最初はディートリヒの最低な妄想にドン引きながらも笑っていたら、なんとまあ。 頭がいいむっつりさん、アダリーズが心を読めると知って絶望してからの方向転換には別の意味でドン引いた。 そこで大人しく諦めればいいものを開き直ってヤンデレ方向にジョブチェンジ。 その転換はあかんで、ヒーローよ。 そういう方向性は予想していなかった。 コメディから切ない系に変わって、ぐっと胸にくるものがあったところからのこの開き直りには、本当に驚かされた。 ヤンデレものだったか。 作中で雰囲気が二転三転する物語である。 終盤で彼以上にこじらせたキャラも出てくるので、余計にややこしくなる。 厄介な人に好かれるアダリーズである。 大きなお胸か、お胸のせいか。 厄介といえば、彼女のお兄さんもなかなかのキャラで。 最後の最後に明かされた点にも非常に驚いた。 心を読める能力も案外万能ではないのだ。 個人的にはジョブチェンジしてからのディートリヒの方が少し苦手というか感情移入がしづらく、アダリーズが彼に惹かれる要素なくない？と思ってしまった。 無理矢理いろいろやっておいて、今さら好きと言われても、信じられるかなあという。 結局婚約破棄、一からやり直しになったのは、彼にとっても自分にとってもよかった。 後日談を見る限り、結局結ばれる未来ではあるだろうけれども。 本当に彼でいいのか、アダリーズ……ちょっと心配。 癒しは、ディートリヒの妹嬢と素直になれないマクラーレン伯爵のカップル。 この二人が唯一の癒しだった。 可愛い。 末永く爆発してほしいバカップルである。