戦略。 →手塚治虫も核をテーマにした短編?で同じ結末やってたな。 アトムといい、劇画だけでなく同時代のアメコミヒーローものに手塚治虫は相当影響を受けてる。この繋がりもっと研究されたらいいのに。

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    投稿日: 2025.07.17
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    タイトル通りの本。町山さんがどのようにアメコミ映画を語るのか興味があったので読んでみた。 いつも通り、監督の過去作や、監督が影響を受けたであろう映画や小説などを丁寧に読み込み、踏まえた上での監督論・作品論です。 冒頭と巻末に配された『監督ピーター・ガン論』や、T・マグワイア版、A・ガーフィールド版も踏まえた上でのT・ホランド版『スパイダーマン ノーウェイホーム論』などは圧巻。 観たときは無邪気に楽しんでた『キャプテン・マーベル』『シャン・チー』ももう一度観直してみたくなりました。 未見の『ブラック・ウィドウ』も面白うそうだな、とこれも観たくなった。

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    投稿日: 2024.04.15
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    なぜヒーローが世界を救うのか? なぜヒーローはマスクをするのか? アメリカスーパーヒーロー映画における「正義」や「悪」の価値観とは? 「平和」とは誰のためのものなのか? 2万字に及ぶ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ジェームズ・ガン監督論も収録。 アメリカスーパーヒーロー映画がどのように社会を反映させながら変容してきたのか。 「スパイダーマン・ノーウェイホーム」「キャプテン・マーベル」「シャザム!」「シャンチー」などなど近年のアメリカスーパーヒーロー映画を町山智浩が徹底的に考察する! メインは、「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」などジェームズ・ガン監督作品に見る「スーパーヒーローの条件」「作品に散りばめられたガン監督の人生経験」などジェームズ・ガン監督作品論。 「ブラック・ウィドウ」「シャンチー」「キャプテン・マーベル」の監督に選ばれるインディーズ映画監督の共通点。 それぞれの作品に登場した名セリフや使われた音楽などから見える、それぞれの作品のテーマ。 スーパーヒーロー映画から見える「正義と悪の定義」。 近年のスーパーヒーロー映画をより楽しむ為のスーパーヒーロー映画解説本。

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    投稿日: 2024.04.10
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    アメリカ在住の映画評論家である著者が近年のアメコミスーパーヒーロー映画を解説した一冊。作品それ自体の出来や価値を論ずる評論・批評というよりは「この映画には現実世界でのこういう時代背景・社会背景があって〜」という解説が中心。第1章と終章に分けて語られるジェームズ・ガン監督論は時期的にもタイムリー。個人的にはHBOドラマ版『ウォッチメン』の解説が当時あまりにも複雑かつ多層的ゆえに全ての文脈を理解しきれなかった部分への補助線になってくれて最も読み応えがあった。

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    投稿日: 2023.06.25
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    ジェームズ・ガンに捧げられた一冊。どんな人間も生い立ちから逃れられないが、それは映画を作る人間達も同じであり、ジェームズ・ガンのようにそれが色濃く作品に反映される監督もいる。この本を読みながら、支配者としての若かった父親、年老い、病気患ってからの保護する対象となった父親を思い出していた。

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    投稿日: 2023.05.24