
総合評価
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powered by ブクログインド仏教学者がコロナ禍に作成した、YouTubeの講義動画の書籍版。ゆっくり解説よりも分かりやすい上に、内容も本格派。しかもたった192ページ。仏教の本をこれから読んでみようという人には断然オススメの一冊。 仏教思想だけでなく、社会の中での仏教の位置付けについて頁を割いているのが本書の大きな特長である。 曰く、努力して幸せを手に入れるという世俗の価値観に馴染めない人の受け皿となることが、仏教の存在意義なんだとか。だからこそ、キリスト教のように全人類に教えを広める目的は初めから持ち合わせていない。あくまで一般社会との共存をめざし、そのために托鉢や「律」といったシステムが設けられている。 他にも仏教での梵天の扱い、「戒」と「律」の違いなど、人に教えたくなる豆知識がたくさん。 学問的なエッセンスと、豆知識的な面白さを両立させた入門書かくあるべきという本だ。
0投稿日: 2025.03.13
powered by ブクログ自宅で夜、本を読む時に読んでいたが、習慣が崩れてしまって停滞したためえらく時間がかかってしまった。 佐々木先生の本はもっと講義の形式を取った、大乗仏教に続き2冊目だが分かりやすく頭に入ってくるのでありがたい。 中村元さんの本で仏教知識を広げようと断念した身としては大変ありがたいことで。 藤田師に思想を学び、佐々木先生に歴史を学ぶのが現状の私の学習のあり方だ。 また涼しくなってきたので読書を楽しむぞ、と。
0投稿日: 2024.10.14
powered by ブクログ仏教誕生の地・インド基礎知識: 東西の中間 ヒマラヤによる分断 アーリア文化浸透 バラモン教世界の誕生・広がり なぜ仏教は生まれたのか: バラモン階級 反バラモン教の社会的動き 仏教における神々の存在 釈迦が目指す世界: 反仏教=ヒンドゥー教台頭 仏教の消滅とイスラム・イギリスの侵攻 仏教の真の存在理由 仏教の修行方法: 頑張りの意味 精神集中=瞑想 創造的活動の根源 戒・定・慧 一般社会という土台・仏教を必要とする少数の人々 仏教という出家社会: 一般社会と出家社会 教育制度 律の制定 修行者の暮らし: 戒と律の二重構造 出家修行者の最低限の生活 欲望と抑制のせめぎ合い 仏教の定義: 聖徳太子・十七条憲法 変容した釈迦の仏教
0投稿日: 2024.09.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今作『仏教の誕生』は仏教入門にぜひぜひおすすめしたい参考書です。仏教に興味があるけど何を読んだらよいですか?と聞かれたら最近はこの本を私はおすすめしています。それほどわかりやすく、読みやすいです。 しかも仏教が私達の生活とどのように関わってくるかということも考えていけるので非常に実践的です。単なる知識で終わるのではなく、生きる智慧としての仏教を本書で知ることができます。 これまで当ブログでは様々な仏教書を紹介してきましたが、入門書としてはこの本がピカイチです。ぜひ私もおすすめしたいです。
1投稿日: 2024.08.23
powered by ブクログ新型コロナが世界を覆う2020年の終わりに書かれた本。著者の佐々木さんは大学の先生でもあるため、オンライン授業を行うためにYouTube動画を作成されたそうだが、それが書籍化された本らしい。検索してみるとアップされているので、リンク先を貼っておく。 https://www.youtube.com/watch?v=VLiFmTujoVc 本書で「なるほど」と思ったのは、佐々木さんの次のことば。 -世界の三大宗教何て言うバカバカしい言い方がありまして、まるで仏教も 他の二つの宗教と同じように「世界宗教」を目指しているように捉えられ ますが、そんなことはまったくありません。仏教は常に世の片隅にあり、 メインストリームからどうしても外れてしまう人たちを受け入れ、いつま でもその人たちを救い続けるというのが本筋なのです。 ここに佐々木さんの仏教の捉え方が出ていると思うし、そうなのだろうと思う。当時、バラモン教世界が規定するカーストという身分差別制度を否定する形で仏教が出てきた。絶対的な絶望感の世界から、こういう宗教が生まれてきたのは、確かに救いなのかもしれない。 一方で、カーストを引き継いだヒンドゥー教は「穢れの理論」で理論武装を行っていく。その「穢れ」は感染するとまでいう。確かに、衛生環境が悪い当時のインドでは、そういう見方もあったのかもしれない。また、結果的にインドでは仏教はすたれてヒンドゥー教が支配的になった。このあたりは、「なぜ?」という疑問がわくが、社会の安定のために選ばれたシステムだったのだろう。 それにしても、著者の佐々木さんは、京大の工学部を卒業し文学部哲学科に文転して博士号を取得している。「わたしはお釈迦様のファン」と自らも言われているので、仏教が好きだったことが理由なのだと思うが、佐々木さんご自身の体験に与えた仏教感をお聞きしてみたいものだ。
0投稿日: 2021.02.15
powered by ブクログ仏教はなぜインドで生まれたのか。 仏教は何を伝えようとしているのか。 仏教誕生の地であるインドの基礎知識から始まり、仏教が否定したバラモン世界、お釈迦さまが目指した世界、そして修行方法や出家社会の規律、仏教の定義までを分かりやすく解説しています。 YouTubeを観て、本書を読むとさらに理解が深まります。 日本だと「修行というのは厳しい生活であって、本当はやりたくない のだけれども、仕方なくしているものだ」と思っている方もおられるでしょうが、それは違います。修行というのは人生の喜びなのです。普通の生活よりも修行生活の方が自分にとって気持ちが良くて安楽で、そして快適である。これこそが私の生きる道だという喜びに満ちた気持ちがあるので、わざわざ修行生活に入るのです。 ー 131ページ
0投稿日: 2021.01.04
