高校時代美術科の、現在二十歳の夢を諦めたものです。主人公の境遇、それでも絵を諦めない心情に羨ましいと感じました。 少し嫉妬したりもしましたが、大好きな絵を描くことを諦めない主人公がすごく好ましくて、私は少しずつでもいいからまた楽しく絵を描きたいと思わせてくれる作品だと思いました。

どんなときでも絵を描くことを辞めないトウゴ。家族に反対されても、異世界に来て生きていけるかわからないときでも。魔法のある世界で、絵に描いたものが実物になり、しかも自分が気を失ったりする。かなり怖いと思うけれど、それでも絵を辞めるという選択肢なんて思い浮かばないほど、絵を描くことが好きなんだな…と、少し羨ましくなるくらいだった。損得勘定なんて全くしていないように見えるトウゴ。だからこそ、不思議な動物たちからもフェイからも好かれたのかも。と思った。夢中になると無茶するし、周りが見えなくなる危なっかしさもあるけれど、とにかく楽しく絵を描いているトウゴはずっと見ていたくなった。