
総合評価
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powered by ブクログ地域政府内の競争(首長と議会で利害が一致しにくい政治・選挙制度)や地域間競争(大阪府vs大阪市に象徴される)が各地域の長期的・超党的な課題解決を困難なものにしている、という指摘。 切り札的に論じられる合併や住民投票も、結局はそのときどきの政治ゲームの道具にとどまり本質的な解決策足り得ない現状が示される。地方政治において民主主義は「領域を超えない」ものであり続けてきたのである。 それらを打破する寸前まで近づいたのが、大阪維新の会による大阪都構想であった。曰く『政治手法についてさまざまな批判はあるが、政治制度によって生み出される困難を乗り越えて、関係する地方政府での意思を統一したことは、日本の地方政治の歴史において特筆すべき出来事である』。 さまざまな批判はあるが、はデカい太文字にしてもいいと思いつつ、地方政党の旗手として今後の動向に注目である。
6投稿日: 2025.10.28
powered by ブクログ社会経済的なまとまりである都市圏と政治的なまとまりである地方政府の領域の不一致により分裂した意思決定が行われることによる問題を考察。都市の中心をめぐる競争、分裂した意思決定の中での住民投票という2つの大きなテーマでの複数の論考を収録。 分裂した意思決定の克服に向けて、都市圏レベルの問題意識で結合する政党を育むような選挙制度を創設すべきという著者の処方箋については完全には納得できなかった(政党化していないからこその地方政治の良さがあるのではないか)が、政治制度が分裂した意思決定を生み出すことによる都市の発展が阻害されるという本書の問題意識はよく理解できた。 住民投票について類型化して、人々の住民投票に対する正統性認識等について、ヴィネット実験という手法で分析した「第5章 民意をどこに求めるか―住民投票と地方議会」が一番面白かった。投票率が高いほど住民投票の正統性が高まるわけではないといった分析結果はなかなか興味深かった。
0投稿日: 2023.02.28
powered by ブクログhttps://charlieinthefog.com/20230108-fragmented-democracies/
0投稿日: 2023.01.12
