
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この作者、いつもテーマは面白いし、理系的視点で物語を描くので興味深いんだけど、具体的にどこがどうとは言い難いのだけど、なにか詰めが甘くて突っ込みたくなるんだよねぇ。 この作品もそう。中国の野心と、それに対抗しようとする日本を描いているのだけど、なぜだか中国の動向は全く描かれず、日本の描写だけ。物語としては、広がりに欠けるんだよねぇ。 物語の結末が、ちょっと乱暴というところは置いておいたとしても、そういう物語の進め方については、もうちょっとどうにかならんのかと思う。
1投稿日: 2023.02.20
powered by ブクログ危機に臨んでも今一つ感度が鈍かったり、現状に固執する社会に立ち向かう若手官僚・・という図式は、堺屋太一『油断』を思い出す。
1投稿日: 2022.12.24
powered by ブクログ2030年、自動車業界はどうなってるだろう。主人公の経産省官僚はEVに舵を切るべきと主張。 果たして日本はガソリンエンジンを捨てられるか。小説とは言え考えさせられる。
1投稿日: 2022.11.06
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欧州をはじめとする多くの国が、2030年以降に販売される全ての自動車をEV(電気自動車)に置き換えるという方針を打ち出したところから物語は始まる。 コロナ禍を乗り越えた世界で、人類の課題は二酸化炭素排出量を実質ゼロとするカーボンニュートラルである。その鍵となるのが電気自動車(EV)であり、都市のスーパーシティ化である。 ハイブリッド車を含むガソリン車から、モーターのみで駆動するEVに移り変わることによる大規模な自動車産業の方向転換は、自動車関連産業で働く人のみならずガソリンを扱う石油産業など多くの産業に影響を与えることが予想される。 世界の自動車産業がEVへの転換を目指す2030年を節目に、自動車関連だけでなく、あらゆる業界がカーボンニュートラルに向けた取り組みを加速させていく流れになると感じた。 蓄電池と燃料電池の違いすらわからない状態から読みはじめたが、そういった技術的な事もわかりやすく説明してあり読みやすかった。 かつての石炭が環境負荷を理由により環境への影響が少ない石油や化石燃料に置き換わっていったように、新たなエネルギーへの移行が急激に進むという世界的な流れが想像できて勉強になった。
4投稿日: 2022.09.11
powered by ブクログ高嶋哲夫『EV 日本自動車産業の凋落』ハルキ文庫。 日本の自動車産業の未来を予言するグローバル経済小説。 高嶋哲夫は我々に見せる次なる未来は…… 今の時代に珍しく気骨のある日本人として、若き官僚の瀬戸崎敬介の奔走が描かれていて面白い。無論、小説だからこその物事が上手く進む感はあるが。 日本は天然資源に乏しく、高度経済成長期に勤勉さと真面目さでものづくりで経済大国にのし上がった。しかし、次の時代に求められた独創力は無く、通信やITの関連分野で次々と世界に遅れを取り、事業を切り売りするしか無かった。時代は変わり、脱炭素社会の到来に日本は…… コロナ禍からいち早く立ち直り、経済をV字回復させた中国。今やあらゆる製造業の中心は中国であると言っても過言ではない。悔しいことに中国にはそれだけの頭脳とリソース、アセットがあり、日本にはそれらが全く無い。 まともなコロナ対策も出来ない日本政府は防衛費にばかり税金を投下し、産業への投資を怠り、安易なインバウンドで経済を回そうとしている。それにより疲弊し続ける日本企業も日本政府も人財への投資を縮小する一方で、かつて安価な労働力を海外に求めたツケが回り回って、大量の非正規労働者を産み出している。 大学を卒業しても非正規やアルバイトに甘んじる若者や簡単に正社員を諦める若者が増加している。収入も少く、不安定な生活をせざるを得ない若者は結婚出来ずに将来的に少子高齢化が加速する一方である。 日本の10倍以上の人口の中国がトップの率先垂範で国民が皆、同じ方向に向かうとすれば日本など到底太刀打ち出来ない。そんな中国が2030年までにEV車への転換を実現するとしたら、日本の自動車産業はどうなるのか…… 地球温暖化対策のため、欧米ではガソリンエンジンの新車販売禁止が決まり、あの中国までもが国内の新車販売を全て環境適応車に変更する方向に舵を切るという。しかも、中国は海外から技術者を集め、ハイブリッド車ではなく国内開発でEV車への切り替えを図ることを画策していた。 こうした中国の状況を知った経済産業省の官僚、瀬戸崎敬介は、低燃費ガソリン車とEV車にしがみつき、なかなかEV車に転換出来ない日本の自動車産業の未来に不安を募らせる。このままでは500万人以上と言われる自動車関連就業人口の多くが失業し、路頭に迷う可能性が見えて来たのだ。 自動車産業の構造を変え、悲惨な未来を変えようと奔走する瀬戸崎だったが…… 自動車産業もガソリン車、ディーゼル車、EV、FCVと進化を遂げているが、エンジン車が無くなれば、産業構造は大きく変わる。エンジンの部品だけ造っていた下請会社は違うものづくりへと転換を遂げないと生き残れない。 昔、日本ピストンリングというエンジンの中のピストンリングだけを製造している工場に行ったことがあるが、その当時から会社の偉い方は、燃料エンジンが無くなれば、事業は消える運命にあると話していた。 本体価格900円 ★★★★★
7投稿日: 2022.09.04
