
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
余命1年と宣告された男女が“疑似夫婦”として過ごす365日を描いた作品です。主人公の瀬川拓海と瀬川葵は、病院で偶然出会い、同じ苗字”瀬川”という偶然と、同じ余命という運命を共有します。 そこから始まる「死ぬ前に結婚を経験してみたい」という突拍子もない提案は、読者に「この先どうなるの?」という期待感を抱かせます。 物語は、二人が夫婦として叶えたい6つの目標を立て、残された時間を共に過ごすことで、少しずつ心を通わせていく様子が丁寧に描かれています。 拓海は仕事一辺倒で不器用な性格、葵は天真爛漫で自分に素直。正反対のようでいて、どこか似ている二人がぶつかり合いながらも、互いを理解していく過程が胸を打ちます。 そして、物語に深みを与えるのが拓海の元カノ・ニコの存在です。彼女は過去の拓海を知る人物として、現在の彼との対比や、彼の変化を浮き彫りにします。ニコの優しさや思いやりは、物語にもう一つの温もりを添えてくれます。 物語の中盤、二人が「一緒に旅行に行く」という目標を叶えるために訪れた広島は、二人にとって「生きている実感」を強く与える転機となり、「この幸せが長く続かない」という切なさが静かに漂います。もみじ饅頭を食べながら他愛もない会話を交わす様子は、余命という重いテーマを一瞬忘れさせてくれるほど、穏やかで温かい時間でした。 終盤に向かうにつれ、読者は「限られた時間の中で人は何を選び、どう生きるのか」という問いに向き合うことになります。涙腺を刺激する展開もありながら、決して悲しみだけでは終わらない、希望と愛の物語として心に残ります。
0投稿日: 2025.11.10
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余命を宣告された2人が出会い、夫婦になっていく話 葵は融通が聞かなくて生きるのに苦労しただろうなという感じ 拓海は良いところをまわりの人に伝わって無くて損な役回りが多そうな感じ そんなふたりが出会って、ぶつかり合いながらも歩み寄っていって最後は綺麗にまとまったのではないかと思う
1投稿日: 2025.01.03
powered by ブクログ全体的に、人の温かさというか、優しさを感じることが出来る作品だと思う。 失礼ながら、途中まではありきたりな内容というか、定番の内容だなと思ってしまう部分はあった。 ただ、そもそもの前提としてタイトルからも概ねの結末は予想がつくため、その要因も大きいかもしれない。 しかし、終盤にかけての流れは正直、涙腺が緩む瞬間も多かった。 また、終章については、好みが別れる部分のように感じるが、個人的には良い締め方だったと思う。 私自身としては読了後の喪失感も含め、いい作品だったなと感じた。
0投稿日: 2023.01.25
powered by ブクログ余命1年どうしの偶然、出会った男女が夫婦生活を始める。必死に働いてきた拓海と自分に素直な葵。自分たちの運命を受け入れながらも、やりたいことリストをこなしていく。 この手の話はありきたりだなと思いながら、手にしてしまう。そしてウルウルしてしまう。 拓海の元カノのニコは、いいヤツだなと思うし、会社の部長や後輩の山本も拓海思い。父親は不器用な生き物だけど、家族の形は人それぞれ。 葵のお婆ちゃんの味は気になるけど、美味しいと言ってくれる人がいることが、幸せだと思う。
1投稿日: 2022.12.27
