このレビューはネタバレを含みます。
武田美穂さんの表紙絵、挿絵が気に入って読みました。小学校6年生のいじめと友情がテーマ。友達がいじめにあっているのに、どうすることも出来ないでいる主人公の心の葛藤、もどかしさがよく描かれている。重松清の「きみの友だち」の二人の関係に似ているが、こちらのほうがいじめが陰湿で、主人公がいじめ側に加わったりする点が大きく異なる。暗くなりがちな展開のなか、正義感のある男子が一人出てくるのが、ちょっと救いであった。欲を言えばもっと登場させてほしかった。