
総合評価
(11件)| 4 | ||
| 2 | ||
| 3 | ||
| 0 | ||
| 0 |
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
すんごーい! 最高に面白いけどまたもや翻訳作品の悲しさで、3部作の第1作。以降の翻訳予定なし…omg 猟奇殺人大好きレイヤーとしてまず、頭に穴を開けられて蛆を詰められて殺される、しかも姉も数年前に全く同じ方法で殺され、犯人は収監中。果たして冤罪か模倣犯か? ……これだけでもう、跳ね起きる準備はできていた。「お坊さんも飛び跳ねて食べるほどおいしい」と名の付いた中華料理があったと思うけど、もうそんな感じ。気持ちわかる!このアイデア思いついたら時点でこの作品が面白くないわけないよね? 間に挟まる少年のエピソードもすごい。 エピソードそのものもすごいんだけど、その構成の妙がたまらない。物語は実は序盤の殺人と、そのオリジナルであろう被害者の姉の事件でほぼ終わり、あとはその捜査に割かれる。普通ならすこし面白さが減速してもおかしくないと思うんだけど本作ではタイミングよく挟み込まれる少年のエピソードが、現在とは逆にどんどん凄惨さを増してエスカレートする。 《ネタバレ地雷の方はここまででストップ推奨》 暗い場所に放置された少年。ゲームなのかな?と無邪気に思うところからとんでもない飢餓に苛まれ、死んだ犬を食べ、そこにわいた蛆に手を伸ばす。そして体力を失った少年の体にも蛆が……いつしか少年の運命が気になってそっちにまで引き込まれるから、まったく飽きずに読み込めた。 おそらくはこの少年が犯人なんだろうけど、これは一体誰?そして姉妹を狙った理由は? 最初はスペイン名の男女さえわからずに読みづらさも感じたけど、そこを超えたらあとはもう、加速度が止まらない。スペインの文化、薬物の闇、家族・民族意識、司法制度、痴呆症などなど。さらには主人公の息子が誘拐されて安否確認ができておらず、主人公はそれも追い続けていることが明かされる。 そして、その息子に関する衝撃のラスト! あーーーーーーーーー! 続き、読みたい! (探したけど続きはスペイン語とポルトガル語、カタルニア語!でしか出ていないようで…英語でさえ入手不可。ウソでしょタスケテ……)
1投稿日: 2025.04.26
powered by ブクログ3部作とのことだけど、これ続きもう出ないのでは…?ここで終わるかーってラストなんだけど、これは続刊あったとしても後味の悪さは残ったままな気がする内容だね。読むの止められなくて一気読みしたけど事件解決した清々しさは1ミリも感じなかった。容赦ない展開好きだから私の好みではあった。
0投稿日: 2023.09.09
powered by ブクログ第79回アワヒニビブリオバトル「24時間耐久ビブリオバトル@オンライン」第3ゲームで紹介された本です。オンライン開催。チャンプ本。 2021.09.18
0投稿日: 2023.05.06
powered by ブクログ評価高いので怖い話(蛆虫)と知っていたが読み出しだけど、やっぱり気持ち悪い。なんとか読了。マドリードの街は魅力的。3.2
0投稿日: 2023.04.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
結婚式を控えた花嫁が無惨な方法で殺害された。 8年前にも同様の事件があったが犯人は服役中。これは連続殺人なのか、模倣犯が現れたのか? 捜査にあたる特殊分析班のエレナと所轄のサラテ、エレナのチームの個性的な面々が魅力的。 エレナの背負う苦悩も徐々に明らかになっていき、クライマックスへ! クライマックスに向けて盛り上がり重視で、少し疑問やツッコミどころもありつつ、最後まで物語を楽しみました。 主要登場人物一人一人が、モブ的な人がいないというか、それぞれでスピンオフ書けそうな、物語外でもちゃんと生活がある感じに書かれていてそこが好き。 それと翻訳に、いわゆる“女言葉”が使われてない事に途中で気がついたんだけど、そこも違和感に邪魔されず良いなぁと思いました。 事件は解決するも、ええっラストそこで終わるの⁈という衝撃で続きが気になります。三部作で、すでに本国では刊行済みらしいので、続編の邦訳をぜひ!
1投稿日: 2021.10.03
powered by ブクログあらゆるグロミステリー読んできましたが、群を抜くグロさ。こんな死に方ひどすぎる!北欧系にはないドロドロ&凄惨のオンパレードです。幼少期に植え付けられたものに対する執着、怨念の重さを見せつけられました。猿の罰を思い出しましたね。そしてまたまた出てきたあの手のストーリー、実に気になる終わり方です。翻訳完成を心待ちにします。スペインの風景も垣間見え、楽しめました。そして、エレナが女言葉でなかったのも、新鮮でした。こんな翻訳を待ってました。
0投稿日: 2021.07.27
powered by ブクログスペインの名前になかなか馴染めなかった。読み進める内にまだ明かされてない登場人物の過去や因縁が複雑に絡んでいて、犯人がわかった後も、早く次作が読みたくてたまらなかった。
1投稿日: 2021.06.27
powered by ブクログやっぱりスペインの女性って、イメージ通り強い… マリアホが好きなんだけど、ケーキを焼いていくれる優しいおばさんかと思いきや、バルコニーで煙草をふかすとか、かっこよすぎる。 この作品の事件はとりあえず終わったけれど、続きが気になりすぎる終わり方! 早く続きが読みたいなぁ… いつか原文でも読んでみたいなぁ…
1投稿日: 2021.06.11
powered by ブクログある意味、完璧と言える構成の傑作だ。冒頭から読者を引きつける、あまりにも奇抜な殺人。マドリードの公園で発見された被害者女性は、頭に三つの小さな穴を開けられ、その中に入れられた蛆たちに脳みそを食われていた。ショッキングだし、その異常さにも程がある。 被害者の姉も、実は類似の手口で七年前に殺害されていた。当時の加害者は杜撰にも見える裁判を経て、現在、牢獄に収容されている。連続殺人に見えるこの事件の真実はどこにあるのか? どうして姉妹が殺されねばならなかったのか? 警察署とは別の民間ビルの一角に設けられたスペイン警察特殊分析班(BAC)。この事件は彼らに委ねられる。 素晴らしいのは5人の個性的なメンバーが魅力的に描き分けられていること。いわゆるキャラが立っている。現地警察から強引に捜査に割り入り捜査班に組み入れてもらった客人刑事アンヘル・サラテの存在感も、メンバーに負けず劣らず強い。何よりも、主役でありチームのリーダーである女性警部エレナ・ブランコの個性は、ひときわ目立つ。 エレナの個性。それは、奇行、酒浸り、男漁り、不眠。それでいて仕事ができる。情熱的ですらある。さらに謎の腹の傷とそれにちなむ隠された過去。シリーズ・ヒロインとしては、最初からやけに謎が多いのである。 一方もう一人目立つ刑事であるサラテは、所轄刑事なのにどうしても捜査権を渡したくなくてこのチームに無理やり割り込んでくるという経緯。気が強く、容赦なく意見を言い、強気の態度を取り、メンバーの一人からは強烈な反感を買う。それにけっこう複雑な性格。 サラテが尊敬する元刑事の老人の存在が物語のギアとなる。7年前の事件の犯人を牢獄にぶち込んだ刑事。しかし、現在は認知症が入っていて言動が少し覚束ないところもあったり。 現在の事件が過去のそれと反響し合い、作中の世界をより深く、複雑に見せている。 言わば犯罪者側も、捜査側も、一筋縄ではゆかないのがこの作品なのだ。スペインという国柄を現わす気候、地理、そしてロマの人々の異文化。それらは確実にこの事件に深い影を落とす。これだから海外ミステリーはやめられない。見たこともない犯罪。日本ではあり得ない人種間ヘイトや、隠れた差別。それらが捜査に影や歪みを与えて来るのである。この捻じれた異種感覚がたまらない。圧倒的な旅情感覚みたいに。 そして何よりも、数回出現するある叙述が、暗示的で、謎で、気になりすぎる。何によってか、誰によってか、何故なのかは不明なまま、小屋に閉じ込められた正体のわからない少年がいる。彼に関する恐怖の叙述が四たびに渡って数ページのみ挿入されているのだ。これが凄絶すぎ、まさに物語全体の緊張感を高めてくれる。 最後に、マドリードを舞台に息をのむ捜査が展開するこのシリーズの圧倒感を是非ともお伝えしておきたい。エンタメとしてもピカイチなのだが、覆面作家による作品とのふれこみ。相当な書き手であることは想像に難くない。ストーリーテリングを楽しみたい作品なのだ。 本作は三部作構成の一作らしいが、訳者のあとがきによれば、以降の翻訳は今現在確定されていないらしい。本書が一人でも多くの読者の眼に触れ、本邦での続編出版に繋がってくれることを読者として願ってやまない。というより、このままでは心情的にどうしても終われないのである。そういう意味でも、一人でも多くの方にお読み頂きたい。応援をどうぞ宜しく願います。
1投稿日: 2021.05.30
powered by ブクログカルメン・モラ『花嫁殺し』ハーパーBOOKS。 珍しいスペイン・ミステリー。3部作で構成されるスペイン警察・特殊分析班シリーズの第1弾。覆面作家のデビュー作にしてベストセラーらしい。 海外ミステリーを読むのには元々時間を要するのだが、面白い海外ミステリーとなると、さらに時間を掛けてじっくり読みたいものだ。本作を読むのに要した時間は足掛け3日間。それだけ面白く、魅力のある作品だったのだ。作中に描かれる2つの猟奇殺人事件と真犯人の謎という面白さに加え、主人公のエレナの悲しい過去と特殊分析班を率いる逞しい女性像が姫川玲子に重なるところが、魅力ある作品に仕上がっている理由なのかも知れない。 不気味な猟奇殺人事件は7年前の事件の模倣か、それとも真犯人が別に居るのか……メインのストーリーの途中、途中に挟み込まれる倉庫に監禁されて必死に生きようとする少年は一体誰なのか…… マドリードの公園で頭蓋骨に穴を開けられ、蛆虫を埋め込まれた結婚を目前に控えた若い女性の遺体が発見される。被害者の女性の姉も7年前に同様の手口で殺害されているが、犯人は逮捕され、収監されていた。難事件のみ扱うスペイン警察の精鋭チーム特殊分析班を率いる警部エレナは仲間と共に事件の捜査にあたるが…… 最後に待ち受ける衝撃の描写。第2作の『パープル・ネットワーク(仮題)』へと続くようだ。第3作は『お嬢ちゃん(仮題)』。早く続きが読みたい。 定価1,210円 ★★★★★
10投稿日: 2021.04.24
powered by ブクログ「間違えるなよ、息子。おまえが捜しているのは悪魔だ」 第二部 あれが愛だったらよかったのに (174頁) スペイン、マドリード、キンタ・デ・ビスタ・アレグレ宮殿の庭園――今は荒れ果てた公園に、死体が見つかった。 『花嫁殺し』の名のとおり、結婚を目近に控えた、若い女性である。 この殺され方が、むごいのだ。 苦手な方も少なくないだろう。 用心のために、読書中の飲食は控えたほうがいい。 そして、この殺され方が、問題なのだ。 容疑者が現れる、次の容疑者が現れる、そのたびに捜査員たちは問いかける。 「でも、これで殺す?」 いやあ、そうとは思えない。 そしてまた容疑者が現れる。 捜査員は、そして読者もまた問いかける。 「でも、これで殺す?」 動機があっても、アリバイがなくても、どの容疑者も、この殺害方法にそぐわない。 よって、捜査はつまづくのだ。 ボルボン王妃の別荘だった公園、 宗教裁判から火あぶりまでおこなわれたマヨール広場、 ワインのためのブドウ畑、エストメラ刑務所、 ロマ人の社会、骨董品店、田舎の小さな村―― つまづいては戻り、つまづいては道を変えの捜査をようよう進めるうちに、読者はマドリードの暗い深みへと連れていかれる。 捜査を率いるのは、エレナ・ブランコ警部、特殊分析班BACのリーダーである。 まもなく50才になろうというのに、体型は30代の頃とほぼかわらない。 グラッパ(葡萄の蒸留酒)を朝夕飲むことを愛し、ミーナ・マッツィーニの歌をカラオケスナックでみごとに歌い、駐車場に留めた車の中で、一夜のお楽しみをする女性だ。 個性的で、どうかするとアクの強い有能な部下たちに、 朝の会議で仕事を割り振り、あとは好きに捜査をさせる。 その結果は、次の朝の会議で共有される。 少数精鋭のBACは、このスタイルでうまく動いている。 その捜査方針は、こうだ。 『「すべて不注意と怠慢とプロ意識の欠如が原因よ。以来、自分の仕事には絶対に完全を期すと心に決めた。だから、不正を見て見ぬふりをするとか、たいしたことじゃないと鼻で笑ったりするとか、そういうことはできない。なぜなら、警察の捜査に間違いがあってはならないから」』(392頁) エレナの方針であり、それは、彼女の過去の事件に由来している。 捜査方針だけではない、それはエレナの生活、今の生き方にまで強く影を落としたのだ。 『花嫁殺し』は、2018年に出版されるやいなや、ベストセラーになった。 2019年、2020年と巻を重ね、エレナ・ブロンコの3部作となるらしい。 『いずれも衝撃的な内容ながら一級のエンターテインメントにしあがっている。』 翻訳者あとがきにこう書かれては、期待せずにいられない。 実際、この本のエンディングを見れば、たしかに衝撃的だろうとうなずけるのだ。 次々と翻訳出版されて、エレナの暗い深みへと、さらに連れていかれますように。
0投稿日: 2021.04.24
