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新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年
新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年
熊倉潤/中央公論新社
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総合評価

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    ★ 新疆ウイグル自治区 中国の国土の1/6 民族的にはテュルク系で、トルコ人などと同じ系統に属する 中東イスラム世界と文化的に強い紐帯で結ばれている。ウズベク人、カザフ人と並んでテュルク系ムスリムの一角に数えられる 新彊は歴史的にトルキスタンの一部とみなされてきた。そのため現在は東トルキスタン 東トルキスタン共和国の失敗を経て1949年、人民解放軍の支配下に入った。 ★ 親戚制度 漢人を主とする公務員を「親戚」と称させて現地ムスリムの各家庭に割り当てる仕組み。しかし、その「親戚」が豚肉料理を使って食べさせる、酒をすすめるなど、悪循環に拍車がかかった。これに抵抗すれば「テロリスト」として報告されることとなる。 「職業技能教育センター」には、「脱過激化」教育改造機関としての性格と職業訓練による労働者育成機関としての性格が複合的に存在 しかし、脱過激化プログラムを受けた人は、徐々に消えてゆうという。

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    投稿日: 2025.06.01
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    いわゆるウイグル問題。清の時代にその範図に組み込まれてしまった。 まあそこは、おじいちゃんが旅したことがあったら、核心的利益とか言い出すところで、要はそこが問題だと思う。 著者は、どちらの立場にも入れ込まないように注意されているが、やっぱりかの大盗賊国家のやってることに疑問を呈する。 ジェノサイドかって。 ジェノサイドですよ。文化的かどうかはともかく。 何つても、ウイグルは、Chinaではないのだから。 そこを見誤ってはいけないと思うのだ。 自分たちの管理の元でのみ、実現される幸せこそが幸せであり、個々の人の幸せとか人生に意味がないと信じる有機体に飲み込まれること自体がジェノサイドでしょう。

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    投稿日: 2023.07.27
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    何かと敏感な地域。文章表現にだいぶ気を使いつつ、中立で冷静な立場であろうとする著者の姿勢があちこちに伺える。これまでの歴史の流れがよくわかった。 ・紀元前2000年頃にコーカソイド系の人々が西からやってきた ・タリム盆地周辺のオアシスでは、天山山脈などからの雪解け水を利用した農業者が発達。クチャ、カシュガル、ヤルカンド、ホタンなどのオアシス都市が漢人進出前から成立していた。 ・漢人の進出は紀元前二世紀の前漢の武帝の時代頃。敦煌より西は西域と呼ばれた。 ・10世紀頃にイスラーム化がはじまった。 ・中華民国成立後はロシアの影がちらつく。 ・習近平の父の習仲勲は新疆分局の上部組織である中共中央西北局の第二書記で、意外にもウイグル族との融和的政策をとっていた。 ・親戚制度とは、漢人の公務員が現地ムスリムの各家庭に割り当てられる制度。 ・職業技能訓練センターには、思想改造や強制収容の話もある。 ・産児制限、綿畑への動員、先端技術による監視が行われている。 ・新疆生産建設兵団は漢人主体で構成される組織で、平時は農業、有事には軍を部隊となる。 ・自治区の人口は約2500万人。約3割が漢民族。ウイグル、カザフ、ほか少数民族などで構成される。

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    投稿日: 2023.07.01
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    中国建国以来、共産党統治下の新疆ウイグル自治区の歴史を概観した本。 大躍進政策、文化大革命から直近のゼロコロナ政策にいたるまで、上からの一方的な政策に翻弄されるのは中国に暮らす人々にとって常なのだが、新疆ウイグル自治区ではさらに民族問題もからんで問題は複雑化する。頻発するデモ・暴動に対して民族政策は強硬になるいっぽうで、現在ではウイグル人は徹底した監視、思想改造によって民族のアイデンティティが失われるような状況に置かれている。 (おそらく、このような状況はチベット、内モンゴルにおいても同様であろう。) 非常に胸が痛む。

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    投稿日: 2023.05.16
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    経緯が非常に分かりやすくまとまっている。想像してた以上の悲惨な実情には憤りしかない。新疆ウイグルは中国の問題だが、文化的ジェノサイド行為は過去に欧米も日本もやってきており、人類にとって一向に治らない悪癖とも言える。切ない。

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    投稿日: 2023.03.25
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    正義の反対は異なる正義、な印象。事実は深刻だか、分かり合えない、上からのおしつけがウイグルの悲惨な状況産んだか。

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    投稿日: 2023.01.05
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    深刻な人権侵害が指摘される中国共産党による新疆統治の歴史を第三者的な立場から論じる。 新疆ウイグル自治区をめぐる人権問題の経緯や様相について理解が深まった。特に近年の中国共産党による新疆統治のおぞましさをまじまじと感じた。特に「親戚」制度は酷い。

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    投稿日: 2022.12.23
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    副題の中国共産党70年の支配の通り、1949年から最近の習近平体制までの新疆ウイグル自治区の政治史をメインに扱う。 日本ではほとんど馴染みのない新疆の指導者名が並ぶ。共産党支配以前は東トルキスタン共和国の幹部で後に新疆ウイグル自治区の最高指導者まで上り詰めたセイフディンというウイグル族の政治家がいたのも初めて知った。もっとも、彼以降にウイグル族で幹部に上がる者は出ていない。 かつてはソ連の影響力が強い地域であったが、大躍進運動、文化大革命、改革開放、テロとの戦いを経て共産党の統治が強まった様子が窺える。特に習近平体制は、これまでの経済発展すれば民族的な反発が収まるという考えに見切りをつけ、対新疆政策を教育・就業・貧困対策を織り交ぜた形に再編したのが特徴。 2018年以降、いわゆる再教育キャンプの実態が明らかになるにつれて国際的な非難にさらされるが、筆者は今の新疆の実態が欧米の分脈で言うところの「ジェノサイド」に当たるのか疑問を投げかけているのは興味深い。それはナチスの絶滅政策のようなものではないと指摘する。そして、流暢な普通話を話しテレビで漢族のように振る舞うウイグル族の女優デリラバが、中国共産党にとってのあるべきウイグル族の姿である、と述べて筆を置く。

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    投稿日: 2022.10.02
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    最も新疆ウイグルの問題に詳しい本である。歴史についても扱っており、さらに中国の漢人の指導者の政策の影響についても書かれている。これから必要なのは、新疆ウイグルで強制矯正所に送られた人の記録の新書版であろう。

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    投稿日: 2022.09.14
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    ずっと興味・関心を抱きつつ、そのテーマを総論的には一度も学んだことのない「新彊ウイグル問題」。書店の棚で本書の背表紙を見つけたとたん「コレは読まねば」と手に取って買い求めた一冊。 さすがに一度通読しただけでは、全体像としてアタマや心には残らない。しかしその歴史的な流れと背景は「太い幹」として掴めたような気もする。中でも、現住民族と漢族との愛憎こもごもの関係や、現・習近平父子の歴史的因縁など、その根底に流れる、日本の近代史には見られない大規模でドロドロな奔流が印象深い。 いずれ再読も必要だろう。

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    投稿日: 2022.08.04
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    序章 新疆あるいは東トルキスタンの二千年 新疆という地域の成り立ち 清と新疆 中華民国と新疆 第1章 中国共産党による統治の始まり 1949~1955年 解放の名目と現実 新疆ウイグル自治区と新疆生産建設兵団の誕生 第2章 中ソ対立の最前線として 1956~1977年 社会主義化と反右派闘争 文化大革命の荒波に揉まれて 第3章 「改革開放」の光と影 1978~1995年 文化大革命後の再出発 抗議行動のうねりと国際環境の激変 第4章 抑圧と開発の同時進行 1996~2011年 第5章 反テロ人民戦争へ 2012~2016年 習近平時代の始まり 高まる反テロの比重 第6章 大規模収容の衝撃 2016~2021年 親戚制度と職業訓練 米中対立の焦点 終章 新疆政策はジェノサイドなのか

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    投稿日: 2022.07.17
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    中国共産党と欧米の共産党政策への批判が両論併記されている。これによって、双方の立場が理解しやすい。人権問題が取り沙汰される昨今において、事実を知ることは大切である。また、新疆ウイグル自治区とはどう言った地域なのかが分かる。漢民族による支配の歴史、デュルク系民族の歴史と言ったものが書かれている。 この問題を理解するには素晴らしい本。

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    投稿日: 2022.07.07
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    深刻な人権侵害が指摘されている新疆ウイグル自治区。自治区の成立当初は「解放」を謳った中国共産党はなぜ過酷な統治に転じたのか。

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    投稿日: 2022.06.07