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街に躍ねる
街に躍ねる
川上佐都、高松美咲/ポプラ社
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総合評価

28件)
3.8
5
9
8
1
0
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    いわゆる世の中の物差しではかれば普通ではない達、高校二年生。 弟の晶、そして母からの眼差し。 本人だっていろいろ考えているだろう。同じように一緒に暮らす家族も考える考える考える。 答えなんてなくて、ただ温かさの残る物語。

    0
    投稿日: 2025.11.15
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    2023年41冊目。『街に躍ねる』川上佐都 読了。 途中の晶の心が言葉となって溢れる瞬間がとても印象に残っている。 秋田の桜を見てみたくなる。 #読書記録2023

    0
    投稿日: 2025.08.25
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    こんなにも小学生の気持ちに戻り、また共感してしまうのは初めて。表現力高すぎる。 晶から見た兄ちゃんの姿が、ここまで一緒に過ごしている日常を映していた。 人それぞれの日常が、少しの環境の違いでこんなにも見方が変わってくるんだと改めて気付かされる。 家族間で境界線は存在していて、それぞれがその境界線に悩みながらも生きてるんだな。 すごく優しい作品。

    0
    投稿日: 2025.08.19
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    小学五年生の晶(あき)には尊敬する兄がいる。 達(とおる)高校二年生。不登校、絵を描いているか、本を読んでいるか、音楽を聴いているか、そんな兄に晶は色々なことを教えてもらう。両親や兄や友人達との間で、晶が思考する物語りだったと思います。私としては、小学生的思考を表現する文脈の割合が無用に高すぎるように感じて、また、結末やや消化不良のように思えてしまい、星2つの評価までです。

    0
    投稿日: 2025.07.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久米絵美里さんの『天国にたまねぎはない』と少し似た設定。(あちらはいとこ、そしてすでに亡くなっている)期待していたので、少し消化不良な印象。

    1
    投稿日: 2025.06.11
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    第一章、小学5年生の晶は高校生のお兄ちゃん達が大好き。 だけど、達は不登校になり家でよく絵を描いている事で、晶は友達に普通じゃないことを揶揄される。晶の葛藤が伝わってきた。 第二章は、母親目線で気持ちがわかるところもあるけど、なんで元だんなの家に達と一緒に引っ越したのか全然わかんない。

    2
    投稿日: 2025.04.22
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    絵が上手で物知りで不登校でコミュニケーションが苦手な高校生の兄。小学生の晶は他人から兄が「普通じゃない」と評されたことに戸惑う。 自分の中の一番弱い部分を刺激されたような、心の中のあれこれが強く掴まれたような感覚。晶が必死に考える姿に感情が渦巻く。

    1
    投稿日: 2025.04.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    メインの話ではないけど、 入り口が暗くて怖いと有名なCDショップの地下への階段を降りる時、背後から撃たれないように友達のシンジュとランドセルとリュックをそれぞれお腹にかかえて背中合わせになって移動するとか、 自分が小学生の時ならやっていたであろう描写がちょいちょい出てくるのでフッと吹いてしまう。25年ほど前ネットで読んだステッグマイヤー名倉さんのOtearai Web(知ってる人居てるんかな)を思い出した。 シンジュがほんとうにいい奴で、この友達が居て良かったよな…と思う。

    4
    投稿日: 2024.11.26
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    5年生の晶は高校生の兄、達が大好き。兄ちゃんは絵が上手。晶の話したものを描いてくれる。兄ちゃんはいろんなことを知っていて、教えてくれる。兄ちゃんはこのところ学校に行っていない。兄ちゃんはこもった気持ちが溜まると言葉にする代わり、狭い部屋の中をどすどすと走り回る。 大好き。なのに友達に兄のことを知られたくない。そんな晶の気持ちの揺れにすっかり同調して気持ちがぎゅっと苦しくなった。すべてのエピソードが愛しくてみんな切ない。

    13
    投稿日: 2024.11.18
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    達の言葉がひとつひとつに色んな想いが込められていて言葉選びも素敵だな、と思いました。晶の家族想いなところもすごく感動しました!!

    1
    投稿日: 2024.06.26
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    好きな登場人物 シンジュ 小学生の頃は、親の価値観の影響を受けているのに、シンジュは異色でかっこいい。 2章が、お母さんが主人公の話というのもよかったです。 登場人物の誰に共感しているのかわからないけれど、「めっちゃわかる」…と呟いていました。 偶然ブクログで知った作家さんでした。川上佐都さんの2冊を読めただけで、もう、ブクログやってよかった~気分です。

    4
    投稿日: 2024.05.15
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    とてもよかった。「人と違うことの苦しさ、素晴らしさを描いた物語」と帯にはあるけれど、そういう視点よりも、ただ家族でいたいという願い、それ故の悩みや寂しさ、傷つけてしまう・理解しきれない怖さ、通じていると感じるときの安堵など、感情の機微がとても丁寧に書かれている優しい物語でした。第一章の小学5年生の弟目線で進むのがまたよく、揺らいだり嬉しかったりする気持ちが素直で、自分の気持ちを素直に、焦って決めつけないで感じることって大事だなと思った。

    2
    投稿日: 2024.04.28
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    面白かったし、刺さる言葉の数々に共感しまくったけど、朝子篇を読んで訳のわからない話になってしまった。 発達障害の許容って難しい。コミュニケーションを取れない相手との関係ってすごくストレス。弟の晶は兄の達とコミュニケーションできてるから感情移入できるけど、達がなんでも突っかかってくるタイプだったら晶も兄と関わろうと思わないんじゃないかな。

    1
    投稿日: 2024.01.21
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    「普通」ってなんだろうねぇ。「普通」でなくてもいいと思いつつも「普通」でないことに不安を感じることも多いよね。 すこし変わった兄を大事に思う気持ちはあるのに、第三者から見られると急に兄のこと普通と思えなくなる気持ち。小学生らしい戸惑いと逡巡。 小学生や中学生に、こういう人もいるよ。みんなの身近にいることもあるかもね。兄弟姉妹のこともあるかもね。って身近なこととして考える題材として読みやすいのかなぁと思った。

    1
    投稿日: 2023.10.12
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    人とのかかわりが苦手らしい達は高校に通えなくなり家にいる。絵が得意で時々家の中を走り回ったり指を高速で動かすなどの癖がある。弟で小学生の晶の目線から日常が語られていく。晶は兄のことが大好きで兄の描く絵も好き。だけど、どうやら世間的には兄の立場は褒められたものではないようだし、晶の家族構成も不思議らしい...。 とりたてて大きな事件が起こるわけではなく少しだけ変わっている兄弟と家族が小学生の目線から(晶の目線も独特)語られ、最後だけ語り手が変わる。悪くなかったものの終わりが中途半端だし、最後の語り手にあまり共感しない。大人向けならいいけど、児童書でこの終わり方は納得いかないなぁと思って星を3つにしました。

    9
    投稿日: 2023.10.06
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    絵を描く才能に恵まれた青年と多感で素直な小学生の弟。いかにも常識的で神経質な母親と事なかれ主義の温厚だけど影が薄い父親。 素直な弟目線の話がいきいきとしていてよかった。

    0
    投稿日: 2023.08.01
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    異父兄弟である小学生の晶と高校生の達。 ちょっと変わっているけど、絵が上手くて優しいお兄ちゃんと思っていたのに、他人の目が入ったときに急に「変」で困ったお兄ちゃんに見えてしまう。 こういうことってよくあるよなと思った。 コミュ障や動き回ることなどが原因で不登校となってしまうのだけど、その後に元夫のいる秋田に達と母で引っ越してしまう。 この辺りから、話がわかったようなわからないような感じになってきた。 ちょっと尻すぼみな印象。

    13
    投稿日: 2023.06.30
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    第1章は小学生五年生の晶(あき)の視点から綴られる。 大好きな兄・達(とおる)は大学生。 でも、学校は休んでいる。 なにか理由があるらしい。 晶の視点からは詳しいことは書かれていない。 達は衝動的に、必要以上に動く。 それは「普通」ではないという。 学校へ行けないのはそれが理由だろうか。 第2章は母・朝子の視点で描かれる。 息子たちを思う親心が痛いほど伝わってくる。 なぜ、達は不登校になったのか。 ルールに縛られているのは大人達も同じ。 コミュニケーションをうまく取れないひとを 晶の同級生は「かわいそう」と言う。 私自身はどうだろう。 知らず知らずの間に誰かを傷付けてはいないだろうか。 優しい物語の中にいくつものメッセージが散りばめられていた。 川上佐都さんの次回作が待ち遠しい。

    2
    投稿日: 2023.06.10
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    読み始めは、抽象的な作品でわかりにくいのかな? とかいじめなどが絡む少し気が重くなるような予感がして、何となくスローペースで読み進めていました。 でも、いつの間にかすっかり入り込んでいたようで、中盤あたりでは主人公の兄弟のやりとりに涙していました。わかりやすいハッピーエンドではありませんが、ずっと誰かの愛が溢れていて温かく、希望が湧いてくるとても素敵な作品だと思います。

    2
    投稿日: 2023.05.28
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    「人と違うこと」って特別なことなのだろうか。 そうではないはず…ということを小学5年の晶から教えられたような気がする。 小学5年の晶には、高校生の兄・達がいる。 兄はとても絵が上手くて物知りで最高なのに学校には行っていない。 普通ではないと思われていて、コミュニケーションが苦手。 だけどとても兄が好きであることが、バイト先を心配して事前に確認しに行ったり、ということでもわかる。 そして、ずっと一緒に居たいという思いも伝わってくる。 第2章は、母からの目線で描かれている。 親であるが故にわかってあげたい気持ちと上手くいかない葛藤がよくわかる。

    49
    投稿日: 2023.05.19
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    いわゆる発達障害になるのかな。 達は絵がとても上手い。でもコミュ障なところがある。 弟の晶はお兄ちゃんが大好き。でも、学校に行っていないことが不満。 頭が良くてよく気のつく男の子。 ちょっと消化不良。この家族はそれぞれどうなるのか?

    2
    投稿日: 2023.05.16
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    正直な感想としては、星かなり4寄り。 穏やかで、優しい文章ですらすらと読めます いろんな本で、普通ってなんだろうっていうテーマが書かれていますが、この本は穏やかな口調で普通ってなんだろうっていうことを疑問としています 大多数がそう思うのなら、それが普通 確かにそう思いがちだし、そうなることが多いこの世の中だけど その人にとっての普通は大多数に決められるものじゃない 誰かを傷つけるようなことが普通だったら困るけどそうではないんだったら この人にとって、これが普通のことなんだと受け入れられるような人になれたらいいなとも思います

    2
    投稿日: 2023.04.25
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    お兄ちゃんのお父さんも、弟のお父さんも良い人ですね。 兄弟の仲も良さそうだし お母さんだけは、なんか異質な気がするけど、気のせいかな まあ、普通を求めてもダメだし、そもそも普通って何?って言われたら答えられないし

    3
    投稿日: 2023.04.01
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    物知りで絵の上手な兄の達を尊敬する弟の晶。 でも達は学校に行ってないから同級生にコミュ障で普通じゃないと言われ…。 普通ってなんだろうと考える。普通の基準は誰しも自分の中にあるけどその基準を押し付けてしまうということを私もやってしまっていないだろうか。達の「自分が簡単にできることを、人もできると思っちゃいけない」という言葉にハッとした。 普通じゃなくても凄いと兄を慕う晶の優しい気持ちをずっと持っていてほしい。 読んでゴッホ兄弟のことを思い出した。 晶の純粋さ、兄弟の絆、親からの愛が優しい。

    2
    投稿日: 2023.03.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本屋さんで平積みになっていて、ふと、気になって手に取ったのがきっかけで読みました。読み心地が柔らかくて滑らかでよかったです。小学生の晶と達のぎこちないながらも優しい会話や、言葉のないやりとりがふたりの間に含まれていて、ふたりだけの信頼関係が築かれているのだな、と感じさせられました。 また、川上先生のの文章の特徴なのか、いい意味で平凡的な日常の描写や、あるある!という共感を思い起こさせるセンス(例:にんじんのお菓子)が感じられ、文章力の高さがよく感じられました。

    3
    投稿日: 2023.03.28
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    小学生のまっすぐさが愛おしい。 周りからどう見えても、 やっぱり自分の兄ちゃんが好きだよね。 でも、時々もやもやして、 そんな自分に戸惑って。 そうやっていろいろ知って大きくなるんだな。

    4
    投稿日: 2023.03.13
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    Amazonの紹介より 小学生五年生の晶と高校生の達は、仲良しな兄弟。物知りで絵が上手く、面白いことを沢山教えてくれる達は、晶にとって誰よりも尊敬できる最高の兄ちゃんだ。でもそんな兄ちゃんは、他の人から見ると「普通じゃない」らしい。晶以外の人とのコミュニケーションが苦手で不登校だし、集中すると全力で走り出してしまう癖があるから。同級生や大家さんとの会話を通じて、初めて意識する世間に戸惑い葛藤する晶だが、兄と交わした言葉を胸に日々を懸命に生きていく。 第11回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作。 あらすじを読まずに読み始めたのですが、最初の2ページが印象的でした。主人公の人物像が浮かび上がるので、何か期待感が生まれました。 難しい言葉は使わず、「ぼく」という人物が誰なのか、ダイレクトに情報を提供するのではなく、周囲の情報からじわじわと形成されていくので、その言葉選びが面白かったです。 「学校」「算数」「半年後には6年生になる」など人物像が段々と具体化していく過程は、読者にとって、含みを持たせるような思考をさせてくれます。 こういった表現が、次々と登場するので、物語に伸び代ができて、柔らかい気持ちで読めました。 といっても、内容としては、悩ましい問題が描かれています。 生きていく上で、他人とどう接したら良いのか? 接することの難しさ、相手からどう見られているのか。 人との接し方や見方など広い視野で考え、色々な人や考えがあることを自覚しないといけないなと思いました。 学校というと、どうしても「良い」生徒として過ごさないといけない印象です。 普通とは違ったり、変な行動をすると、どうしても「違う」生徒として見られてしまい、しまいにはイジメや無視といった展開に発展してしまいます。 自分としては、良い人だと思っても、他にとっては変な人に見られてしまうかもしれません。 そうした心理描写を小学校での会話を通じて、表現されています。大人とは違い、勢いのまま会話のバトルが繰り広げられていて、「リアル」がありました。 全2章で構成されていて、第1章では小学5年生の晶視点、第2章では晶の母親、朝子視点です。 第1章の詳細を第2章が補う形になっており、第1章でモヤモヤだった問いが、第2章で解決されるようになっています。 直接情報を読者に伝えるのではなく、様々なキーワードを提供し、そこから〇〇なのでは⁉︎といった含みをもたせるやり方になっています。 全部読んだとしても、全部がスッキリとした余韻があるわけではなく、若干モヤモヤ感がありました。 でも、キツキツに情報を詰め込むのではなく、ある程度の情報だけを提供することで、様々な解釈が生まれ、それで良いんだと思ってもいいかなと思いました。 辛い状況でも、前向きに進もうとする気持ちに自分も前向きに頑張ろうと思いました。

    4
    投稿日: 2023.02.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    もどかしさと愛おしさを両手で掬い取った。 子どもを育てていると何度も経験するその感情。 我が子が「普通」という枠から外れるたびに、その枠へと押し込めようとする。みんなと同じことをみんなと同じにできること。それが当たり前と、それが子どもにとっても幸せなんだと思いながら。 5年生の晶が見ている世界は、大人には見えないものが見え大人が見ているものが見えない。知らないことが多すぎて感情に言葉がついていかない。 学校に行かずに家にいたり、突然勝手に身体が動いてしまう兄、達が物知りで絵がうまくてカッコいいんだということをうまく友だちに説明できないこと。母と父が何か自分に内緒にしていること。心と気持ちを持て余す晶の毎日をぎゅっと抱きしめたくなる。 そしてそんな晶や達や両親の感情の揺れを描く川上佐都の筆の細やかな豊かさよ。 心惹かれる場面をつなげてパノラマ撮影してみたい。 晶と達が明日笑顔で過ごせますように、と願いながらページを閉じた。

    7
    投稿日: 2023.02.16