
総合評価
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powered by ブクログ50代半ばに入った自分にとっても、若い方々にとっても現時点で必読の価値がある。若い著者が現実を冷静に分析している点も良い。 様々な指摘に大いに賛同するが、特に強く共感できたのは以下の点。 ・消費者優位の市場から生産者に主権を委譲 安すぎて質が高すぎるサービスに文句を言う日本人(自省も含め)は大いに反省し、無理のない仕事と豊かな消費生活を両立できる社会の実現に国全体で努めたいと感じた。
0投稿日: 2025.11.12
powered by ブクログ私もそろそろ定年が近づいてくる年齢になっているので、その備えの一助にと思って手にした書籍です。 定年後も働き続けて幸せに暮らすには、そこそこの収入とあまり責任の重くない仕事と人間関係に苦労しない職場が理想のようですね。
3投稿日: 2025.10.18
powered by ブクログ定年後の仕事の実態を明らかにすることが目的という本著、定年後の「小さな仕事」を通じて豊かな暮らしを手に入れている人々の紹介と事例を通して現役時代から定年後のキャリアに向けた移行期に悩む追体験となる。 様々なデータから生活費の稼ぐべき額は月10万程度、65歳から74歳の医療費の平均は1.7万円、定年後のフリーランスの多さと高い就業率、転職市場の厳しさ、6割が仕事に満足しているなどの項目を具体的に説明。いくつかの居場所としてポートフォリオを持つことの好ましさ、50代の転機の向き合い方は参考になった。老後の豊かな生活の実現と「小さな仕事」に従事し社会貢献を無理なく両立できる社会を目指すことが重要とのこと。 「働かなくても豊かな生活をするのは諦めて」という言葉にがっかりしつつ、心と体の調子を見ながら、細々と社会とつながる仕事と生活の両立ができたらいいなと思う。
22投稿日: 2025.10.14
powered by ブクログ現在50歳。内容は頷けるものがあった。 ただ、文章構成が大学の研究論文のような形式になっており、なかなかすっと心にまで響かなかった。
0投稿日: 2025.10.11
powered by ブクログ急速な人口減少が進むなか、かつての経済大国としての日本を取り戻すことはこの先おそらく訪れない。 そうなれば定年後の豊かな生活とは、小さな仕事でも無理のない範囲で働き、社会と共存しながら過ごせる世の中になればいい。 人生は暇つぶしという考え方もあるが、ひたすらあくせく働くか、ぼーっと過ごすか、スローライフで過ごすか。本書からさまざまなことを考えさせてもらった。
0投稿日: 2025.10.01
powered by ブクログ定年後に自分の仕事をシフトチェンジすることで、無理なく満足感を得ながらゆるやかに仕事をしていくという生き方を推奨している。 出世や能力を高めるという生き方から、自身が達成感あるいは楽しみながら今までとは違う「小さな仕事」に携わることで人と関わりながら幸せに生きるというライフスタイルがこれからの人口減少の世の中で必要なのではと思う。
23投稿日: 2025.09.28
powered by ブクログ4年前のデータで、少しインフレ分を加味する必要はあるが、さまざまなコスト、税金、退職金、バイト代、社会保障、就業率など、残酷な数字も多いが、とても具体的な数字で平易に示してくれたので、イメージが湧いた。 年金を考慮すれば、月10万円稼げれば、それなりの生活ができる!ということで、一安心。 健康なうちは働いて、年金受給を後ろ倒しにし、、、と上手くやれるように「健康第一」で乗り切って行こうと思った。
0投稿日: 2025.08.27
powered by ブクログ定年後の仕事の実態をきちんと調査で示しつつ、実際に定年後に再雇用などで仕事を続けている人々の実例を示す。最後に、少子高齢化と労働力不足が進む日本において、高齢者が小さな仕事を楽しみながら続け、経済的にも安定した生活を送れるようにすることこそが、この先の日本の現実的な進むべき道であると指摘し、そのために高齢者が安心して小さな仕事に従事できるような制度、環境面での整備が必要だと提言する。 筋の通った社会学的な論文だと思うし、個人的にも腹落ちする内容でした。
1投稿日: 2025.08.09
powered by ブクログ管理職になる人も限られているので、そういう人たちの定年後のライフスタイルとかに触れられているともっと良かったのでは?と思う。
0投稿日: 2025.07.25
powered by ブクログ定年後の仕事(15の真実)統計から見て やっぱりと納得しました。 (経済とは小さな仕事の積み重ね) 心配していた医療費負担はそれほど心配しなくても良い事、シニア世代はストレスが少ない事、定年後の再就職で(小さな仕事に確かな義務を感じる事)等々、憂いをもって先々を心配しすぎる事はないと思った。ある意味、指南書的内容でした。
14投稿日: 2025.06.23
powered by ブクログ思ったよりも、読後に前向きになれる本だった。データだけでなく、事例も載っているので、面白くてわかりやすい。 現場での仕事、地域に密着した仕事、そういう小さな仕事にも温かい社会、ちゃんと対価を示せる社会に…なっていくといいなぁ。 自分はそうでありたい。
1投稿日: 2025.06.15
powered by ブクログ小さな仕事に従事する人が増え、多くの人が仕事に満足しているという「幸せな定年後の生活」だった。日本社会を救うのは、「小さな仕事」‼️【目次】 第1部 定年後の仕事「15の事実」 事実1 年収は300万円以下が大半 事実2 生活費は月30万円弱まで低下する 事実3 稼ぐべき額は月60万円から月10万円に 事実4 減少する退職金、増加する早期退職 事実5 純貯蓄の中央値は1500万円 事実6 70歳男性就業率は45.7%、働くことは「当たり前」 事実7 高齢化する企業、60代管理職はごく少数 事実8 多数派を占める非正規とフリーランス 事実9 厳しい50代の転職市場、転職しても賃金は減少 事実10 デスクワークから現場仕事へ 事実11 60代から能力の低下を認識する 事実12 仕事の負荷が下がり、ストレスから解放される 事実13 50代で就労観は一変する 事実14 6割が仕事に満足、幸せな定年後の生活 事実15 経済とは「小さな仕事の積み重ね」である 第2部 「小さな仕事」に確かな意義を感じるまで 事例1 再就職先で一プレイヤーとして活躍 事例2 週末勤務で会社を支える 事例3 包丁研ぎ職人を目指して独立 事例4 近所の学校で補助教員として働く 事例5 同僚、患者とのやり取りを楽しむ 事例6 幕僚幹部から看護師寮の管理人に 事例7 仕事に趣味に、人生を謳歌する 第3部 「小さな仕事」の積み上げ経済 1.定年後も働き続ける人に必要なこと 2.高齢社員の人事管理をどう設計するか 3.労働供給制約時代における経済社会のあり方
1投稿日: 2025.06.12
powered by ブクログ現代の定年後がデータを元にとてもわかりやすくまとめられている。 「定年なんて先のことで、その時に考えればいい」とか「なるようになるだろう」と思っていたけど、逆で、定年を考えることで今の仕事や働き方、生き方を考え直せると思った。 20代や30代でさえ、日々の変化に一喜一憂し、今をなんとか生きようとする。それは定年間近になっても同じで、再雇用されようか、パートで働こうか、でもプライドが、と考えることは多い。でも、この中にある事例やデータでは、勤めていた時よりも幸福であることが記されている。そんな働き方が若い頃からできると思うし、みなが幸せに働くことができれば国もハッピーになる。 『ほんとうの定年後』では、定年者のマインドチェンジと、「小さな仕事」に適切な対価(環境や賃金)を渡す社会構造が必要だと説かれていた。ぼくが思うに、一人一人のマインドセットをすることだと思う。定年後を考えるのみならず、安さを求めた先や、自己理解や社会理解のないままに選択をすることを考えなければならない。みなが考える前提の民主主義を発揮するのか、もしくはまた別のシステムを構築するのか…。とても考えさせられる一冊でした。
0投稿日: 2025.06.02
powered by ブクログ55で役職外され、60で退職再雇用、65で雇用は打ち止め、個人事業主として業務委託を受ける。70以降は何もない。節目毎に処遇は下がり、期待される役割も低いものになる。途中で会社との関係を絶ち、生き甲斐求めて自らの道を行く人も。衰えた能力に負荷を軽くするのは仕方ない。収入は低下するが生活費も下がる。6割は仕事に満足しているという。…定年後の現時点での定点観測。進む少子高齢化。5年後、10年後はわからない。支える世代が減っていく。高齢者が小さな幸せみつけて満たされていた時代が羨ましくなるかも。備えよ、考えよ。
4投稿日: 2025.04.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
老後2000万円問題、あるいは年金不払い・逓減の恐れ等、老後の問題に関する話題は巷間かまびすしい限りであります。 しかし、実際はどうなの?というと、ファクターが多すぎてようわからん、となってしまいがちです。もちろん、絡まった糸を解けば分かるのですが、日常で忙しい多くの方には難しい。 そのよく見えない老後の解像度を、本書はかなり上げてくれると思います。 ・・・ 私が一番良かったなと思うのはやはり、第一部定年後の仕事「15の事実」。 とりわけ定年後の収入と支出のデータを年齢別にグラフで示している点。 ざくざくザックリ言えば、65歳以降の2人以上世帯の平均収入は25万円程度、平均支出は32万円程度、とのこと。 支出の細目も出ていますが、一番大きなものはその他。つまり家賃でも医療費でも食費でもないと。加えて個々人で費用の性向が異なることを考えるならば、より減らすことは当然ながら可能。加えて年を経るごとにこの平均支出32万は逓減し、80代で25万強まで減るそう。 一方収入ですが、主に年金になることが予想できますね。公的年金の平均給付は19万円程度だとのことです。ですからグロスの平均25万と公的年金等の19万の差し引きがバイト等の稼ぎとなります。 ・・・ うちのようにキャリアの途中で海外に移住してしまうと、基礎年金は任意加入可能ですが、厚生年金は当然加入できません。ですので給付も少ないので上記の限りではないです。 とは言え、上記から分かるのは、「平均なみ」に生活するのならば月々10万弱のバイト(しかも二人以上世帯、両輪駆動なら一人5万)で概ね貯金を減らさず生きていけることになります。 もちろんこれに加えて資産がある方は緩やかに使ってゆくことで労働から解放されることになります。 これなら、なんとかいけそうな気がする、って思えてきませんか? ・・・ なお本書の後段では、生き甲斐としての労働に焦点を当て、40代・50代から「いつまでも出世レースに居れない」ことの現実を見る旨を促すことが再三繰り返されます。 窓際を自称する私も、反面はルサンチマンの塊であり、このあたりはどうしたものかと苦慮するものであります。頑張りたい!偉くなりたい!褒められたい!これが本音。 しかし筆者は、出世コースからおりて、この一種の諦め・諦念が得られたのちは、より「小さい」仕事・単純労働・エッセンシャルワークに生きがいを見出せる可能性が高いということでした。 性欲も食欲も落ちたけど、そのあたりの自己顕示欲はまだ落ち切っていないなあ、と感じる今日この頃。 ・・・ 加えてですが、お金の心配は実はそこまで起きないかもしれない、と個人的には本書を読んで安心しました。もちろん、まだまだ全く気が抜けませんが。 むしろ問題は、じゃあ今を・今以降をどう生きるか、ということ。どのように定年後に備えるか。 そこでやはり参考になるのは、この前読んだ『DIE WITH ZERO』です。お金を使い切るということにも増して、必要以上に稼ぐよりも、貴重な今を楽しむためにお金を使う・経験をするべし、と説いていました。 坂本氏による本書でも、飽くまで健康を維持できた人々の定年後の勤労を描いている、という話もありました。『DIE WITH ZERO』でも自分・家族・親友などがいつ健康を害するか分からないと。 だからこその今であり、健康に配慮することもスタートさせるのだ、という事になります。そして今、やりたいことをやる、という事になります。 ・・・ となると私なぞはマジで仕事をやる気が失せてしまうのです。 昇進や大きな責任を持つことは状況的にほぼない。現在の業務に関する難関資格のチャレンジも考えましたが、日本全体で65歳以上の95%以上は会社に残ったりしないことを考えると、そして定年後もちょびちょび稼げばよいことを考えると、前向きな取り組み姿勢も出来かねます。 やっと50になろうかという事ですが、現在やる気ダダ下がりで本人困っています。本が読めまくっているのもそれが一端であります。困った。 ・・・ ということで、定年後の労働についての本でした。 個人的にはお金についての心配は結構取れました。 残りは、これからの人生をどう生きるか。それを考えるのがこの一年ですが、大きなこと(会社を買う、難関資格に挑む等)をするのはタイパ的に無駄な気もしており、悩むところです。 近々、ジャーナリング、ブレインダンピングをして気持ちを改めて整理したいと思います。
2投稿日: 2025.04.22
powered by ブクログ定年を迎えた高齢層がけっこう仕事をするようになっている現代。彼らが「小さな仕事」をけっこう満足感をもってやっている実態が紹介されている。正直なところ、定年後も働いている人って、経済的に働かざるを得なかったり、あるいは現役時代の七光りのおかげで名誉的な立場があったりというのが主要なイメージで、もちろん働きたくて働いている人もいることは想像つくけど、それほどの数でもないような気がしていた。ところが、実際には多くの人が60歳や65歳といった定年を迎えた後も働いていて、しかも現役時代とは異なる仕事をしていることも多い。そして、現役時代のプレッシャーから逃れ、けっこう気ままに楽しく働いている像が見えてきた。肝心なのは、現役並みを目指して奮闘するよりも、どこかで気持ちやワーク・ライフ・バランスを切り替えて、収入は減るけどプレッシャーのない仕事にシフトチェンジすることなのだと思う。お金のことはそれほど心配しなくても「小さな仕事」と公的年金で何とかなりそうな気がする。時代の変わり目でそこからこぼれそうな人たちのセーフティーネットはしっかり張っておくべきだけど。 そして、そういう「小さな仕事」があちこちでなされるからこそ、これからの人口減少時代が何とか回っていく。そのためには「小さな仕事」でもそこそこ暮らしていけるような社会の仕組みや人々の意識を整えることが必要だというところまで論は進む。経営が厳しい企業が安価な労働力を求め、外国人雇用に走ることなどにも巡り巡って「小さな仕事」の担い手が不利を被るからと警鐘を鳴らす。 これは定年世代に限ったことではなく、これから多様で柔軟な働き方を取り入れることで、仕事以外の生活も充実させていく全世代にとって必要なことだと思った。そういう点が定年後世代に顕著に表れるということなのかもしれないけど、書題からするとその世代だけに限ったことになってしまいそうでもったいない。 p.143で紹介されていた「年齢別の付加価値創出額の変化」の表。2007年と2019年を比較しているんだけど、ちょうど自分の世代に限って、平均給与が下がってる。世代ごとの経済規模では上位3位に入るのに。日本の雇用環境ではいつでもこの世代がこういうことになるのかもしれないけど、いわゆる氷河期世代、ロスジェネゆえかもしれないと思うと損した気分。実際のところどうなんだろう。 また、p.248の「サービス品質の日米比較」の図。日米比較すると日本の人もアメリカの人も日本のサービスの質のほうが高いと評価している。にもかかわらず日本はサービスへの代金が安い。日本の産業は生産性が低いといわれるけど、それは仕事のしかただけでなく、そこから生み出される代価の多寡にもよるのだから、代価が低ければ当然のように生産性が低いことにされてしまう。いまさらながらだけど、生産性ってやつもあやしいもんだ。
0投稿日: 2025.04.19
powered by ブクログ今後迎える高齢化社会の中で高齢者の働き方を考えるという意味では良い本。ただ自分が目指すところは労働に依存しない資金運用であるところを再認識
0投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログ現在、期待した年金額が年々減額され、新たな増税で収入の目減り、生活を凌ぐために仕事をせざるを得ない高齢者が増大してきた。更に少子化、労働者不足、AIの進化など日本社会への対応した人材、高齢者をもっと活用すべき時代になった感がする。 今の高齢者労働者は現役とは違い、低賃金、非正社員での雇用が可能、しかも豊富な経験と知識・人脈など様々な能力の人材活用も忘れてはならない。年齢問わず才能ある高齢労働者が盛んになる社会意識の変化に期待したいし、せざるを得なくなるのがこの少子化対策で無策だった今の姿だと感じる。
8投稿日: 2025.03.15
powered by ブクログ「仕事とは自身の生活を豊かにするために、またその結果として誰かの役に立つためにあるのであって、キャリアの良し悪しを他者と比較して競うためにあるものではない」 定年後という最も知りたいところであり、企業が関与しない部分を、知的なエコノミストが定量定性の両面で明らかにした著書。多くの会社員が直面する壁にどう向かうかを教えてくれる必読の書
1投稿日: 2025.02.21
powered by ブクログ50代半ばに差し掛かる世代としては気になるテーマ。メディアが煽る2000万円必要とか漠然とした不安に踊らされないために読んでみました。 各種データを紐解き、この世代のライフスタイルや必要コストを分析しており、「定年後の生活」の解像度が少し上がった気がします。 そのような中、後は自分を取り巻く環境(家族、会社、拠点など)を考慮しつつ、自分がどういう価値観でどういう風に社会と関わり、人生の最終コーナーを楽しんでいきたいのか、ボチボチ考える為の良書だと思います。
1投稿日: 2025.02.13
powered by ブクログ図書館で、拝借 まもなく還暦を迎えるにあたり、定年後の不安がいくらか解消されました。 図表を用いて分かりやすく解説しているので、読みやすかったです。
5投稿日: 2025.02.05
powered by ブクログけっきょく、無事に定年を迎えたところで、何らかの仕事は続けた方が良いということになるのか。家の近所で何らかのコミュニティに参加したりして、シニア期でも出来る仕事の目星をつけておいた方がスムーズに定年後の生活に移行できそうだ。氷河期世代には老後に趣味を楽しんだり、優雅に旅行するような余裕はないことがわかった。そういうことはまだ少し余裕がある現役時代にやっておいた方が後悔がないと感じた。
0投稿日: 2025.02.03
powered by ブクログ★50歳代になったら、読んでおいて損はない本! 【この本を読む目的・きっかけ】 ●ネットか新聞で、この本が紹介されているのを見かけて、今後の参考までに読んでみたいと思っていた。 ●本屋さんでこの本を実際に手に取ってみると、目次だけみてもためになりそうだった。 【自分の意見・気づき】 ●定年後の仕事は、地域に根差した小さな仕事で働くことで、自身の生活と社会貢献を両立させる。 (接客・販売) ●「年金繰り下げ」が、自身の経済的リスクヘッジには有効。 ●現場の一プレイヤーとして、会社に利益を上げ続けられるよう、知識のアップデートは必要。 ●この本によれば、現在の会社での定年再雇用を選んだのは、間違いではない。
4投稿日: 2025.01.26
powered by ブクログ色々な条件の方々が紹介されていて参考になります。今は多くの種類の仕事がネットで求人にアクセスできるので気軽に短く小さく働くのはいいのかもしれません。ただこの本は少しリクルート事業のための主張が背後に隠れている感じがします。これまで長い間ストレスの高い、やり甲斐のある、心に残る仕事ができた方は、そろそろ体でお金を稼ぐのは卒業にして、貯蓄のお金を投機でなくなるて金融投資に切替え、減らない工夫をして、お金を使うことを意識した方が幸せと思います。貴重な時間は若干の友がいる場所を見つけて落ち着き、多くの時間は若い頃には出来なかった好きな読書三昧がいい。まさしくモンテーニュみたいない老後が理想ではないでしょうか。
0投稿日: 2025.01.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
講談社現代新書のブクログ登録は20冊目。 著者、坂本貴志さんは、次のような方です。 ---引用開始 1985年生まれ。リクルートワークス研究所研究員・アナリスト。一橋大学国際公共政策大学院公共経済専攻修了。厚生労働省にて社会保障制度の企画立案業務などに従事した後、内閣府で官庁エコノミストとして「経済財政白書」の執筆などを担当。その後三菱総合研究所エコノミストを経て、現職。著書に『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』(講談社現代新書)、『統計で考える働き方の未来』(ちくま新書)がある。 ---引用終了 で、本書の目次は、出版社によると、次のとおり。 ---引用開始 第1部 定年後の仕事「15の事実」 事実1 年収は300万円以下が大半 事実2 生活費は月30万円弱まで低下する 事実3 稼ぐべきは月60万円から月10万円に 事実4 減少する退職金、増加する早期退職 事実5 純貯蓄の中央値は1500万円 事実6 70歳男性就業率45.7%、働くことは「当たり前」 事実7 高齢化する企業、60代管理職はごく少数 事実8 多数派を占める非正規とフリーランス 事実9 厳しい50代の転職市場、転職しても賃金は減少 事実10 デスクワークから現場仕事へ 事実11 60代から能力の低下を認識する 事実12 負荷が下がり、ストレスから解放される 事実13 50代で就労観は一変する 事実14 6割が仕事に満足、幸せな定年後の生活 事実15 経済とは「小さな仕事の積み重ね」である 第2部 「小さな仕事」に確かな意義を感じるまで 事例1 再就職先で一プレイヤーとして活躍 事例2 週末勤務で会社を支える 事例3 包丁研ぎ職人を目指して独立 事例4 近所の学校で補助教員として働く 事例5 同僚、患者とのやり取りを楽しむ 事例6 幕僚監部から看護師寮の管理人に 事例7 仕事に趣味に、人生を謳歌する 第3部 「小さな仕事」の積み上げ経済 1.定年後も働き続ける人に必要なこと 2.高齢社員の人事管理をどう設計するか 3.労働供給制約時代における経済社会のあり方 ---引用終了
32投稿日: 2025.01.03
powered by ブクログ2024/12/21:読了 定年して、再雇用が終わり、年金もらいつつも、何か仕事を探す人は、読んだ方が良い本。 自分は60で定年を迎え、再雇用なしに、小さい仕事を選んだが、ここに書いてあることは、すごく納得いくことばかりだった。
1投稿日: 2024.12.21
powered by ブクログ独身未婚中年男性の自分が読んでみました。 自分は就職氷河期世代で、著者の先生は自分よりも若いです。 どのあたりの人たちに向かって書かれたものなのかよくわかりませんでした。 これから定年を迎える人対象でしょうか。そういう人たちにはいいかもしれません。 第1部の「事実3」の見出しは「稼ぐべきは月60万円から月10万円に」とありました。 60歳の人でだいたい月60万円ぐらいもらえるんですね。 自分自身は正直、自分が働いて対価として得ていい金額は生涯通じてせいぜい月20万円だとは思っていますが、自分は人生でどの段階でも、いわゆる「月給=年齢×1万円」という状態になったことがありません。これからもなることはないでしょう。 現在中年ですが、大卒初任給程度の収入で、手取りはギリギリ20万円を切っています。 なんとか家賃は月収の3分の1未満をキープしているものの、食費を除いて家賃などの経費を払うと残りが10万円、赤字にはなりませんが、貯金はできません。 「月10万円」はある意味、今の生活です。週40時間働いていますが、自分の働きは定年以後の人が短い時間で働くのより、価値が低いのでしょうか・・・。 少子化対策も含めて考えると、生活のために働かなくてはならない、という状況がなければ、みんな子ども産むんじゃないでしょうか。 自分はできれば働くのは遊ぶ金欲しさに働きたいです。生活費や食費などのために働かなくてはならないというのは、かなり辛いです。 特に体力がないので週40時間働くのはかなり重労働で、休みの日は遊ばずに休まないと、次の週の仕事のための体力が回復しません。遊ぶことのできない人生、たしかに昔はそうだったのかもしれませんが、遊びはおろか、子育てができなかったことが悔やまれます。 性別問わず子育てしたい人は働かなくていいのであれば、喜んで子育てしたんですが。男性は稼得義務から逃れられないので、自分には「仕事も子育ても」は無理でした。お金がなくても結婚が出来る男は相当なコミュ力おばけなはずなので、コミュ障の自分は女性に選ばれなかった男という十字架を一生背負うようです。 老後は少しでも働かずに済むことを若い頃から夢見ていましたが、残念ながら働かざるを得ないようです。隠居が子どもの頃からの夢だったんですが・・・。
1投稿日: 2024.12.13
powered by ブクログ定年後(基本的に60〜65歳)の仕事の実態については理解しました。でも、なんとなくリアリティを感じられませんでしたので、もう何年か経ったら読み返そうと思います
2投稿日: 2024.12.02
powered by ブクログ老眼がはじめり何となく定年という文字がちらついてきた今日この頃,ストレートなタイトルに惹かれ手に取った本.圧倒的なデータを通じて定年後の生活費のあり方について考察している.定年退職後,収入は激減して収入不足になるとか,それに対応するためには2,000万円必要とか叫ばれているが,年金を土台にしてプラスα程度の収入があれば問題ないとわかって安心した.大切なのは表題にもあるように,いかに自分に合った小さな仕事を見つけて日々充実させているかだ.今のうちから細々と小金を稼ぎながら充実した生活が送れるように準備していきたい.
0投稿日: 2024.11.17
powered by ブクログ現代日本における定年後の仕事の実態を、データとケースインタビューを元に描き出し、その実像の解釈と国として向かうべき方向を論じた本。 世代間論争が加熱している昨今、定年後の生活ってほとんどイメージできないし知らないなぁと思い、手に取った。 働き盛りの若者も、定年輪際のベテランも、全員が一読すると世界が良くなる本だなぁと感想を持った。 第1章で述べられるデータはどれもおもしろく、中でも「70歳男性の就業率45.7%」は自分のイメージと大きく食い違い、認識を改めることとなった。仮想敵として描かれる「年金頼み生活の老人」というのは既にマイノリティなのである。 一方、年金とパートタイムワークの両輪の暮らしは稼得責任の負荷が高くなく、その時の自分に適した仕事を選ぶことが出来るというのも認識を塗り替えられた。 第2章のケースインタビューでは、バリバリのキャリアを歩みつつも定年後は専門から離れ、地域にゆるく貢献するパートタイムワークに充実感を感じている人たちの話が印象的だった。 いま現役世代の自分は、背負った稼得責任からそのレールを降りることが想像できないけども、その呪いから放たれて地域に根ざす生活というのはとても良いなぁと感じた。早くそれになりたい。 常日頃「定年後の人たちがゆるく働いて社会貢献をしてくれたら、よりよい社会になりそうだ」と考えていたけども、その動きはとっくに始まっていたらしい。定年後がイメージできていない現役世代の人は是非読んでみて、いいスタートを切るための算段を考えてみてはいかがだろうか。
0投稿日: 2024.10.31
powered by ブクログ小さな仕事なんて、誰がするもんか。旅行と趣味とジム通い。現役時代から家計を定期的に見直し無駄な出費をせず、固定費を抑えること。あと、50になった時に退職時の家計をシュミレーション。すると、それからの働き方が見えてくる。
0投稿日: 2024.10.16
powered by ブクログ2024.10.15 第2部の実例が示唆に富む。 第1部と第3部は普通。本書は2022年刊行だが賃金上昇の傾向は全くそのとおり。
3投稿日: 2024.10.15
powered by ブクログ世の中にあふれる定年後のキャリア論は、入念に準備することで「輝かしい仕事」に就いた人たちをクローズアップしがち。そうした役立たずで不安をあおるだけの論調に嫌気がさしていた。本書は、大多数であろう普通の人にとって、地に足のついた良書だと思いました。身体が動くのであれば無理のない程度で「小さな仕事」を本人が楽しみながらする事が、個人にとっても社会にとってもいいとありました。
0投稿日: 2024.09.16
powered by ブクログ老後のことも気になる50歳を超えたこともあり、書店で、装丁とPOPから購入。老後2000万円とか話題にもなりましたが、一線を退いた方々の経験談はわかりやすく、これから10年後以降に定年を迎える自分にとって、老後へのポジティブなイメージを持つことできた。著者のデータに基づく考察も大変勉強になりました。
0投稿日: 2024.09.02
powered by ブクログAudible 定年後に関して情報収集中 定年後のデータ等があり参考になる。 ・+10万円の収入があれば足りる ・就職先は、前職、ハローワーク経由が多い ・事務・専門職は低下する ・デスクワークではなく、現場仕事が多い ・50代に仕事への考え方(就労観)が変わる ・40代から体力、気力が低下する ・60代は専門知識、処理力の低下が起こる ・小さな仕事を楽しむ ・役職が無くても人に働きかける力が必要
0投稿日: 2024.08.25
powered by ブクログ具体的な数字やインタビューで60歳以降から70歳後半までの働き方や賃金、年金や生活の様子などが明らかにされている。 200万程度の年収でうるおいある生活とストレスなく楽しく仕事ができる。 精神力も体力も無理なく背伸びせず、働く。 利害関係のない人間関係を楽しむ。 健康的な生活リズムを仕事によって刻める。 外出の機会につながる。 定年後も仕事をする理由、または選ぶ根拠。
0投稿日: 2024.08.20
powered by ブクログ【ゆるい仕事】 わたし自身、死ぬまで働くことに異論はなく、そうしたいと思っています。 老後はのんびりと悠々自適に暮らしたいと思っている人もいるかもしれませんが、そういう人は現役で働いている時期に、ほんとうの意味で好きな仕事をしていなかったと言えます。ストレスのかかる仕事をずっとしてきて「死ぬまでそれを続けるなんて無理だ、早く引退してストレスから解放されたい」と考えるのでしょう。 これは前提として「ストレスのかかる仕事」をしていると言えます。 自分の好きなことで寝る間も惜しんで没頭するような仕事であれば、早く引退して老後はのんびりと悠々自適に暮らしたいとは考えないでしょう。 つまり、やっていることが好きではなく経済的な問題(単純にお金が必要)で仕事をしている場合は、死ぬまで働きたいとは思えなくなり、早く引退したいとなります。 家のローンがほとんど終わり、子供も社会人となり、役職定年を迎えた時期であれば、それほどお金も必要ありません。フルタイムで働き、残業もして稼ぐ必要はないのです。 給料は少なくなるかもしれませんが、好きなことをするのも一つですし、仕事を変えてもう少しのんびりとした業務を行ってもいいのです。 もし、どうしても今の仕事を続けなければならない状況であれば、週休4日で給料は5分の3の60%にして、休みを増やしてその休みで自由な活動をするのもいい方法だと思います。
11投稿日: 2024.08.11
powered by ブクログ『#ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』 ほぼ日書評 Day789 良書 序盤は「定年」後の収支の立て方指南的な内容で、早目に準備を的な内容かと思いきや、中盤からその歳を迎えて、いかに幸せに生きるかという視点に移る。 要は、ある程度歳をいったら、かかるものもかからなくなる(子供が育った後の教育費や住居費等)のだから、そんなにあくせく稼がなくても良いということに尽きる。 健康維持に必要な運動は充分するとして、ストレスの大きい長距離の通勤が必要とされるような「仕事」は避けるべきものの最たるものだ。 もちろん就業環境によるバリエーションはあるものの、現役世代のような出席競争をこれ以上続ける必要もあまりないだろう。 地域や友人関係などに根ざした、しかしながら成果や貢献度の見えやすい仕事、これを著者は「小さい仕事」と呼ぶ。 当然のことながら、現役世代の「大きな仕事」と対比してこの語を用いているわけであるが、「小さい」とは単に「大きい」の否定系ではない。 自社にや世間に対してインパクト(端的には取り扱う金額)が大きいとか、トップに認められるとか、そういうことは目指さず、今後否応なく老いていく自分が、幸せを感じつつ、周囲からも感謝してもらえるような仕事のことなのだ。 とはいえ、特に現役時代にある程度の「成功」を収めた人にとっては、これがなかなか難しいことのようだ。 同年代では、「定年」などという言葉もちょいちょい耳にするようになった。 そんな方々も、ちょっとした時間潰しに、読んでみたらいかがだろうか?(Kindle Unlimitedにて期間限定配信中とのこと) https://amzn.to/3VPuWVs
0投稿日: 2024.07.01
powered by ブクログ定年後の仕事は、必ずしも現役時代の専門性を反映したものではなく、むしろそれとは小さな身近な仕事を無理のない範囲で行っていく人が多いそうだ。 確かにそう思うと、現役時代に定年後にも役にたつような仕事をしたり、スキルをつけようとする必要は必ずしも無いのかもしれない。
1投稿日: 2024.06.29
powered by ブクログ統計の羅列に主観的なコメントが入るが、30代のアナリストのコメントはリアリティと説得力が薄い。 か、その浅い内容を読みながら、10年後の自分の定年を思う。周囲のかなり残念なおじさんたち、たまにいる役立つ人(それでも価値観は古い)、稲盛和夫さんみたいな超人的な人を思いながら、自分はどうなりたいかと言えば、当然稲盛和夫に近い人でありたい。 見た目がキレイで、実務的に役立ち、若い人たちを笑わせて元気づけ、収入もそこそこ高く、だけど時々休んで海外に出かける。そんな暮らし。
0投稿日: 2024.06.02
powered by ブクログ多くの方の評価通り、良書でした!本書は「定年後」のことだけと思わず、ぜひ多くの人に読んでもらいたい。働き方や主に中高年が定年へむけてどのようにキャリアへの考え方を転換していったらいいかなど、「働くこと」について、たくさん考察できると思う。 私の定年退職はまだ先だけれど、早期退職も視野に入ってきて、経済的に困っていない人たちが早期退職を狙っているという噂を耳にしたり、今の働き方に疑問を持ったりしているうちに、本書が目に留まり、読み始めた次第です。 本書は大きく分けて3つにわけて構成されている。 第一部ではデータに基づいて、定年後の仕事の実態として、15の事実があげられている。 ここでは、たくさんのデータに基づいた現状が語られ、そこから、筆者の考えが押しつけがましくなく展開されている。ここは表やグラフなどがたくさん示されているからこそ、かなり説得力があった。老後に漠然とした不安を抱えている人にとって、その「老後の不安」は結局「お金の不安」と言い換えられるのではないかと考えると、案外、老後の支出は少ないものだという事実などには、安堵するのではないだろうか。その他にも、「持ち家か賃貸か」、「年金は繰り下げ受給すべきかどうか」など、正解がなく、その人その人にあった選択肢を選んでいく必要がある事柄について、自分はどうすべきかどう考えるべきかのきっかけ・ヒントになるとても素晴らしい手引きだと思った。 定年後の働き方にヒントを与える本書の趣旨からは少しずれてしまうが、どうしても今の自分の働き方や、仕事の必要性などに疑問を抱いている私としては、「事実10」がとても響いた。 著者曰く「日本社会は人の生活に不可欠な仕事が正しく評価されていないという現状に、もっと正面から向き合うべきではないか。そして、デスクワーカーの待遇改善を行うよりも、むしろ現場仕事の待遇改善によってこのミスマッチを改善すべきではないのか。」。 なんとなくくすぶっていた思いを端的に言語化してくださっていた。 また、ホワイトカラーでキャリアを追い求めることが社会的に望ましいとなってしまったが、デスクワークの仕事に対する需要はそこまで大きくない。なぜなら、IT化でデスクワークの仕事は効率化され、デスクワーカーがすべき仕事は減っているからだ。それなのに、従業員の雇用を維持するために無理をして仕事を作り出している側面もあるのではないか、とまで考察されている。「無理をして仕事を作り出している」わけではないとしても、私も常日頃から「事務のための事務」をしているようだと感じているし、あまりにも無駄な作業に、なぜITを利用しないのか、と憤慨する場面が多々ある。 このようなホワイトカラーの事務職・管理職に対して、エッセンシャルワーカーとも呼ばれる「現場仕事」の必要性、その待遇改善の必要性を唱えておられ、大いに賛同した。 そうした著者の主張は、「定年後」とどうつながっていくかというと、つまるところ、生活に必要で、生活を豊かにしてくれるこのような現場仕事をどこかで自分より下に見て、生涯そのような職に就くことはないと決めつけていないか。そのようなホワイトカラーのキャリア志向は生涯にわたって必要だろうか。今後いくら情報技術が発達してもなくならない現場仕事を自分と無縁とは思わず、生涯のライフサイクルのどこかで無理なくそのような職に就き、社会に貢献することを考えてもいいのではないか。 だから「事実10」は「デスクワークから現場仕事へ」となっているのだ。 もしも、デスクワーカーの仕事が本当に必要なものだけになって人員整理が行われたり、デスクワーカーより現場仕事の待遇改善が優先的に行われたりしたら、私にとっては自分の首を絞めることになるのだけれど、そうなったとしてもこれは本当に正しい主張だと思った。そして、この著者の主張は第3部への提言にもつながっていく。 第二部は定年後の就職者の事例が7人分。具体的にどんな仕事をしているかが参考になるというよりは、仕事や暮らしに対してどのような考え方、向き合い方をして、その仕事を選択するに至ったかが大変参考になると思う。著者も何度か触れられている通り、50歳前後で、仕事への向き合い方に転機が訪れる人が多いようで、そこも含めて7名の定年後の働き方が示されていた。私の場合は少し早いけれど、「出世を目指したいのか」「適当に楽な地位にいたいのか」「育休で(出世が)遅れた分どうするのか」などなど悶々と考えていることが「仕事への姿勢の転機」だと考えると、これが定年後または早期退職後の働き方への考えにうまくつながっていってくれたらいいなと思えた。ここでのまとめとしては、「健康的な生活リズムに資する仕事」「無理のない仕事」「利害関係のない人たちと緩やかにつながる仕事」が定年後の豊かな仕事の共通点であるということだった。 第三部は第一部、第二部を踏まえて、社会が定年後の仕事に対してどのように向き合っていけばよいかについていくつかの提案があげられている。 これまで長い間デフレだった日本においては、質の高いサービスや高品質の物を低価格で求めるという姿勢が多くの消費者にしみついているように私は感じていて、著者も同様に考えているようで「日本の消費者がこうした利益を放棄し、小さな仕事で働き続ける人に適正な対価を支払う覚悟を持てるか。働き手が不足し、その希少価値が高まっている現代において、こうした痛みを日本に住む全ての人が受け入れ、消費者優位の市場環境を転換させていくことができるかが、今問われている」と書かれている。また、「日本社会は小さな仕事で働き続ける人たちにたいして、あまりにも冷たい社会なのではないかと私は感じるのである。」、「これからの時代、日本社会にとって本当に必要な仕事が何かが見えてくるのではないか。私たちは身近な仕事の重要性に立ち返る必要があるのではないかと考えるのである。」と主張している。これは私が強く賛同した第一部の「事実10」につながる。 これからは「定年後は年金でゆったりと暮らす」といった社会ではなくなることは明らかである。定年後の人々は、経済的な理由であっても、身心の健康のためといった理由でも、その人に応じた働き方をしていく必要がある。そして、少子化が急速に進んでいく日本社会としては、そういった方たちの労働力も大変貴重になってくる。現場仕事、生活に密着した仕事、小さな仕事にもきちんとした対価と感謝を示せる社会になっていかなければならない。本書の主張はそういうことだろうと思う。 とても考えさせられる良書でした。定年を見据えつつも、今の働き方をも考えさせられました。主に中高年以上におススメかなと思いました。(私も若い頃に読んでいたら響かなかったかもしれない。)
44投稿日: 2024.05.23
powered by ブクログタイトルに惹かれて手にとった本 『ほんとうの定年後』 現役世代の殆どが、定年後の暮らしに不安を感じているのが、今の日本の実態だろう。 先日某番組で、とある教授が「人間は他の動物と違って、神様の想定外に長生きしてるけど、生体機能はまたまだ進歩の過程だから・・・」というなかなか興味深い話をされていた。 医学やテクノロジーの進歩、生活環境の改善や人間の抵抗力や知識の向上といった凡ゆる側面が、長生きに影響しているのは言うまでも無いが、誰もが案じるのが健康とお金の寿命だろう。 本作では、数値化されたデータ分析や統計によって、具体的かつ現実的に、定年後の生き方を示している。 読後は、将来の漠然とした不安が少し軽くなり、将来を過度に悲観することなく、現実と向き合おうと思えた。 特に、老後が心配な方にオススメしたいが、若い世代が知識として読んでおくのもオススメ。 そして膨大なデータ量と、それに基づく分析結果、各種グラフの多さから、読み手に訴えかける作者の熱量を感じた。定年まで未だ先の長い作者が、定年を意識し始めた世代に向けてあらゆる手段で訴えかけてくれる・・・ 日本は改めて素敵な国だなぁと嬉しくなった。
35投稿日: 2024.05.14
powered by ブクログ957 坂本 貴志 1985年生まれ。リクルートワークス研究所研究員・アナリスト。一橋大学国際公共政策大学院公共経済専攻修了。厚生労働省にて社会保障制度の企画立案業務などに従事した後、内閣府で官庁エコノミストとして「経済財政白書」の執筆などを担当。その後三菱総合研究所エコノミストを経て、現職。著書に『統計で考える働き方の未来――高齢者が働き続ける国へ』(ちくま新書)がある。 ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う (講談社現代新書) by 坂本貴志 定年後、多くの人が年齢を重ねるにつれて徐々に稼得水準を下げていることにも着目したい。つまり、定年後の所得状況をみると、年収水準は定年前後に不連続かつ一時的に減少するというよりも、むしろ定年前後以降に緩やかにかつ断続的に減少していくというのが実態に近い。 定年後のキャリアに向けて、仕事で挑戦を続ける姿勢を否定しているのではない。むしろ、多くの人が高齢になってもスキルアップを続けて社会に貢献することは、社会的に好ましい。実際に 70 歳時点で700万円以上の年収を稼ぐ人は就業者のなかで5・2%と一定数存在している。世の中にあふれている成功体験をみるまでもなく、年齢にかかわらず挑戦を続け、大きな成功を手にする人が存在することは疑いのない事実である。 定年後は仕事をしたとしても、現役時代のような高い収入を稼ぎだすのは難しい。一方で、家計の支出額は、その人のライフサイクルの段階に応じて変わる。現実問題として、定年後には一体どのくらいの出費があるのか。社会人として自立してから死亡するまでの家計支出の全体像を追う。 教育費から解放され、生活費がぐっと下がる 教育関係費は、 50 代前半で月5・1万円だったものが、 50 代後半で月3・3万円、 60 代前半で月0・8万円まで減少し、それ以降はほぼゼロになる。これは定年前後以降の家計支出額減少分の大きな部分を占める。長年家計の悩みの種であった教育に関する費用から解放され、生活費がぐっと下がるのである。 実際に、持ち家比率は年齢が上がるにつれて上昇する(図表1‐4)。 34 歳以下の年齢階層で 51・1%であったものが、 40 代後半で 80%、 60 代前半で 90%を超える。そして、最終的には大半の家庭で家を保有するという選択をしていることがわかる。データからは、持ち家比率が住宅購入適齢期といわれる 30 代や 40 代を過ぎても年齢とともに緩やかに上昇する様子が見受けられる。 40 代後半で 80・8%だった持ち家比率が 60 代後半で 92・3%まで上昇するように、住宅購入の判断が遅すぎるということはない。子育てがひと段落したのちに、身の丈に合った小さな住宅を購入するという選択も十分に合理的なのである。 住宅ローンの平均返済金額は、 30 代後半から 40 代前半の5万円程度をピークに下がっていく。住宅ローンの支払金額は定年後の減少が著しく、 60 代前半は月1・6万円、 60 代後半が同1・1万円、 70 代以降は住宅ローンを返済している人はほとんどいない。現在のシニア世代は住宅バブルの真っ只中に住宅を購入した人も多く含まれる。それでもなんとか住宅ローンは払い終えている人がほとんどなのである。なお、この数値は住宅ローンがある人もない人も含めた平均金額である。また、住宅に関係する費用は住んでいる地域の特性に大きく左右されるが、当然、数値には都市に住む人も地方に住む人も含まれている。 また、早期退職実施企業数の増加はコロナ禍の影響も大きいものの、黒字であっても早期退職制度の導入に乗り出す企業が増えていることも昨今の特徴としてあげられる。2021年に早期退職勧奨の実施が報道された企業をみると、ホンダ、パナソニック、フジテレビ、JT、博報堂などがあるが、これらの企業は必ずしも経営危機の状態にあるわけではない。それでもなおこれらの企業が早期退職勧奨の実施を決めた要因として、社内の人口構成の偏りを解消するためと説明されているケースが散見される。また、デジタル化の進展によって中高年社員のスキルが陳腐化しているからといった、ビジネス環境の激変を理由としている企業も多い。 純貯蓄の中央値は1500万円 60 代の純貯蓄は、平均2000万円、中央値1500万円 当然、高齢期の生活は人によって大きなばらつきがある。比較的早期に亡くなる人もいれば、高齢期に大きな病気にかかり要介護状態となってしまうことで、施設への長期にわたる入所が必須となる場合もある。こうした様々なリスクすべてに完全に対応することは現実的には不可能である。しかし、高齢期に臨時的に必要となる支出も踏まえ、 70 歳を超える程度まで無理なく働いて残りの 20 年程度を働かずに過ごすと想定したときには、平均的な年金給付額に概ね1000万円程度の貯蓄があれば、統計上は現在の高齢世帯が送る平均的な暮らしが実現できると考えられる。 過去、日本経済が右肩上がりで成長していた時代においては、誰しも若い頃より中高年のときのほうが高い給与を得ることができたし、生活水準も日々向上していた。もちろん、自営業者の長期的な減少なども就業率低下の一因であったとみられるが、より本質的には、現役時代の賃金水準が向上して生活が豊かになれば、高齢期に無理をしてでも働く必要はなくなる。これが戦後から日本経済がバブル経済に沸いた 20 世紀末頃までの大きな流れであったと考えられる。この間も出生率の低下による人口動態の高齢化や平均寿命の延伸は着実に進行していたのだが、それを上回る速度で経済が成長していたから、高齢期の就業率が低下していたのである。 いずれにせよ、少子高齢化のなかで、定年後も働き続ける人が今後も時間をかけながら徐々に増え続けていくのは確実である。そして、平均的な労働者が直面する将来における選択肢は、もはや定年後に働くかどうかという範疇にはなくなる。そうではなく、定年後に働くことは所与として、そうした状況下でどのように働くかを考える。こうした姿が多くの日本人が直面する現実になるだろう。 ここでは、フリーランスとして働く人の職種を3つのカテゴリーに分けている。まず第一は、国家資格が必要になる職種などが含まれる高度な専門性が必要とされる職種である。これは医師や弁護士、公認会計士、建築設計など、イメージとしては 10 年かあるいはそれを超える程度の勉学や実務経験を必要とする職種である。 このように業務独占資格でかつ取得難易度が高い資格を持つ人は、歳を取っても同じ仕事で働き続けやすい。これは専門性が高いからというのも理由の一つではあるが、その名の通りこれらの資格によって仕事が独占されているということが大きい。そうした規制が新規参入者にとっての参入障壁となり、厳しい競争を免れることができる。こうした資格は、法令改正などによる知識のアップデートをその都度しなければならないが、必要とされる知識が根本的に変わることはないという事情も大きいだろう。 さて、ここからは事務職や管理職、専門・技術職以外の職種もみていきたい。その他の職種をみると、有効求人数が多く有効求人倍率も高い仕事、つまり世の中が本当に必要としているのに成り手がいない仕事は、介護や販売、保安、自動車運転、運搬・清掃などの現場仕事であることがわかる。 定年をすぎると事務職や管理職、専門・技術職の求人が急減し、これらの職種に就いていた人の行き場がなくなる。そして、その陰で数々の現場仕事がその仕事で活躍する人を求めているのである。 その一方で、対課題能力のDIは、 65 歳以降、概ねマイナス圏内で推移する。処理力、論理的思考力についても概ね 60 歳を境に、低下し始める。論理的思考力よりも処理力のほうがやや低下幅が大きく、 65 歳以降、処理力に関してはDIがマイナス 20%を下回る。 専門知識、専門技術については、 60 代後半以降はDIが0%近傍で推移し、マイナスに振れるのは 70 代後半となる。多くの人は自身の専門知識・技術は歳を取っても保たれていると考えていることがわかる。 最後に分析したのが体力、気力である。この2項目については、定年を前にして既に下がり始め、上昇と低下の境目となる0%を下回るのが 40 ~ 49 歳。平均的には 40 代以降、人は体力・気力の低下を認識し始めるのである。 現役世代の人は自身の持つ能力に対して、仕事の負荷が重すぎると感じる傾向がある。仕事において数々のスキルを身につけ、資格を取得し、リーダーシップを磨くなど、絶え間ない成長を求められることに対して、高いプレッシャーを感じている人も少なからずいるのである。 一方で、定年後には、仕事における過度な負荷から解放されることがわかる。 50 代以降、仕事の負荷が低下していくことによって、能力と仕事負荷のバランスが適正化し、多くの人にとって仕事は心地よい水準に調整されていく。実際に、仕事の満足度と、能力と仕事負荷のバランスとの関係性をみると、その相関関係は非常に強い。バランスが適切だと感じている人ほど、仕事に満足して働けている人が多いのである。 しかし、働くことの意味はそれだけではない。働くことを通じ、人は有形無形問わず、様々なものを得ているのもまた事実である。仕事に対する価値観を体系的にまとめたのが、心理学者のドナルド・E・スーパーである。彼は、職業価値(work value) を経済的な安定を得ることだけではなく、自分の能力が活用できること、人の役に立てることなど、 20 の尺度にまとめている。 因子分析の結果によると、現代の日本人が働く上で感じる価値観は大きく6つに分類できる(図表1‐33)。すなわち、「他者への貢献」「生活との調和」「仕事からの体験」「能力の発揮」「体を動かすこと」「高い収入や栄誉」である。多くの人にとって、これらの要素が働く上でのモチベーションになっている。 これをみると、 20 代は仕事に多くの価値を見出す年代だということがわかる。 20 代の因子得点が最も高いのは「高い収入や栄誉」となっている。 若い頃にこうした目標を持つことは、意欲高く仕事をするうえで大切なことであり、それが職場によい競争を生み出し、結果として組織のパフォーマンスも高まっていく。若手社員が「高い収入や栄誉」に価値を感じて互いに 切磋琢磨 することには大きな意味があると言える。さらに、「仕事からの体験」や「能力の発揮」も得点が高い。新しい仕事に楽しさを見出し、仕事能力の向上を実感することができる年代が 20 代である。 しかし、歳を経るにつれ、仕事を通じて感じる価値は減じていく。 30 代になると多くの因子が急激に下がり、仕事に対して緩やかに価値を感じなくなっていくのである。 人数自体は減少していくが、会社で地位を上げ収入を高めることに希望を見出す人は、 30 代や 40 代の時点でもなお一定数存在している。ただし、それ以外の要素はだんだんと重要だと感じなくなってくる。「生活との調和」は引き続き重要な価値となっているが、これは家庭を持って子供ができ、仕事を通じて家族の生活を豊かにすることを求める人が増えるということだろう。 多くの人が仕事に対する希望に満ち溢れていた 20 代から、人は徐々に仕事に対して積極的に意義を見出さなくなっていく。そして、落ち込みの谷が最も深いのが 50 代前半である。この年齢になるとこれまで価値の源泉であった「高い収入や栄誉」の因子得点もマイナスとなり、自分がなぜいまの仕事をしているのか、その価値を見失ってしまう。 人の役に立つという考え方は、まさに仕事の本質となる考え方である。たとえば、仕事を通じて能力を高めることは好ましいことである。しかし、仮に誰もが 羨むようなすばらしいキャリアを歩んでいる人がいたとしても、その仕事が人の役に立たないものであれば、その仕事には趣味の一環としての意義があったとしても、仕事としての意味はないと思う。逆に、たとえ人に見向きもされないような仕事であっても、それが確かに誰かの役に立っているのであれば、私はその仕事にスポットライトを当てたい。 仕事を通じて「体を動かすこと」も高年齢者にとって重要な価値観である。体を使う仕事に対する偏見を持つホワイトカラーは少なくないが、年齢を重ねるにつれて仕事を通じて「体を動かすこと」に価値があることに気づく。閉じた空間から出て、適度に体を使う仕事に就くことは日々の生活を規則正しく保つ運動にもなってくれる。 そして「能力の発揮」を目指す価値観である。高齢になっても、自ら学び直すことなどによって、自身の専門性を高め続けるキャリアを選択できることはすばらしい。学ぶことを苦にしない人であれば、平均的には能力が低下する時期にあっても、それを維持し、向上させることができる。実際に、対人能力、対自己能力は高齢になっても伸び続けると感じている人も多い。こうした能力をいかに高めるかは、仕事をする上で必要なだけではなく、定年後の幸せな生活を営むための重要な要素になる。低下する体力や気力や思考力などと向き合いながらも、持てる能力を発揮し、また向上させる働き方も可能なのである。 谷雄二郎さんは、秋田県出身の 68 歳の男性。もともと学校での勉強は好きでなかったが、幼少の頃からモノ作りが好きであったことから高等工業専門学校の機械工学科に進む。その後、東京に出ていきたいという思いもあり、工場勤務が想定されている製造業の会社ではなく、かつ機械関係の知識も活かせるメーカー系列の自動車販売会社に1970年代に就職することになる。 ハローワークで探したパートの仕事を挟み、いまでは包丁研ぎの仕事に専念している。週3日、自宅前に看板をかけ、ホームページも作った。 「包丁研ぎの仕事は誰にも雇われず、自分一人、やりたいようにできる、という点に魅力を感じていました。独立するまでは、依頼があればやるという形で、腕を磨きつつ、独立に備えていました」 「私はずっと仕事を理由に、地域でのサークルとか何も入ってないんですね。今ではシルバー(人材センター) に入って助かってますけど、当時は自分としてそれでやっていけるかどうかってところが自信がなかったんです。だから、毎日じゃなくても何か仕事には関わっていきたいなという部分があったんです。友達にはテニスとかダンスやったりマラソンやったりとかそういうのが好きな人はいるんですが、私はあまり得意なほうじゃないですし。なので、やっぱり一人でのんびりやっていける仕事がいいなと思って、包丁研ぎの仕事はそういう意味でも自分にはあってるのかなっちゅう部分がありますね」 仕事がない日は、どのように過ごしているのだろうか。 「パートをやってたときは、パートに行ってないときに包丁研ぎをやってという感じで過ごしてました。今はそれなりにお客さんもついてきたので、パートの仕事は辞めてます。仕事がない日は持病があるもんですから通院にあてたり、あとはのんびり街中を歩くとか、遠出して買い物したりとか、そういうような形で時間を使ってますね」 定年後に身近にある小さな仕事に価値を感じるようになる背景には、加齢による自身の変化や、定年によってもたらされる仕事の環境変化なども影響としてあるが、何よりも経済的な環境変化が大きい。多くの人は 60 歳にもなれば、日々必要とされる生活費の大きな変化を経験する。これまで必要であった子供のための多額の教育費負担から解放され、住宅費に関しては自宅の維持費用があれば十分というケースも多くなる。 そして、 60 歳半ばになると公的年金給付を得られる。定年後にこのような経済的な裏づけがあるからこそ、大きな仕事でなくても十分にやっていけるのである。 確かに今後の日本の社会情勢を鑑みれば、年金の受け取り開始時期や受け取り額などの受給条件はますます厳しくなっていくことが予想される。しかし、現在のシニア世代は、男性が働き女性は家庭を守るというライフスタイルが主流であった世代である。夫婦二人世帯を仮定すれば、小さな仕事であっても、働き続けてさえいれば、ダブルインカムで経済的には十分にやっていける。また、単身世帯の場合であっても、高齢期に稼ぐべき額はやはりそこまで多くない。 だから、現在においても、未来においても、定年後のキャリアは小さな仕事を楽しむ姿こそが典型であり続けるはずなのである。 こうした事例からは、定年後のキャリアでは、定年前のキャリアで培った狭義の専門性を直接活かせる仕事に就くことに必ずしも執着しなくてもよいことがわかる。また、定年後は人が羨むような大きな仕事にもはや固執しなくてもよいということがうかがい知れる。 それと同時に、定年後のキャリアは決してゼロからのスタートではない。定年後の就業者の数々の声は、仕事のサイズにかかわらず、これまでの経験を活かして定年後の仕事に臨めば、仕事で早く基盤を固められ価値ある仕事を続けていくことができると教えてくれる。 そのうえで、定年後の豊かな仕事として、比較的多くの人が共通して言及していた事項をまとめていくと、概ね以下のようになる。 ・健康的な生活リズムに資する仕事 ・無理のない仕事 ・利害関係のない人たちと緩やかにつながる仕事 第一に、健康的な生活リズムに資することである。多くの方から頻繁に出てきた要素として、仕事を通じて起床や就寝の時間が安定して生活リズムが整うということがあげられる。 第二に、無理のない仕事である。おそらく定年後の仕事を考える上で最も重要な考え方がこの「無理のない仕事」だろう。つまり、過度なストレスがない仕事が好ましいということである。先述のとおり、厚生労働省「労働安全衛生調査」によると、仕事上のストレスの原因は多い順に、仕事の量、仕事の失敗・責任の発生、仕事の質、対人関係などと続く。定年後の就業者はこれらの仕事のストレス要因を意図的にコントロールしている様子がうかがえた。紹介した7人の事例でも、管理職の要請を断った山村さんや補助運転手の仕事を進んで引き受けている森永さんをはじめ、多くの人に類似した発言が確認される。 第三に定年後に幸せに働き続けるための要件としてあげたいのは、利害関係のない人たちと緩やかにつながる仕事である。孤独は人の幸福度を下げると言われているように、生活を営む上で人とつながることは重要である。この点、定年後の人たちにとって、仕事を通じて人とのつながりを持てることは、幸せに生活していくうえで重要な要素となっている。 生涯現役が求められる現代において、多くの人のキャリアは拡張するだけのものではなくなる。こうした現実は必ずしも前向きなものではない。ただ、転機に向き合うのがつらいからといってそれを避けていれば、自身を取り巻く環境変化に対して適切に対処することはできなくなってしまう。 というのも、定年後も有意義に仕事をしている方々の事例をみていくと、多くの事例で仕事がうまくいかなくなったとき、またそれに伴って昇進が行き詰まったときに関する述懐が出てくるのである。当時の記憶を第三者に丁寧に説明できること自体が、彼らがキャリアの転機に正面から向き合ったことの証左なのではないかと感じる。そうして考えると、彼らが定年後の仕事を充実したものにできているのは、キャリアの転機に対して真摯に向き合った過去があるからだとも考えられるのである。 仕事から得られる収入の額は、その人がなした仕事による成果に応じて決まるものであって、決してそれがその人自身の価値を決めるものではない。定年後は、高い給与を稼ぐから偉いのだとか、低い給与の仕事はそうでないのだとか、そういう競争意識にとらわれる必要はないのではないか。
6投稿日: 2024.05.01
powered by ブクログ私は今のところ、なるべく早く仕事を辞めたいと思っていたが、「自分にあった仕事なら、ありかな…」と少し思った。 働き続けるとしても、辞めるにしても、前々から定年後を考えておく必要はある。 日本社会のことを考えると、「小さな仕事」をする意義はあると思う。
1投稿日: 2024.04.26
powered by ブクログ久々にいい書籍だった。 分析、対応策とも納得できました。 中小企業経営者の意識を変えていくのは難しいけど、やって行かなければいけない問題だと思います。
1投稿日: 2024.03.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
定年前後を中心に リアルな働き方を分析・提案している内容 現役時代は昇進などでストレスの高い仕事をしているが 定年過ぎて 著者の言う「ちいさな仕事」に従事している人は比較的 人生の満足度が高い 定年後の豊かな仕事として 比較的共通している事項 ・健康的な生活リズムに資する仕事 ・無理のない仕事 ・利害関係のない人たちと緩やかにつながる仕事 は覚えておこう
0投稿日: 2024.03.06
powered by ブクログいやぁ、いい本でした。良書。 ・70歳男性就業率は45.7%、働くことは「当たり前」 “人生100年時代” “生涯現役時代” “労働供給制約時代” “少子高齢化” このキーワードに対する、一つの回答だと思った。 本書の内容を、簡潔にまとめると、以下。 ****** 定年後も働かないとやっていけないよ。 とはいっても、年金にプラス5~10万くらいの月収、 そのような“小さな仕事”でかまわない。 しかも、多くの定年後の労働者は、その“小さな仕事”に満足しているというデータがある。ストレスのたまらない“小さな仕事”でかまわない。 また、“小さな仕事”は、個人だけでなく、社会にとっても意味がある。 少子高齢化においては、労働者が足りなくなる。 若者(労働者)が減り、高齢者(消費者)の割合が増える。 定年後、働かないでいることは、労働者から単なる消費者にかわること。 消費者に対して労働者が足りなくなる。特に地方においてはそれが顕著にあらわれる。 これを解決させるには、 外国人労働者の受け入れや、社会保障制度の充実に腐心するのではなく、 定年後も働く人を増やすこと。 そのためにも、社会は、“小さな仕事”の必要性を知り、リスペクトすること、働き方や給与を見直し、評価すること。何よりこれを、消費者側が受け入れること。 ****** ……と、ざっくりいうとこのような内容だったのですが、 “定年”という言葉がタイトルにあるせいで、 定年前の現役世代や若者が、本書を読むのを後回しにするかもしれない。 それでは非常にもったいない。 定年前に読んだほうがいい。絶対そのほうがいい。 むしろ、定年してからこの本を読んでも遅い、価値が半減する。 この本は将来の人生設計を考えるうえで、めちゃくちゃ参考になる。 「10年後どうなりたいか?」と聞かれても、 「え、それって毎年考えなきゃいけないじゃん。 2024年は2034年のことを考えて、2025年になったら2035年のことを考えて……毎年考え続けることになるよね?」 でも、「定年後、60歳以降、どうなりたいか?」、 この問いかけだと、60歳という“定点”だから考えやすい。 個人的にはそう思いました。 ところで、この手の本って、定年後の実体験を交えて書いたり、 実際に定年した人が書いているイメージがあったのですが、 作者の年齢を知って驚いた。 著者である坂本貴志さん、1985年生まれだそう。とても若い。 いや、この年齢だからこそ、良いのかもしれない。 定年前の、現役世代の目線にたって書いているからこそ、“定年前”の人に響くのだろう。 にしても、こういう本って必須だよな、と思う。 読んで損はないというか、読まないと損をする。 あくまで統計データに基づいた本だから、すべての人には当てはまらない。 個人差は絶対にある。だから、すべては鵜呑みにできない。 しかし、自分の将来を考えたり、日本の社会を知るうえで、参考になることは間違いない。読んで良かったです。
19投稿日: 2024.03.05
powered by ブクログ第一部は データを元に構成した15の事実 定年後 年齢 生活費は下がる 能力 体力も低下する 非正規雇用 フリーランスの増加 小さな仕事の積み重ね 第2部は インタビューを元にした 実働実例 第3部が著者の提言なのだろう 仕事の定年って何なんだろう
5投稿日: 2024.02.23
powered by ブクログ定年前後も同じ会社に残り続けるか、独立や起業をするか、と言う一種の啓蒙的な或いは背中を押す為の書ではなく、エコノミストらしく客観的に現在の我が国の置かれた状況をもとに定年後も「小さな仕事」を続ける意義が説明されている。ベストセラーであることに納得がいく良書。自身に照らして見ると衝撃的に思えることも多い。定年後はもはや「高い専門性を身につけているかは問題ではない」等はモチベーションの維持が難しくなるメッセージでもある。日本の労働市場の問題に対する外国人労働者の受け入れに係る解釈にはやや疑問が残った。
0投稿日: 2023.09.07
powered by ブクログ感覚的に納得のいく内容でした。 高齢化かつサービスデフレ(≒良質なサービスがなぜか安価に買える)している今の日本の問題に対して、この本が提唱する「小さな仕事」をもって解決できないか、という第3章の内容がなかなかイケてると思いました。
0投稿日: 2023.08.17
powered by ブクログhttps://gendai.media/list/books/gendai-shinsho/9784065286050
0投稿日: 2023.08.14
powered by ブクログ我々30代は恐らく70を過ぎても働いているのだろうという、うっすらとした未来予想をデータで肯定してくれる。定年になったら楽になるなんて嘘だったんだ。「定年後に働くことは所与。そうした状況でどのように働くかを考える。こうした姿が多くの日本人が直面する現実になるだろう。」という趣旨の一節が印象的。 一方で、全員が全員、定年しても成長し続ける仕事の仕方をするのが本当にベストかという問いかけや、老人のホワイトカラーに需要は少ないといった、一種逃げ道も用意してくれているので助かる。
0投稿日: 2023.07.31
powered by ブクログ定年後の仕事のあり方について考える3部構成の本書。高齢化社会の現状について知りたくて読む。第一部は様々なエビデンスを示して丁寧に現状を解説してくれており信頼と好感を持った。 第二部では自分自身が定年後の局面でどう振る舞うのかを考えながら読むことが出来た。会社、雇用者そして社会が上手く成り立つことを念頭に定年後の働き手が重要であり、それが自身にとっても有益であること、職業の選び方についても考える機会となり、幾分将来の不安を払拭してくれる本である。
5投稿日: 2023.07.29
powered by ブクログ会社員でいる限り、それまでに築いてきたキャリアをどのように降りていくのか?という転機が50歳以降に必ず訪れ、定年後にどのような仕事をしていくのか?そんな事を現実問題として考えさせられる良書でした。 私自身は40歳前半で、まだ現役世代の真っ只中ですが、定年が近づくに連れて減少するであろう生活費を得るための選択肢の一つとして地域社会に貢献する小さな仕事も視野に入れたてみたいと思います。
0投稿日: 2023.07.16
powered by ブクログ数年前に老後資金は2,000万円などが話題になり、「老後資金がたりません」などの映画が作られ、定年後の老後を心配する声が絶えない。バブル崩壊以降の経済の停滞による可処分所得の経年的な減少、年金支給額の減額に物価高騰による生活費の高騰が追い打ちをかけ、退職支給年齢に引き下げと定年延長による労働観の変化、少子高齢化による人生100年に向けた老後の在り方を考えざるを得ない。 日本人のロールモデルとして、高度経済成長を経験した世代は50~60歳で定年退職し、後は年金で豊かな生活が送れると考えてきた。事実、物価高騰以上に日本経済の好循環は、生活水準を総じて引き上げた。本書は、第1部では各種調査報告を元に定年後の仕事にかかわる15項目の調査から、年金受給額や定年後の平均的な給与所得などの所得を元に、定年後の生活に必要な費用や経済観を詳らかにしていく。一方、第2部では、7人の事例を元に、定年後の人生観や生活観の変化を紹介し、労働人口の減少も視野にいれた社会貢献による「小さな仕事」が社会へのイノベーションになっている事例を紹介する。 本書を一通り読んだサラリーマン世帯は、概ね納得できるのではないかと思われるのだが、自営業者や長らく非正規で働き続け、満足に国民年金を納めきれなかった経済的弱者や社会的に孤立した人々を捕捉しきれていないのではないか。事実、私が知る社会の一断面では、経済苦で満足に医療にアクセスできず、無料低額診療事業につながるケースも少なくない。また、孤独死や経済的手遅れ事例は毎年のように報告され、しかも氷山の一角とも言われている。少額の年金であるがために、働かざるを得ない高齢者が圧倒的に多いのではないかとも思われる。 定年まで働き続け、一定額の退職金をもらい、住宅ローンや子供たちの学費も払いきり、厚生年金と定年後の労働で豊かな生活をエンジョイできる事が望ましい。しかし、高騰しすぎた住宅費用や学費により親世代の老後資金は風前の灯火となり、一方親に頼れない子ども世代は貸与型奨学金の返済をしながらでは、結婚も含めて、子育てに躊躇することも当然であろう。 持続可能な日本社会を考えていく上で、参考になる1刷ではあるが、社会、経済的弱者も含めた、高齢になってなお無理して働かなくても良い社会の実現に向けた社会保障の充実は、現在自民党が進めている武器・弾薬を爆買いする安保3文書を閣議決定する大軍拡路線でないことだけは確かだろう。
0投稿日: 2023.07.16
powered by ブクログ定年までまだ何十年かあるが、タイトルに惹かれ本を手に取った。定年後は小さな仕事でも周りの役に立つ仕事でやりがいを持って意欲的に働く事が大事だと思った。実際の経験者の章は参考になったし、興味深く読むことができた。
4投稿日: 2023.07.04
powered by ブクログ定年後の状況は一般的にどういったことなのかがわかる。 【概要】 ●定年後の仕事の事実 ●定年後の豊かな仕事の共通事項 ●「小さな仕事」の積み重ね 【感想】 ●定年後の就業環境が変わることは理解しているが、具体的にどのように変わるかというのがイメージできる。 ●一方で、自己に目標があるならば、定年後の現実を理解した上で目標を追求していくことは「有り」だなと思った。
1投稿日: 2023.06.25
powered by ブクログ定年前後で仕事に対する価値観が変わる方が多い。収入・栄誉・能力発揮/向上 → 貢献・生活との調和・体を動かす。生きていくために必要であった仕事に対する価値観が、定年が迫るに連れて人生の意味合いを問いた上で軟着陸していく方が多い。自分も同じだな。
1投稿日: 2023.06.19
powered by ブクログタイトル通り、定年後の実態を、国勢調査をはじめ様々な調査結果から分析した本です。定年後だけではなく、50、60代のデータも取り上げてていて興味深い内容になっています。 特に気になるのは、定年後の貯蓄額や雇用状況かと思います。貯蓄額については、通常はその平均値と自身の貯蓄額を比較することが多いかと思います。しかし、著者は、調査対象者の中に数人でも多額の貯蓄を有している人が存在すれば、平均値は上がってしまうので、中央値を知ることの方が現実的だと指摘しています。 2019年の総務省の家計調査では、60代の貯蓄額の平均は2000万円ですが、中央値は何と1500万円とかなり差があります。 また就業に関しては、70歳までの雇用を努力義務としている企業が増加しています。2020年のデータでは、60〜70代の就業率は大幅に上昇しています。一理には、退職金が下がっていることもあるそうです。 改めて、自分の老後を深く考える機会になりました。
1投稿日: 2023.06.18
powered by ブクログこの手の新書は、著者の論旨に従ったデータを集めてくるので、論旨に間違いがあるわけではないが、考え方の一つであるにすぎないと考える。でも、私は本書の論旨に基本的に賛成だ。公的年金をあてにした老後を考えている。 社会と接点を持つ程度に小さな仕事を見つけられれば、それに越したことはないが、縁がなければそれも良しとしよう。さあ、もうひと頑張りだ。
0投稿日: 2023.06.10
powered by ブクログ本屋で何度か手に取っては置き、結局やっぱり気になって購入。 きっと先日届いたねんきん定期便のせいだ。 どう考えてもこんな金額ではやってけない。 数年前に「AIの進化により、ほとんどの職業がなくなる」2045年問題を知った。それによれば自分の今の職業も、未来がない。 ところが日本には今2040年問題もあるそうだ。 少子高齢化による働き手不足がかなり深刻だそうだ。 考えてみれば、コンビニも警備員さんも、駅や病院の清掃の方も、外国人かシニア世代が目立つ。 日本中隅々まで日常生活に必要なサービスを供給するには、やっぱりまだまだ人の手が必要のようで、シニア世代も大事な働き手となっている。 誰かに老後を養ってもらえるような時代は終わり、自分たちでこれからも生きていかなければいけない。 近くにコンビニがないと困るし、公共の場は綺麗であってほしい。どんなに経済的に豊かな人でも、ひとりで生きられない。そういった全てを他の誰かが変わってやってくれていることをどうしても忘れそうなくらい「小さな仕事」の対価は低い。 歳を重ねるにつれ、多くのシニアが「小さな仕事」に生きがいを感じていることは幸いだ。 でももっと「小さな仕事」が評価される日本になって、シニア世代が日本を支える!ってくらい元気な老後を迎えられるといいな。 そのために今どうするか。考えるいい機会となった。
0投稿日: 2023.06.07
powered by ブクログ定年後の生活に工夫できるかと手にしましたが、想像と違い役所の統計の様な本でした。 後半は、架空の7名を、性別・年齢・収入・雇用形態の設定からその変化を想定していくもの。 参考程度に読むと良いでしょう。
16投稿日: 2023.06.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
参考になった。 定年後働くのは不幸なことではなさそうだ。収入はあった方がいいし、健康にもよい。 消費者より働く人優先の社会がこれからは必要との考えに目から鱗。
0投稿日: 2023.06.03
powered by ブクログ最近年を取って、欲しいものがなくなってきたなぁと感じていた。この本を読んで、定年後の仕事についても、収入についてもなるほどと思うことばかりだった。私も、下の子どもが大学を卒業するまであと3年。もしも大学院に進学すればあと5年。 そこまで働いたら、今の仕事をやめて世の中のために小さな仕事をしていくのが理想。
0投稿日: 2023.05.07
powered by ブクログ前半のデータ編は目新しい内容はなく読み飛ばしましたが、後半は定年後の仕事に関してとても納得感のある指摘がされていました。
0投稿日: 2023.05.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
定年になったら必要なコストも減るので、身の丈に合った収入で十分。 月10万円の「小さな仕事」を探して、地域や社会に貢献して、満足度の高いシニアライフを目指しましょう。という、スタイルの一冊。 少し気が楽になった。でも持ち家じゃない人は、厳しそう… よくある定年後対策本では、独立起業を勧めていたり、現役時の収入をなるべく落とさないように頑張ろう的な攻めの内容が多い。 これからの時代、人は足りなくなるので、業種を選ばなければ仕事はあるよ。現役時の価値観を解体して、緩く長く働きましょうという趣旨。 逆に言えばいつまでも働かなければいけない時代の到来なのだけど、まあ、わたし的には働けるうちは働きたいと思うので、前向きにいろいろ試してみたいとは思ってます。
0投稿日: 2023.04.30
powered by ブクログ予想通りの内容で、『衝撃の事実』みたいなものはなかった。自分自身、定年が見える歳になり、役員への出世レースからも早々に脱落したので、50代で仕事観が大きく変わるというデータには納得感がある。子供が独立したら生活費が大きく減りそうというのも見えてきていて、半分ボランティアをしながら、残りの時間をストレスのない仕事に充てられたら幸せな老後になるだろうな、と思った。 ただ、ここに登場するのは皆恵まれた境遇にある人達。現在60代後半以上で大卒なんてエリート層だ。出自も恵まれていたに違いない。そのエリートが高度成長期を経て豊かな老後を送っている姿が、どのくらいこれからのリタイヤ組の参考になるかは不明だ。限られた読者限定の話だと思う。
0投稿日: 2023.04.29
powered by ブクログ前半部分で、定年後の多くの人が住居を所有している事が前提とされている。その後の内容は、住居費は、ほぼ掛からないと言うことで、話しが進むので、自分にはマッチしない内容だった。また、子どもの教育費の負担も60歳頃までには終わっている前提もあり、これまた自分には当てはまらない。 自分は本書の題材となっている集団に属していないことからして、社会からこぼれ落ちた者なのかと、冷静に落ち込むのであった。
0投稿日: 2023.04.18
powered by ブクログ本当の定年後 定年後の実態として、 第一章で高齢者の実態を15ほどしっかりとしたデータ化から指摘している 第二章では実例の7名を上げどんなパターンの働き方があるのか示している だい3章では小さな仕事の経済効果について 定年後のキャリアには様々なものがあるが 多くはサイズダウンして自分が住む地域で仕事に就くことが多い 経済は小さな仕事の積み重ねで、社会を支えるシステムはこの小さな仕事に支えられている 小さな仕事には単純労働も多くあり、お金を必要とする若い世代では物足りない分野でもある いまこの分野に高齢者が入り社会を支えている現状がある。 著者はお金のために高齢期も働らく実態もあるとしたが、 多くは仕事にやりがいを感じていその仕事に満足感を持つ高齢者が多いことを指摘ている。 ただ、定年後も責任のある仕事についている人と自分を比較し、小さい仕事しかしていない自分に劣等感を感じる方もいるらしい。 そうならない人はいわゆる価値観の返還点があることを指摘されていた。 定年後の仕事の成否には、現役時代に培われてきたスキルが生きているとも書かれていた 対人スキルや対自己能力が生きてくるとも 年季生後の崩壊はないだろうと書かれていた この本を読んで定年後も年金をもらいながらできる範囲の仕事をして生きていけそうだと希望が持てた 読んでよかった。
0投稿日: 2023.04.01豊かな老後を迎えるために
数々の経済的なデータ,アンケート調査結果,ヒアリングデータを基にしており,とても説得力のある本書であった。定年前後におけるキャリアに対する葛藤に不安を抱いていたが,健康な体であれば未来はそう暗くないという展望をもつことができた。
0投稿日: 2023.03.29
powered by ブクログ事態としては遠い次元の話に思えるが 仕事との向き合い方が老若問わずに屹立する課題である現今において、幸福なライフサイクルの形成にはどういう形がありうるのかの一つの啓示になっているのではないか。
0投稿日: 2023.03.27
powered by ブクログこの本を読んで、以下の理由から現代社会においては60~70歳が黄金時代だと思った。 ・お金がある程度自由になる。 ・子供が独立して手がかからなくなる。 ・役職から外れるので、仕事上の大きな責任から解放されストレスが軽減される。 ・自分の人生経験を直接的または間接的に活かせる。 ・健康に留意していれば、まだ身体は元気。 7人の普通の人の事例がとてもリアルで参考になった。
0投稿日: 2023.03.26
powered by ブクログ少子高齢化のため、老後に不安を抱く人は多い。 しかし著書では、老後は月々必要なお金が減るため経済負担は多くないこと、現役世代よりむしろ活き活きと暮らす人が多いことをデータや当事者者面談を通じた研究結果より指摘している。 幸せに暮らすには、健康、お金、繋がり、これらを保つことが大切と思います。老後にこれらを得る手段として、小さな仕事は確かに有効だな思いました。 ただし、現在定年後の世代と、これから定年を迎える世代ではその時々の年金財政は同じとは限らない。定年後に稼ぐべき金額が10万円か20万円かでは必要な対応も異なるため、定年後は生活に追われず比較的幸福、とした今回の分析が現在現役世代の人達にも適応できるかには議論の余地があると思います。 本書の後半では、日本のサービス業は、アメリカに比べて質が高い一方で、代金は安いことを言及しています。代金が質に見合う程度に高騰すれば、支出は増え、収入も増える。日本経済を足元の停滞状態から上向かせる方法論として1つの考え方だな、と思いました。 また、日本は世界に先駆けて高齢化が進む。これは経済的に決して有利なことではないが、結果的に高齢化への対処方法を一番に掴む可能性がある。他国は日本に遅れて高齢化するが、その時には日本の対処方法を後追いで導入する可能性がある。即ち、日本は世界各国が将来必要とする商品を世界で最初に商品化する国になり、これは国としてのチャンスなのかも、と思いました。
0投稿日: 2023.03.05
powered by ブクログそこそこまっとうな正社員として生きてきた人対象で有り、非正規雇用でずっと働いてきた人、もしくは今後正社員にもなれない薄給な人々にはまったくあてはまらない。 今も将来も小さな仕事にしかつけない人は老後どうなってしまうのか。怖
0投稿日: 2023.02.28
powered by ブクログ年功序列、終身雇用という日本型雇用が限界を迎え、国民年金65歳支給と、それに合わせるように定年延長が一般に行われるようなご時世だ。自分など早くリタイヤしたいのに、経済的事情がそれを許してくれなさそう。そんな折に書店で見かけた本書。すると50代の就労者は、仕事に意義を感じなくなる世代だとか。辛いな~。著者は、定年後に身近にある小さな仕事=生活に密着した仕事に価値観を感じる人が統計的に多くなると言う。定年後も働くというのがスタンダードになるのだなぁ。
1投稿日: 2023.02.17
powered by ブクログ「小さな仕事」 意識の変化 成長することだけが重要である、という価値観からの脱却 働けるうちは働く、という幸福
0投稿日: 2023.02.12
powered by ブクログ定年を意識することなく、日々、向上心を持ち続けることが、必要。やれること、やるべきことは、やり続ける。
0投稿日: 2023.02.04
powered by ブクログ定年後の働き方について、各種データと就業者7人の事例から実態を明らかにし、少子高齢化が進む日本社会が目指すべきあり方にも言及する。 著者は、厚労省で社会保障制度の企画立案に携わったり、官庁エコノミストとして「経済財政白書」の執筆を担当した経験がある。本書も多様なデータによる的確で安定感のある分析がなされ、説得力がある。 7人の人物に対しては、著者が実際にインタビューを行っており、等身大のリアルな姿が浮かび上がり興味深かった。 自分も60代後半なので、「小さな仕事」の意義、心地よい水準の仕事ができることなど頷ける内容が多かった。それを以下にメモしておく。 ・高齢になっても、低下する体力や気力と向き合いながら、対人能力、対自己能力は持続でき向上させられる。 ・定年後を境に「仕事満足度」が急上昇する。 ・生活に身近な仕事、基礎的な仕事に従事する人がいなくれば、地域は立ち行かなくなる。 地域に根差した「小さな仕事」で働き続け、老後の豊かな生活の実現と社会への貢献を無理なく両立する社会を目指すべき。 ・過度な宅配サービスを見直すなど、働き手にやさしい労働環境を整えて初めて、歳を取ってまで働きたくないと考えている人たちを労働市場に呼び戻すことができる。
1投稿日: 2023.01.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分も50近くになり、段々と気になっていた等身大の人の定年後について、データを交えて簡便に示してくれ、良書と思う。定年後にまで働かないとならないのか、と言うと絶望感もあるかに見えるが、むしろ社会と関わり続ける目的であれば体が動く限りで働くことは、大切だと常々思っていた。その意味で、著者の主張である「小さな仕事」で世の中を回していく、という考え方は共感できる。 年金の金額にもよるが、小さな仕事でも生きていくことができると分かれば、案外と気楽に働けるのでは無いか。ここで大事になるのは、著者も言うように、働くことの意義を競争や出世から、たとえ規模は小さくとも貢献にシフトできるかにあるわけだが。 この本の良いところは、単に長く働きましょう、で終わらず、今後の日本について小さな仕事が益々重要になるのだから、これらの仕事(一部はいわゆるエッセンシャルワーカー)がきちんと報われることが必要だと主張している点と思う。これらの仕事こそ、直接に人に価値を生み出しているものなのである、という観点は非常に重要ではないか。ウェブでは転職してリタイア後に輝かしいキャリアを築いた話ばかり出てくるが、特に高齢化が進む現状にあっては小さな仕事の価値を認めて積極的に関わっていく事が必要になると思う。 そのためには法整備や我々消費者がこれらのサービスをきちんと評価していくように世の中の意識を変えていくことが必要だろう。サービスが安くて当たり前である、という意識をそろそろ変えていかなくてはなるまい。このあたり以前に読んだブルシットジョブとの繋がりもあるかと思う。
1投稿日: 2023.01.09
powered by ブクログ定年後(いわゆる正規雇用が終わる60歳以降)は地域に貢献するような小さな仕事を通じて、高齢者は小さな幸せを得ながら働いているという現実を数々のデータを示しながら説明している。 著者は経済活動における研究者的な属性が強いためか、個人的には興味、関心を抱きにくい日本社会への批判、提案が随所に書かれており、筆者の政策的主張が強いなぁと感じる部分が多かったが、そのような部分を差し引言えても、高齢者の実態におけるデータが充実しており、10年後にその仲間入りをする今の自分にとってとても有意義な書籍であった。 ■特に印象強かった箇所 第一部 定年後の仕事「15の真実」 事実2 生活費は月30万円弱まで低下する 事実10 デスクワークから現場仕事へ 事実13 50代で就労感は一変する 早めから現場仕事にシフトするのが得策と感じた。幸いリモートワーク主体になった昨今において、本業のバランスを下げもう一つの仕事に着手し、現場の仕事をする必要性を強く感じた。 また、第二部の7名の事例はとてもリアルで参考になった。
0投稿日: 2023.01.03
powered by ブクログ定年後の仕事の実態について語った話題の一冊。 個人的には定年はまだまだ先ではあるものの、2000万円問題など、多くの関心を集めているからこそ、話題になっていると感じます。 第1部では、様々な統計資料から、その実態を読み解きます。もちろん、創業経営者として活躍する人もいれば、体調を崩し働けない人もいるでしょう。しかし、ここでは、純粋なデータからその実態を明らかにしていきます。 続く第2部では、その平均的な姿として、いくつかの事例を紹介しています。ここまでなら単なる実際の姿を明らかにするだけで終わる内容かもしれませんが、本書の核心は第3部で述べている、著者が考える将来の日本の姿とその考え方です。労働供給制約時代にあって、今後私たちはどのような社会を目指すのか、どのような制度をつくり、どのような心構えを持つべきか、非常に考えさせられる内容です。定年が近い人だけでなく、若い人も含め、多くの人に是非読んでいただきたい内容だと感じました。 ▼定年後の仕事の実態を丹念に調べていくと浮かび上がってくるのは、定年後の「小さな仕事」を通じて豊かな暮らしを手に入れている人々の姿である。さらに明らかになるのは、このような定年後の「小さな仕事」が必要不可欠なものとして人々の日々の暮らしの中に埋め込まれており、かつそれが実際に日本経済を支えているという事実である。 ▼定年後に幸せに働き続けられる「仕事の要件」 ・健康的な生活リズムに資する仕事 ・無理のない仕事 ・利害関係のない人たちと緩やかにつながる仕事 ▼日本社会が今後目指すべきは、地域に根差した小さな仕事で働き続けることで、自身の老後の豊かな生活の実現と社会への貢献を無理なく両立できる社会である。身体的に働くことが不可能な人を除く多くの人が、定年後の幸せな生活と両立できる「小さな仕事」に従事することで、日本社会は救われるのである。 ▼日本社会は小さな仕事で働き続ける人たちに対して、あまりにも冷たい社会なのではないかと私は感じるのである。また、このような消費者偏重の市場メカニズムが、働き続けるよりも、引退して純粋消費者になるほうが得をする社会を名声させてしまっているのではないだろうか。 ▼日本社会が生涯現役社会を志向するのであれば、一人ひとりの労働者を大切にする労働環境を構築していくことが何よりも大切である。そして、一つひとつの小さな仕事が人々の生活を豊かにしているという事実に、私たち一人ひとりが自覚的でいなければならない。 ▼いつでもどこでも便利で安価なサービスを受けたいと考える消費者の欲望に向き合い、これからの労働供給制約社会において本当に必要なサービスとは何かを真剣に考える時が来ているのではないか。少子高齢化が進むなかで労働に頼りすぎない生活スタイルを浸透させていくことが、日本社会の今後の重要な課題になってくるのである。 ▼これまでの日本社会は、高齢期に働かないでも豊かに暮らせるための社会保障制度をいかに充実させるかということに、政府も個人も腐心しすぎてきたのかもしれない。残念ながらこれからの時代においては、働かないで豊かに暮らしたいという人々の願いのなかに、持続可能な解は見出だせない。そうであれば、高齢期に働き続けてもなお幸せな生活を送ることができる社会を目指すという方向性が、現代社会におけるより現実的な答えになるのだろう。そのためには、たとえ小さな仕事であっても、自身ができる範囲で働き続けたいと考える人を政策的に支援することは何より重要となる。 ▼これからの日本社会は、その人の年齢にかかわらず、すべての人が社会に対して何かしらの貢献を行うことが求められる時代となる。そして、人が変わるのと同時に、社会も変わっていかなければいけない。たとえ高齢期の仕事が「小さな仕事」であったとしても、それが確かに誰かの役に立っているのであれば、そのような仕事に誰もが敬意を示し、報いることができる社会に、日本はなっていかなければならない。そのための方法論は、若い世代も含め、みなが当事者意識をもって考えてほしい。 <目次> 第1部 定年後の仕事「15の事実」 事実1 年収は300万円以下が大半 事実2 生活費は月30万円弱まで低下する 事実3 稼ぐべきは月60万円から月10万円に 事実4 減少する退職金、増加する早期退職 事実5 純貯蓄の中央値は1500万円 事実6 70歳男性就業率45.7%、働くことは「当たり前」 事実7 高齢化する企業、60代管理職はごく少数 事実8 多数派を占める非正規とフリーランス 事実9 厳しい50代の転職市場、転職しても賃金は減少 事実10 デスクワークから現場仕事へ 事実11 60代から能力の低下を認識する 事実12 負荷が下がり、ストレスから解放される 事実13 50代で就労観は一変する 事実14 6割が仕事に満足、幸せな定年後の生活 事実15 経済とは「小さな仕事の積み重ね」である 第2部 「小さな仕事」に確かな意義を感じるまで 事例1 再就職先で一プレイヤーとして活躍 事例2 週末勤務で会社を支える 事例3 包丁研ぎ職人を目指して独立 事例4 近所の学校で補助教員として働く 事例5 同僚、患者とのやり取りを楽しむ 事例6 幕僚監部から看護師寮の管理人に 事例7 仕事に趣味に、人生を謳歌する 第3部 「小さな仕事」の積み上げ経済 1.定年後も働き続ける人に必要なこと 2.高齢社員の人事管理をどう設計するか 3.労働供給制約時代における経済社会のあり方
0投稿日: 2023.01.01
powered by ブクログ大変参考になった本だった。 定年後は小さい仕事で充分。 年金額からどれぐらいの稼ぎが必要か計算する。 社会に役に立っていると言う満足感も必要。 結局役職は持ち回りでしかなく、それを自分の能力だと考えるのであれば、現実とは異なる
1投稿日: 2022.12.21
powered by ブクログ著者が「小さな仕事」の価値がもっと認められてもいいと主張しているが、その通りだと思う。年功序列・長期雇用という戦後の高度成長期時代に確立された日本社会の雇用慣行の恩恵を享受できた最後の世代であるバブル世代があと数年で還暦を迎えます。すべての人たちとは言えないが、平均的に財産の形成ができた最後の世代である彼らが、定年後の「小さな仕事」に過去の仕事観とは違った新しい価値を見出して生き生きと働くことは社会にとってももちろん有益なのは間違いありません。 就職氷河期世代の私から申し上げると「定年後」という言葉自体が夢のような響きを感じます。20代から30代、ついには40代においても「小さな仕事」でしか職業経験を積めなかった世代の人たちにとっては「定年後」などという発想自体持つことができないからです。本書はとても面白い内容ですが、あくまで今50代以上の大企業に正規雇用で働いている方たちの為に書かれた本だと思いました。
0投稿日: 2022.12.13
powered by ブクログ40-50代の幸福感は低く、20代と60代以降は高くなる。体感的にわかっていることだけど、仕事やキャリアの角度からそれを検証できる。 近い将来、身近なサービス業で労働力不足からくる供給逼迫が起こる。東京だとコンビニ定員は大抵外国人留学生。日本人が受けたくない価格帯の仕事になっている。無人レジの導入は進むだろう。 これまでの日本社会は、高齢期に働かないでも豊かに暮らせるための社会保障制度をいかに充実させるかといえことに、政府も個人も腐心しすぎていたかもしれない。残念ながら今後の時代においては、働かないで豊かに暮らしたいという人々の願いの中に、持続的な解は見いだせない。
0投稿日: 2022.12.11
powered by ブクログなんとも夢がないがこれが現実。 今後はもっと厳しくなってくるのではないか。 非正規雇用で働いてきて、年だけ重ねたら 悲惨な老後となる。 怖くなった。
0投稿日: 2022.12.08
powered by ブクログ2025.8.15.読了 定年後にしばらくはアルバイトをするつもりだったが、この本を読んで「社会に貢献できる小さな仕事」の大切さがよくわかった。
0投稿日: 2022.12.03
powered by ブクログよく分析されていた。 定年を機に、責任ある重い仕事から小さな仕事へ移り変わっていくが、今後はそれが日本経済を支えることになりそうである。 自分も早く定年退職したいです。
0投稿日: 2022.11.19
powered by ブクログ良書。知っているようで知らない事が多かった。定年後の小さな仕事の意義を見出していると言う話はリタイア前の世代には参考になる。ただ、むしろ一番驚いたのは、入社して早々に熱意が下がっている社員が日本企業には多いという事実。そもそも日本企業に就職すべきなのかと、本当に疑問に思う。これは日本企業の生産性に関わる大問題ではないか。
0投稿日: 2022.11.12
powered by ブクログ2022年67冊目。264ページ、累計18,127ページ。満足度★★★★☆ 最初は定年者の仕事の様子を書いた本くらいのつもりで手に取ったが、60歳以降世代の消費・貯蓄含めたリアルな実態を浮き彫りにした書 同時に、身近な対人業務などの「小さな仕事」がこれらの世代の人によって支えられていることもよくわかり、現代の日本社会の現状や課題も把握できた。 おそらく、本書を読めば現役世代の将来不安も幾分和らぐと思います。
0投稿日: 2022.11.09
powered by ブクログ希望と救いを感じる事ができるが、 社会的な課題も大きいし、 何より自分自身が、いかに価値観を転換できるのか。 自分自身課題も同じく大きいと思った。 良書。
0投稿日: 2022.10.30
powered by ブクログあまり情報がない定年後の生活。 特に気になるのが、どれくらいの収入で暮らしていけるということ。 定年延長、年金支給年も延長される、老後の2,000万円問題と様々な気になる報道等があって、私を含めて、みなさんも将来に対して漠然とした不安があるかと思います。 これらの不安について、私は、本書を読むことで多少不安が解消できました。 特に、定年後の多くの高齢者の人たちがストレスなく、仕事に満足感を覚えながら、ゆるやかに生きている様子が書かれており、参考になりました。 また、各年代での具体的な年収や、生活に必要な月収等も書かれており、若干安心しました。 但し、あくまでも現在の高齢者の方々の状況であり、今後ますます状況が悪くなる想定されるので、やっぱり老後資金を貯めておくことは重要だとも感じました。 読書とともに趣味である投資も無理ない範囲で続けていきたいです。
0投稿日: 2022.10.29
powered by ブクログ定年後の仕事の実態を詳細なデータに基づいて分析、評価している。 それによると、50代に就労感が変わり、定年後は年収は下がり、仕事も小さな仕事で現場仕事になるが、それでも6割が仕事に満足し、幸福を感じているという。 データに基づいて分析しているから、実際そうなのだろうけど、本当にそうなのかなあ。体力、気力、能力が落ち、デスクワークの需要は少なくなり、積極的に就業しているというより、やむを得ず選択しているのでは?なんて疑問がわく。 さらに、幸せな定年後の生活とあるが、むしろ現状を肯定せざるを得ない悟った(諦めた)定年後の生活なのでは?なんて思ってしまう。 すごく説得力を持たせて書かれてある本なのに、肌感覚で違う!と反発心がわいてくるのは何故w
0投稿日: 2022.10.19
powered by ブクログベストセラーであり、老後の生活に関心があったので読んでみた。 「沢山のデータを引っ張り出して、がんばったね。おつかれさま。もういいよ。」という思い。 これからどうすればいいのか。これからどのような日本にすべきかの考察があまりにも弱い。資料を集めまとめたことには敬意を表するが、単にそれだけ。
0投稿日: 2022.10.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
保険の支出はそれほど多くない。月1.7万円。 10万円程度の労働収入があればよい。 早期退職勧奨は高年齢者雇用の負担感の表れ。好業績企業でも退職勧奨が行われ、新陳代謝が計られている。 70歳で就業率は45%=働くことは当たり前。 60代で管理職はほとんど存在しない。 アメリカで年齢差別がないのは、競争原理のもと、パフォーマンスの低下は解雇されるから。 1990年以降の成果主義も定着しなかった。 中高年の就職はハローワークの割合が高い。年収が低いのでビジネスになりにくい。 介護、販売、保安、運転、運搬、清掃などの現場仕事が人手不足。 ノンデスクワーカーは3000万人以上。労働者の多数を占める。 基礎力、専門力、その他体力気力、今ある仕事に価値を感じること。 仕事の価値は、他者への貢献、生活との調和、仕事からの体験、能力の発揮、体を動かすこと、高い収入や栄誉。 定年後、仕事からの体験は20代まで回復する。他者との交流の大事さに気づく。 定年後は現役時代の専門性を活かす仕事ではないケースが多い。健康的な生活リズムができて、無理なく働けて利害関係のない人たちと穏やかに触れられる仕事、がいい仕事。 定年制で新陳代謝が行われている。賃金の年功的な部分は少なくしなければならない。 労働供給制約社会が訪れる。高齢者は自らサービスは提供できなくても、必要としている。=労働力不足。 機械化、自動化のためには労働コストが高いほうが進展しやすい。 日本のサービスの質は高く賃金が低い。1500円程度まで上げたほうが機械化が進みやすい。機械化が進んでも労働力不足なので仕事はなくならない。
0投稿日: 2022.10.17
powered by ブクログワクワクしながら一気読み。 「キャリアにおける大きな転機は50歳近辺にある(p201)」 現在53歳。30年近くやってきた仕事にはやり甲斐を感じてるし、まだまだやりたいことがある。一方で、家計の教育負担がほぼなくなり、いくつかのコミュニティに参加するなかで、楽しみながら、かつ、何かに貢献できる生き方がないか考えてた。この点、本書の「「小さな仕事」が日本社会を救う」は大いに腹落ちした。
0投稿日: 2022.09.19
powered by ブクログあと一年半ほどで所謂「定年」という年齢に達します。私が社会人になってから多くの退職された先輩を見てきました。社会人になって私が結婚するくらい(1994)までの退職者とのお別れは楽しいものでした。大きな花束をもらって一旦はやりたいことに没頭する様ですが、すぐに飽きてしまって元の職場でアルバイトとして働いていた人も多かったです。 それから時代は経過して、今の会社に移りましたがしばらくは同様な状況が続いていたと思います。私も60歳になったらどうしようかなぁ、と考え始めた頃から何やら雲行きが怪しくなってきて「人生100年時代」とか「生涯現役」「再雇用」というフレーズが聞かれるようになってきました。 そして今年から正式に法律でも65歳まで働ける制度が義務化されました。私にとっては目まぐるしく変わった労働を取り巻く状況の中で、この本のタイトル「ほんとうの定年後」に惹かれるものがありました。この本には私の少し上の先輩たちの所謂定年後を迎えたのちの振る舞いが記されています。人それぞれ環境が異なるので、特定の人の生き方を真似するのは難しいとは思いますが、多くの方の事例を参考にして、私はどうすべきか考える良い材料となりました。 以下は気になったポイントです。 ・定年を境に、月57万円から43万円程度に支出額が減る、60代後半で32万円、70代前半で30万、後半で26万円で安定する様になる(p20) ・定年後の家計を展望してわかることは、結果的には人生の最終期に持ち家を所有していることは、概ね良い選択となる(p21)高齢期に資産性のある住宅を所有しておくことは、自宅を担保に老後にかかる資金の借入を行う「リバースモーゲージ」による活用もできる(p24) ・仕事から引退した世帯の65ー69歳までの収入額は合計で月25万円、そのうち公的年金は19万円程度(p31)定年後は年金に加えて月10万円ほどの労働収入があれば家計は回る(p32) ・平均的な60代の家計が有する資産は、中央値で考えると、1500万円程度である(p46) ・2021年4月に施行された高年齢者雇用安定法では、現状義務化されている65歳までの雇用確保に加え、65歳から70歳までの就業機会を確保するため企業の努力義務とされた(p55)現在の65歳までの雇用確保措置が義務化されたのは2013年であるが、65歳までの雇用が努力義務化されたのは、1990年であり完全義務化まで20年超要している(p56) ・厚生年金保険の支給開始年齢の引き上げは、定額では1994年、報酬比例は2000年であるが、実際に65歳の完全引き上げまで30年もの経過措置があった(p58) ・デスクワークに就く人は、1573万人と、全就業者のうちの4人に一人に過ぎない、デスクエワークとノンデスクワークが混在する中間職種は949万人いる(p103) ・定年後の仕事で大事なのは、1)さまざまな活動に関心が分散される、自分の人生の中でいくつかの居場所を持ち、そこでポートフォリオを組む、2)そのポートフォリオの中に仕事がしっかりと組み込まれていること(p121) ・仕事に何を求めるかという観点で見た時、50代は大きな転機になる年齢である、人が仕事に対して意義を感じることがどうかは、50代を底にしたU字カーブを描く。定年以降に見出される就労感は、高齢になる程高まる価値観として「他者への貢献」「体を動かすこと」になる(p127) ・失われた数十年間と言われることもあるが、コンビニなどの小売店が全国に配店されて質の高い商品がいつでもどこでも買える様になった、インターネット上でボタンひとつで日本のどこに暮らしていても商品を自宅へ届けてもらえる、介護保険法施行(2000)以降、介護サービスは確実に広まっている(p148) ・定年後の仕事として望ましいのは、利害関係のない人たち、と「緩やかに」つながる仕事である(p211)つまり、1)健康的な生活リズムに資する過度なストレスがないこと、2)利害関係のない人たち、3)緩やかにつながること(p212) ・本当の定年後は、誰もがその時々の状態に合った「小さな仕事」に従事しながら、無理のない仕事と豊かな消費生活を両立している姿にある(p259) 2022年8月24日読了 2022年9月19日作成
0投稿日: 2022.09.19
powered by ブクログなるほど、いろいろなデータを用いて、定年後の収入だったり働き方だったりに、具体的な例を用いて示してくれている点は良かった。 そして、今後の日本人が、定年後、小さな仕事で働き続けていく上で、より適切な賃金を得られ、かつ、敬意を持って対してくれる社会を実現するためには、痛みも必要なのもその通りだろう。だから、著者にはそのためにはどういう施策が必要なのか、一つでも二つでも良いから示してほしかったかな。 自分ももういわゆる定年まではもう5年しかないから、当然、今の経済状況を考えれば、その年齢で働かないという選択肢は選べないだろう。 そして、この本のデータが、定年後はそれほど収入は必要ないという根拠が、貯蓄額や退職金にあるのなら、やはり全然安穏とはしていられないわけで、読む前よりむしろ不安感というか焦燥感は増してしまったようにも思えるが、一筋の光明はあるようにも思える。 今の自分を定年後の自分が振り返って、バカやろうという度合いを少なくするための方法を本当に、頭から煙が出るくらい、考えてそして一つでも多く実行して錯誤して、何かを見つけなければいけないなと、考えた三連休の中日の夕方…
0投稿日: 2022.09.18
powered by ブクログサラリーマンにとって、定年後にどんな仕事をするかは切実な問題だと思う。慣れ親しんだ組織を離れ、紹介や斡旋の有無はともかく、現役時代と違う仕事に就くのだから、気持ちの切り替えも必要だし、収入面も気になる。 そんな不安に対し、統計データや定年退職後に働いている人との面談を基に、平均的あるいは多くの人が歩むであろう定年後の仕事をリアルに紹介している。そして、そこでは、競争して組織内で成り上がるという考え方をリセットして、負担やストレスを小さくして、社会や周りの人の役に立つよう無理のない範囲で「小さな仕事」をする人が、現役時代より幸せに働く姿が見えてくる。 もちろん、収入は減る。しかし、支出も減少し、ある時点からは年金収入もある中で、無理して多く稼ぐ必要がない。そんな先人の姿を見ているうちに、不安が安心に変わっていく。 労働人口が減少していく日本社会で、消費者優位の社会から、働き手に優しい社会へと変わっていく必要があると著者はいう。「働き手による無理のない仕事と豊かな消費生活をどう両立させるかを考えていかなければならない」という著者の指摘は重要である。
0投稿日: 2022.09.12
powered by ブクログ定年後、豊かで自由に生きるにはどうすれば良いのか。 データと事例から見えてきたのは、「小さな仕事」に従事する人が増え、多くの人が仕事に満足しているという「幸せな定年後の生活」でした。 必要な年収はいくらか、本当に稼ぐべきは月にいくらか。 70代男性の就業率は45%、80代就業者の約9割が自宅近くで働いています。 知られざる定年後の仕事の実態、日本の経済の歪みを明らかにし、日本社会を救うのは、「小さな仕事」だと結論付けます。 実際に、定年前の仕事において、大きな仕事をうまく乗り越えたときの達成感を口にする声も多くあった。しかし、定年後の就業者の話を聞いていると、定年後においてはもはや人間関係に大きなストレスが伴う仕事の仕方を、人は望んでいないのではないかと感じるのである。 一方で、定年後に幸せに働き続けている人は、利害関係のない人たちとのつながりを持っていた。さらに、それはいつ解消しても構わないような緩やかなつながりであった。 ー 211ページ
0投稿日: 2022.09.07
powered by ブクログ定年後、多くの人(半数程度)の人が70近くまで働いていて、その多くが、収入は少ないものの、労働時間も短く、それに満足していることを示した本。また、高年齢になれば、誰でも働き方を変えざるを得ないわけだが、それに伴う精神的なショックは、定年時ではなく、その前の役職定年の時の方が大きいことについても言及している。 精神面でも、肉体的な面からいっても、働き続けることが大事なのだなと思った。
0投稿日: 2022.08.30
