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ファイナルガール・サポート・グループ
ファイナルガール・サポート・グループ
グレイディ・ヘンドリクス、入間眞/竹書房
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総合評価

8件)
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    あの映画やあの映画で、最後まで生き残った女性、ファイナル・ガールたち。映画が終わっても彼女たちの人生は続く。

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    投稿日: 2025.07.28
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     様々なホラー/スラッシャー映画への愛情、小ネタに溢れていて、いきなり急ハンドルをきるような展開……読んでいて楽しかった。物語中盤以降の加速っぷりがたまらなかった。  作者の別作品(吸血鬼ハンターたちの読書会)を読んでおり、そして今作。改めて、この作者は痛みや不快なものだとかそういう“嫌な描写”がうまいなと思った(両作品の翻訳者さんたちも!)。読み手が想像できて「うわっ」となってしまうような。  置かれた状況は全く違い、一つとして経験したことはないものの、自分が同性なのもあってか、ファイナルガール達には不思議な共感を覚えた。特にリネット。もがき続けるあの姿は痛々しく、哀れみを感じたりや滑稽に見えたりもするのだけど、とても力強いなと思った。  ホラー映画は好きでよく観ており、元ネタになっている作品は大体観たことがある。これまで「楽しんで」観ていたわけだけれど、今作を読んで(特にp.444)、ホラー映画を楽しむということについてちょっと立ち止まって考えてみる機会が持てた。(こういうことを書いたり言ったりすると真面目すぎとか何か色々言われたりするかもだけど) ホラー映画における様々な非対称性について。性別、人種、年齢、自身の感覚(現実では嫌だし憎むべき行為なのに、映画は楽しんでしまうというような)。

    0
    投稿日: 2025.07.26
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    久しぶりに読んだ海外小説だからか乗りきれず、ラスト近くまで微妙な評価だった。ラストで☆3に上がる。 タイトルを見てホラー好きならわかると思うが、ファイナルガール=ホラー映画で最後に生き残る女の子の話だ。正確に言うと元ファイナルガールだった現おばさんたちの話である。彼女たちは殺人鬼を倒した勇者になると同時に救えなかった仲間や恋人への罪悪感に苦しみ、殺人鬼の崇拝者たちからの攻撃に怯え、メディアには有る事無い事書き立てられ、体には文字通り一生癒えない傷が残る。そんな彼女たちは精神科医のキャロル先生のもと、定期的にセラピーに集まる。 その集まりが15年経ち、彼女らの人生も別々の道を進み、もはやセラピーの意義を失い始めていた現在、メンバーの一人エイドリアンが襲われ、命を落とす。ただ一人、これは全員への攻撃の始まりと見なしたリネットだけが声高に避難を呼びかけるが、彼女の行動は空回りし、メンバーからの信頼を失い、孤立していくーー ファイナルガールそれぞれ、実在のスラッシャーホラーシリーズのヒロインがモデルになっていて、知っているほど面白い。が、そんな私が狂喜乱舞するはずの内容にもかかわらず、なんか乗りきれなかったのだ。それはたぶんヒロインのリネットの性格が今ひとつ掴めないというか、感情移入しづらい女性だったからかもしれない。ただ、リネットが今回のイカれた殺人鬼に下した処断はスラッシャー映画とは違うし、面白いと思った。彼女らが何より望むことは、犠牲者たちの名前より、殺人鬼の名は忘れ去られるべきであること。 それは実に正論で、いかに残虐にやられるかを半ば楽しみに見ている(自分のような)ホラー好きにはズキリと胸を刺す指摘でもあった(少し反省)。

    3
    投稿日: 2024.06.30
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    映画化して!!映画化して!!!映像化して!!!! 訳者さんのあとがきを読む前に本編読了してそっこう出てきた感想がこれ。その後あとがきを読んで映像化の企画が進行中って知って大歓喜。しかもドラマ!最高!!

    1
    投稿日: 2024.05.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ファイナルガール達が狙われる。 犯人は、ファイナルガール達のカウンセリングをしていた精神科医の息子。 ファイナルガール達は、犯人に追い詰められ一カ所に集められる。やばい。

    0
    投稿日: 2023.05.06
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    昔のサイコ系スプラッタ映画好きはより楽しめる作品。 主人公が統合失調オチだけはやめてくれ!とハラハラしながら読んだけど、大丈夫だった。 スプラッタ系映画で生き残った人のその後ってどうなるのか確かに考えることはあんまりない、というかシリーズ化されてまた狙われるって事が多い。 間に挟まれた映画の批評がリアル過ぎて現と区別が付かなくなってくるけど全部フィクションです。 というかオマージュだったんですね、最後の解説で元ネタ映画全部見てて笑いました、エド・ゲイン(悪魔のいけにえ)元ネタはなんとなくわかったけどそれ以外は言われてああって感じ。 犯人は予想と大ハズレで、いやまぁ言われてみたらそうかもって感じだけど相方は無理やりすぎる気もする? シリアルキラー好きってのは日本にも結構いるけど、信者がいて崇拝の対象で…っていうのはフィクションじゃないんでしょうか。 銃社会というかアメリカの犯罪事情があんまりわからないのでその辺がファンタジー。 気になったのは、性的虐待受けた的な匂わせがあるけどそういう描写は無いので、犯人の願望が絵になっただけなのだろうか? 幼少期に何かあったのかそこの所は言及されてないのがちょっとモヤっとしたけど単純に構ってちゃん? 一気読みしたのでもう一度読み返してみたいと思います。

    0
    投稿日: 2023.04.19
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    殺人鬼による殺戮事件で最後に1人だけ生き残った女性=ファイナルガールたちを主人公にしたサスペンス小説。 作中のスプラッター映画は現実に起きた事件を基に製作されており、その事件のファイナルガール本人も現実世界で有名になっているという設定。 ただでさえややこしい設定の上に、語り手となる主人公が事件の影響から強迫性障害を発症していて、不安定な感情の地の文をひたすら読まされるため、序盤は小説の世界に入り込むのにちょっと苦労した。けれど世界観を把握してからは主人公のイカれ具合も含めてかなり面白くなってくる。 ファイナルガールの1人が殺されたことから、ファイナルガール全員が狙われていると主人公が"確信"して行動を始めるも、誰も耳を貸してくれない。普通ならモヤモヤする展開だけど、この主人公も本当のことを言ってなかったりするので誰を信用していいのか読者も分からないまま進行するのが良かった。 作中で登場する映画には元ネタがあったりするものの、同じくファイナルガールを題材にした映画『ファイナルガールズ 惨劇のシナリオ』ほどメタネタに満ちた映画オタク向けの作品ではなく、サスペンススリラーとしてしっかり成立していて、ちょっと長かったものの後半は夢中になって読んだ。 主人公のやり過ぎな言動も段々クセになってきて、一つの魅力になってた。

    1
    投稿日: 2023.01.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

     この小説は凄い、みたいな何かの記事で名前を知りBooklive!で販売されていたので購入しました。  いわゆるホラー映画の主人公たちのその後、つまり命からがら逃げ出したあと主人公たちはどう過ごしているのか、というお話です。  むろん、主人公の名前そのままというわけではありません。  が、主人公たちの生き残るに至った展開の中に散りばめられた、人間の殺害方法であるとかそういったものが、「13日の金曜日」、「エルム街の悪夢」などといった、ホラー映画で知らないものはいないであろう「あ、あの作品がベースか!」ということが分かるように描かれています。  正直な話、PTSDを発症して然るべきですよね。  残忍な殺害方法。両親やきょうだい、恋人や親友やクラスメイトなどを殺されたと言う事実。

    0
    投稿日: 2022.12.29