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神楽坂スパイス・ボックス
神楽坂スパイス・ボックス
長月天音/角川春樹事務所
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総合評価

42件)
4.1
11
20
9
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    カレー、ビリヤニ、キャロットケーキ!! スパイス好きにはたまらない 料理を通して人の心がほぐれていく過程が素敵

    0
    投稿日: 2025.09.28
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    最近はバタバタしており、なかなか読書時間を確保できていないのですが…どうしても本を読みたくなった時には心温まる癒されるお話を読みたくなってしまい、長月天音さんの作品を手に取ることが多いです❁⃘*.゚ 姉妹が営むスパイス料理専門店「スパイス・ボックス」を舞台にした物語。 スパイスと聞くと辛かったり刺激的なものを思い浮かべていたのですが、ゆたかが作るスパイス料理はただ刺激を与えるものではなく、料理の味わいを深くして、じんわりと優しく作用し、体をいたわり料理には欠かせないものとのことで、スパイスのイメージが本作を読んですっかり変わりました! ゆたがが作る、心も身体も元気にしてくれるスパイス料理を食べてみたいです! シリーズ化されているとのことなので、次巻も読むのが楽しみです‪(*´꒳​`*)

    35
    投稿日: 2025.09.11
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    どうにも元気が出ない時にスパイスとそれを操る2人の姉妹がそっと寄り添い支えてくれる素敵なお店、お話です。人にはそれぞれ抱えているものがあり、スパイスによって勇気づけられ前に踏み出していく様は自分に重ねてしまうこともあり魅力的な作品です。 読むと元気が出るしお腹の空く素敵な作品に出会いました。

    0
    投稿日: 2025.08.17
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    読んでてスパイス料理食べたくなってしまい、野菜ビリヤニ食べに行き… 次の日はグリーンカレーを食べに行ってしまいました

    0
    投稿日: 2025.08.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    香辛料って奥が深い!辛いものは苦手だけど食べてみたくなった 印象に残った言葉 「ここで、お客さん同士もつながっていけたらいいね。大将と、マトンカレーの整体師さんみたいに」

    0
    投稿日: 2025.07.11
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    やはり料理のことなので少しばかり他のシリーズにもある「キッチン常夜灯」と話が似てしまう感覚は否めませんでした。 それでも料理を通じて、人が変わっていく様を見ているのは勇気が貰えたり元気も貰えます。そして、スパイス料理ってあまり挑戦したことないけど描かれ方がとても美味しそうで読んでいてお腹が空いてきてしまいますね。それだけ魅力のある本です。

    0
    投稿日: 2025.06.29
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    「夏の終わりのマトンビリヤニ」 苦情を言われた。 挨拶回りの時に説明をしっかりしておいたとしても、想像以上の匂いには誰だって文句を言いたいだろうな。 「迷路の国のタジン鍋」 中々招待されず。 こんなに忙しくなるとは思っていなかったからこそ、落ち着いた時にと先送りしてしまっていたのだろうな。 「シュークルートは伝統の香り」 元彼との再会は。 自分と別れて時間が経過していたとしても、新たな彼女と仲良くしている様子を見るのは少し寂しいだろう。 「熱々チャイとクリスマスのスパイス菓子」 持ち帰りの客が。 普段から来ているとはいえ持ち帰ってばかりでは、店の中で出来立ての料理を食べるのは新しい発見だろう。 「激辛マトンカレーにまさるもの」 活を入れるため。 自分の苦手としている部分がわかっているのならば、空回りしたとしても改善できるよう努力すべきだろう。

    0
    投稿日: 2025.06.25
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    姉妹がスパイスボックスというお店を切り盛りし始め、色々なお客さまと関わっていくお話。スパイスの効果や体の良さなどを知れておもしろかった。

    1
    投稿日: 2025.06.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    みのりとゆたかの姉妹がスパイス料理店を立ち上げ、料理を振る舞いながら近所の人たちやお客様と交流していくストーリー。 そば屋の大将やみのりの元彼の和史、エキナカ青年や中学教師の友里恵、整体師の俊也など… 料理を通して温かな人間模様を感じたし、スパイスの力ってすごいなと実感した! 続編を読むのも楽しみな気持ちで読了。

    10
    投稿日: 2025.05.28
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    スパイスを使った料理を絡めながら、料理人の姉と、編集者から経営者に転身した妹のストーリー。 私には姉妹がいないので、2人がそれぞれを思いあっているのが羨ましい。 派手な展開はないけれど、温かく、読みやすく、とにかくカレーが食べたくなります! スパイスも奥深い! 2人の間にワダカマリはないのだろうけど、元カノのお店に今カノを連れてくる和史はデリカシーがない。と、モヤモヤ。 今カノに元カノだと言わない辺りも。 私が大人気ないのかな……? 神楽坂は馴染みがない街ですが、人情を大事にする街のように思え、坂上の大将のとこのカレー南蛮も食べたくなりました。

    1
    投稿日: 2025.05.20
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    作中でも書かれているけど、スパイスって辛かったり刺激の強いイメージがある。やっぱりクローブをままで噛み砕いたらきついし。けど作風はほんわか。ちょっとうまく事が進みすぎるかな。

    0
    投稿日: 2025.04.24
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    文章が読みやすく、さらさらと読めた。 料理や人についてもわかりやすくて、お店の雰囲気も想像できるので、文章で読みながら絵が思い浮かぶ感じ。

    0
    投稿日: 2025.03.26
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    キッチン常夜灯シリーズの著者、長月天音さん。 やはり話は温かく、素敵な文章が綴られている。 なかなかスパイスに馴染みのない国、日本であるがストーリーを通じてスパイス料理に挑戦してみたいと思えた。 また、スパイスの効果や文化を伝えることで背中を押して応援してくれる。スパイスを体内に取り入れた時のような温かく、明日から頑張ろうと思えるそんな一冊。

    0
    投稿日: 2025.02.05
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    キッチン常夜灯シリーズ以来の長月天音さん作品。 この作品も料理の描写がたっぷりで、とってもスパイス料理を食べたくなりました。 いままでスパイス料理に馴染みはないつもりでいましたが、カレーはもちろんジンジャーエールやソーセージだってスパイス料理だったのだと、この作品を読んで改めて分かりました。 あとこの作品で一貫しているのが、「料理でお客さんを元気にしたい」ということ。 その思いが料理にスパイス同様たっぷり込められていて、お客さんが元気に笑顔になって帰っていってくれるという所がとても気に入ったところです。 スパイス・ボックスが近くにあったら絶対に常連になる自信が湧いたほど、この作品を楽しむことができました。続編もどんどん読んでいこうと思います。

    4
    投稿日: 2025.01.19
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    みのりはイタリアンシェフと付き合っていたが振られて、彼を見返す為に雑誌の編集者を辞め、スパイスボックスという店を姉と開いた。雑誌編集者からお店とか無理じゃね?と思ったら、姉夫婦が元ホテルのシェフであったが、姉の夫が他界してから引きこもりになっていた。最初は大変だったが、徐々にお客さんが付いてお店も順調になっていった。この本を読んでいるとカレーが無性に食べたくなるwww

    0
    投稿日: 2024.12.14
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    この世界観。 たまらなく心地いい。 仲のいい2人姉妹が共同経営するお店。 お客さんたちが2人の料理に癒されていくように、 読んでいる僕も2人の存在に癒される。 小説の中に入っていって、出てくる料理を実際に食べてみたい。 今年も続く、命を削られるような猛暑。 本作は間違いなく、その削られた分を取り返すべく、僕の脳や体に注入してくれているな。 僕にはバッチリ。他作も読み尽くそう‼︎ 【本シリーズ3つを読了。2024.9.25時点】

    18
    投稿日: 2024.08.24
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    読んでたらスパイスの効いたものが食べたくなって、読んでる間、インドカレーやらビリヤニやらスパイスカレーを食べに行ってしまった! あとはタジン料理やシュークルートが食べてみたい! 古民家好きだし、こんなお店が実際にあったら通ってしまうだろうなぁ。 ゆたかさんのスパイス料理で疲れた身体と心を癒してもらいたい。

    9
    投稿日: 2024.07.13
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    姉妹って素敵! 姉妹で営むスパイス料理屋 カレー屋でもなくスパイス料理って全世界にいろいろあって世界一周旅行できそう。 物語はほっこり安心して読める… そしてスパイスで心と身体にしっかり栄養を染み渡らせる。

    7
    投稿日: 2024.06.05
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    シリーズ1作目。2、3作目を先に読んでしまって、やっとこちらを読めた。 「スパイスボックス」が出来た経緯や、スパイスへの思いなどなどがちゃんとわかって、やっぱりこちらから読めばよかったなぁと反省。 先日、ちょうど本格的なスパイスカレーを食べたところで、お腹の奥からポカポカしてくる感じを思い出しながら読んだ。

    27
    投稿日: 2024.05.16
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     クミンにシナモン、カルダモンなど読んでいると色んなスパイスの香りがしてくるお話。 スパイスは一見、刺激が強くて少しクセが強いようなイメージをしていたけれど、本に出てくるメニューはどれも食べる人たちの心も身体も温かく、そして身軽な気持ちにする効果もあるんだなと思った。 本の中に出てくる姉妹とお客様のやりとりもサクサク読めて面白いし、とてもお腹が空いてしまった。 マトンカレーやタジン鍋などは名前は聞いたことはあったけど食べたことがないからどんな味がするのかとても興味が出たし、ミントティーやチャイも飲みたくなる作品。

    14
    投稿日: 2024.05.15
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    前の職場、知り合いの有名作家のコネクションを利用させていただいていて、それを素直にありがたがるところはリアル。別れた二人の関係もなんかいい。

    2
    投稿日: 2024.05.09
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    あなたは『スパイス料理』が好きですか? はい、断言します。私、さてさては『スパイス』が苦手です。例えば『スパイス』を使う料理の代表格とも言えるカレーであっても私はいわゆる”日本のカレー”しか食べたくないですし、『シナモン』なんかも好きではありません。そんな私はこんな思いを抱いています。  日本人は『スパイス』が好きではありません! すみません!なんだかいろんなところから、異議あり!、勝手なこと言うな!というお叱りの声が聞こえてきました。まあ、私個人の勝手な嗜好で”日本人は”なんて書くのは違いますよね。失礼しました。でもお叱りくださったあなたも次の言葉は否定できないのではないでしょうか?  『スパイスもハーブも日本人にはまだまだなじみがない。シナモンのように、すぐに香りを想像できるものもあるが、名前を聞いても、形も風味もまったく分からないものも多い』。 どうでしょう。これなら納得いただけると思います。ただ、『スパイス』の魅力をご存知の方はそんな状況を逆に憂うのではないでしょうか?もっと『スパイス』への認知が広がったら良いのに…そんな風に思われる方もいらっしゃると思います。しかし、そのためにはそんな『スパイス』の魅力を私のような人間に理解させる必要があるのだと思います。 さてここに、そんな『スパイス』の魅力を全編にわたって読者に印象付けていく物語があります。『男運がない姉妹、力を合わせて、未来を切り開いていくしかありません』と開き直る姉妹が『スパイス料理店』を開店させるこの作品。そんなお店にさまざまな境遇の人たちが客として訪れるこの作品。そしてそれは、『スパイス』を”起点・きっかけ”として、それぞれの人たちの人生が再び動き出す様を見る物語です。 『悔しい、悔しい、悔しい。この悔しさをどこにぶつけたらいいのか』と『薄暗い部屋の中で』『奥歯を強く噛みしめ』るのは主人公の前橋みのり、三十二歳。『大学卒業後に就職した出版社』で『人一倍まじめで頑張り屋という評価を得て』いた みのりは『五年間、付き合ってきた男にフラれ』ました。『それだけのことではある。でも、それだけのことではない』と思う みのりは『地下鉄千川駅にほど近いイタリアンレストラン、「リストランテ・サナ」の若きオーナーシェフ』でもある真田和史のことを思います。勤務先の厨書房で『料理雑誌「最新厨房通信」』の担当だった みのりは取材を通じて和史と知り合いました。そして、関係を深めていく中に『そろそろ結婚を考えない?』と切り出した みのりは都心への出店も打診します。しかし、『俺は、ここを離れるつもりも、都心に出店するつもりもない』と返す和史の勢いに、結局二人の溝が深まってしまいました。そして、『別れよう』と切り出された みのり。そんな みのりは『自分も飲食店をやってやるのだ。しかも、都心で。何が何でも有名店にして、和史を唸らせるのだ』と悔しさをモチベーションに変えていきます。 場面は変わり、『カレーに欠かせないスパイスのひとつ』である『クミン』にちなんで設けられた『九月三十日』、『クミンの日』に『文句なく都心と言える立地の』神楽坂に『スパイス・ボックス』という店をオープンさせた みのり。『古民家カフェ』をリノベーションしたという木造家屋の一階に店を持った みのりは、『いよいよだねぇ、お姉ちゃん』とコック姿の姉・辻原ゆたかに語りかけます。『数年前まで館山のリゾートホテルのシェフをしていた』ものの、『三年前に夫を亡くし』、『南房総の実家に閉じこもったままだった』ゆたか。『すっかりふさぎ込んでいて、唯一の慰めは、夫が残した数々のスパイスを眺めることだった』という姉に飲食店の話をすると『スパイス料理がいい』、『それ以外ならやらないと言われ』た みのり。そして、『やろう、スパイス料理!』という先に開店へと漕ぎ着けた二人。そんな二人は開店に先立ち、『三日前の夜』、『試験営業を行っ』ていました。『出版社時代の同僚や知人』を招いたその場では、『料理の味もさることながら、スパイス料理という着眼点と、それに不釣り合いな日本家屋がなんとも良いと好評』を得ました。しかし、本番営業で客が来てくれるのか不安な二人。そんなところに『二軒隣りの蕎麦屋、「手打ち蕎麦 坂上」の店主、長嶺猛がやってきました。『一番のご来店、ありがとうございます』と声をかける みのりに『今日は、文句を言いに来たんだ』と『入口に仁王立ちしたまま、低い声で言い放』つ大将。『文句?まだ営業もしていないのに?』と耳を疑う二人に『におうんだよ、あんたらの店』、『蕎麦は繊細な味わいと出汁の香りが命だ。客に嫌がられてはと心配している』と語る大将。『飲食店にとって、店から漏れる香りは仕方のないことではないのか』、『しかし、今までなかった異質の「香り」がこの路地に加わったことは事実…』と思う二人。『カレーの仕込みの』『日だけちょっと目をつぶっていただけませんか』等 みのりが説明するも『カレーが大っ嫌い』という大将は余計に反発します。そんな中、『ちゃんとお話を伺いますから、どうぞお店に入って、お掛けください』とやんわりとカウンターに大将を誘う ゆたかは『そっとみのりに片目をつぶって見せ』ます。『きっと姉には、何か考えがあるのだろう』と思う みのり。そんな みのりと姉の ゆたかが『スパイス料理店』『スパイス・ボックス』を営む先に、そんな店を訪れた人たちの心に”起点・きっかけ”を与えていく物語が始まりました。 “五年間つき合ってきた彼にふられた雑誌編集者のみのり。イタリアンレストランの若きオーナーシェフである元彼を見返すため、自らも飲食店を開店し人気店にしてみせると心に誓う…そして姉妹は神楽坂の路地の奥の奥にあった木造家屋にスパイス料理専門店を開店させる。心に栄養が染み渡る料理小説!”と内容紹介にうたわれるこの作品。長月天音さんと言えば「ほどなく、お別れです」シリーズが有名な作家さんですが、もう一つの人気シリーズがこの作品、「神楽坂スパイス・ボックス」で、3巻までシリーズ化されています。書名に含まれた『スパイス』という文字と表紙のイラストからこの作品は”食”を取り扱った作品だと予想できますが、この作品のもう一つの特徴として、私が”起点・きっかけもの”と名付けている側面も持ち合わせています。では、この二つの方向性から見ていきたいと思います。 まずは、”食”です。この世には数多の”食”を題材にした小説が刊行されています。文字を読んでいるのに食欲が刺激されるという”食”を題材にした小説は私の大好物でもあります。この作品は主人公の みのりが姉の ゆたかと姉妹で店を営んでいくという点が一つのポイントです。”食”を題材にした小説は二つに分けられます。一つはお店に客として赴く側視点のものです。原田ひ香さん「ランチ酒」、同じく「古本食堂」、そして小川糸さん「あつあつを召し上がれ」などがこちらにあたります。主人公となる人物がさまざまなお店のさまざまな料理を堪能していく視点で描かれた物語です。一方で、お店の側に立ったものとしては、小川糸さん「食堂かたつむり」、近藤史恵さん「ときどき旅に出るカフェ」、そして井上荒野さん「キャベツ炒めに捧ぐ」などがあります。お店の側の視点が入ることで提供される料理へのこだわり・想いが最前面に出てくるところが一つの読み味です。また、お店の側の人間の悩み苦しみが描かれるところもそんな”食”を提供しているのが私たちと同じ人間であること、そこに人間臭さを醸し出せるというメリットもあります。この作品では、主人公の みのりは料理人ではなく店主であるということ、料理人が姉であるという設定が新鮮です。〈プロローグ〉にそんなお店の出店経緯が語られています。付き合っていた料理人の彼氏に振られ、  『自分も飲食店をやってやるのだ。しかも、都心で。何が何でも有名店にして、和史を唸らせるのだ』 そんな風にモチベーションにしていくあたりは、ご愛嬌という気もしますが、本編では、そのある意味での決着も描かれます。しかし、この作品はその部分はあくまでおまけであって”食”を題材にした小説としては非常に興味深い視点で描かれていくところに大きな魅力を感じます。それこそが、店を始めるにあたって姉の ゆたかが言った『スパイス料理がいい』という言葉が起点となって開店へと至る点です。そんなお店には『調味料入れ』を指すという『スパイス・ボックス』という名前が付けられています。あなたは、『スパイス料理』と言われてどんな料理が出てくると想像するでしょうか?正直なところ私には全くちんぷんかんぷんです。上記した冒頭の概略で大将が難癖をつけに来店したことから想像される、いかにもエスニックな香りの漂う料理を想像してしまいます。そして、大きな声では言えませんが、私はそういった料理は大の苦手なのです(笑)。しかし、そんな私の懸念(笑)を晴らすかのように物語では美味しそうな料理が次から次へと登場します。では、そんな中から『乳酸発酵させたキャベツを、豚肉やソーセージなどと煮込んだ』『アルザスの料理』、『シュークルート』の登場場面をご紹介しましょう。  『使うスパイスは、クミン、ローリエ、クローブ、ジュニパーベリーなどで、ソーセージ自体にもセージやタイムなどのハーブが使われている』。 『スパイス』に光を当てるこの作品ではそれぞれの料理に必ず『スパイス』の説明が入ります。『ローリエ』くらいしか知らない私(汗)には、数多の『スパイス』の登場に、『スパイス』と言ってもこんなにも色々なものがあるんだと感心しきりです。  ・『山盛りの発酵キャベツと、大きめにカットしたジャガイモと人参、それに色合いの違う二種類のソーセージと厚切りのベーコン。皿の横にはたっぷりの粒マスタードが添えられている』。  ・『ソーセージは、スモークタイプとノンスモークの二種類だった。スモークタイプは、クミンやナツメグのスパイス入りで肉も粗挽き、力強い味がする。もう片方は、ハーブソーセージで食感もやややわらかい』。 実際の料理の描写がこちらです。写真やイラストがなくてもどことなく頭にイメージが浮かんで来ます。しかも『ソーセージ』などの食材についての細かい補足まで入ってくるところがこの作品の特徴です。  『美味しい!』、『うわぁ、わざわざスパイス入りのソーセージをチョイスしたところが憎いですね。とことん、スパイスで行くんだなぁ!』 そんな風に声を上げる客の女性。物語は、『ソーセージって、うま味が詰まっていて、これだけで完成された料理ですよね…』と『ソーセージ』の話題に展開していく場面が描かれていきますがとにかく美味しそうです。また、単に登場した見た目の料理のことだけでなくで、この例のように『ソーセージ』を深掘りするなどして、”食”の世界に細かく切り込んでいくのがもう一つの特徴です。これには、上記した通り、主人公がお店の側の人間であること、そして、主人公の みのりを料理雑誌の元編集者とした設定が生きてきます。この辺りとても上手いと思います。他にも『ビリヤニ』、『マトンカレー』、そして『タジン』などなど、私が今までに出会ってきた”食”を題材にした小説では見たことも聞いたこともない料理の数々が次から次へと登場します。かつ上記の通り説得力のある『スパイス』への深い知識前提の物語がそこに展開します。ということで、”食”を題材にした作品をお探しの皆さま、この作品を”超”おすすめします。私は一年に150冊強の小説を読みます。時々、掘り出し物を見つけますが、この作品がそれです。世間一般的には間違いなく埋もれてしまっているこの作品、私がブクログ・レビュワーとしての責任を持って、全力を挙げて日の当たる場所へと大推薦させていただきます。 さて、“食”を取り上げる小説として、上記の通り大推薦をさせていただいたこの作品ですが、それだけしか魅力がなければ私も上記のようには推薦しません。この作品、”食”だけが魅力でおしまい…ではないのです。”食”と同等におすすめポイントとして挙げさせていただきたいのが、この作品が”起点・きっかけもの”だということです。 ● “起点、きっかけもの”とは?   ①連作短編として構成されており、それぞれの短編に何かしら悩みを抱えた人物が登場する   ②”①”の人物がある場所を訪れたり、あるものに接したりすることで、再び顔を上げ前に進んでいく”起点・きっかけ”とする   ③原則として”起点・きっかけ”を与える側に視点が移動することはない。   ④圧倒的な読後感の良さが保証されている 上記の説明でイメージとしてお分かりいただけたかと思います。この系統の作品としては青山美智子さん「お探し物は図書室まで」、柚木麻子さん「ランチのアッコちゃん」シリーズ、そして村山早紀さん「コンビニたそがれ堂」シリーズなどがあります。いずれも幸せな読書の時間を味わえる名作・傑作揃いです。そして、この作品もそのど真ん中に位置する充実ぶりを見せてくれます。そんな作品の構成をご紹介するために客として登場する人物とともに目次を記しておきたいと思います。  ・〈プロローグ〉  ・〈第一話 夏の終わりのマトンビリヤニ〉     → 長嶺猛: 二軒隣りの蕎麦屋、「手打ち蕎麦 坂上」の店主  ・〈第二話 迷路の国のタジン鍋〉     → 鮫島周子: 日本文学界の大御所、数々の文学賞を受賞  ・〈第三話 シュークルートは伝統の香り〉     → 真田和史: 地下鉄千川駅にほど近いイタリアンレストラン、『リストランテ・サナ』の若きオーナーシェフ、みのりの”元彼”  ・〈第四話 熱々チャイとクリスマスのスパイス菓子〉     → 伊藤友里恵: 中学校の教師  ・〈第五話 激辛マトンカレーにまさるもの〉     → 小谷俊也: 鳥居前整体院の整体師  ・〈エピローグ〉 この作品は五つの短編が〈プロローグ〉と〈エピローグ〉に挟まれて連作短編を構成するという形式をとっています。それぞれの短編には、それぞれの短編で上記に補足した通り、客として準・主人公となる人物が登場します。例えば〈第一話〉に登場する長嶺猛は、開店初日の『スパイス・ボックス』に『におうんだよ、あんたらの店』とクレームに訪れます。そんな長嶺と接していく みのりと ゆたか。さまざまに話を聞き、様子を見ていく中に ゆたかが提供する料理に何かしらの思いを準・主人公たちは抱きます。それが一つの”起点・きっかけ”となって、彼らは思い悩んでいた日々から再び顔を上げ前に向かって歩き出す、それが物語の大枠です。これは上記した通り”起点・きっかけもの”の王道パターンです。しかし、ここで上記した”③原則として”起点・きっかけ”を与える側に視点が移動することはない”という点との兼ね合いで矛盾が生じます。なぜならこの作品の全編通しての主人公はお店の側である みのりだからです。この点の整理を長月さんは絶妙な物語の組み立てで整理していきます。それぞれの短編は3つの章から構成されています。準・主人公は みのり視点の一つ目の章に客として訪れます。そして、続く二つ目の章で視点が準・主人公側に切り替わるのです。その次に続く三つ目の章では再び みのり視点となり後日談的に準・主人公が登場します。これは非常に上手い作りです。基本同じパターンではあるのですが、飽きるどころか巧みなリズム感によって物語の本筋へ読者を巧みに誘っていきます。そして、全編を通しての主人公・みのりと姉の ゆたかの再生の物語がそこに並行して描かれてもいきます。  “食” × “起点・きっかけもの” 名作・傑作が保証されたこの両方のカテゴリーを掛け合わせたことで、両者の魅力が掛け算されたこの作品。そこには、初めから約束された、極めて読後感の良い結末を見せてくれる物語の姿がありました。  『きっと、私がスパイス料理に勇気づけられたからかもしれませんね。私にとって、スパイスは、魔法の粉なんです』。 そんな思いの先に、リゾートホテルでシェフを務めていた姉の ゆたかと『スパイス・ボックス』という『スパイス料理店』を営む主人公の みのり。この作品には、そんなお店を訪れる客たちが、提供される料理の数々に”起点・きっかけ”を掴んでいく様が描かれていました。私にとって全く未知の世界でしかなかった『スパイス』のあんなこと、こんなことを知ることのできたこの作品。極めて読みやすく工夫された長月さんの構成力に唸るこの作品。 これは、シリーズ化されるのも当然だよね!と納得する“食” × “起点・きっかけもの”の傑作だと思いました。

    220
    投稿日: 2024.04.22
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    個人的にとても好きな話でした。 食べることが好きだからこそかもですが スパイス料理をすぐ食べたくなってしまいました笑 また、話の構成が 主人公とお客さんの目線それぞれ別れて書かれており、相手の心情がわかる描写が特に素敵でした。 次の章も楽しみになり、食欲もそそり、 色々刺激的でした!

    3
    投稿日: 2024.04.03
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    元カレに対抗するため、姉をシェフにして 飲食店を開業した妹。 軸は開店した飲食店の短編。 姉妹視点から客視点に代わるので、一体何があって やってきたのかがよく分かります。 小さな悩みが、食べたことによって 違う意見を渡されたことによって解決していきます。 読んでほのぼの、食べものでわくわく、な 美味しい内容でしたw

    1
    投稿日: 2024.03.26
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    美味しそうなお料理が体の中に染みこんでいくように、スパイスのうんちくが頭の中に入ってくる。 様々なお客さんの体を温めながら心も温めてくれる、神楽坂の路地奥のスパイス料理のお店…常連になりたい【定期】

    2
    投稿日: 2024.03.10
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    去年からずっと気になってた神楽坂スパイスボックス。 それぞれのスパイスに特性があって、心と身体を元気にしていくものなんですね。改めて自然由来のものの素晴らしさを実感しました。 自分自身は、スパイス料理を作ることを食べることもないけど、今までよりはやってみたい食べてみたい想いがあるし、物語きっかけで新たな世界を知ることができて嬉しいです。 ただ一つモヤモヤしたのは、主人公みのりの性格、、。私はかなり合わなかったです。 なんかただキツいだけの人に見えてしまって、主人公にしない方がよかったのでは?と思ってしまいました。 そもそもいい年した大人が、結婚見据えて何年も付き合ってんのに、将来どうしたいかとかちゃんと話し合わずに、勝手に自分が理想を描いて、思い込んで、それを相手に押し付けようとして、わかりあえなくて、フラれた腹いせに店出す、、とか意味がわからなくて怖すぎます。和史に対する言葉とか態度が正直ひどくて、イライラしてしまったので、個人的にはそこが残念でした。(そんな性格ならそりゃフラれるわと思ってしまった) 話自体おもしろくて世界観もよかったのに〜〜!姉のゆたかはほのぼのしてるけど芯がしっかりしてて好きでした。 でも、みのりのそういう要素を抜けば、続きのシリーズは読んでいきたいし、キャラを好きになれなくても、物語を好きだと思えたのでよかったです。

    1
    投稿日: 2024.02.29
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    スパイス=辛いってイメージがあったけど、それは一部のスパイスだけで、漢方に使われたり、体の調子を整えたりする効果があるって知ってスパイスにすっごく興味を持てた。 世界各国の料理で来店客の心と体の調子を整えてくれる。 1番のスパイスは作る人の"美味しく食べてもらいたい"っていう気持ちなのかも。読んでいる私も癒されたなぁ。

    1
    投稿日: 2024.02.21
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    神楽坂にスパイス料理の店を出す姉妹の話。 心も身体もぽかぽかになりそう。 けど妹さんの気の強さ?あと店を始めたきっかけが気になるかも…

    8
    投稿日: 2024.02.15
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    お店を始めた動機が不純だけど、やってみると忙しいし楽しいしというみのりの気持ちがよくわかる。そんな不純な動機よりもお客さんの笑顔の方がいいよね。 実際にはしないのにスパイスの香りがしてきそうなお話。 周辺のお店の方々とも仲良くやれてるのがほのぼのしてよいよ。

    1
    投稿日: 2024.02.09
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    振られた彼氏を見返すために、という動機はちょっと好きじゃないけど、美味しそうなスパイス料理とそれに心ほぐされる人のエピソードは良かった。 姉のゆたかが主人公だったらもっと良かったかも。

    1
    投稿日: 2023.11.19
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    長く付き合っていた彼にふられた腹いせに、彼を見返してやろうとスパイスレストランを始めた主人公と、その主人公に引っ張り出されてレストランのシェフになった姉、姉妹の物語。 スタートの場面では、気の強い妹の一方的な思い込みを押し付けられてた彼に同情してしまって、これはあまりおもしろくないかも…?と危惧したが、その後の展開は良かった。 ご飯もおいしそうだし、性格も悪くなくなってたし。 このての話はとにかくメニューと登場人物の性格が良くないと読めないので。 安心して読めるシリーズになりそう。

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    投稿日: 2023.10.22
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    5年付き合った彼氏に振られ、彼を見返す為に出版社を辞めたみのり。夫を亡くし実家に引きこもっていたイタリアンシェフの姉を引き込み、神楽坂でスパイス料理の店を開店する事に… あまりスパイスが強いのは苦手ですが、出てくる料理がとても美味しそうでした。 せっかちなみのりと、おっとりなゆたかの姉妹の息もピッタリで、店に通う人達を元気にしてくれるのがほんわかしました。

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    投稿日: 2023.09.26
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    結婚するつもりだった彼に振られた妹と、夫を事故で亡くした姉が、神楽坂の路地でスパイス料理のお店を始める。 最初は、近所の蕎麦屋の大将に匂いで文句を言われたりもしたが、お客のことを考え体調に合わせたスパイスを使った料理で信頼されていく。こんな癒やされるお店が近所にあったら絶対通う!スパイスにも興味が湧いた。自分でチャイを作って飲んでみたけれど、やっぱり「スパイス・ボックス」のチャイが飲みたいな~。

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    投稿日: 2023.08.04
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    大きな事件や出来事はないけれど、大変あたたかな物語だった。愛情の感じる、人と人のつながりが人を救うお話の数々。よかった。 p.98 「姉の考えるスパイスは、刺激を与えるものではありません。料理を味わい深くして、じんわりと優しく作用する、体をいたわる料理に必要なものだそうです。私にはまだよくわからなくて、おいしければいいんじゃないかって思うんですけど」「だからこそ、美味しくなるんだよ。お客さんのことを思う、愛情のこもった料理だわ。きっと姉さんには、そういう料理を作るに至るストーリーがあるのね」…「でも先生、その人にとっての過去って、結局全部ストーリーじゃないですか」「そうね、生まれてから死ぬまで。まるで大河ドラマよ。あゆには坦々としているように思えても、その人にとってはきっとそれなりの激動の人生なのよね。別に大きな事件なんて起きなくても、私たちは、いつだって悩んだり、喜んだり、感情の起伏を感じているんだもの。誰かと出会って結ばれ、家族が増えたり、見送ったり。それだけで、その人にとっては充分劇的なことよね」 p.259 「いや、すごく衝撃的な味がしたんです。その刺激を、忘れないようにしようと思って…」「じゃあ、なおさら、ここのスパイスを持っていってもらいたいです。誰かからもらったものって、ときにとても勇気を与えてくれることがあります。お守りみたいなものです」「もう、充分、もらえましたけど」

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    投稿日: 2023.05.30
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    スパイス料理により癒されたり、力を得たり、見つめ直すお客さんとお店を始めて頑張るなかで少しずつ過去を乗り越えようとする姉妹の絶妙の小話。あまりにうまくいきすぎる感じはするけど、それもまた、いらぬ波瀾がなく、すんなり軽く読める。これはこれでいいと思う。

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    投稿日: 2023.05.27
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    スパイス料理が、こんなにも人の体も心も温め、明日も頑張ろうと思わせてくれるものだとは思わなかった。 本書は、スパイス達の素晴らしさを、これでもかと教えてくれる。 スパイス・ボックスに訪れるのは、カレーの苦手なご近所の蕎麦屋の店主、日々の仕事に忙殺され本当に書きたいものが見つからない作家、新メニュー考案に常に悩まされているリストランテのオーナーシェフ、生徒達との向き合い方に悩んでいる中学校教師、自分のダメさ加減に打ちひしがれている整体師。 お店を訪れる様々なお客さんの、様々な悩みを、スパイスがするりと解きほぐしてくれる。 読んでいるだけで、自分の心もほぐれていくような、ピリッと刺激的のようで、実は身体の中からじわっと温まるような、何とも言えないほわっとした気持ちになる。 そんな素敵な本でした。

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    投稿日: 2023.05.12
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    5年付き合った料理人の彼氏を見返そうとする妹・みのりと夫を亡くし塞ぎ込んでいた姉・ゆたかのふたり姉妹が神楽坂で開店したスパイス料理店「スパイス・ボックス」。スパイスを通して、訪れる客の悩みや疲れを癒していくフード小説。食が人々にもたらすものの偉大さに改めて気がつくことができると共に、スパイスをもっと知りたくなる1冊。

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    投稿日: 2023.05.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    お店を始めた動機はかなり不純だった気はするけれども、途中から気にしなくなったみたいだし、成功しているのだからよし、かな。 順調すぎて、できすぎ感も否めないけれども。 スパイス料理店ってお客さん選びそうだけれども、初手から割と繁盛していたような。 旦那に先立たれた姉と彼氏に振られた妹の男運ない姉妹が始めたスパイス料理店と、そのお店に来るお客さんの物語。 各話、基本的には姉妹の視点で進み、途中お客さん視点でスパイス料理を味わい、お客さんの抱えていた悩みが解れていく……というスタンス。 妹の元カレに関しては、勝手に解れてんじゃねえよと思わなくもなかったが、それはさておき(イライラするキャラだったので) スパイス料理はあくまできっかけで、自分を見つめ直し、悩みの解決を自ら見出す、そんな感じの話だったように思う。 某有名キャラの「ひとは一人で勝手に助かるだけ」というセリフを思い出した。 気付きをもたらす、それもまたスパイスの効能なのかもしれない。 カレーは勿論、多様なスパイス料理が出てくるので、読んでいて具体的にそのスパイスを知らなくても濃厚な香りを感じられた。 料理の描写が美味しそうなのもいい。 自分は無性にチャイが飲みたくなりました。 作中で子供たちが親に作ってもらったなんて言っていたけど、気軽に作れる飲み物ではない気もするが……こう、ところどころツッコミどころがあるのは気になった。

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    投稿日: 2023.04.29
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    スパイス料理の奥深さに驚きました! こんなに奥が深い世界だとは…… スパイスボックスも集めだしたらキリがなくて、永遠に集めちゃいそうです。 マトンカレーやビリヤニ……読んでるだけで口の中にスパイスが広がりそうです! 個性的なキャラクター満載ですね! みのりさんのような女性、大好きです! ぜひ、お友達になってほしいです!

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    投稿日: 2023.03.04
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    こんなスパイス料理専門店があるなら、ぜひとも行きたい。 マトンビリヤニ、タジン鍋、シュークルート、チャイ、マトンカレー。 どれも美味しそうで、体を温めたり調子を整えるといった効果があるのも良い。 ゆたかが語るスパイスの蘊蓄を聞いた後は、なおさら「食べてみたい」という欲が増してくる。 辛いだけじゃないスパイスの魅力を存分に詰め込んだ料理小説でした。

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    投稿日: 2022.11.16
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    神楽坂、職場から近いので気になって手に取りました。 姉妹ともに心にいろいろなことを抱えてスタートした飲食店。 そのお店は姉妹の頑張りもあり、時期にお客さんに喜ばれ、リピーターはもちろん新規の顧客も絶えないとても評判の良い店に。 顧客同士で繋がる輪もあると思いますが、姉妹の店はまさにそういった暖かさのあるお店に成長していきます。 続編が出たら是非読んでみたい。

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    投稿日: 2022.11.08
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    神楽坂という立地とスパイス料理の妙。 元住民として懐かしい。 失われた幾つかのお店、復活しないかな。

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    投稿日: 2022.09.14