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量子力学の多世界解釈 なぜあなたは無数に存在するのか
量子力学の多世界解釈 なぜあなたは無数に存在するのか
和田純夫/講談社
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総合評価

28件)
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    数式ではなく、言葉で説明されているので文系でも理解できた。わかりやすい。 ただ、かなり多世界解釈に偏って書かれているのでフラットな視点での解説を求めている際には向いていない。

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    投稿日: 2025.11.06
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    コペンハーゲン解釈でなく多世界解釈を支持する著者による解説。量子力学で言われる「観測による波の収縮」というものには違和感を抱いていたので、それとはまったく別の解釈もあるということを知って大変勉強になった。多世界解釈の方もそれはそれでにわかには信じがたいが、考え方として筋が通っているというのはなんとなくわかる。コペンハーゲン解釈派の人の解説も読んでみたい(これまでに読んだのは大体そうなのかもしれないが)。科学における実証主義vs.実存主義に関する考察も勉強になった。これは深い問題。

    0
    投稿日: 2025.07.12
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    量子力学系は好きだけど難しくて理解できてないのに読み進めてた感じ。 この世の仕組みを理解できずに死ぬのかと思うとやるせない。

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    投稿日: 2025.06.15
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    【★4】少し難しいところもあったが全体的には面白かった。コペンハーゲン解釈と多世界解釈の違いもわかった。

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    投稿日: 2024.11.16
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    2024-10-14 バリバリの多世界解釈論者による解説。多世界解釈の説明と同じくらい、量子力学の誕生から発展までもまとまっていてわかりやすい。 ただ、コペンハーゲン解釈と多世界解釈、どうにも未だ「解釈」であってどちらが正しいかは分からない気がする。それを判定することが果たして可能なのか。まあ、宇宙論とかもそれに近かったけど、議論どんどん深まってるし。興味深いです。

    0
    投稿日: 2024.10.14
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    量子力学に対するサイエンスフィクション的な自分の認識を変えたくて読んでみたが…難しい! インターネット然り、原子の存在然り、地動説然り、新しいものは最初は怪しいと感じるのは歴史が証明しているが、量子力学も数十年後は当たり前の理論となっているのだろうか? そんな世界が楽しみです。 難しいけど読んでよかった。 コペンハーゲン解釈 量子もつれ 波の収縮 デコヒーレンス 状態の共存 実在のとらえ方 エンタングルメント

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    投稿日: 2024.09.05
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    多世界解釈派の著者が、コペンハーゲン解釈他の歴史的推移を踏まえて解説。異なる状態が共存するということを乗り越え、各状態がデコヒーレンスが成り立ち干渉しなければ現状の観測データからもっとも説明しやすいとする。 以下Wikipedia コペンハーゲン解釈といっても差異はあるがノイマンが1932年に行った定式化は、 量子系と観測者(観測装置)を分離する。2つの境界はどこに引いてもいい。 量子系の状態は、観測していないときはシュレディンガー方程式に従う 観測により波動関数が収縮して、1つの測定値が得られる どの測定値が得られるかは確率的であり、ボルンの規則に従う 多世界解釈 シュレディンガー方程式から予測される重ね合わせ状態は全て実現し、干渉性を喪失した世界が分岐していくと考えることで波束の収縮を回避する。多世界解釈はある意味で決定論的であり、初期条件が与えられれば未来の分岐する全ての世界の重ね合わせに相当する量子状態は一意に決定される。

    0
    投稿日: 2024.05.13
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    二重スリット実験の議論を丁寧に説明し、現在主流の波動関数の収縮を支持するコペンハーゲン解釈と多世界解釈の違いを分かりやすく説明。⚪︎⚪︎解釈は物理の延長ではあるが、哲学あるいは宗教的な要素が入ってしまい、科学から離れた思想だなあと思ってしまう。それでもこの世の仕組みがどうなっているかを理解したいという人間の根源的な欲求がある限り、こうした議論は続くのだろうなと思うし、実際面白い。

    0
    投稿日: 2024.05.01
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    量子力学の本を読んだり勉強したときに、例えば二重スリットの実験結果を説明するのに、電子の状態は波動関数で表されて確率的な広がりを持っている、というところはまあなんかよく分からないけどそうなのかな、と思えなくはないのですが、ただその波動関数が測定をすることによって一つの状態に収縮する、というところがさっぱり分からなくて、いったい波動関数の収縮ってなんなんだい、と思ってました。この考え方をコペンハーゲン解釈と言うのだということは割と最近知ったのですが、本書はこの、現在量子力学の解釈の標準と言われているコペンハーゲン解釈に対抗する、多世界解釈についての本です。難しい数学は使わずに、分かりやすく多世界解釈を説明しています。 多世界解釈は、ウルトラマン世界やMARVEL 映画でおなじみのマルチバースのベースになっているものと思いますが、波動関数の収縮なんてものは起こらない、という立場で量子力学を解釈しようとするものです。二重スリットの干渉縞の実験結果も、波動関数の収縮という概念を用いずに説明するので、たいへん受け入れやすい考え方でした。業界(学会?)ではまだまだコペンハーゲン解釈が主流なようなのですが、多世界解釈論者の方々はぜひぜひ頑張って欲しいです。

    0
    投稿日: 2024.02.12
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    物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。 東大OPACには登録されていません。 貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください 返却:物性研図書室へ返却してください

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    投稿日: 2024.02.09
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    2022年ノーベル物理学賞が、ベルの不等式にまつわる量子力学の実験的検証とその成果に与えられたことは記憶に新しい。 一般に「量子もつれ」と呼ばれる、私たちが日ごろ当然のように理解している物体の存在の仕方を根底から否定するような、微視的空間における存在の振る舞いかたが遂に実験的に示されてしまった。 これは、私たちが日ごろ感じている存在に対する「在る」という認識が根本的に誤りであることを示唆している。少なくとも微視的な(つまりミクロレベルでの)世界では。 しかし、私たちの身体も身の回りのモノもすべては無数の原子の組み合わせから成っている以上、 私たち自身の存在のしかたもまた量子力学と切り離すことはできない。 存在する、とはどういうことか? その答えを筆者は「量子力学の多世界解釈」という観点から丁寧に解説し、紐解いていく。 これは少なくとも現段階では複数ある解釈の一つに過ぎず、科学的にエビデンスが得られた内容ではない(そもそも科学的にエビデンスを得ること自体が可能かどうかさえ疑わしい)のだが、 存在理解について大きなヒントを与えてくれる書であることは間違いない。 量子力学の研究成果がもたらした最大の功績は、 従来の私たちが日ごろから信じて疑うことのなかった“存在そのもの”の認識について「コペルニクス的転回」を余儀なくさせたところにある。 そのエッセンスを数式に頼ることなく平易に実感させてくれる良書。 ただし、コペンハーゲン解釈に対して批判的な立場を取る著者による説明であることに注意を要する。 私にとっては多世界解釈のほうが個人的に納得感が強いので好感が持てたが、必ずしも科学的に公平に書かれた解説書とは言い切れないと感じた。

    4
    投稿日: 2023.12.02
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    一般の人向けな量子力学の本でした。もちろん難しくて理解できない事もたくさんあったけど、分かりやすい言葉や想像しやすい例え話などがあって、諦めずに読み終えた。

    1
    投稿日: 2023.09.01
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    総じて、前半は前期量子論の復習になるように思われた。高校物理だと、普通、一貫校でない限りは、高校3年の2学期頃に行うと思われる、原子分野(大概が前期量子論)であるが、時間がないので大概飛ばしがちであり、難しいテーマであるため体系的に学べないことにより微妙に勉強しづらい分野でもある。古典力学や古典電磁気学のようにあまり時間をかけて履修しないので、こういう本で復習するのもありかと。それにしても、電子の粒子と波の二重性については観測者の出方によって変わるということが信じがたい方もおられると思うが、その解釈については見ていないときは確率的な波として存在し、見ると一つの点に収束し粒子としてふるまうという、いわゆる「コペンハーゲン解釈」ということで一応棚上げされているが、「コペンハーゲン解釈」も当時の哲学(考え方)に影響を受けているらしく、現在ではそれが変わってきているようである。もう少し探究したい分野である。

    1
    投稿日: 2023.08.25
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    原子構造などのミクロな世界で成り立つ量子力学の法則。本書前半では、その成立の歴史や内容について数式を使わずに比較的分かりやすく説明してくれています。この辺を一読するだけならよく書けていると思う。 本書中盤ではさらに、量子力学の理論と観測結果がよく一致することは受け入れた上で、我々の巨視的なスケールでの直感に反する量子力学の解釈問題へと読者を誘ってくれます。この30年ぐらいの量子力学研究の最先端の状況を俯瞰できるでしょう。個人的には、理論をどう解釈したって、結果が一致しているならどうでもいいよ、と思っていたのですが、近年、理論の解釈の仕方によって結果が異なってくる実験が行われ、解釈が重要となっていて、それがノーベル賞受賞にも繋がっている。最近流行している「量子コンピュータ」の背景にも通じる量子力学の解釈の最先端には、SFなどで取り上げられる「多世界解釈」が真剣に議論されているようです。 本書終盤ではこの「多世界解釈」が科学的に何を意味しているのか、それ以外の解釈と何がどう違うのか、ということを何とか説明しようとしてくれています。でも、残念ながら門外漢にはさすがに簡単にその内容を理解できるようなものではなかったし、「多世界解釈」には無理があるんじゃないか、そう考えたところで現実の世界以外の他の世界が「干渉」してこないんじゃ証明できないわけで、考えて無駄じゃないのかなぁ、と思ってしまった。

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    投稿日: 2023.08.23
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    コペンハーゲン解釈を真っ向から否定、確率を否定する。宇宙が再び決定論に戻る(但し選べない)のがとても面白かった。Qビズムもとても気になる。まるで人間原理だ。

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    投稿日: 2023.07.01
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    量子力学の多世界解釈 和田純夫 量子力学がなんであるかわかっていない。わかるはずがない。ただ、多世界解釈という言葉に惹かれて再生しただけだ。意味もわからずただ時間を埋めるため、脳内に人の声を流すために聴いたが、コペンハーゲン的解釈とはなにか、多世界解釈とはなにか、程度はわかった。 そしてなぜか…多世界解釈については、なんとなく意識に入り込んできた。しばらくは意識から消えない程度に。自分のいつもの生活に、そんな考え方…考え方と言ったら多分怒られる…が入り込んでくるのはおもしろくも感じる。観測者を含めて無限に存在/分岐し続ける世界の全てがあるのなら、自分の意識できる自分の事象や事情など、たまたまここにあるだけ、となんとなく思える気がする。無数に存在するどの世界でも自分が悲嘆にくれている気はしない、と思える程度には、つまり、静かに黙っていたり、なにかに笑っていたりする自分がいる世界も当然存在すると自然に思える程度には、わたしは世界をあきらめていない、ということを知った。

    1
    投稿日: 2023.06.23
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     量子論については、学生のころの1970年代に教養部の物理学の授業で学んだ程度であったが、それでも、「電子の動きは確率としてしか把握できない」と説明を受けたときには、量子論というのは実在論的ではないなあとの感想を持った。  量子力学がストンと腑に落ちるという代物でないことは今でも変わらないが、今回「量子力学の多世界解釈 ~ なぜあなたは無数に存在するのか ~」を読み、従来のコペンハーゲン解釈及び現代的コペンハーゲン解釈(Qビズム)よりは、多世界的解釈のほうがまだ腑に落ちた。 (内容紹介)  あなたが本を読んでいるとき、居眠りをしているあなたも同時に存在する!  世界は無数に分岐していて、あなたはそれぞれの世界に無数に存在している!  これはSFでも疑似科学でもない。第一線の理論物理学者たちによって真剣に議論され、現在では多くの支持を集めている考え方である。人間の直観に大きく反する量子力学をどう理解すべきかを考えたとき、標準的な解釈とされているコペンハーゲン解釈ではなく、この多世界解釈こそが、じつは最も「自然」で、最も「真面目に」量子力学に向きあう考え方であるといわれている。それはいったいなぜなのか?  さらに多世界解釈では「シュレーディンガーの猫」のパラドックスも取るに足らない問題として説明され、「量子もつれ」「遅延選択」「量子消しゴム」「Qビズム」などの新時代のテーマにも明快に答えられる。  量子力学で最もエキサイティングな「解釈問題」を誰にでもわかる平易なロジックの積み重ねで説明し、衝撃的な世界像を描き出すとともに、誤解されがちな量子力学の根本原理も正しく知ることができる、量子力学に興味のあるすべての人が必ず読んでおくべき一冊! (本書の内容) 第1章 原子の世界 第2章 量子力学の誕生 第3章 光は波か粒子か 第4章 波の収縮と確率 ―― コペンハーゲン解釈 第5章 状態の共存から多世界解釈へ 第6章 同時進行する複数の状態 第7章 ボーア=アインシュタイン論争からエンタングルメントへ 第8章 光子の干渉実験 第9章 デコヒーレンス ─ 干渉性の喪失 第10章 世界の分岐 第11章 確率則 第12章 多世界解釈の世界像

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    投稿日: 2023.05.15
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    量子力学の何が不思議で、観測事実は何であるかが ある程度系統立てて説明されていて、一般向け入門書としては良い本だと思う。 コペンハーゲン解釈と多世界解釈のどちらが良いかはさておき、粒子と波の両方の性質を示す実験結果から、辻褄の合う理論体系をつくるのは大変だ! ・波の収縮:コペンハーゲン解釈では、人が見たら(認識したら)波の性質はその時点で消える ・エンタングルメント:一つのミクロな粒子が二つに崩壊すると、二つの粒子は必ず反対方向に飛び出す。片方の粒子の方向を観測すれば、もう片方の粒子の方向も判明する。 ・デコヒーレンス:多世界解釈では、観測後も波は収縮せず、あらゆる状態は共存する。しかし観測した人を含めた状態は他の状態から干渉を受け無くなり独立に振る舞う。観測した人を含めて、状態は分岐したと考える。 ・確率則:一回限りの出来事の確信度(競馬のオッズ)と、無数の対象についてのもの(相対頻度)がある。 昔から不思議に思っていることに、競馬のオッズは相対頻度に近づく事象がある。これも量子力学で説明できないのだろうか?

    2
    投稿日: 2023.04.13
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    わかったような、全然わからんような、感じ。直観に反する現象を理解するのは難しい。不思議さ、面白さは伝わった。

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    投稿日: 2023.04.08
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    多世界解釈でデコヒーレンスが発生する時に、コペンハーゲン解釈での波の収縮が起きると考えれば、どちらも同じだと思ったが、デコヒーレンスは、干渉がなくなるだけで、どちらかを選択するわけではないので、波束は必ずしも収束しないらしい。とはいえ、どちらの経路を通ったかは決まる。多世界解釈が解釈者の立場で世界を見、コペンハーゲン解釈は、観測者の立場で世界を見ているのだから、解釈に違いがあって当然で、どちらも正しいと思った。  シュレディンガーの猫問題は、核分裂が検出機で検出された直後に、猫の生死が確定(デコヒーレンスまたは波の収縮)するのであって、人間の認識とは関係ない。  Qビズムについては、よくわからなかった。

    0
    投稿日: 2023.03.19
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    そもそも正解のわからない領域で、どんな主張があるのか関心をもって読んだ。ハイゼンベルクの不確定性原理では、電子の位置と運動量は同時には確定できないという、古典力学では説明できない不可思議さに踏み込んでいる。これまでの主流は、コペンハーゲン解釈で、複数の可能性ある状態は観測した時点で、波の収縮があり確定する、という説。この波の収縮という解釈を導入することなく、説明する立場が多世界解釈であり、異なる状態の共存で説明していく。数々の疑問は解消されることなく、多世界という解釈で説明していく立場は理解できるが、納得はできない。ミクロな世界の不思議さの深さは人智では及ばないのでは、と再認識させられるテーマだと感じる。

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    投稿日: 2023.02.18
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    残念ながらよくわかったとはいえないが、たとえば地動説のような誰でも実感できるような説になるときがくるのかな?

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    投稿日: 2023.02.16
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    「爆発物処理班の遭遇したスピン」を読んで、量子力学の概念的なものがわかる本がないかと思い読んでみようかなと。たまたま「三体0【ゼロ】 球状閃電」の次に読んだので、お、これは量子力学繋がりじゃないのと、最初はふむふむと読み始めたものの、多世界解釈のお話に及ぶにつれて、頭の中には?????と、?がポコポコ浮かんでくる。しかし、多世界解釈というのが、古典SF的なロマンではなく、あくまで論理的な解釈であることはなんとなくわかったということで、自分を納得させることにします。

    2
    投稿日: 2023.02.12
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    量子力学は一般常識では理解困難な現象を取り扱うが、その解釈の仕方に人間の認識に伴って波の収縮が起こったという実証主義的なコペンハーゲン解釈と、観測者としての人間の存在など関係なく観測機器も含めた宇宙全体が量子力学の対象であるとする実存主義的な多世界解釈があるという。 本書の著者は後者の立場だが、理論の中核に認識したかしないかという人間の主観を位置づける前者よりも、シュレジンガー方程式という中核定理を以って全てを説明しようとする後者の方が純粋理論的に真摯で自然だとする著者に共感する。 量子コンピュータや量子通信の元となる量子もつれとの親和性も高い後者にいずれは収斂しそうにも思うが、キリスト教の人間中心主義を考えると簡単でもないかもしれない。

    3
    投稿日: 2023.02.05
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    決して易しい内容ではないが、量子力学について丁寧に解説されており、量子力学自体の入門書としても分かりやすい。 量子の振る舞いは、ニュートン力学が通用するマクロの世界の住人である人間には中々理解しにくいが、その不思議な現象はコペンハーゲン解釈と言われる説明が一般的で、他の量子力学の入門書でもこの説明がメインになっている。これに対し、著者は多世界解釈と呼ばれる別の解釈を採用しており、こちらの方が無理がないのだと主張する。たしかに、場面によってはコペンハーゲン解釈より良いようにも思われるが、世界が分岐するという考え方は、あたかも無限のパラレルワールドが現れるSF小説のようで、こちらも直観的には納得しにくい。 結局、どちらを取ってもマクロの世界に生きる人間には理解しにくいのであるが、多世界解釈は、量子力学でミクロの世界だけでなくマクロの世界をも説明しようという考え方があり、多世界分岐の気持ち悪さを除けば統一感があるようにも思われる。 ただ、まだまだ量子力学について学んでいかないと、そういう境地には達しそうもないが。

    1
    投稿日: 2023.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ブクログの懸賞で当たった本です。 「シュレディンガーの猫も取るに足らない問題」と豪語されている興味深い本。 難解な数式を用いず、わかりやすく理論立てて説明してくれているので、概念は理解しやすい(と思っているだけ?)解説本だと思います。 結論から言うと、解釈の問題であり、専門家の間でも統一が図れていない問題なのだが、矛盾の少ない解釈なのならそちらのほうがいいのかなと。 デコヒーレンスの解説を読んでるとき、一卵性の双子はDNAが同じなのに、完全に同じにならないのはそのせいなのかもとふと思ったのだが、その解釈はアリ?

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    投稿日: 2023.01.29
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    量子力学の解釈問題にコペンハーゲン解釈と多世界解釈があり、この本は多世界解釈を解説したものである。自分の理解力が足らないのですっきりとは分からなかった。エンタングルも量子コンピュータの話題などで出てくるが、分かったような分からないような不思議な感じではある。それで星三つです。

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    投稿日: 2023.01.05
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    ブクログのプレゼントで当選した本。 量子力学の解釈について重点が置かれている。なので、「シュレディンガー方程式」という文字列は何度も出てくるのに、式は全く出てこないというもので、あくまで解釈について終始論じられている。そのあたりは「これぞ新書」と感じた。 ある程度、物理を勉強できた大学生以上にオススメしたい。別物として学んだ力学・波動・粒子・電磁気学が絡み合ってくる本書は、吸い込まれるような学びを覚える。 また、あくまでも「解釈の一つ」として論じられているのも親切。まだまだ研究が進行中の分野と思わせ、今後のノーベル賞などのニュースにも楽しみが増す本、本の魅力になっている。 個人的にも、量子力学はいくつか方程式を学んだものの、だから何だというレベルで終わっていたので、学びがあったと感じている。まだまだ「量子力学は分かっているよ」と言うには自信がないが、この本を読んで、理解に進歩はあったかと。

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    投稿日: 2022.12.29