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なでし子物語
なでし子物語
伊吹有喜、関美穂子/ポプラ社
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総合評価

53件)
4.4
24
20
6
0
0
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    耀子の祖父の抱える亡くした家族への想いと、傷ついてきた耀子を理解して労わる姿に号泣。 耀子が祖父と家庭教師の青井、理解ある大人と出会えてよかった。 視野が狭くて気付けずに苦しむことがたくさんあるけど、たくさんの繋がれる手を得ることで子どもは逞しく成長できるんだなと暖かい気持ちになった。 青井が教える魔法の言葉、 「どうして」と自分を責めるのではなく、「どうしたら」と前に進もうとする、が素敵。 一方、照子と立海の心情はよくわかったけど、具体的な成長はよくわからず、続編があるみたいなのでこれからなのかな?

    34
    投稿日: 2025.09.10
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    自立、顔を上げて生きること 自律、美しく生きること 紙に貼り出して部屋に飾りたいくらい名言。 お家のこととか、それぞれの話辛いのも多かったけど、最後、明るく踏み出そう!で終わってるのがすごくよかったし、子供達が純粋で癒される。 やらまいか、か。

    0
    投稿日: 2025.06.23
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    伊吹さんの彼方の友へ という小説が素敵だったので この小説を手に取りました。 小説に登場する 小学生2人がなんとも頼りなく 弱く そして予想に反して強く 子どもって たくさんの困難な事を全部受け止めて それを 一生懸命 なんとかしようと考える存在なんだなと 子供特有のもどかしさと でも最後は清々しい気持ちで読みました。  続編もあるので 登場人物がどんな風に成長しているのか 楽しみです。

    8
    投稿日: 2025.02.07
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    伊吹有喜さんの作品は今回で5作品目 『なでし子物語』 読み始めはあまりにも独特の世界観に驚いた。 日本の少し昔の旧家独特の掟や縛りが、幼い主人公達を翻弄するお話。 これは高度経済成長の末期頃のお話なのかな。 不思議と強く魅せられていく作品で、丁寧に味わいながら一頁ずつじっくりと読み進めた。 この独特で繊細な世界観の素晴らしさを前にすると、薄っぺらな感想になってしまいそうで、正直な所、今までで一番レビューが難しい作品だった。 魅力的な登場人物一人一人の描写に心を震わされ、伊吹さんが本作を通じて伝えようとされる想いに心を馳せて、幸せな気持ちになった。 特に立海の家庭教師である青井先生が説いた「自立と自律」。主人公の燿子の教育を自ら引き受け、彼女の生きる道に希望の光を与える存在で凛とした美しさを感じた。 また、主人公の幼き2人と対照的な「おあんさん」こと照子の存在が、より一層物語を趣き深いものにしていて、歳を重ねたからこそ共感出来る点が多かった。 そしてこのシリーズがまだ他にもあるという幸せ♪ 伊吹有喜さん素敵な作品をありがとうございます。 読むきっかけとなったブクログの皆さまにも感謝!

    44
    投稿日: 2025.01.19
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    どんぐりさんの投稿を見て読みたくなった作品。 なでしこシリーズの第1弾♪ ⁡ 好きな予感がする!と思って手にしたけれど、やっぱり予感的中、どっぷりハマってしまった。 あ〜これしみじみ良かったな〜(´ー`*) ⁡ 父を亡くし、母にも捨てられ、いつもいじめられてばかりだった小4の耀子。 遠藤家の御曹司という重圧に苦しむ、とても病弱な小1の立海。 そんな2人が、静岡県の天竜川上流にある、遠藤家の別邸「常夏荘」で巡り合う。 ⁡ 勝手に昭和初期のイメージを持って読んでたけど、どうやらもっと最近で50年くらい前の設定のお話だったみたい。 山奥の自然豊かな場所、ちょっぴり厳しくもあたたかい周りの人達、そして何よりもぼくとつとしているけど、優しく頼もしいおじいちゃん。 どんぐりさんが言われてたけど、ほんとちょっと"ハイジ"の世界じゃないか〜!笑 ⁡ 友達もできず、学校にも行けず、いつも「どうして自分ばっかり、、」という思いを抱えて生きてきた2人に、初めて友達という存在が出来た。 お互いを"ヨウヨ"と"リュウカくん"と呼び合う2人が、少しずつ気持ちを前向きに、成長していく姿がとても愛しかった。 青井先生の存在は偉大だったな〜! 特にヨウヨにとっては。 自分の事を認めてもらえる人がいるって、こんなにも力になるんだな。 ⁡ 「どうして」と自分を責めない。「どうしたら」と前に進もうとする。 ネガティブ思考の私にもめっちゃ刺さりました笑 ⁡ シリーズ4作あるみたいなので、ゆっくりヨウヨとリュウカくんの人生見守っていきたいな〜♡ ⁡

    90
    投稿日: 2024.12.30
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    私とほとんど同じ世代のお話だったが もっと古い時代に感じた 昔って こういう使用人、お手伝いさんって 普通にいたよなぁ 私の家のお隣もお手伝いさんがいて 子ども3人は私立学校に通っていた 奥さんはいつもお化粧して 綺麗な服を着ていたけど 子どもの私にも 全く偉ぶるところがなくて 普通に接することができたことを 懐かしく思い出した ぞれぞれの色々な立場の人がいて みんな悩みがある 失敗して躓いたり 誰かの手を借りたりしながら 前を向いて生きていく みんな違うけど みんな同じだよ って背中を押してくれる作品だった

    6
    投稿日: 2024.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    間宮耀子 龍一郎の秘書をしていた間宮裕一の娘。母が出て行き、父のふるさと峰生に預けられる。 耀子の母 男と一緒に逃げた。 遠藤照子 家の跡継ぎだった夫、龍一郎を亡くした。 龍一郎 病弱で三十七歳で亡くなる。 遠藤龍巳 遠藤家の本家の当主。親父様。若い愛人との間に次男・立海をもうけた。 龍治 照子の息子。大学生。 間宮裕一 浜松の進学校に学び、遠藤家の援助を受けて一橋大学に進学した。卒業後は遠藤家の地所を管理する会社に入り、龍一郎の秘書の一人だった。龍一郎亡き後に会社を辞め、その数年後に亡くなった。 立海 龍一郎と同様に病弱。 間宮勇吉 遠藤家の山の管理をしていた耀子の祖父。 青井宇明子 立海の家庭教師。 佐々木鶴子 使用人。六十過ぎ。 佐々木信吾 鶴子の息子。一緒に長屋に暮らしている。運転手。 千恵 二十六歳。コック。 六田公一 体格のいい男子。 遠藤由香里 一学年上の女子。立海の親戚。 公介 公一の一つ下の弟。 小夜 立海の母。美和。 聡子 由香里の母。 ハナ 立海のシッター。 辰美 上屋敷の遠藤家の息子。 沙也香 上屋敷の遠藤家の娘。 天香 公一の妹。 公一の母 オッカン。奥峰生の診療所で看護婦をしている。 公一の父 オットん。大男。 大宮 龍巳の若い秘書。 絹江 耀子の祖母。

    0
    投稿日: 2024.11.08
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    伊吹有喜さんの作品はどれも大好きだけど、なでし子物語は その中でもだんとつ、大好きな本になりました。 ストーリーはいじめられっこの耀子と生い立ちゆえの重圧といじめに苦しむ立海それに、過去の思い出の中に生きている照子、三人が出会って少しずつ強く前向きになっていくお話です。 魅力は、なんといっても 本当にみんな可愛いくて愛らしく 周りの人達も温かで、素敵な人ばかりだということです。優しい気持ちになれます。 後半は、その暖かさで、優しさで 何度も涙が出ました。 それから 家庭教師の青井先生の言葉も素敵でした。 耀子ちゃんに託した言葉で 自立 顔をあげて生きること 自律 美しく生きること というのがあります。 すごく 素敵な言葉だと思います。 私自身も励まされるような 前向きになれるそんなお話でした。 続きがあると言うことで… 楽しみだなぁ。

    34
    投稿日: 2024.11.05
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    静岡の奥、名家で坊っちゃんとして育てられる病弱な男の子。親に捨てられ従業員の孫として名家の近くで暮らす、いじめられている女の子。二人の出会い、成長を描く。 「常夏荘物語」がシリーズ4作目だと知って、1作目から読んだ。華やかではないが、じわじわと深々と染みる話。こういう物語を堪能できるだけ自分が成長できたかと思う。次作が楽しみ。

    1
    投稿日: 2024.09.30
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    〈ぼくはときどきユゲになるのよ。ここにいるんだけど、いない。〉 まるで、世間から取り残された様な撫子の咲く常夏荘。 そこに住む人々の佇まいにいつしか引き込まれる。 これは、2013年に単行本で読んだ時の感想。 『常夏荘物語』を読み終え シリーズ一作目の内容をすっかり忘れてしまっていたので再読。 立海と耀子の出会い。 おあんさんと呼ばれると照子の過去。 自立し、かおを上げ 自律し、うつくしく生きる(生きた)人たち。 ここに全て書かれていた。 立海の可愛らしさ。 『常夏荘物語』では立派な男性になられて。 シリーズを順番に読まなくても 十分に楽しめる作品。 次は『天の花』『地の星』を読もうか。

    1
    投稿日: 2024.09.11
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    少し前の時代背景で、それぞれに不遇な人物たちが生活をしている常夏荘。最初は掴みどころがなく読み進めたが、照子の新婚時代の龍一郎との回想あたりから輪郭が見えてきた。だんだんと前向きな気持ちになっていくリュウカとヨウヨの続きを知りたいと思った。

    1
    投稿日: 2024.05.25
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    めっちゃ良かった! 続きが読めるなんて幸せ! リュウカくん可愛いし、ヨウヨもこれからどんな大人になっていくのか楽しみ。

    8
    投稿日: 2024.02.08
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    『雲を紡ぐ』が面白かったので、続いてこの作品も。これも面白かった。全5巻なのでしばらく読む本には困らなそうだけど、他のことに費やす時間が足りなくなりそう。

    1
    投稿日: 2024.01.19
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    照子の亡き夫との新婚旅行の回想シーンでは、涙が止まりませんでした。 セミの夫と呼ばれ、長くは生きられぬ身体の夫に 「夏しか生きられぬセミならば、私が永遠の夏を差し上げます。花は撫子、常夏の花。いつまでも仲睦まじく、千歳、百歳、あなたの隣で咲き続ける」 そう告げる照子。 とても強くて美しい人だなぁと思いました。

    13
    投稿日: 2023.11.20
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    このシリーズ大好きです。 みんな何かあって、泣ける、けど、心が温まる。みんなを応援したくなる。 ヨウヨと立海が好きだけど、次巻読むと龍治も好きになんのよなー、

    5
    投稿日: 2023.08.01
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    少し前に読んだ「雲を紡ぐ」の解説の中で、北上次郎氏が作者の作品でいちばん気になっていることとして「なでし子物語」に触れて『読みごたえ抜群の書だ』としてあったので、読んでみたいと思っていた。 最初は少しつかみどころのないお話に思えたが、ゆっくりと山間の里、峰生の、常夏荘での、耀子と立海の物語に惹き込まれた。 父を亡くし母には置き去りにされ祖父が仕える屋敷に引き取られた少女・耀子。庶子である生い立ちや病弱な体に苦しむ少年・立海。 互いに仲良しになりたいがそれぞれが持つコンプレックスや育ちの違いもあって接し方が分からず、だけどもおずおずと少しずつ距離を縮めていく様が好ましい。 「リウのひみつ」に書かれた子どもの遊びや六田家でのクリスマスパーティーなど時代を感じさせるほのぼのとしたエピソードと、大人の事情が生み出す理不尽で苛烈な出来事や過去の経緯が交互に語られていく構成が絶妙。 その中で子どもたちの心の持ちようや考え方の成長が感じられ、加えて耀子と常夏荘の女主人・照子の目線でこれまた交互に語られることで、親の立場・子の立場、それぞれの視点で受け止めることも出来る。 夫を亡くし、息子とも心が通わず、過去の思い出の中だけに生きる照子だが、立海の中に夫や息子の面影を見る彼女を通して女親の葛藤もよく描かれており、新婚旅行の逸話は女盛りだった頃の彼女を思わせて味わい深く、亡き夫がその時聞かせたという「星の娘っこ」の話が、これもまた綺麗。 立海の家庭教師の青井の、二人の子どもを子ども扱いをせず、その個性と人格を尊重してひとりの人間として接し、ひとつひとつ言い聞かせていく姿にも好感。不遇を乗り越えて来た彼女の凛とした言葉はフレーズにしっかりと留めておこう。 冒頭の解説はこう続く。『3作で十分に堪能できる。しかし個人的な願望にすぎないのだが、このシリーズをあと2作、書いてほしいとずっと熱望していた。…第四部は年内には刊行される予定というから愉しみだ。…まだその第四部を読んでもいないのに気が早いことだが、出来れば第五部も書いてほしい。そのときまで元気でいたい。それがただいまの私の目標である』 北上さん、あなたが続きを読めないのが残念です。そして、これからあなたの文章を読めないのが寂しいです。

    47
    投稿日: 2023.05.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最近とても好きな伊吹有喜さんの本。 立海と耀子の2人の子供たちが本当に可愛い。色々辛い環境だが、お互いにいい影響を与えあってかけがえの無い存在になってゆく。この2人がこれから共に幸せになってくれることを願ってしまう。 立海の家庭教師の青井先生がとても良い。自信の無い耀子に対して前向きに生きることを教えてくれる。 「どうして、と思ったら、どうしたら、と言い換えてみる」...私も実践してみようと思う。 あと龍一郎が、自分に自信の無い照子に「美しい靴は美しい場所に連れていってくれる」と言って綺麗な靴を送る所が、本当に素敵だった。そりゃ照子も忘れられなくなるよね。

    5
    投稿日: 2023.03.19
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    Na図書館本 面白かった〜 いじめにあってる耀子と、体の弱いおぼっちゃまくんの立海、二人を包むような存在の照子、青井たち。照子の亡き夫龍一郎のエピソードが素敵。 そして峰生みねおの常夏荘。静岡県、天竜川の奥深いところ。その風景のなか、子どもたちの愛らしい日々と成長が、目に浮かんでくる。 やらまいか。明日の自分のために、私もそう呟く。

    16
    投稿日: 2023.02.09
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    時代背景が昔っぽいけど、意外と 自分世代のようで…。不思議な感じの地域感。 いわゆる立場の違う二人の子供が互いを必要とし、強く生きて行こうとする。 続きが知りたい。

    3
    投稿日: 2023.02.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2023年初の読了。 伊吹さんの文はなぜこんなにも琴線に触れるのか...。 耀子と立海のお互いへの想いと絶望。 勇吉のぶっきらぼうの中に隠された優しさ。 青井の言葉。 龍一郎に対する照子の深い愛情。 二つの撫子の刺繍。 涙なしでは読めなかった。 ✽✽✽ 「自立、顔を上げて生きること。 自律、美しく生きること、新しい自分をつくること。」 「どうして、って思いそうになったら、どうしたらって言い換えるの」

    3
    投稿日: 2023.01.07
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    感動しました。 ひと昔前の文学作品の趣でした。手元に残しておきたい素晴らしい物語です。自立と自律。娘が通っていた女子校の校訓です。 この作家さん、今まで読んだ本すべてが星5つです。 続編はどちらから読もうかな?

    5
    投稿日: 2022.03.20
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    立海くんのおしゃべりがかわいくて、かわいくて、何度も読み返してしまいました。 おあんさんの関西弁もすてきで、出てくる人たちの会話に引き込まれました。 小さい頃私もこんなふうに悩んだり考えたりしていたな。と思い出させてくれる作品でした。 ミステリーや犯罪物も面白いけど、こういうの沢山読むべきと思った。

    3
    投稿日: 2022.03.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人は大切にされないことで心が荒み愛されることで回復するということに改めて気づかされた。 物語が途中で終わった感があるが、続きがあるのだろうだろうか?

    1
    投稿日: 2022.02.11
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    「どうして、って思いそうになったら、どうしたら、って言い換えるの」「『どうして』グズなの?この質問に答えは出ない。だけど『どうしたら』グズではなくなるの?この質問には考えれば答えがでる。 答えが浮かばなかったら誰かに相談してもいい」 自立、かおをあげていきること。 自律、うつくしくいきること。 やらまいか。 あたらしいじぶんを、つくるんだ。 これは、父親を早くに亡くし、母親が男を作っていなくなってしまったことで、常夏荘に連れてこられた、燿子に、立海の家庭教師・青井がかける言葉だが、いい大人の私にも十分に響く言葉だった。 それと同時に、子供にかける言葉は本当に大切で、安易に悪い言葉を使ってはいけない、と改めて思った。自分をグズだなんて、嫌われる子だなんて、思わせてはいけない。悲しいときに大声で泣けない子にしちゃいけない。

    5
    投稿日: 2021.06.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    評判のよい作品なのはわかっていましたが、長く積ん読していて、ようやく読めました。 たくさんの方に読んでほしいと思う反面、あまり広まってほしくないような、世間の垢に触れず大切に大切にしてほしいようなお話でした。 愛を与え合う、愛を育むことは、本当に本当に大切で、だれかに大切に扱われたことは、その後のその人の人生にどんなに強く影響することか。それは、子どもでも、大人でも同じです。 ヨウヨとリュウカ、ずっとずっとこのままがいいです。ようやく子どもでいられるようになった2人なのに、もっとゆっくり子どもの時間を過ごしてほしかった。そうさせてあげたかったです。 続編が2冊出ていますが、私はこのお話だけでいいかな。気になりますが、読めないです。

    4
    投稿日: 2021.06.14
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    未読のまま続編を先に、いつか読む日がいまだった 中途半端な救いじゃないこと、そして自立と自律に 燿子だけじゃなく、照子に、そうやって巡る気持ち では、謹んで続編の再読と

    1
    投稿日: 2021.06.14
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    あなたは嫌なことがあった時、どのような対処法を持っているでしょうか? 生きていれば良いことも悪いこともあります。それらが半々なんて思えない、自分にはどうして悪いことばかり起こるのだろうか…そんな風に落ち込んでいく時ほど辛い時はありません。”理不尽なことで上司に叱られた”、”子どもがいつまでも泣き止まない”、そして”漠然と、この世から消えてしまいたいと感じる”、辛い瞬間というのは誰にでもあるものです。そんな時、あなたならどうやってその状況に対処するでしょうか?”家族や友人に愚痴を聞いてもらう”、”趣味に没頭する”、そして”やけ食いする”、誰にでも何かしら、そんな辛い思いから抜け出す方法を持っていると思います。そういったものがなければ、この世を生き抜いていくこと自体難しいとも思います。そんな風に考えると、この世を生きていくのは本当に大変なことだと思います。 さて、ここに、辛いことがあった時に次のように対処するという一人の小学四年生の女の子がいます。 『いやなことをされたり言われたりしたら、目を閉じてうつむくことにしている』 その女の子は『学校でグズとからかわれ』たり、『先生に当てられて答えられなくても』、『目を閉じてしまえばいい』と考えます。『頭のなかで時折カラカラと音がして、それが気になると相手の言葉が頭に入ってこない』という女の子。この物語は、そんな女の子が『でも、うつむかない。もう、うずくまらない』と確かな歩みを取り戻していく瞬間を見る物語です。 『泣いていたらいつも抱き上げられ、背中を撫でてもらえた。とてもあたたかい、大きな手だ』、『手を広げてその人の首に抱きつくといい匂いがした』と記憶を辿るのは主人公の間宮燿子。そんな燿子は『あれはおとうさんかな』、『神様かもしれない』とも思うものの『二人とも同じ空の上の人だ』と現実を認識します。『目を閉じれば、いつだって背中を撫でてくれた手を思い出す』こともあって『つらくなると目を閉じる』という燿子。『学校でグズとからかわれた』り、『仕事から帰ってきたおかあさんが泣いても』、『目を閉じてうつむくこと』で、『そうしていればやがて終わる』と考えます。そんな母親が先月の初めから帰ってこなくなりました。『これまでにも何度かあったので、一人で母を待った』という燿子。『風呂をわかしているときに眠ってしまい、気が付いたら部屋中に煙が立ちこめ』気を失った燿子。『目覚めたら病院にいて、大人にいろいろ聞かれ』、『それからしばらく施設というところに』滞在した後、『よく知らない』『おじさんの家に連れていかれた』というそれから。そして『今朝、その人ともう一人の男に連れられ』、『新横浜という駅から新幹線に乗り、降りたあと車でずいぶん走』った山の中へと連れて行かれ、『どこかに捨てられるみたいだ』と燿子は感じます。車から下ろされた瞬間『大きな門が目の前にそびえて』いるのを見て息を呑んだ燿子。『待っているようにと言って、二人はどこかに消えた』と一人になった燿子は『笹飾りのトンネルの向こうに小さな子どもが立ってい』るのを目にします。『背丈は燿子の肩ぐらい、幼稚園児ぐらいに見える』という子ども。後を追うと『緑の木立のなかに』あるお堂のような建物に入った子どもを『おそるおそる、あとを追う』燿子は、その子を『小さな神様』だと思います。『ゆっくりと神様が振り返』るのを見て『やっぱり…人じゃない』と思った瞬間、『神様が手にしたピンク色の花を唇に押し当ててき』ました。『お菓子?お菓子の花だ…』と思う燿子が『顔を上げると、小さな神様がお菓子の花を食べながら笑っていた』という光景。そして次の瞬間『白髪の老人に抱き上げられていた』という展開。『どこかの織姫様のお供だろ、お嬢ちゃんは。お母様はどこに行った?』と訊く老人に、横から背の高い女性が耳打ちします。抱き抱えられたままお堂を出た燿子が『屋根瓦の星の印』を指し『星だらけ…空の…上みたい』と言うと『これは花だよ。この家の紋、撫子だ』と笑いながら言う老人。『ここは峰生の常夏荘。静岡県は天竜川の奥深き場所。よう帰ってきたな、お嬢ちゃん』と続ける老人は『間宮のお嬢ちゃん。ここがお父さんのふるさと、天竜の源、峰生だよ』と言いました。『あたりを見回す』燿子。そんな燿子の峰生での新しい生活が描かれていきます。 『お堂に消えた子ども。背中に流れ星を付けたその姿は小さな神様のようだ』といった、まるでファンタジーを思わせるかのような〈プロローグ〉に引き続いて展開するのは昭和五十五年の静岡県の山奥にある峰生という地を舞台とする物語。第一話に入って一気にファンタジー感は消え去りますが、そこに描かれる世界は『この撫子を紋にする遠藤の一族は、江戸の昔から山林業と養蚕業でも栄えてきた』という現代ではイメージが難しくなった昔ながらの山村の慣習が色濃く残る世界でした。『代々、得た富を峰生の里の発展に惜しみなくそそいだことから、いつ頃からかこの集落の人々は遠藤の本家の当主のことを「親父様」、その内向きを取り仕切る女主人を「おあんさん」と呼んでいる』というなんとも時代を感じさせる設定。その中に描かれる物語は今の時代にあっては新鮮ささえ感じさせるほど独特な魅力に溢れています。そんな物語の舞台となるのが、かつて山城があった地に『八年の歳月をかけて造られた豪壮な建物群』が『撫子の別名にちなんで』名付けられたという『常夏荘』でした。『使用人が住む長屋、多くの蔵などが建ち並び、明治の昔は四十人近い人間が暮らしていた』とかつての栄華が思い起こされる『常夏荘』。しかし、この物語で描かれる『常夏荘』は、『今はほとんどが閉めきられ、使っているのはほんの一部だけ』と寂しい状況が説明されます。現代であっても山村に赴くと、かつての栄華を思い起こされるような建物を目にすることがあります。場合によっては重要文化財に指定されるなど、その栄華が今後も語り継がれていくだろう建物もあります。そんな『常夏荘』を今も所有し、使用人も抱える遠藤家には、名家ならではの悩み事がありました。それが『栄えているが、跡継ぎに恵まれない』というその悩み。この悩みが、名家の安定した維持を難しくしていく中で、この物語の舞台設定が形作られていきます。 この作品は〈プロローグ〉と〈エピローグ〉に挟まれた十章の物語から構成されています。その物語は、遠藤家の『おあんさん』と呼ばれる照子と、使用人である間宮勇吉の孫娘である燿子という二人の視点を交互に切り替えながら進んでいきます。複数の人物に視点を切り替えながら進む物語は多々ありますが、峰生のお屋敷を取り仕切る役割の照子と、使用人の小学生の孫というあまりに対照的な立場の二人の視点を交互に切り替えるというのは珍しいと思います。しかし、読み進めれば進めるほどにこの二人を選んだ人選の絶妙さに魅せられていきます。それは二人の立場が極端に異なるからこそ見ることのできる、知ることのできる世界がそこにあるからです。そんな孫の燿子は、父親を早くに亡くし『学校の授業がまるでわからない、頭のなかで時折カラカラと音がして、それが気になると相手の言葉が頭に入ってこない』という中、『何をしても他の子より遅れてしまう』という状況にありました。さらに、そんな燿子を見て『頭のねじが取れてるんだ』と言った母親は男を作って出て行ってしまいます。そして祖父の家で暮らすようになったものの『丸一ヶ月たった十月になっても、クラスの誰も名前を呼んでくれない』という学校生活。『授業がここでもよくわからず、そして最後は給食の食べ方が汚いと言われ』苦しむ燿子は『目を閉じよう。目を閉じればすべてがおわる。目さえ閉じれば、みんながあきらめて放っておいてくれる』と思い、その辛い状況に対処していきます。幼い頃から辛いことがあるとずっと『目を閉じる』ことで凌いできた燿子。人は辛いことがあった時、どう対処するか、その方法をそれぞれに持っていると思います。そのどれが正しい、間違っているということは一概には言い切れないと思います。そのやり方で辛いことから逃れられるなら対処法として間違ってはいないのだと思います。しかし、状況が変わらないことを見て見ないふりをして、ただただ『目を閉じる』ということでやり過ごそうとするのは、単に逃げていることと同じです。それでは、何も前に進みません。そんな燿子にようやく『今の、じょうきょうを変えたい』という気づきの瞬間が訪れます。『グズじゃない。変わるー。変われる、のだろうか』というその瞬間。そして、伊吹さんは、とっておきの『魔法の言葉』を家庭教師の青井の言葉を借りて燿子に語りかけます。 『どうして、って思いそうになったら、どうしたらって言い換えるの』 確かに『「どうして」嫌われるの?』と言ってしまうとそれは自分自身を責める内向きの言葉となってしまいます。しかし、『「どうしたら」嫌われなくなるの?』という言い方にするだけで、その言葉は外へと向いていきます。『「どうして」と自分を責めない。「どうしたら」と前に進もうとする』というその考え方の違い。何かにつけて臆してしまい、勉強も苦手だった燿子。そんな燿子の心の中にスッと入っていった『魔法の言葉』の説得力こそが、文庫455ページの長編の中で苦しみ続けた燿子の未来に光を見せてくれるものでした。『どうして』と『どうしたら』。たった二文字の違いですがそこには大きな差があると思います。燿子だけでなく、読者にもとても大切なプレゼントとなる言葉だと思いました。 独特な世界観の中に描かれる物語は、主人公・燿子が苦しみながらも健気に生きていく姿を見るものでした。『つらくなると目を閉じる』という燿子。『どうしていつも、自分だけ残されてしまうのだろう。消えるなら一緒に消えたい。透明になりたい』とさえ思う燿子。そんな燿子が『どうして、どうしてって嘆き続ける人生より、どうしたら、どうしたらって、必死でもがいて戦う人生が私はいい』と顔を上げる物語。それは、伊吹さんが、ゆっくりと、じっくりと、そして丁寧に生きていくことの大切さを私たちに伝えてくれるものなのだと思いました。 とても優しく、丁寧に、そして心の機微を感じさせてくれる物語。急いで読むと、その柔らかい世界が一瞬にして崩れ落ちてしまいそうな繊細さにあふれた物語。独特な世界観と共に、魅力あふれる登場人物の描写が強く印象に残った作品でした。

    76
    投稿日: 2021.04.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    子どもたちの成長から勇気をもらえ、わたしも頑張ろうと思えた作品だった。 なにより、先生の存在が好きになった。 ・自分で自分のことをいじめない。怪我をしても黙って治して自分を支えてくれる身体は自分のことが大好きだ。自信をもつこと。 ・「どうして」と嘆くのではなく、「どうしたら」に置き換えてもがいていくこと。この置き換えは自分の中になかった。わたしも意識しようと思った。 ここではあげきれないほど先生からわたしも学んだ。 出会えてよかったとじんわり思える一冊でした。

    1
    投稿日: 2021.02.04
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    「良かったなぁ」しみじみとそう思える作品。 登場人物3人がそれぞれ自分だけの重荷を抱え周囲の人と関わりながら、少しずつ、静かに前に進んでいく。 読み進める程にどんどん物語に引きこまれていきました。 自分のことをグズでバカで何も出来ないと思い込んでいた不登校の耀子。でも決してグズじゃない。丁寧で言葉にするのに時間がかかるだけ。 青井先生の言葉が優しく心に沁みる。 そんなふうに受けとめて、言葉にするまで待ってあげられる大人が、今いったいどれだけいるだろう。 耀子が青井先生と出会えて本当に良かった。立海と耀子も出会えて良かった。 とても温かい物語。また読み返したい一冊です♪

    1
    投稿日: 2021.01.09
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    8月-20。4.0点。 田舎の名家、使用人の孫娘(母親が逃げ、学校でもいじめられていた)、跡取り(身体弱い)、跡取りの兄嫁(兄は死亡、屋敷の管理)の三人の物語。出会い、別れ、成長が詰まった、やさしい物語。 心に残る、いいお話。跡取り専属の家庭教師がとてもいい味を出していた。

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    投稿日: 2020.08.24
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    一歩足を踏み出す勇気をもらいました。 社会人1年目で、本当ならば研修とかがある中コロナの影響で全て中止。焦ってた自分を、おあんさんや青井先生、おじいちゃん、峰生の人たちが優しく包み込んでくれました。 さあさあみんな、やらまいか。

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    投稿日: 2020.04.22
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    大人の事情に翻弄されるふたりの子供たち。 ふたりのささやかな幸せがかなったと思うと、その矢先にくしゅっと大人の手でそれを潰されるようなシーンが何度もあり、その度に、切なく苦しい気持ちにされられます。 適度な距離感でふたりを見守るおあんさんこと照子と立海の教育係青井の存在が救い。 でもそのふたりの力も、さらに大きな力には及ばない。 可愛らしく微笑ましい子供たちの姿が愛おしく、だからこそ切ない。 自立と自律、前を向いて歩き始めた耀子の成長とその後を知るために、今回はこのままシリーズを続けて読む予定です。

    6
    投稿日: 2020.04.17
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    父を亡くし、母に置き去りにされた少女。 耀子が祖父のもとに引き取られた。 そこの女主人、照子も夫に先立たれ一人息子とは疎遠になっている。 そして舅が他の女性との間にもうけた息子、立海。3人が同じ屋敷内に暮らすことで生まれる救い。

    1
    投稿日: 2020.04.12
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    普段読んでいるジャンルと違うが、読み進めるうちに、この世界に引き込まれた。 秘伝の書『リウのひみつ』、青井先生の教え『自立と自律』。小さな美しい石が散りばめられた物語だと思う。

    4
    投稿日: 2019.08.14
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    自立と自律。もっと子供向けのお話かと思ったけど、大人が読んでも十分満足できる、読み応えのある本でした。 個人的には家庭教師の青井さんがすごく好きだったなー。 粘り強く教育していく姿に、震えました。 主人公の曜子、おあいさんと呼ばれている照子さん、千恵さん、そして立海のお母さん小夜。いろんな背景を抱えた女性たちが出てくるけど、やっぱり女は強い。 青井さんも、もちろん女性。 みんな、最初から強かったわけではなく、壁を乗り越えてきた感がかっこよかった。 親が近くにいなくても、その自身の身体が親からのプレゼントであり、繋がれてきたものなんだよ、という祖父からの言葉。あったかくて素敵でした。 曜子と立海が、これからどうなっていくのか。続編があるみたいなので、必ず読みたい❤︎

    4
    投稿日: 2019.08.02
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    将来子どもが出来たらもう一度読み返したい。そして、子どもにも読んでほしい。 親の愛情を受けられず、学校ではいじめられ、どこにも居場所が無かった子ども達の物語。 これ、続編もあるんだね。読みたい。

    3
    投稿日: 2019.07.16
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    キラキラと優しく切なくとても素敵な本です。けっぱれ、がまだせ、やらまいか。自立と自律。心に残るキーワード。どんな小さな子でもみんな悩んで考えて。でもどんなに考えても誰からも何も応えてもらえなかったときは心を凍らすしかないと一人で抱えて。泣けてきました。

    3
    投稿日: 2019.03.16
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    味わい深かった。結構ページ数はあるけれど、一気に読んだ。 主人公の一人である耀子は、私と同じ時代を生きている。だから余計に引き込まれるのかもしれない。ままならぬ時代と運命を懸命に生きる女性たちの姿が清々しい。 青井先生が特に好き。2018.8.12

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    投稿日: 2018.08.12
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    一時帰国の際、大阪で買ってきた本は8冊。 これが最後の1冊(涙) 伊吹有喜さんは大好きな作家さんの一人。 この『なでし子物語』は読みたいと思っていた一冊。 書店で「ポプラ文庫」の棚を探したけれど、見つからず。 店内のパソコンで検索すると在庫は3冊ある。 場所を確認すると、先ほど私が探した棚。 カウンターで尋ねてみると、文庫担当の人に電話連絡してくれた。 カウンター横で待つことに。 が… かなり待っても書店員さんがやって来ない。 その後、友人と待ち合わせだったので、カウンターの方に「また来ます」と伝え、売り場を離れた。 ちょっと歩いたところで、「お客様~!」と後ろから大きな声が。 私のこと?と思って振り返ると、女性の書店員さんが走って追いかけてきた。 「お探しの本がありました!」 書店員さんの手には一冊の文庫本。 「フェアの最中で、違う場所に陳列していました」と。 手渡された本を見ると…、フェア用のカバーがかけられていた。 これは、わからないわ! 書店員さんが追いかけてきてくれたおかげで、手に入れることができた『なでし子物語』 書店では書店員さんたちは、本の陳列方法、フェア等々、様々な努力をされている。 今回は、出版社主導のフェア。 このカバーがかけられていたら、見逃してしまう。 書店員さんも探すのに時間がかかったわけだ。 それでも、私一人のために、探し回ってくれ、書店の外まで追いかけて来てくれた。 感謝、感謝だ! 父を亡くし、母の愛情を受けずに育った燿子を引き取ってくれたのは祖父だった。 祖父と暮らし始めた燿子は、裕福な家庭に生まれながらも自分の居場所がみつけられない立海と出会う。 幼い日、二人はお互いを思いやり、お互いを支えに生きていくのだが… 伊吹さんの本と出合ったのは【風待ちのひと】だった。 2011年、タイの洪水でバンコクに居ることができず、チョンブリのホテルに避難中に読んだだっけ… 自然の前では無力で、自分では何もできない焦りの気持ちがあった頃。 ただひたすら”風を待つ” そんな時があってもいいよね… そんなふうに勇気づけられた本だった。 やっぱり伊吹さんの本は良い。 『なでし子物語』の続編も読んでみよう。

    8
    投稿日: 2018.06.27
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    日本版「秘密の花園」か、「風待ちのひと」の小学生版か。 愛情に恵まれなかった小さな2人が、豊かな自然の中で出会い、よりそい、周りの大人たちをも変えていく。 舞台は広大なお屋敷だけど、凋落の兆しが見え隠れして、これから大人になっていく御曹司の彼は、疾風怒濤に巻き込まれていくのだろう。老耄な印象もある専制君主の父親からも、どうか、周りの大人たちがうまく守ってあげてほしい、そして、どうか、健やかに育っていってほしい、と願いながら終盤を読んでいたら・・・続編があるのですね。 日系人の乳母に育てられ、ちょっぴり不思議なかわいい言葉を話す彼が、どんなふうに育っていったのか、読みたいような読みたくないような。いい音をさせてソーセージを食べたとたん、戦闘モードに入り、全力で戦うところなど、思わずにんまりしてしまっただけに。 ところどころに、ドリフのひげダンスやら、おしゃれなテレコやら、およげたいやきくんやら、時代背景が読み込まれていたのは、楽しかった。 それから、素敵な服を着て、大好きな人と過ごした一瞬は、女性にとって一生の宝物ですよね。

    2
    投稿日: 2018.04.29
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    ジュニア小説だというが、大人でも十分楽しめる。 大人の事情に左右される子供の不条理という普遍的なテーマだが、没落する地方の名家に集う人たちの情景も含めて、しっとりとした情緒が味わえる。

    1
    投稿日: 2017.12.01
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    先に返却期限の迫った「地の星」を読み始めて、 20ページほどで、 これは順番に読まないと!と思って大急ぎで購入。 アマゾンありがとう。 凄い良かった。すんばらしくよかった。 たった数ヶ月の出来事なのに、 かの地で過ごす子ども達にとっても、 周りの大人にとっても忘れられない日々であった ということがよく伝わっってきた。 いろんな言葉に励まされ、 勇気づけられた。「 「自立(自分で立つこと)と自律(美しく生きること)」 「どうしてをどうしたら」 そして「やらまいか」 いい言葉。 大人の都合で子ども達が翻弄されるけれど、 きちんと見てくれている大人もいる。 大丈夫、リュウカイもヨウヨも 青井先生も。きっと大丈夫。 話の中に、時代のわかるテレビ番組(ドリフ)や音楽(オリビア)がでてきて、 するりとその時代にいけた。 男の子なのに女の子の格好をさせられている リュウカイの話し方が可愛かった。 「俺」というのに「そうなのよ」なんて、時々出てしまうのが超可愛い。

    7
    投稿日: 2017.11.21
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    大林業家の孫に生まれ、愛情深いが専制的な祖父に振り回される少年・立海と、育児放棄にあった少女・耀子。二人は山深い屋敷で出会い。。。 少年少女の成長の物語です。 でも、これまで読んできた伊吹さんと少しイメージの違います。どこか重苦しく宿命という言葉が思い浮かびます。 しかしそんな中でも幼い二人が育てる友情は清々しく、登場時はお高く留まった感じの家庭教師の青井先生やおあんさん(照子)の二人を見る目の温かさも心地良く。

    2
    投稿日: 2017.04.11
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    子供が主人公で感傷的な作品なので、あまり好みではなかったな。 ただ、最後の方で龍一郎が新婚旅行先で語るシーンは良かったです。

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    投稿日: 2016.03.16
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    家族のことや友達のことでうまくいかない少年と少女と”おあんさん”、とりまく人々。劇的に何かが変わるのではなくて、じわじわと変わっていくお話だと思う。 2015/9/16

    0
    投稿日: 2015.09.16
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    小泉今日子さん「この物語を読みながら私は何度も涙ぐんでしまう。」 いじめに遭っている少女・耀子、居所のない思いを抱え過去の思い出の中にだけ生きている未亡人・照子、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しむ少年・立海。三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かし始める。言葉にならない祈りを掬い取る、温かく、強く、やさしい物語。

    1
    投稿日: 2015.06.05
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    子どもたち(立海と耀子)へ向けられる大人たち(照子、青井、耀子のおじいちゃん)の眼差しが何ともあたたかく、ほっとする物語。 「どうして?」ではなく、「どうしたら?」と考えて前に進むようにと青井が耀子を諭すところは、離れてしまっても境遇に負けることなく、強く生きていって欲しいという耀子への想いが伝わってじ〜んとしてしまった。 常夏荘の様子の描写も美しく、映像化されたら素敵だろうなぁと思った。

    1
    投稿日: 2015.05.07
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    途中までずいぶんことばがずっしりしていた。だんだんきれいなことが増えてきて、こんないいものあったんだな、みたいな。発見。すきです。 と、思ったら四十九日のレシピの人だったのね。懐かしい。あの本も好きだった。

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    投稿日: 2015.04.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「自立と自律」の物語 自立 自分の力で立つということ    うつむかずに顔をあげて生きるということ 自律 自らを律すること    美しく生きるということ 母親に見捨てられた7歳の少女耀子と 大金持ちの一人っきりの跡取りという重圧に 苦しむ少年立海と 過去の思い出だけに生きている未亡人照子が 出会いそれぞれ心を癒しあい、一歩踏み出す物語 耀子は母親に見捨てられて会った事もない 父方の祖父に引き取られ、祖父が働きながら 居住している常夏荘に住む事になる。 そして、同じころ東京から身体の静養をするために 常夏荘に来た子供の立海とともに遊びともに 勉強することになる。 しつけもされず、なにもしらなかった耀子が 教養を身につけ洗練され元気になっていく様子や ひとりぼっちで戦っていた立海が耀子に心を開いて 元気になっていく様子が読んでいてワクワクドキドキ して大変に心地よい。 常夏荘のおあんさんこと、照子さんも過去の 思い出の中に生きながらも二人の子供に出会って 過去から一歩踏み出すような気がする。 人は孤独でもそれでも誰かと繋がっている そしてこれから先も繋がることが出来る。 すごく希望のある、そしてガッツの湧く 素敵な物語だった。 どうして?、ではなくどうしたら?と問いかけるとか やらまいか!と自分を鼓舞する など考えさせられ元気の出る言葉がたくさん出てきた。 何度も読み返したいので 図書館で借りたけれども購入しようと思う。

    5
    投稿日: 2015.01.31
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    やらまいか、自力と自律。 どうして?、ではなくどうしたら?言葉一つで人は変われる。 全ては自分次第。 涙を止められなかった。

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    投稿日: 2015.01.24
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    居場所のない少年少女の話。 どんな環境だろうとも 人に恵まれることがなによりなんだろうな。 逃げ場とか心落ち着ける場所があるだけで どれだけ救われることか。

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    投稿日: 2015.01.11
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    自立と自律。やらまいか。燿子と立海、照子に青井先生。寂しい辛い人生も心持ち一つで前向きになれる。かおをあげてうつくしく生きて行きたい。

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    投稿日: 2015.01.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    もっと面白いウェブサイト多分あなたはそれを愛する http://newyouie.citylife-new.com/ http://kobe.areablog.jp/blog/1000101643/pc.html

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    投稿日: 2014.12.05