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偽情報戦争 あなたの頭の中で起こる戦い
偽情報戦争 あなたの頭の中で起こる戦い
小泉悠、桒原響子、小宮山功一朗/ウェッジ
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総合評価

6件)
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    戦争中の国家がまき散らす意図的な嘘情報(ディスインフォメーション)について解説された本。 戦争の当事者になることのない日本にいるとピンと来ない話題に感じてしまうが、まさにそこが日本の立ち遅れている現状とのこと。 社会の分断を煽り、何が正しいのか分からなくさせるような情報誘導の手法(主に中と露)について書かれている。 ファクトチェックの重要性などにも言及されている。

    4
    投稿日: 2024.06.29
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    本文は難しい。とりあえず小泉氏のを読む。最後の鼎談でやっと一息。ディスインフォメーションという言葉を初めて知った。意味を知るとなるほど。 メモ ディスインフォメーション:disinformation 意図的に作られて広められる虚偽の情報 最後の三者鼎談より スパイのプーチン、コメディアンのゼレンスキー 小泉:ロシア語の分かる人は、ゼレンスキーの振る舞いは演技がかってみえてしまうようです。ゼレンスキーもそれには自覚的。 ゼレンスキーは割に権力欲もあり、自分に批判的なメディアに圧力をかけていた。ウクライナのジャーナリスト・セルヒー・ルデンコ著「ゼレンスキーの素顔」2022.8では、「困った人物をウクライナの大統領に選んでしまった。でも戦時の大統領なんだから頑張れ」とある。 ゼレンスキーは役者としてうまく立ち回っているのに対し、プーチンは元KGBとして徹頭徹尾スパイとしてふるまっている。本心は見せない。 桒原:日本のメディアは米国の特にCNNやニューヨークタイムスの作り出すアジェンダセッティングに乗っている。 :アジェンダ設定 (アジェンダせってい、英語 agenda-setting)機能説とは マスコミ研究 の用語で、あるテーマの重要性が 報道 での言及量・頻度により決定づけられること、ひいては、大衆や政治家の注目する議題(アジェンダ)を設定する影響力が マスメディア にあるという説を指す 小泉:ロシアが侵略を仕掛けた側なので、世論がウクライナに同情的になるのはわかります。「ロシアは悪、ウクライナは善」という二項対立は鵜呑みにしてはいけないかもしれないけれども、やはり公然たる侵略を行ったロシアが悪いということははっきりさせておく必要があるでしょう。 桒原:小宮山さんの章で共感したこと ・・私の今の最大の関心ごとは、ディスインフォーメーション対策は民主主義国家では不可能ではないかということ。・・ インターネット上の言論空間で、民主的な価値を担保する仕組みはまだないんです。 小泉:小宮山さんの結論としては、「サイバー時代の民主主義の敵は、権威主義国家とテックジャイアントでしたっけ? 小宮山:そうです。 :ビッグ・テック(Big Tech)は、テック・ジャイアンツ(Tech Giants)、または口語ではフォー・ホースメン(The Four Horsemen) 、ビッグ・ファイブ(Big Five)、などとも呼ばれ、アメリカ合衆国の情報技術産業において現在最も規模が大きく、支配的で、最も名声のある4~5社のことを指す名称。ビッグ4は、Alphabet(Google)、Amazon、Apple、Meta(Facebook)の4社で、Microsoftがビッグ5を構成している 小泉悠、桒原響子、小宮山巧一朗氏はこの本の刊行に立つ3年前、東京大学先端科学技術総合センターが外務省の外交・安全保障調査研究事業費補助金を受けて実施してきた「体制間競争の時代における日本の選択肢」のメンバーとして情報安全保障について議論を重ねて来た。 2023.1.20第1刷 図書館

    7
    投稿日: 2023.10.14
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    福島原発処理水の海洋放出を巡って、中国政府が公然と偽情報を拡散しつつ日本から水産物を輸入するのを禁止する一方、日本近海で漁をしている自国船を黙認するという矛盾だらけの言動に対し国際会議で反論する程度の対抗手段しか持ち合わせない日本政府の無力感への焦燥が募ってくる、というのが本書の読後感である。

    0
    投稿日: 2023.10.04
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    反ワクチン情報が陰謀論のように何度も書かれていたため、評価を下げました。それがなければ⭐️4つです。

    1
    投稿日: 2023.09.15
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    買ったあとに、知り合いが著者って気づきました。 難しい書籍でした。文章の表現が難しいのか、取り扱っている内容が難しいのか。読めない漢字もちらほら。 もう、物理的な戦争も、情報の戦争も、サイバーの戦争も、いろいろあるよね。

    1
    投稿日: 2023.07.21
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    現代の安全保障は国家や特定の省庁、一部の専門領域だけで考えることができないことをあらためて感じさせられる。 新型コロナウィルスやロシアによるウクライナ侵攻であらためて注目されるようになった偽情報や情報戦の重要性。 日本では今まで言語的な壁にも守られていたことで、海外からの偽情報拡散の脅威にさらされていなかったこともあり、根本的な問題意識も欠如している。 しかし、ロシアによる情報戦の手法にも見て取れるように、 何も正しいように見える偽情報を拡散されることだけが脅威なのではない。 複数のチャネルに迅速に、また継続しながら、反復して情報を拡散することで、事象を分かりにくくすることだけでも、群衆心理に一定の影響を与えることができる。 日本は平時の外交上の失敗での反省からYou Tubeでの英語情報発信などを外務省が行っている動きがあり、偽情報に関する関係省庁の枠組みも作られているが、偽情報の脅威に対する包括的な対策という意味では道半ばである。 情報安全保障を確立するためには情報統制も不可欠であるが、表現の自由や民主主義との相性が悪く、国民の理解を得られる情報統制のあり方への議論が必要だ。いざというときの省庁連携もうまく機能するか分からない。 ファクトチェック機関が本書の定義では3機関しかないというのも心許ない。 また情報はインフラがなければ拡散も統制もできないが、 論理インフラは通信事業者、すなわち企業による部分がほとんどであり、物理インフラも攻撃時の復旧などは現場技術者の能力に頼らざるをえない。 ウクライナのゼレンスキー大統領が成し遂げたような、言葉と意志の示し方により、各国の協力や共感を得たという事実もある意味見習う必要がある。 ロシアの情報作戦部隊は群衆心理を研究しており、外交官、専門家以外にもジャーナリストや作家など、多様な人材で構成されているとのこと。 日本は今後包括的な情報戦に向けて、官民問わず連携し、多様な視点で情報の分析、統制を行える体制を作る必要がある。

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    投稿日: 2023.05.21