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娼婦の本棚
娼婦の本棚
鈴木涼美/中央公論新社
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総合評価

26件)
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    2025.11.2 読了。 AV女優もしていたという筆者のお勧め読書案内。 「少なくとも、言葉の力に頼ることなくして、やすやすと生き延びているということはあり得ない。」

    0
    投稿日: 2025.11.01
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    著者自身が普通であることを受け入れるのが困難であったことは伝わる。 しかし若い女性に向けて書いた本とのこと。現代ではどちらかといえば発達障害や境界知能など様々な問題から、普通では無い部分を受け入れることに悩む人が増えているのではと考える。 私は著者と同年代でありながら、当事者でもある為「私家版 日本語文法」の箇所で一部が気になった。

    0
    投稿日: 2025.04.13
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    思春期を迎える女子に向けて書かれた本だが、私のような中年を迎えた男性から見ても共感できるような内容もあり、興味深いものでもあった。 私は著者のような経験はしていないし、彼女と比べれば平凡で、ありきたりな人生と言えるだろう。 それでも、自分が道を外れないでここまで来れたことは、彼女と同じようにやはり運と読書があったからだと思う。 読書によって救われた人の読書経験を知ることができるというのは、これまで多くの本を読んできた人に限らず、これから本を読んでいこうとする人にとっても、有意義なものになるではないだろうか。 その意味では、男女問わず、おすすめできる本であるような気がした。

    3
    投稿日: 2025.02.25
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    色んな本の紹介。とその考察。 許せない自分と許せるようになるまで… 友達、男女、貧富、親子、欲求と理性などなど 佐野洋子「シヅコさん」 母との関係は整理してしまえるものではない。その距離も母のキャラクターも母の苦労や自分の罪悪感もこの世に1つとして同じものはなく、また自分の母を母として知っているのは娘である。自分だけだから。私は母が母じゃない人になって初めて2人で優しい会話ができるようになった。そしてある時私悪い子だったね。ごめんねと言ってから私は許された。何か人智を超えた大きな力によって許されたと言う気持ちになる。私は母を捨てたから優しい気持ちにも時々なれると。自らの経験を語る。母と娘は他人と言うにはあまりに近く、しかしどうしようもなく他人。母の肉体から出て、そのうち母の介護をするようになる。この関係は平等になどなり得ない。1度は母を捨てなくては、娘は母を嫌う自由すら意識できない。その上で母を嫌った自分を許す。女が母とはまた別の人格である自分を獲得する過程のような気がする。そこで幸運があれば間近に存在した矛盾だらけの母のことも理解しないまでも許せるのかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.01.26
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    ミッション系中高一貫校から高校受験しK大でキャバクラ嬢、パパ活、出前オンナなど経験。東大卒のバカなエリート自認が気持ち悪くなって切ろうとしたらストーカーされ、腹いせに「たった百万円で出た」AV出演歴を親にバラされたりした/大学4年マジメな学生が就活に血眼な頃、AV撮影のいとまに勧められた海外作家にドハマリして、それから濫読の時期が来た。大人になって教科書の面白さに気づくように。 サガンのデビュー作の芸達者。 37歳で果てた鈴木いずみへの共感 岡崎京子作品に思う、たいていの大人は矛盾したライフスタイル。優先事項のチェンジした世界、たとえばホストクラブ。『pink』で小学生の義妹は「お金が欲しければカラダを売ればいいのに」と本質的な言葉をいう。 岸田秀『性的唯幻論序説』「男と女が同時に満足するのは、もともと無理なのである。」 ルーキアーノス『遊女の対話』手練のホスト/ホステスは、たとえ他の異性といちゃついてるところを見られても、「きっと自分が一番だ」と思わせる…お客は欲しいものが全て手に入ることはなく、しかし通ってお金をつかうのをやめるほど一切手に入らない訳でもないという状態になり (宗教に没頭するのと似ている) 内田百閒『大貧帳』昼職と夜職の金銭感覚 佐野洋子『シズコさん』 井上ひさし『私家版 日本語文法』 斎藤美奈子『モダンガール論』現在盛り上がっている女性たちの気分を歴史的に位置付けるのに便利 鷲田清一『ちぐはぐな身体 ファッションって何?』 橋本治『桃尻娘』 エンデ『モモ』 『風の谷のナウシカ』  「ヒト♀の一般的貞淑に対しアバズレの戦略が有利たりうるが一定の割合を超えると社会が崩壊する」ことを数学的に証明した『利己的な遺伝子』を加えたい

    0
    投稿日: 2025.01.26
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    週刊SPAの冒頭で切れ味鋭すぎなコラムを書かれていた方の読書本。自分は読書家ではないのもあり大体の書籍は未知のものだったので興味を持てた。ただ紹介された本の内容よりも本と関連した著者の人生と考え方の方が面白かった。

    1
    投稿日: 2024.08.25
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    1ページ目から、ああこのひとの文体すごく好き!と思ってあとはどんどん読み進める。教養あるひとなんだなあ。素っ気ない文章に理性が滲んでてとてもいい

    1
    投稿日: 2024.06.09
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    エッセイをメインに構成されている1冊。なかなか共感できなかったが、母に対する考えをみて、仲がいいだけではないんだなと思った。性と夜に溺れそうな人に。

    6
    投稿日: 2024.05.26
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    画一的な新書の中だから尚のこと目を引く表紙と、挑発的なタイトルに惹かれ、新刊発売時、何度か手にとっては書棚に戻した一冊。この度、中古で入手・読了。前半が自身に纏わるエッセイ、後半が各書のブックガイド、っていう構成で統一されている。前半のエッセイが面白くて☆4つ、後半は総じていまひとつで☆2つ、で、平均取って☆3つ。読み物として楽しめたけど、ブックガイドとしてのピックアップはなし。

    1
    投稿日: 2024.05.13
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    この本を読んだ理由は、単純にファンである鈴木涼美さんのバックボーンがどのような本によって形成されたのか気になったから。 鈴木涼美さんの文体、語彙力、表現力が大好きで、その文章力には毎回感服させられる。 なんなら文章を浴びるためだけに読んでいる時すらある 笑。 この本では自身の体験をもとに、その当時影響を受けた本との出会いや解説などを流れるような文体と核心を突いた持論を交えながら展開されていく。 筆者も述べているように、これは社会に出てどんな道にも進めるようになる20歳までの女性が読むと大変参考になるのではないかと思う。

    4
    投稿日: 2024.01.07
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    筆者は元AV女優で、慶應卒、東大院卒、そして日経の記者という、一見異色の経歴を持つ作家さん。人と自分を比べて卑屈になるのではなく、特殊な経歴をもてはやされても決して思い上がらず、相手を尊重しつつ自分にも自信を持つ。ごく普通で何の変哲もない人生を送った人に対しても敬意を払う、そんな筆者のサッパリとしたスタンスが心地良い。 そして、語彙力の豊かさは人としての魅力に比例するものだと思う。自分だけにしか経験出来ない物事とボンヤリとした感覚や想いを、その場その場で言葉にして記録する。刹那的な快楽の瞬間も、苦しく惨めな日々も含めて、生々しい現場と感覚を鮮明に残しておく。その繰り返しにより、言葉の一つ一つが血肉となって残り、自分の人生が厚みを持ち、後々になって生きてくるのだろう。 意外にも、AV業界では読書家が沢山いるという記述が興味深い。筆者のその方々に出会い、影響を受けているわけである。心身共にハードな仕事をこなす中で、文学によって自分を保っていたとも予測できる。けれども、日本の古典名作(源氏物語はじめ平安文学)に、色恋や逢瀬シーンが多かったことを考えると、古来から感性豊かな人達がその経験を言葉で記録していたという事実に納得がいく。

    17
    投稿日: 2023.08.21
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    著者のことを乱暴に表現すると、とても拗らせている人という印象。でも、何か満たされなかったり惨めな思いをすることって、自分を客観的に見つめたり、世の中を冷静に捉えることに繋がって、大事なことなんだなと実感する。そんな拗れた思いを抱いた経験こそが人を強くするんだなと実感した。 就活において自己分析と業界・企業研究は基本だけど、人生においても同様に、自分のことと他者および世の中のことを考えるのは、いろんな矛盾や理不尽や退屈やストレスに折り合いをつけて逞しく生きていく上で大事だと思った。 そして、自分のこと、世の中のことを考えるきっかけとか材料として、やはり読書はとても効果的だと実感した。 我が娘たちに対しても、力強く生きていってほしいと願うからこそ、ときには不満を抱いたり惨めな思いをしたり悔しい気持ちになる経験もたくさん積んでいってほしいと思う。

    0
    投稿日: 2023.07.14
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    自分の性を売るお仕事をしていた鈴木涼美さんが、影響を受けた本を紹介するという内容。 鈴木さんはいわゆる才女で見た目とか喋り方のギャップもあり、面白い人だと思いますし、本書のテーマも刺激的で興味をそそるものではあります。ですが彼女の書く文章が私には難し過ぎて、目が滑りまくりでした。多分一文一文が長いからパッと理解するのが大変なのかなー。一気に読むのが難しくなってしまったので、また気が向いた時にゆっくり読んでみようと思います。お母さんとの不和話は面白かったです。 この本は若い女性(オンナノコ)に向けた本とのことですが、この本を読めるJKやJDはもうサリンジャーとかサガンもとっくの昔に読んでいるんじゃないでしょうか。

    0
    投稿日: 2023.04.21
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    普段よりもう一歩深い読書体験ができたと思っています。 この人の言葉には艶があり、私たちがなかなか言葉にできない感覚や思いを いとも涼しくさらりと述べています。

    0
    投稿日: 2023.03.30
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    彼女の発する言葉が好きで読んでみた。 やはり、好きであることは確かだが、若干こういう内容の本は一気に読むものではないことに気づく。

    1
    投稿日: 2023.03.01
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    何とも独自の経歴。大学生からキャバクラ、AVなど。傍らには本。 書評本は数多くあれど、自分の肉体と精神の乖離をここまでうまく表現する作家はそうはいない。

    1
    投稿日: 2023.02.05
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    感想文風エッセイのようなもの。あ~、わかるわかる、とそれなりの年代の女性なら思う所が多いのではないかと思う。この方の書き方なのか、一文が長い。その点は、読みやすいにくいが出るかもしれない。巷の文は短いんだな、と思えた。

    0
    投稿日: 2023.01.21
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    『娼婦の本棚』というタイトルが好き。 鈴木涼美さんは、さんざん夜遊びを繰り返す不良娘だったそうだが、その時にも傍らには本があった。 読書の習慣がある、あるいはすぐに本が手に取れる家庭環境で育ってきているというのは、やはり後々まで影響を及ぼすのだとお墨付きをもらったような気持ち。 私も、痺れる一文と出会うために今も本を読み続けている。 そうして手に入れた言葉は、ナイフやフォークのように世界を咀嚼するための道具になる。

    7
    投稿日: 2023.01.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    p30 本当は、無意味の自由こそ最も大切にするべきことだったはずなのに、大人はそれを自ら手放してしまうのです。 p41-42 伸びるよりも咲くことを選ぶある種の人々の生き様は、自分の若さがいつか必ず喪失するものであるとは信じたくない私には、潔く思えました。彼女たちを目の前にすると、昼の光の下で男と肩を並べて、無骨なまま輝こうとする女性たちはどこか愚鈍で要領が悪いような気がしたのです。 p70 そのかわり、自分がどんなに矛盾しても罪悪感に押しつぶされたり、疑問を抱いたりはしません。不条理な東京にいるのだから、個人も不条理であるに決まっているからです。 p148  昼の職にいた時に感じた、オカネについてやや不自由な気分というのは結局は比較的安全な場所にいる人というのは不運に対して許せる器量が目減りするという事実に依っているのではないかと思うのです。 p178 でも、言葉に不具合がないと思っていても、人生に感じている不具合が言葉に起因するものであれば、やはり言葉に関係しているとも考えられる。 p219 私には経験とは時間でしかないという感覚が、それこそ経験的な直感としてあるからです。 p221 空っぽな時間はそれでとても尊いものだし、空っぽな時間をふんだんに散りばめた私の若さは良質な青春だった。 官能小説を思わせるような表紙はどこか挑発的で、著者のバックグラウンドも込みで興味を惹かれ購読。楽しい読書時間でした。 著者の想定するターゲット外にいても、文章は、ある種、冷笑的、論理的と言えばいいのか、それ以上に論理主義的で清々しさすら感じます。つまりは、恐ろしいほどに客観的、俯瞰的であるし、AVや売春に対する後悔や嘲は感じられず、そこには冷徹で理知的な視点があるようにも思えました。 オトナやオンナ、オカネという単語に意味以上の意味と、視座を与え、読む人の価値観にも影響を与えるような文章。 書評、エッセイ、と一言で言えばそうなのですが、赤裸々で一般的な本の紹介文とは一線を画す。何より話の構成、導入がうまい。この人にしか書けないものを読んでいる、という感覚は心地よく、新たな気づきも多い読書時間でした。

    2
    投稿日: 2022.10.16
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    著者の鈴木涼美は、慶応大学在学中にAV女優としてデビュー。その後、東大大学院に進み、日本経済新聞社に入社して新聞記者となるという異色の経歴を持つ。2016年に亡くなった母は児童文学研究家で翻訳家の灰島かり、父の鈴木晶は翻訳家で法政大学教授、エーリッヒ・フロムの『愛するということ』の訳者でもある。 「アドレッセンスというものの中を突き進んでいく若いオンナノコたちに向けて書いた」と著者が書くように、若いオンナノコが向き合うことになる性の問題について、身体の商品化の眼差しと意識化という観点を軸として、著者ならではの言葉を重ねている。 【概要】 『娼婦の本棚』では、以下の20冊の本が紹介されている。自らの経験と意見を絡めたその文章は書評として、とても整っている。そして、著者の経験がその言葉を特異で説得力のあるものにしている。 ひとまず、それぞれの名著をネタに語られる内容を一行にして、20冊を紹介してみる。 ■ 『不思議の国のアリス』 ルイス・キャロル ・女の子だからこそ得られる意味からの自由の素晴らしさと脆さについて ■ 『”少女神” 第9号』 フランチェスカ・リア・ブロック ・青春の不安定さと見えなかったオトナの弱さについて ■ 『悲しみよこんにちは』 サガン ・聖母と娼婦の両極性と相補性。相反しながらも両立する価値と魅力について ■ 『いつだってティータイム』 鈴木いづみ ・「制服」が持っていた魔法のレッテルと束縛について ■ 『pink』 岡崎京子 ・お金をもらって誰かと寝るという経験から見えることについて ■ 『性的唯幻論序説 改訂版』 岸田秀 ・男女のワカラナサを壊れた本能を補うわれわれの幻想で説明することについて ■ 『蝶々の纏足』 山田詠美 ・身体の商品化と眼差しが自らの中に生む卑屈さや軽蔑について ■ 『わが悲しき娼婦たちの思い出』 ガルシア=マルケス ・身体と引き換えにお金を払うことによる罪悪感の消去と関係の非対称性について ■ 『大胯びらき』 ジャン・コクトー ・少年期と青年期の乖離と一方での女性の身体性の言語化について ■ 『遊女の対話』 ルーキアーノス ・夜の街のお金の論理と倫理について ■ 『ぼくんち』 西原理恵子 ・ドストエフスキーの『白痴』とおねえさんの崇高性について ■ 『大貧帳』 内田百閒 ・幸福と不幸と心の許容度について ■ 『シズコさん』 佐野洋子 ・母と娘の支配関係と赦しについて ■ 『夜になっても遊びつづけろ』 金井美恵子 ・早逝するセックスシンボルたちの運命とオトナとなって生き延びることについて ■ 『私家版 日本語文法』 井上ひさし ・言葉について自覚的になることと、そして言葉を整えることについて ■ 『モダンガール論』 斎藤美奈子 ・「女性」の歴史、性差別の根深さと階級差別との区別について ■ 『ちぐはぐな身体 ファッションって何?』 鷲田清一 ・制服という制度による属性付与と、制度からの逸脱と縛りについて ■ 『桃尻娘』 橋本治 ・意味のない言葉の渇望と必然性について ■ 『モモ』 ミヒャエル・エンデ ・「時間」というもの「経験」というものについて ■ 『風の谷のナウシカ』 ・腐海と風俗街との相似性、善悪二元論の否定について 【所感】 紹介された20冊の本は、かなり有名な本が多く、著者や本の名前は知っているというものが多かったが、なぜか読んでいない本ばかりだった。例えば、『不思議の国のアリス』や『悲しみよこんにちは』、『モモ』といった本読みの中ではほぼ必読本クラスなのになぜか読んでない。また、山田詠美や金井恵美子は、著作は手に取ったものの、あまり他に食指が動かず、ここで挙げられた本は読んでいない。その著作はほとんど読んでいる岸田秀の『性的唯幻論序説』は、内田春菊さんが表紙の装丁を担当された改訂版の方は読んでなかったりした。 「アドレッセンスというものの中を突き進んでいく若いオンナノコたちに向けて書いた」という著者の選書の意図が当たって、オジサンである自分には刺さっていなかったということはあるだろう。つまりは、読む本を選ぶときに図らずも性差のバイアスがかかっていることの証拠なのかもしれない。自己の一部が読んだ本によって形成されるのであれば、今の自分がバイアスがかかったものであることを自覚する必要があると改めて感じ入った。 また、通底するテーマでもある身体の商品化に関して、男性である自分は、少なくとも同じ意味では自身の身体の商品化について意識することはなかった。もちろん、女性でもこれまで自身の身体を商品として見ることはなかったという人は多いとは思う。しかし、実際に金銭と引き換えに売るということを行為を具体的に想定しなかったとしても、商品化の可能性を自覚し、比較の眼差しに暗黙的にでも晒されるということだけでも世界をどう認識するのかという影響は出てくるのだろうと思う。そういう普段考えたこともないことを考えさせる本だった。

    6
    投稿日: 2022.08.15
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    キャバクラ嬢、AV女優、新聞記者など興味深い経歴を持つ作家 鈴木涼美によるブックガイド。本の紹介というよりは、著者の半生が綴られています。様々なポイントで著者のそばにはいつも「本」や「言葉」があり、なにかしらの道しるべになっていたことが分かります。「娼婦の本棚」という刺激的なタイトルを冠していますが、いたって真面目です。個人的には連載時の「夜を生き抜く言葉たち」の方が本作の内容に合っていると感じました。ちょうど本書を読んでいるときに芥川賞の候補として名前が出ていました。

    1
    投稿日: 2022.08.05
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    「オトコノコ」である読者として、この本は実にスマートに書かれているのでツルツルと読めるが内容は手ごわい。女性が男に(引いては男社会に)よって否応なく選別され社会的に位置づけられるを得ないこと。その選別に聖女と娼婦の顔を使い分けるという意味で二重のアイデンティティを背負う必要があること。そうした「オンナノコ」の現実を明瞭に言葉にしており、その分析と解説の手腕に唸る。条件反射的に反論する前に、まずここまでスマートな著者のセンスが選んだ本に唸り解説を読むのも一興と思われる。「90年代の女子高生」のリアルを感じる

    1
    投稿日: 2022.08.03
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    慶應義塾大学在学中にAV女優したり、その後東大院にいったりホステスしたりマスコミで働いたり。そんなインテリと性的サービス業を往来してきた元文学少女で現在アラフォーという、プロフィール濃すぎる著者の文学談。 文章表現が面白いとオススメされて読んだ本ですが確かに絶妙な表現が多くて楽しめました。取り上げられてる本(山田詠美とかサガンとか)も4冊くらいは既読のものでした。 以下一部引用 「人はお金を払うことで矛盾を補えるという錯覚を持つため、幾らか迂闊になりやすい」 「本当は、無意味の自由こそ最も大切にするべきことだったはずなのに、大人はそれを自ら手放してしまうのです」

    0
    投稿日: 2022.07.12
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    読了。WEBで読めるから買わんでいいかと思ったが、本屋で見かけると買ってしまった。「はじめに 」を読んでショックを受けた。仕事も上の空で半日ぼんやりしていた。映画「娼婦ベロニカ」を見てみようと思った。

    2
    投稿日: 2022.05.02
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    ※まだ読み途中 圧倒的に強いジャケットに惹かれて読んでみる。 中央公論.jpで約1年間連載された内容の総集編。改題前は『夜を生き抜く言葉たち』、書籍化にあたりタイトルが攻めたものに変わっていることがわかる。これはおそらく正解だと感じる。 元AV女優という生き方が色濃く反映された内容ではあるが、慶應大学や東京大学大学院、その後に日経新聞に勤めるという素養の良さと文章に長けた能力の持ち主であることもわかる。 タイトルの通り、幼き頃から読書を通して育った著者の、その時々で思い入れのある本を紹介する内容である。前述したかなり変わった経歴、嗜好により、かなりの珍しい(?)作品が多く取り扱われていた。夜に関することや、身体のこと、時にはエロに近い内容で、著者の持ち味がかなり発揮されていて面白い。 ちなみに、本書は『アドレッセンスというものの中を突き進む若いオンナノコたちに向けて書いた』とされているのでわたしは対象読者ではないのかもしれないが、それでも手にとって良かったと感じる。 その理由としては、文章能力かと思う。面白く魅力的な読書感想文はこういうものか、という観点で読んでました。内容も相まって、かなり惹き込まれることは間違い無いです。 読書感想に自己の体験をこのように埋めるのかと感嘆していました。しかも、紹介されている本について読んだことがなくタイトルも聞いたことがない物が多数だったが、なるほどそういう話なのかと少しながらでもわかった気になっていた。一冊あたりの本の紹介が長すぎず短すぎないのもよく、この人が何に興味を持ち何に関心があったのか、どういう成長過程だったのかわかるのも良かった。また、紹介される本も、自己啓発本やビジネス本の類ではなく、物語やエッセイ集など肩肘張らないもので構成されていたのも良かった。

    4
    投稿日: 2022.04.26
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    AV嬢、新聞記者を経て作家に。異色の経歴を持つ著者が、自らを「夜の闇に落ちきらない女」に育て、生き抜く力を与えた本を紹介する

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    投稿日: 2022.04.12