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架空の犬と嘘をつく猫
架空の犬と嘘をつく猫
寺地はるな/中央公論新社
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総合評価

91件)
4.0
23
40
21
2
0
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    何かのきっかけで普通の家族が一瞬で崩壊してしまう、そんな家族の物語 大人は自分勝手に逃げることができるけど子どもはそうはいかない、 何かあると被害を受けるのはいつも子供だ、子供は逃げ場がないからそこに留まるしかない、そんな環境に順応するために嘘をついて生きていくしかなかった山吹は辛かったと思う。紅もそう、長い時間をかけて最後にはやっと家族がスタート出来た気がする どこにでもありそうな話を深く印象に残るように描く寺地さんの作品が好きです。

    0
    投稿日: 2026.01.18
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    映画を観てから拝読。 やはり2時間程で寺地はるなの人々の機微を表現しきるには限界があったと思うくらい原作は深みある小説だった。 それでも人物のイメージはかなり近く、特に紅と頼は良いキャストだったんだなと。 嘘と架空。 嘘で傷つけられる人と架空に救われる人。 人生に物語が必要である事を書いた小説。

    18
    投稿日: 2026.01.18
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    単純な家族ではない。どちらかといえば重たく、想像もつかない世界。この話に出てくる嘘は生半可なものでもない。だけど終わりに近づくにつれ、複雑に絡み合った紐がゆっくりと解けていくような、じんわりと包み込まれるような、不思議な感覚だった。 それと、長い年月をかけて変わっていく様がこんな一部を切り取っただけで想像つくものなんだと驚いた。読み進めていく中で見えない世界が見えてくる面白さに一気読みした。

    1
    投稿日: 2026.01.13
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    家族の話は外からではわからない 本作の家族は外から見ても難がある。 亡くなった次男をまだ生きている者として暮らしている母 その母が何かのきっかけで克服して家族みんなでやっと前を見れるようになりました。という話かと思いながら読み進めた おおむねは合ってるのかもしれないけど 本作は、何をきっかけとして母が克服したかは詳しく描かない 家族の問題ではなく、家族であってもそれぞれ個人の問題として描かれる よかった

    11
    投稿日: 2026.01.12
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    凄く好きな作品。少しだけ似たような環境で育ったからこそ「自分以外の人間のために生きたらダメ」という言葉は響いた。自分や誰かを守るためにも優しい嘘はあっていいと思う。大切にしたい。

    2
    投稿日: 2026.01.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    羽猫家は嘘つきばかり。計画性もなく羽猫山ランドを作ろうとする叔父、怪しい骨頂店を営む祖母、亡弟の死を受け入れられない母、愛人の元に通う父。母に弟のふりをして手紙を書く主人公、山吹。それぞれの悲しみや孤独を埋めるための嘘は、間違っていても必要なものだった。家族の問題は解決されないが、母に愛されず孤独を抱えた山吹も、破綻した家族に苛立っていた姉の紅も、人生の中で成長し、それを受け入れられるようになる。悲しみを抱えながらも、心がほっこりする物語だった。

    1
    投稿日: 2026.01.12
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    寺地はるなさん4作目の読了です。 映画化が決まり、タイトルも気になり、まだ購入できていない寺地はるなさんの作品を手にしました。 とある家族にスポットを当てて物語が進んで行くのですが、この家族は皆嘘をついている。 解説でも綾瀬まるさんも言ってましたが、それぞれが自分の事、自分の世界を守るための嘘。 嘘と聞くと悪く感じるけど、色んな嘘が出てきます。 正直である事もいいと思います。 ただ、なぜその人は嘘をついているのかというなんとなくの心境だったり、物語が進むにつれて見えてきます。 自分ならそんなことしない、という目線で他人の人生を見る時、そこにはたしかに優越感のようなものが滲んでいる。あきらかに間違った選択をして窮地に立たされた人間に「自分なら、こうする」「そんな選択はしない」と言い切るのは、気分の良いことだ。だって自分はその渦中にいないし、いくらでも冷静な判断がくだせる。安全な場所から他人の選択に口を出すのは、恥ずべきことだ。 という言葉が響きました。 確かにそうだよな…アドバイスという名の無自覚の攻撃だったり、傷つけたりした人沢山いるだろうな…と 尊重し合えるそんな素敵な関係が築けたなら素敵だろうな。 嘘もイコール悪。ではなく、なぜそうしたのかをこの本で自分の世界を守る。という事もあるよなと思い、少しずつ家族の関係性が変わっていくのがとても良かったです。

    2
    投稿日: 2026.01.08
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    じわじわとだんだん面白くなっていく不思議な作品。主人公の羽猫山吹は幼い頃大人が全員家にいない寂しい子供時代を過ごす。 弟が4歳で亡くなり、そのせいで母が病んでしまい、母のために弟が生きていると嘘を続けている。

    2
    投稿日: 2025.12.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全然似てないんだけど、親近感がある家族。こんなふうに思うことあったなとか、あの時のあの気持ちは、これと同じかもと思ったり。 みんなが少しずつ空想から抜け出して、遊園地に行ったところはなんか良かったな。

    2
    投稿日: 2025.12.11
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    描写とそれぞれの人の心情がリアルだと思った。 子供が身動きの取れないなか辛さと闘っている一方で、大人たちは辛さから逃げてばかりで苛つきを感じる。 リアルだからこそ、全部がうまくいくわけではないけど、完ぺき幸せ!にはならないけど、でもなんとなーく丸くおさまった、ある程度みんな幸せを感じて生きているようでよかったと思えるラストだった。

    1
    投稿日: 2025.11.28
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    良い話?ではないのに、なぜかほっこりしちゃうのは山吹のパワーなのか。 ふとしたところに心の支えになる言葉があって良かった

    31
    投稿日: 2025.11.28
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    ある家族の祖父祖母父母姉弟それぞれの立場での感情を極々自然に流れるような文章でまとめ上げている 起伏はないが、そこが逆にリアルで共感させられる部分が多かった

    1
    投稿日: 2025.11.28
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    移動中に読了。 「頼」がいてよかったと思う。普通に育てられたであろう頼。山吹はいいこに巡りあった。 本末の山吹のエッセイにもあるけど。。 物語は嘘つきだ そうです。 だからこそ物語を読むのが楽しいんだよ。 旅の帰りに大きな書店でまた、本を何冊か買ってしまった。積ん読増えるけど 明日からまた仕事だけど、ちょい幸せ(笑)

    26
    投稿日: 2025.11.24
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    今の心情とマッチしてなかったので読み込む事ができなかった、文体はイメージを広げ脳内で映像ができるほどの力があったの確か。夕暮れの広大な田んぼ道で人は田舎だからいなくてただジリジリ暗くなっていくような孤独と薄暗さがずっと周囲を漂ってる、そんな感じだったので、本読みたいなー♪の気分でこの本に対する姿勢に乖離があってうまく正常に評価はつけれなかった。文章力があったけど引き込まれる程の熱がなかったので私の問題。一冊で著者を判断せず他の一冊も手に取るべきだと感じている。 家族って昔みたいに肯定された場所ではない事が今やネグレクトや無頓着、逆に依存や執着または確執、子の自立や中年の引きこもりなど多岐にわたる形があるので、十人十色というけど家族だってそうだ。そして全員がまっとうである訳なくてどこか1点以上の他とは違う異常を腹に抱えて、そして家族だからこそ向き合えずにどうすることもできないまま現在に至るってこと。それは私の家族も、あなたの家族も、いや 真っ当な家族はこの世に存在してないと 薄暗いけど確かにそうだよって包まれてる気もする。

    1
    投稿日: 2025.11.15
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    「嘘つき」というより、みんな現実と向き合うことができなくて逃げていたのかなと思います。そして、それは大小はあれど誰にも起こり得ること。 最後が幸せに終わったことが救われました。山吹がちゃんと自分の大切なものを選べて本当に良かった。人間は弱く危うい生き物なんだなと思うと同時に、どんな状況でも立ち上がって歩く強さを持つ生き物なんだと感じました。 いろいろな背景のせいにばかりしていないで、私も強く自分の人生を歩いていきたいと思った。

    1
    投稿日: 2025.11.04
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    青磁を失ったことは同情するけど、あからさまに兄弟に優劣を付け紅と山吹と向き合わない母に対しては憤りを感じたな。 だからこそ、山吹のエッセイに気持ちがいっぱいになった。 共感したり、納得したり、グサッときたりする台詞や表現が多く、何度も読み返したい作品。あと、九州弁がとても良い。

    1
    投稿日: 2025.10.28
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    嘘をつくしかなかった人に翻弄されて、嘘に付き合うしかなかった子という図式がとても寂しいなと思った けれど、最後の一文で泣かされそうになった 「頼が笑うと、山吹はいつだってうれしい。」

    2
    投稿日: 2025.10.20
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    映画化されて来年上映されるとのこと。 こうなると気になります。 と言うことで手に取った作品です。 家族の話でした。 それも少し暗い影のある家族。 家の中で一番年下の人が死に、家族経営していた店も傾きかけている。 そして、皆が現実から逃げたいと思っていて、それぞれが苦しみもがいていた。 決して明るい内容の物語ではないけれど、深刻にならずに読めました。 そして、崩れてバラバラになりそうな家族が持ち堪えて一歩前に進めたのは、読んでいてこちらもほっとして心が温かくなりました。 作品名の「架空の犬と嘘をつく猫」 どういうことだろうと疑問に思っていましたが、作品を読み進めていくとわかりました。 ちょっぴり切なくて、「チリッ」と心が痛む気がする作品名でした。

    29
    投稿日: 2025.10.18
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    自分勝手で嘘つき、まともな大人が一人もいない!破綻寸前な羽猫家。長男山吹も嘘をつき、空想することで現実から逃げていた。 大人たちの身勝手の皺寄せが、子供たちの自立を急かしているようで切ない。都合のいい救いはない、それが現実。でも、この話が自分の存在を肯定してくれた気がして温かな気持ちになれた。祖母の言葉で涙が出た。

    12
    投稿日: 2025.10.15
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     複雑な家族関係の中で、優しい嘘をつきながら、健気な自分を演じる山吹。不器用でふわふわした山吹の本気がいい!山吹と頼の関係性が素敵だ!もやもやしながら読んだが、読了後はなぜかほっこり。満たされた!

    0
    投稿日: 2025.10.14
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    人間は必ずどこかで嘘を付く。 自分の保身のため、その場しのぎのための嘘など、様々な場面で嘘を付きます。 本作に出てくる、羽猫家のみんなも、嘘をついて生きている。 愛人のもとに逃げる父、死んだ息子を追い続ける母、思いつきで動く適当な祖父、一家で一番まともな祖母、そんな家族に反発する姉、そしてその一家の長男として生まれた山吹は、そんな家族に合わせて生きている。 そんな山吹も嘘を付いて生きている。 最悪な環境の家族に見えるが、そんな一家も年数を重ねて再生に向かっていく。 山吹の人生と家族の人生を記す奇跡の物語です。 映画化されるということで、書店ですぐ買い読了しました。 寺地さんの作品を読むと、どこか心がリセットされるような気がします。 暖かさの中にある冷たい部分を表現するのが、上手だなと個人的に感じています。

    48
    投稿日: 2025.10.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    地主のボンボンで持山に遊園地を作る、みたいな夢(実現のための努力はしない)を追う祖父。占いと霊感商法まがいでインチキ商品を売りつける祖母(この人が一番マトモ)。年上スナックのママと浮気する父。一番かわいい三人目の子が死んだことを認めない母。こんな連中に反発しまくる姉。 こんなとんでもなくろくでもない全員のウソや立場に寄り添おうとする長男山吹が主人公。ある時は祖父に頼まれ遊園地のマスコットイラストを描き、ある時はスナックに入っていく父を見てなかったことにし、ある時は祖母に自分のためにだけ生きろと説教され、ある時は弟のフリをして手紙を書く。そして姉に嫌われる。 嘘をつかざるを得ない事情や背景があるのかもしれない、優しい嘘もあるのだろう。でも嘘はちょっと調合を誤れば自分と周囲を蝕む毒と化しやすい。 母親が山吹の書いた手紙を読んで、憎しみの返事を書くシーンや、最後半の山吹の彼女とあこがれの女子の対決シーンはその毒がすさまじく感じられる大きな山場。 100%本当のことだけで生きることは無理にしても(そもそも小説も映画も詩も現実ではないというウソ)、せめて大事なところや踏ん張りどころではウソをつかずにウソでごまかさずに向き合おう。 後半、山吹が伴侶とした相手は、自分の気持であっても山吹の態度であってもきちんと表現することを求めた。きっとその道も辛いことはあるんだろうけど、ウソで塗り固めるよりは茨のとげが少ない生き方であろうと思うよ。 しかし、この手の寺地はるなに解説が彩瀬まるって、とんでもなく似合いのコンビ!

    1
    投稿日: 2025.09.30
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    ペットが出てくる本を読みたいと思い手に取りました。 犬を飼っている妄想をする男の子が主人公で羽猫家の1998年から2018年までの物語でした。 冴えない男の子。山吹を中心に、問題を抱えた家族の話。常にイライラしている姉 紅。空想の世界に生きる母、愛人の元に逃げる父、思いつきで動く適当な祖父。比較的まともで作り話が上手な祖母。暗い日常の中に、優しく光る瞬間みたいなものが感じられダメだなぁー。って思える人の弱さや悲しみにも惹かれるものがありました。 自分の日常の中でも、理解不能な生き方や家族なのにわかりあえない、一方的に理不尽な立場に追いやられているとか、人に打ち明けると自分が誤解されそうなので心の中に留めている事を俯瞰で見れたような気になれた本で、出会えて良かった。と思えました。

    1
    投稿日: 2025.09.17
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    はあ〜また寺地はるなさんの本で救われた。正しいかどうかわからなくてもいい、このままでいい。寺地はるなさんの本を読むと自己肯定感が守られる感じがする、安心する。複雑に考えすぎずシンプルに生きようと思える。やっぱり大好きだ〜〜寺地はるなさんの本

    11
    投稿日: 2025.08.25
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    羽猫家はとても不思議な家族である。 祖父は夢見がちでとても自由に生きている。 祖母は適当な嘘をつくようではあるが、観察力はいちばんあって人を見抜く。 父は浮気ばかりしている。 母は心がこの世に留まっていない。 2人の子どもの紅と山吹は、いつも誰かがいない家で成長していく。 父と母のすれ違いは、紅と山吹のあとに生まれた青磁が4歳で亡くなってからだ。 現実を見るように言う紅と優しい嘘をつく山吹。 そんな我が子のことをわかっているのに愛情を向けない父や母。 残酷でありながらも悲惨さを感じないのは何故なのかと。 普通ではない家族のようで、だけど落ちていくほどではない…表現し難い家族である。 大人になってやっと家族だと思えたところで終わる。遊園地がよかった。

    66
    投稿日: 2025.08.03
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    一人一人のキャラクターが、本当に人間くさくて魅力的だった。寺地さんの繊細な心情描写と軽快な会話の応酬も遺憾無く発揮されていて、またしても良作だった。紅ちゃんがとっても好き。

    1
    投稿日: 2025.06.14
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    複雑な事情がある家族の話と思いながら読んでいたが後半に進むにつれ、自分の家族だって似たようなものかもしれない。とふと我に返る。そもそも、順風満帆で住宅販売のCMに出てくるような理想の家族なんて、本当に存在するのだろうか。 多様性という言葉が日常的に使われている時代だが、人の個性や悩みって大別すると″多様″ってほどでもないのではないかと思った。自分は他人と違うとか、自分の家族はちょっと変わってるとか、なんとなく自分は他者と違うということがひとつのステータスというか。唯一無二の存在でありたいという人々の潜在意識が生み出した文化であるように思えてくる。 もう少し引いた視点で世の中を見渡してみると、どの家族も似たり寄ったり、個性がある自分も誰かと似たり寄ったり。だったら細かいことは気にせず気楽に生きていきたい。

    31
    投稿日: 2025.06.14
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    一見とても歪な羽猫家の物語。いわゆる「家族」のイメージとはかなりずれる。でも、やっぱりこれは「家族」の物語だった。これこそかもしれない。 家族だって、個の集まり。何でもかんでも同じ方向向いて足並み揃えてなんていけばいいけどそう簡単にはいかない。 家族だから分かりあえるなんて、愛せるなんて、確定してるものじゃない。 それを、受け入れること、認めること。 家族って、それでいい。 みんな、必死に生きてるんだ。「あー、あの人の頑張りはそっちなんだな…」くらいでいい。 みんなで、「おう、お互いよくここまで頑張ったよね」でいい。 それで十分家族だ。 まあさ、気になるけどね。家族だから。 でも無理に形を整えようとしなくても、それでもちゃんと家族には違いない。羽猫家がそうなんだから。

    4
    投稿日: 2025.05.01
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    なんとも途中でギュッと苦しくなりながらも、優しさと勝手さのなかに交錯する嘘の中に「生」を感じる本でなんかとてもよかった。

    0
    投稿日: 2025.04.20
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    3マイナスor2プラスといったところでしょうか。 もう一段階深くいけたんじゃないかなぁ という期待とともに、他の作品も読んでみたいと思います

    0
    投稿日: 2025.04.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    空想人と、嘘を売る人と、軽い男と、現実逃避する女と、嘘つきが大嫌いな女と、嘘に寄り添う男。 そんな家族構成で成り立つ、羽猫家。 「山吹の嘘は、いつも、誰かをなぐさめたり、助けたりするために生み出される。」 「社会にとってなんの役にも立ってなくても、この世に存在しなくていい、という理由にはならない。」 「自分以外の人間のために生きたらいかん。」 「誰かを助けるために、守るために、って言うたら、聞こえはよかよ。でも、人生に失敗した時、行き詰まった時、あんたは絶対、それをその誰かのせいにする。その誰かを憎むようになる。そんなのは、よくない」

    1
    投稿日: 2025.03.17
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    破綻した嘘が解かれるとはどんなものなのかという期待から手に取り読んでいき、それぞれの家族の表裏が描かれ、人々の会話のほのぼのとしたやり取りやその中で急に訪れる問題との落差に惹きいったが、大きい落差はなく、ふわっとした部分が温かみがありそこは良いのだが、思ったのとは違うかなという点で星3にしました。

    0
    投稿日: 2025.03.03
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    んー実に寺地はるなさんらしいとゆうか。 起承転結がハッキリあるわけではなく、ただ淡々と物語が進んでいく。その中でフィクション感無く、他人事でもありそうな、すぐ近くで起きていそうな話しの中で、読者の感想もただ「そう、そうなんだよ」と喜怒哀楽がハッキリ出ることもなく終わっている。でも、内容が軽いとか無いとかではなく、ただ自然に馴染むように読後感を味わうからそう感じるのかな、と思った。 作品の感想って本当に難しい時があるが、最後の解説を書いている方はホントに凄いとつくづく思う。

    11
    投稿日: 2025.02.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1980年代、九州。崩壊気味の家族で育つ主人公。母は亡くなった弟がまた生きている世界につかり、父親は愛人のもとに通う。祖父は先代の財産を食いつぶしなから遊園地の計画を立てている。2つ上の姉はひたすら怒りながら暮らしている。そこから約20年間の山吹の物語。  寺地作品は優しいんだよな。どんな設定でもふんわりと淡々とストーリーが進んでいく。弟がいる世界に住んでいると思った母が実は正気であったというのは、なかなかハードな展開だと思うが、登場人物の誰もが深く追及せずにそっとしている。心温まるはずのシーンも静かで、祖母の葬儀、怒れる姉が登場する場面もそんなに感動を煽ることもなくお姉ちゃんは参列していた。祖母の葬儀が印象に残ったな。初恋の相手にかつて良いように利用されていた山吹が、また相手に頼まれて怒りを表す場面。もう山吹は結婚して、守りたい人もいたから思い切った行動に出たんだろう。ラストもすべてがハッピーエンドではなくて、途中経過。それでも人生が続く感じがしてよかった。

    3
    投稿日: 2025.02.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    物語は主人公、山吹の幼少期から中年期までの時系列になっている。弟は幼少期に事故死し、そこからは母が心の病気になり、父は町内で浮気、自分の夢を語る祖父と、家族から離れたい姉、育ててくれた祖母。 絵が得意で、空想が好きで、何をしていてもすぐに空想してしまう山吹。母をなだめるために、弟になりすまして手紙を書き続ける。歳をとり、勉強はできず塾に通い出す。そこで出会った1歳上のかな子に初恋をするが、想いを告げないまま、専門学校に進学を機に一人暮らしを始め、後の妻、頼と出会う。結婚、不妊、かな子や姉との再会、失業などあるが、最後はハッピーエンド。 幼少期の頃に幸せを感じられなかった紅や山吹を不憫に思っていたおばあちゃんと同じ気持ちになった。そういう境遇にあった2人がパートナーと出会って幸せになれて良かった。 頼っていい名前やなあって思った。「多くの人に頼られ、多くの人の助けとなれるように。」「じょうずに他人に頼れる子になってほしい」

    1
    投稿日: 2025.01.14
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    家族っていろんな形がある。 家族それぞれに合わせて接して成長した山吹。 相手のことを考えるあまり、 不器用に見える。 でも、それが山吹なりの処世術なのかもしれない。

    5
    投稿日: 2024.12.23
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    祖母の‘自分以外の人間のために生きたらだめ’ っていう言葉とか 自分の物差しで他の人を測ったらだめとか ちょっと日々の生活の中で あっって思うようなことが 多々あり 静かに気持ちの中に落ちてくる

    1
    投稿日: 2024.11.24
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    小学生の山吹の家庭は変。空想の世界に生きる母、それに目を向けず愛人の元に逃げる父、思いつきで動く適当な祖父、そのなかではまともな祖母、全てに嫌気がさし家から出たい姉。 なかなかヘビーな話かもと思ったけど、意外と山吹が成績がめちゃくちゃ悪かったり、山吹の友人錬司がいい奴だったりすることで、重苦しい雰囲気にならず読み進めれた。

    6
    投稿日: 2024.11.09
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    なんだか心地良かったです。 メンタル激落ちの時に読んでいたから、その時の状態にマッチしたのかもしれません。 重くなくて軽くなくて、押し付けがましくないけどかといって離れていってしまうわけでもなく。 今の自分のとっては心地よい距離感だったから、少し心が軽くなりました。 いいなー…って思った。 物語の紡ぎ方も、山吹の感じも、頼と山吹の関係も。 なんか良かった。 印象的だったところ。 「このお話の主人公であるおじさんは、僕の祖父です。父でもあり、もしかしたら、母でもあるのかもしれません。僕を含め、現実には存在しないなにか、を心の拠りどころとして生きている人たちです。 物語を読む、という行為にも、そういう要素はあります。物語というのは、言ってしまえば現実におこったことではない。嘘、です。 それでも物語には、それを書いた人の思いや、願いが、たくさんつまっています。 物語のかたちをとって伝えようとした思いや願いは、ぜったいに嘘でも架空でもなく、そこにあります。 現実にはないなにかを心の拠りどころとして生きることは、むなしいことでしょうか。でも現実にはなくても、心の中には確かに「ある」、それは「確かにそこにある」ということなのです。生きるために、生きていくために、必要だったから、そこにあった。 僕はこれからも現実に「ない」ものを守りながら必死に生きます。現実に「ある」大切なもの、家族や、周囲の人たちと同じくらい、大切に守っていく。」 ここに持ってくるまでの、全てのストーリー。 母親のこととか、山吹の小学生時代とか、紅の反抗期のこととか、色々色々。 全部ここに集約できるんじゃないか。逆にここにくるまでに良くストーリーが自然と膨らみ、まとまりないように見せて、このまとまりにおさめられるとは。 今まで読んだ寺地はるなさんの作品の傾向とちょっと毛色が違う感じがしたのですが、今までのとは別格で好きかもしれません。 これは特別な気がします。

    0
    投稿日: 2024.10.16
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    タイトルと表紙の絵がファンタジーな話を連想させるが、全くファンタジーとは無縁の羽猫家のバラバラな家族と、その長男山吹の物語。 現実にはいない架空の犬を撫でながら幼い頃から生きてきた山吹。 物語というのは、言ってしまえば現実におこったことではない。嘘、です。 物語を読む、現実にはないなにかを心の拠りどころとして生きること。 人は見えない嘘を心に抱えて生きているのかもしれない。 わかっていても誰もが触らないように生きていく。 家族だって架空の犬であり、嘘をつく猫なのだろう。 嘘がほどかれたとき、その糸を手繰り寄せてまた紡いでいく、家族にしかできないことなのかもしれない。 彩瀬まるさんの解説がとても的確で素晴らしかった。 解説を読むことで、この物語が厚みと深みを増して浮かび上がってくる。 作家さんってすごいな。

    20
    投稿日: 2024.09.23
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    身勝手な大人達ばかりの中で子供達は現実にしっかり向き合っている… そんなお話です。 主人公の男の子は理不尽な事ばかりがおきている中でなんとかしようとする優しさに、周りの大人が甘えているように思えて腹ただしさを感じます。 そんな主人公が大人になりまた彼の優しさに甘えようとした相手に、自分を見くびる事に対して怒りを表します。 頼る方は優しさに甘えているつもりかもしれないけれど、これは甘えではなく優しさを利用しているのではと思えてしまいました。 色んな理不尽な事に合ってきたのにそれでも彼は大切な人へ優しさと守ろうとする気持ちは変わらず持っている事に優しさだけではなく強さも持っているのだと気付かされます。 彼に愛された人は幸せだろうなと。

    30
    投稿日: 2024.09.22
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    まだ途中なんだけど、 感想書きたくなっちゃうくらい良い。 しんどい時、特に自分のことがなんかすごい嫌になっちゃう時に読みたい。とにかく何もかもから逃げ出したい時に読みたい。 _ 読み終わった。よくも悪くも、私の琴線に触れる本だった。この本読んでるからしんどくなるのかも、、、?って疑いたくなるくらい。 たまに泣きながら読んだ。 何も解決しないし、みんな色んな嘘をつく。 正しいだけじゃ他者に届かないってあとがきに彩瀬まるさんが書かれててぞくっとした。

    1
    投稿日: 2024.09.04
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     つらいことがあると犬を撫でました。現実にはいない、架空の犬です。犬を飼えるような家ではありませんでした。もう少し大きくなってからは本をよく読みました。空想上の犬も、物語も、僕の大切な友達でした。  主人公である山吹の書いた小説が出版されることになる。その刊行記念として書かれたエッセイ『架空の犬』  現実にはないなにかを心の拠りどころと生きることはむなしいことでしょうか。でも現実にはなくても、心の中には確かに「ある」、それは「確かにそこにある」ということなのです。  町に遊園地を作る等、夢のようなことばかり言う祖父。愛人のもとに通う父。亡くなった子どもが生きているかのように振る舞う母。その子どもを装って、母に手紙を書く山吹。現実から目をそむけながら、それぞれが何とか生きていくためのさまざまな嘘。  「犬」という存在は私にとって、かなり特別なものだ。幼いころから一緒にいた犬たちの、ちょっとした表情やしぐさ、撫でているときの体温がいつも自分の中にある。  友だちの亜美ちゃんのところの犬を「現実に」迎えることになる山吹。現実に感じることのできる体温が、山吹をたくさん助けてくれることになるだろう、と思った。  

    31
    投稿日: 2024.06.07
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    私も親と折り合いが悪かったので、なんともいえない気持ちで読んだ。 自分自身がアラフィフになって改めて感じることは、親だからって皆んなが大人ではないということ。母親は動物的本能で子供を無条件に愛するというのも、都市伝説・おとぎ話の類いだと思っている。 自分の親が世間一般の親と違うと感じても、子供としてはなかなかそれを認めたくないし、自分も他の子供のように愛されてると思いたいもの。でもどんなにジタバタしても事実は事実で、成長して現実を受け止められるようになっていくまでもがくことは仕方のないことだと思う。 とはいえ、実際には飼うことのできない妄想の犬を撫でることで寂しい現実をやりすごす子供のことを考えると、本当に切なく、胸が痛くなった。 苦しい子供時代を生き抜いた子供たちと、頑張ったねとハグを交わしたい。

    15
    投稿日: 2024.05.08
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    著者、寺地はるなさん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。 ---引用開始 寺地 はるな(てらち はるな、1977年 - )は、日本の小説家。 ---引用終了 で、本作は2017年刊行の作品なので、著者が40歳位の時に書かれた作品になります。 その内容は、次のとおり。 ---引用開始 空想の世界に生きる母、愛人の元に逃げる父、その全てに反発する姉・紅(べに)、そして思い付きで動く適当な祖父と比較的まともな祖母。そんな家の長男として生まれた山吹(やまぶき)は、幼い頃から皆に合わせて成長してきた。だけど大人になり彼らの“嘘”がほどかれたとき、本当の家族の姿が見えてきてー?破綻した嘘をつき続けた家族の、とある素敵な物語! ---引用終了 本作の書き出しは、次のとおり。 ---引用開始 この家にはまともな大人がひとりもいない、というのが姉の言いぶんで、山吹もなかばそれに同意する。まともな大人はいないけれども「僕はまだ八歳だから」と山吹は思っている。まだ八歳だから、その大人たちに頼るしかない。「あの人たちはあてにならん、わたしたちがしっかりせんと」と主張する姉の紅とて先月十一歳になったばかりなのだ。 ---引用終了

    42
    投稿日: 2024.05.06
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    最近はまっている寺地さん作品で、家族をテーマにしたお話。 家族同士ってどうしてこうも素直になれないものなんでしょうね? いや、世の中には何でも話せる関係性の家族もいると思います。ただ、我が家もどちらかというと羽猫家的な感じで。 羽猫家の祖父母や父母のようにぶっ飛んだ人はいないし、決してお互い仲が悪い訳ではないけど、どうも素直になれないと言うか。例えば学生時代に恋愛や友人関係の相談を母親や兄弟にしたことなんてない。 とはいえ、羽猫家と同じく、年がたったことで色々話せるようになったなと思います。 家族の形って本当に家族それぞれだけど、「私には家族がいる」と思えることほど心強いことはないので、羽猫家のように薄く細くてでもいいから繋がっていたいなと思いました!(母の日近いし母への感謝を忘れずに伝えよう...!)

    15
    投稿日: 2024.05.05
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    寺地はるなさんの作品を読むたびに「君は君のままでいいんだよ」と言って貰えた気がして、ものすごくホッとする。他人から見たらすごくかっこ悪くても、最低でも、それぞれの幸せの形があるんだと安心する。 山吹の最後のエッセイとても良かったなあ。 北澤平祐さんのイラストが好きなので表紙を眺める。これあの時の鳩サブレかー!とにんまり。 ⚫「世界に、役に立つものしか存在せんやったらあんたどうする?お芝居は役に立つ?絵は?音楽は?漫画は?お子様ランチのチキンライスの上の 旗は?女の子のスカートの裾に縫いつけられたフリルは無駄?無駄なものが全然ない世界なんて」フッ、と祖母は鼻で笑う。 「そんな世界、おことわりよ。そう思わん?」 ⚫あたしならそんなことしない、という目線で他人の人生を見る時、そこにはたしかに優越感のようなものが滲んでる。あきらかにまちがった選択をして窮地に立たされた人間に「自分なら、こうする」「そんな選択はしない」と言い切るのは、気分の良いことだ。だって自分はその渦中にいないし、いくらでも冷静な判断がくだせる。安全な場所から他人の選択に口を出すのは、恥ずべきことだ。

    4
    投稿日: 2024.04.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2024/3/22 しんどい家族が時を経てなんとなく納まる物語。 感想がまとまらなくて。 おかんの手紙ひどすぎん?やし。 でも最終的には悪くない形に納まったので読後も悪くはないんよ。 頼が救いよな。 救いの人がいてよいな。

    1
    投稿日: 2024.03.28
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    それぞれにそれぞれの事情や考え方があって、その中で正しく生きていたいけど生きられないから嘘があるけど、それを「わからなくても、愛せなくても、その存在を認めることはできる」っていう価値観をこの本を通して実感しました。どうしても人間を好き・嫌いで見てしまうけどそれだけだともったいなくて、それ以上に知ろうとする努力で自分自身の色んな感性を磨けていけるのではないかと思いました。

    1
    投稿日: 2024.03.24
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    自分も家族も環境も思い通りにはならなくて、嘘や空想や現実逃避しながら懸命に生きている。 親子、姉弟、夫婦、友人、たくさんの関係性があって、主人公の山吹を通して大人になりながら、少しずつ周りが変わったり、自分が変わったり、とにかく希望が見えてよかった。 人は弱いんだけど、強い。

    1
    投稿日: 2024.03.19
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    寺地はるなさんの作品は好きなのでこれで7冊目です。 事故で亡くなった幼い息子の死を受け入れられず空想の世界で生きている母、 愛人の元へ逃げる父、それに反発する姉。 思い付きで動く祖父、唯一まともな祖母。そんな家庭で育った主人公の山吹。 主人公の山吹を中心として幼少期から大人までの破綻していた家族を描いた物語。 山吹が幼少の頃を描いた部分は子供ということもあって、 家族の言っていることに子供らしくぼんやりと思っていたことだったり、 おばあさんの言っていたことに納得するかのように 子供なりに理解していっている様子があどけなかったですが、 それと並行して母が自分に振り向いてくれなかったということが とても寂しいというのがひしひしと伝わるので切なさも感じました。 それが山吹だけでなく姉の紅もあり、父も母の現状に受け入れることが 出来ずに息を抜ける場所へ逃げてしまったことが何とも言えない気持ちになりました。 母親は自分のお腹を痛めて産んだ子供だからこんな気持ちや行動になってしまうのかとも思いましたが、 それには深い訳があったと思うとやりきれない気持ちになりました。 特に母親から山吹に宛てた手紙は冷たくて、 自分が子供だったら今後立ち直れそうにない文面でした。 けれど人間というか、家族というのは月日を経るごとに 成長したり、進化をしたりして気持ちなども変わっていくこととなり、 山吹も何処か後ろ向きだった心も徐々に前向きになって 自分なりの幸せを掴むことが出来てほっと出来ました。 文中にあった「みんな年を取った、いやな気分にはならなかった。 それだけの時間を生き延びてきたのだと思った。 美しくも、絵になる写真でもなかったが、それでも良かった。 自分たちのそのままの姿が、ただうつくしとられている。」 というのがこの作品を凝縮している部分だと思いました。 家族だから本音を言えなかったり、嘘をついてしまったりして しまうと思いますが、それが形を変えて最終的には これで良いと言える家族になれるという未来があるから 家族というのは良いものだと思いました。 作品の中所々で祖母が話す言葉がどれも印象的でした。 中でも「自分以外の人間のために生きたらだめ。」 寺地さんの作品は心が温まる作品が多いですが、 今回も同じく背中をそっと押してくれるような 言葉が沢山詰まっている素敵な家族の物語でした。 タイトルだけを見ると犬と猫の物語だと思いましたが、 最後に分かってすっきりとしました。

    2
    投稿日: 2024.02.28
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    違和感なく月日は経っていきました。「5年後はどうなっているんだろう」と、楽しみに読みましたが、なかなか事態は好転せず、苦しかったり、切なかったりするばかりで…。ラストの遊園地で救われましたが、それまでの鬱屈とした流れからして、ちょっと変容が急だった気もします。しかして、家族全員が一つとなって救われたことよりも、紅や山吹が個々に幸せになったことの方が嬉しかった。 「社会にとって役に立ってない子 が この世に存在しなくていいという理由にはならない」という祖母の言葉、そして、山吹の刊行記念エッセイにある珠玉の言葉たち、忘れずにいたいです。

    1
    投稿日: 2024.02.17
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    他人から見れば間違ってると言われるかもしれない。それでも、それを自覚しながら間違いだと言われる選択をすることを他人がとやかく言うことじゃないよなと、首がもげるくらい頷くように読んだ。 何かしらの事情や悩みや不安や悲しみを抱いている。それを知ってるのは自分だけで、それに向き合うのも、どう付き合っていくかも、そして今後付き合うのも自分。手を伸ばすことなく、手を取り合うことなく、相手と自分に不器用に優しく寄り添う姿が、とても愛しかった。 私もずっと、いつかこの環境を私から手放せるような、そんな漫画みたいな出来事が起こったらなーって空想してたな。そんなふうに現実から目を逸らして、やっと幸せだと言える大人になった、と思う。

    4
    投稿日: 2024.02.05
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    嘘をよくつくお爺さん、嘘で母に寄り添おうとする山吹、嘘の世界に縋ろうとする母。 一見優しい嘘が、本当は人を傷つけていたり、軽くついた嘘が人を和ませたりする。 嘘もつかいようというけれど、それを感じる作品だった。 私は頼が大好きだ。

    2
    投稿日: 2023.12.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読者として浅いのかもしれないけど、やっぱりお母さん嫌いだ。 紅とおばあちゃんぐらいしか好きになれる女の人いなくて、ちょっとずつ苛々しながら読んでた。 だからかな子を拒否するシーンはちょっとすっきり。でも千里さんの近くに置いておくの嫌。 文章はするする読めるけど、登場人物に引っ掛かるせいで純粋に楽しめなかった。私の力量不足なんだろうな。

    4
    投稿日: 2023.12.13
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    みんな信じたいものを信じて、何が真実だとしても自分の都合のいい解釈で生きていく。 例え「嘘」だとしても誰にも迷惑をかけないのなら、それで生きていけるのなら、それでもいいんじゃないかと思えた。大人になったらきっと分かることも増えるだろうと。 「この世の中は役に立つものだけでは出来ていない」本当にそうだと思うし、そう思いたい。 家族の形は人の数だけあるということを思い知らさせる作品。

    1
    投稿日: 2023.11.25
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    寺地はるなさんは『大人は泣かないと思っていた』に続き2作目。 舞台は佐賀県の架空の町 塩振町。 羽猫家で長男として生まれた山吹の小学生から30年間の物語。あらすじで思っていた程、風変わりな家族と感じず、私にはそれなりに普通の家族のように思えた。ただ、家族といえども一家には大人も子どももいる。本作は、山吹や姉の紅といった子ども目線で進むので、そこには大人には見えない不安や戸惑いが描かれている。それ故に、既に大人になってしまった私には(半分位は大人になったことを言い訳にしているのかもしれないが)、気付かなかったことや、見過ごして来たことを詳らかに綴られているような作品だった。 家族は様々だし、それは家族といえども一人一人の人間が自分の物語を懸命に生きているのだから至極当たり前のことだろう。時には自分や誰かの為に『嘘』をつくことが必要になるかもしれない。 作中での山吹の恋人頼子目線の場面で 「言葉の裏に隠された嘘と真実の割合をつまびらかにするために躍起になる必要はない。」とあった。 様々な『嘘』が一つの鍵となる本作だが、誰でも嘘はつく。少し大袈裟だが、誰しも時には生きるために嘘が必要になることもあるのだと思う。 中でも特に印象に残ったのが、母 雪乃が山吹にずっと出せないでいる手紙にしたためた心の声を吐露するシーン。 これは凄まじかった。 脱力して放心しそうだった。 読み手としては、このシーンがあって良かったと思う一方で、母親の弱さ故の残酷さに、この返事が山吹のもとに届かずほっとした。時が経てばまた雪乃の思いも変わると信じたいと思った。 寺地さんは『嘘』を善悪で表現するのではなく、ただ介在するものとして扱っている。解決したり糾弾するでもないその新鮮さは、読み手に否応なく人間のありのままの姿を見せているように感じた。そして、そのありのままを受け入れることも時には大切なのだと教えてくれる作品だった。 以下、印象に残ったフレーズ かかわることはできる。寄り添うことも。 どうしてもわからないことは、わからないまま受け止めておくこともできるのだと、大人になってから思うようになった。わからなくても、愛せなくても、その存在を認めることはできる。 あきらかにまちがった選択をして窮地に立たされた人間に「自分なら、こうする」「そんな選択はしない」と言い切るのは、気分の良いことだ。だって自分はその渦中にいないし、いくらでも冷静な判断がくだせる。安全な場所から他人の選択に口を出すのは、恥ずべきことだ。

    19
    投稿日: 2023.10.24
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    この本は4日で読み終えてしまった。まぁ、面白かった。文章に緊張感があり、次どうなるのかと? 先の内容が知りたくなる小説だった。 寺地はるなさんの小説は初めてだったけど、もう一つ読んでみたい。

    3
    投稿日: 2023.10.19
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    主人公の名前は「山吹」名字は「羽猫」 青磁を亡くしてから 父は不倫、母は架空の世界で生きる 祖父は嘘つきと呼ばれ 姉は家族に反発 まともなのは祖母 反発しあいながらも家族の歴史を重ねていく 羽猫家族のいく末と山吹少年が大人になるまで ラストの遊園地の場面が良かった ありのままを受け入れる家族 これはこれで凄い

    6
    投稿日: 2023.08.02
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    子の死を受け入れない母、浮気をする父、夢見がちの祖父、骨董品屋で嘘の商品を売る祖母、家族嫌いな姉、その弟の山吹、という個性的な家族が集まる羽猫家の話。それぞれが嘘を吐き、その嘘が優しさだと感じ取れるまで随分とかかってしまう。頼ちゃんの存在に山吹と同じように私も救われた。

    2
    投稿日: 2023.07.13
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    みんな自由で家族なのにバラバラで、みんなと居るのに孤独を感じる。何だか、自分の家族のことではないかと思ったくらい…(全然違うけど) 羽猫家のひとびとが抱える問題、彼らと交わるひとびとの問題、すっきり解決とはいかないし、他人が抱える何かにズケズケと入り込んだりもしない。どちらかと言うと、時間が解決していくということが多いのかもしれない。 だれど、良くも悪くも影響し合って、進んでゆく。 寺地さんの本を読むと、何となく、ダメな自分、弱い自分が許されている気がする。おばあちゃん、自分の祖母を思い出して、好きだなぁと思った。

    11
    投稿日: 2023.06.03
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    羽猫山吹(はねこやまぶき)は小三、8歳。2歳上の姉、紅がいる。2歳年下の青磁が事故で死んでしまったことで、羽猫家は特に大人が壊れている(もともとちょっと変わっている人も)。五つづつ歳を重ねながら章が進む。羽猫家の大人は頼りにならない。その環境で強く生きられない山吹のちょっとずつの成長が語られていく。嘘つきだけど、憎めない面々を、愛しく綴られた物語。 弱かった山吹が少しずつ意志を持ち、自分の気持ちを表現出きるようになっていく様子が気になって、一気に読んだ。

    6
    投稿日: 2023.05.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    次男の不慮の死で母は空想の世界に生き、父は愛人に逃げ、長女の紅はそんな両親に反発し、家族の心が空中分解してしまった羽猫家。 母の世界を守るために長男の山吹がつく嘘がこの上なく優しい。 そんな山吹の胸を抉るような憎悪が剥き出しになった母の雪乃の心の叫びが綴られた手紙は残酷だ。でも、その手紙を結局一度も息子に出さなかったのは彼女の中にわずかに残っていた母親としての愛情に思えて仕方なかった。 様々な登場人物の言葉に乗せて語りかけてくる寺地さんのメッセージは、ままならぬ現実に苦しむ人の気持ちを楽にしてくれるだろう。

    1
    投稿日: 2023.03.08
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    大人はみんな頼りにならない。最も身近な大人である家族が一番頼れない。そんな家庭て育った山吹の子供時代から大人になるまでを描いた物語。 大きな夢ばかりを追いかける祖父、真偽不明の物を売る店を営む祖母、浮気をしている父、亡き子が忘れられず生きているかのように暮らす母。 姉の紅はそんな家族に怒りを抱えやがて家を出て行く。 誰からも前向きな愛情をかけてもらえないまま大人になっていく山吹の姿が読んでいて寂しくなる。 それでも小さな幸せを手にする姿にホッとした。 家族ってなんだろうと考えた作品。

    0
    投稿日: 2023.03.04
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    この家庭で生まれたからこうなったとか、色々あるけれど、この本を読むと、何となく希望をもって生きていこうと思いました。 人生はいつだって修正できるし、白黒決めつけずにグレーゾーンでもよい。生きていくことで、少しずつ答えが見つかることもあるということを教えてくれた本です。

    2
    投稿日: 2023.02.08
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    2023.1.8 読了。 家族がそれぞれ違った方向を見ている羽猫家の長男として生まれた山吹の8歳からの30年間を綴った、羽猫家の家族とその家族に関わる人々の物語。 初盤は登場人物として出てくる羽猫家の誰もが自分勝手に思えて、山吹以外の家族の気持ちも分かるが山吹は気苦労が絶えない家庭だなぁと思ったが、話が進むに連れて登場人物のひとりひとりの抱えた感情や物語が明らかになっていきとても深いストーリーだと感じた。読み終わる頃には登場人物全員に共感できる部分があって、人生正しくなくても白黒ハッキリつけづ感情にも行動にも一貫性を失うことがあったりグレーゾーンがあってもよいのだな、そうしなければうまくは生きていけないこともあるよな、と思えた。 他人の領域に入り込まないことは優しさと残酷さの両面があることも良いバランスで描かれていたと思う 。 祖母・澄江のある種達観した考え方が好きでした。

    7
    投稿日: 2023.01.08
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    親に愛されるのが当たり前な訳はなく、 親孝行な子供である事が当たり前な訳もない。 家族だから仲良しなんて理屈はどこにもない。 それがすべて叶うのは理想であるけれども。 優しさには理由があるのだ。 優しくなれる理由が。 優しくなれない理由が。 自分にはごくありがちな、リアルに 何処にでもいそうな家族の物語。 読み手の育ちによって感じるものは それぞれだろうけれども。 その生々しいリアルさが響いてしまい 自分は自分。これでいいのだと 色んな嘘を肯定して貰えた気持ちになれた。

    0
    投稿日: 2022.12.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ばらっばらの羽猫家。 お爺ちゃん、お婆ちゃんは居なくなってしまったけど、最後皆で遊園地に行ってる姿を空から見てる気がする。素敵な終わり方だった。 「わからなくても、愛せなくても、その存在を認めることはできる。」

    4
    投稿日: 2022.11.28
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    短期入院中の読書、その2。 3番目の子どもを幼くして亡くして以来空想の世界に生きる母、それをもて余し愛人の元に逃げる父、思い付きで動く祖父とへんてこな商売をしているが比較的まともな祖母、その全てに反発する姉。 そんな家の長男として生まれた山吹の、8歳から38歳までが5年刻みに語られるお話。 この家族以外にも色々訳ありの登場人物がありそれぞれに複雑で、結構いい話だったのだが、どう表現したら良いのかまとまった感想が思い浮かばない。 祖母が山吹に「あんたは社会にとってなんの役にも立っていない子」と言いながら「でもそれは、山吹がこの世に存在しなくていい、という理由にはならんでしょう」という場面が良い。 頼との結婚を話に行った山吹に頼の父が「君は、頼を絶対に幸せにするという自信がありますか?」と問うた後のやり取りが好き。 遊園地での家族写真のシーンに、子どもの頃の自分の家族と子どもを持ってからの自分の家族の、似たような写真を思い出して、ちょっと切なくなった。

    20
    投稿日: 2022.11.23
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    羽猫(はねこ)一家。 母親は、事故で亡くなった弟が生きていると思い込んでいて。父親は、家庭から逃げるように町内に恋人を作って通っていて。おじいちゃんは突拍子もないアイデアを出し、おばあちゃんは『変なもの』を売るお店を営んでいて。お姉ちゃん「紅(べに)」はそんな家族が嫌いで。僕「山吹(やまぶき)」は、母親に合わせて、弟「青磁(せいじ)」を装って母親に手紙を書く。 そんな家庭で育った山吹が、「頼(より)」と家庭を作るまでのいろいろなお話。 複雑な家庭かなと思いつつも、皆相手を思いやり自分を立て直すためにちょっとずつ優しいウソや誤魔化しをしてる。なんとも優しい時間が流れる。 ホッコリなお話でした。

    3
    投稿日: 2022.10.23
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    失ったわが子が生きている夢の世界に逃避する母親、大事なことから逃げ出して浮気をする父親、夢ばかり追いかけてホラをふく祖父、骨董品屋を営んで嘘の商品を売るけれど比較的常識人の祖母。 羽猫家にまともな大人はおらず、みんなが少しずつ嘘をついている。 羽猫家の長女、紅は嘘を嫌って家を飛び出し、長男、山吹は家族を肯定するためにみんなの嘘に寄り添う… ※※※ 初・寺地はるなさん。 心のどこかをずっと、きゅーっとつままれるようなお話でした。 羽猫家の大人たちは、嘘つきであると同時にすごく自分に正直。自分に正直でいるために、家族に嘘をつく。 大人だから、親だからと誰でも立派になるわけではない。そこはすごく現実的で、家族としてはかなり歪んでいるけど、それを見ている山吹のフィルターが優しくて、読者の目には歪みが一見伝わりにくい。それがまた少し悲しい。 この本には同様に一見歪んだ親子関係がたくさん出てきます。 子供を捨てて恋人と暮らす親、シングルマザーで生活するために子供を撮影対象として貸し出す親、娘に恋人を寝取られて娘を傷つけようとする親。 読んでいて、なんでなんで、私ならこんなことしないのに、子供にこんな思いさせないのに、と憤りながら読んでいたら、次の台詞にハッとさせられました。 『あたしならそんなことしない、という目線で他人の人生を見る時、そこにはたしかに優越感のようなものが滲んでいる。(中略)だって自分はその渦中にいないし、いくらでも冷静な判断がくだせる。安全な場所から他人の選択に口を出すのは、恥ずべきことだ』 そうかもなぁと反省。人の選択に余計な口出しはしないように気をつけてるつもりだけど、しちゃってる時もあるかも。 んー、でもやっぱ幼い子供が犠牲になるような選択には口出ししなきゃいけないときもあるはず!そこはしっかり判断が必要ですよね。 とはいえ、 『甘くたって、いいじゃないか。世界は厳しい。人生は甘くない。妻である自分ぐらい、たまには山吹を甘やかしてあげたいではないか。』 このように考えられる頼と出会えたことは、山吹にとって本当に良かったなと思います。 結局のところ、人は自分が主人公の人生を送るしかない。 その中で子供だったり、兄や姉や弟や妹だったり、恋人だったり、夫や妻だったり、親だったり、祖父母だったりなどの役割が、否応なく割り当てられる。 中にはうまく演じることのできない役割はあっても、他の人に頼ったり頼られたり、時には架空の犬を飼うような優しい嘘でごまかしながら、なんとか乗り越えていくのもアリなのかもしれないなー。 と、そんなふうに感じられる一冊でした。

    24
    投稿日: 2022.09.15
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    『自分ならそんなことしない、という目線で他人の人生を見る時、そこにはたしかに優越感のようなものが潜んでいる。あきらかにまちがった選択をして窮地に立たされた人間に「自分なら、こうする」「そんな選択はしない」と言い切るのは、気分の良いことだ。だって自分はその渦中にいないし、いくらでも冷静な判断がくだせる。安全な場所から他人の選択に口を出すのは、恥ずべきことだと頼は自分を戒める。』 羽猫家は、みんな「嘘つき」である――。これは、破綻した嘘をつき続けたある家族の素敵な物語。 装丁が可愛らしく手に取った1冊。主人公の家族の長年を淡々と描き、読了後はじんわりとあたたかくなる作品だった。 作者の作品はこれが2冊目なのだが、登場人物に皆クセがあり、出てくる大人にポンコツが多いのがこの作者の特色なのかなと思った。 しかし、ポンコツ加減の嫌悪感をライトな文章で緩和してくれるので読みやすい。 家庭内に問題があっても家族みんなで解決するわけでもなく、修羅場になるわけでもなく、個々がそれぞれ思いを抱えながら共存していく様にリアルさを感じた。 家族とはいえど自分以外は他人であり、一見冷たい様に感じるが干渉しないことも優しさのひとつなのかなとも思う。 読了後はひとつの家族を見守った達成感も味わえる。 人付き合いについて考えさせられた1冊だった。 こんな人におすすめ ・家族がテーマの話が好きなひと ・是枝監督作品が好きなひと ・人付き合いに悩みがあるひと ・心あたたまる話が好きなひと

    3
    投稿日: 2022.09.11
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    家族だからと言って、どの家族も家族を愛せるわけではないということ、一緒に住んでいてもわかり合えないことはたくさんあるということ、それでもわからなくてもいいから、受け止めることはできるということ。めちゃくちゃ深くてリアルな物語だった。

    2
    投稿日: 2022.08.19
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    愛するとか、信頼するとか、怒るとか、憎むとか、同情するとかではなく、ただ受け止めるということが描かれている、リアルで誠実な物語だった。

    14
    投稿日: 2022.06.29
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    家族である前に、みな一個人である。 家族を守ることができなければ、 それぞれが自分を守って 生きていくしかない。 それでも最後には ひとつになれて良かった。

    3
    投稿日: 2022.06.27
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    よかった。家族揃って遊園地へ行き、家族写真を撮ることができる家族になった羽猫家の人達。嘘をつくわけは色々あるけれど、そのままでいつかわかりあえたらいいのかもしれない。

    0
    投稿日: 2022.05.10
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    初•寺地はるなさん。 なぜ今まで読まなかったのでしょう、こんな素敵なお話を書いていたなんてっ。 なかなか上手くいかない家族の物語、大人に頼る事が出来ない主人公である子供目線の語り。 時々、大人達の心の中の語りあり。 5年刻みで物語は淡々と進んでいきます。 上手く真っ当に生きられない大人や、子供の事を考えてあげられない大人、状況を変えようと頑張る子供、大人も子供もみんな足掻いています。 読んでいて、なんとかしてあげられないものかと願ってしまったけれど、何も解決しないまま月日は流れていく。 願いが叶ったり、素敵なターニングポイントとか、劇的な展開とか、そんなの無い。 人はいつか死ぬし避けられない、血の繋がった親子であっても愛せなかったり許せなかったり、一緒に住む家族でも相手の本心なんて分からない。 私がこの本が好きだったのは、人生は思い通りにいかないけど、そりゃそうだという事。 どうにもならない事は、ならない。 どんなに望んでも叶わないこともある。 どうしても理解出来ない事もあるし、報われないままかもしれない、それでも月日は流れる。 上手く出来なくて当たり前なんだと思えた。 人は、みんな問題を抱えている、家族だろうとそれでいいんだなと。 逃げたい時は逃げていい、嘘が必要な時もある。 分かり合えなくても、自分には受け入れられなくても、相手の真意があるということ。 そういう時があってもいい、そう受け止められる人になりたい。 この本の良さを、私の言葉では上手く伝えられないのがとても残念です…

    35
    投稿日: 2022.04.30
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    物語に引き込まれた。主人公の山吹と姉である紅以外、登場人物が色んな意味で変わっている。最終的には長い年月をかけて家族が団結する結末で良かった。涙する程でもないが、ジーンとする切ないシーンはたくさんあった。頼がなかなか子供ができない体で、かな子(山吹が学生の頃に通っていた塾の娘)なら産んでくれるよと山吹に言うシーンとか。人は目に見えないもの、架空のもの…山吹は飼ってもいない犬、母の雪子は亡くなった青磁のことなど…をもっと信じていい。それが人生に彩りを与えるのなら。また、祖父が遊園地を建てることはできなかったが、無駄かもしれないもの程、人生を面白くする。この作品はもう一度読むことで、さらに内容がよくわかる気がする。時間をおいて再読したい。 ●再読(2023.4.15) 素晴らしい作品! 一言でいうと、包容力が偉大な作品。 どういうことかというと、この世に存在する物語、人間が描く架空の世界、妄想、理想すべてどんなものも肯定してくれていると感じられる作品。

    2
    投稿日: 2022.04.18
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    バラバラな羽猫家は六人家族。それぞれが嘘をつく。でも読み進めるうちに時間はかかったが家族になった。途中、やり切れない思いもあったが結局は嘘がやさしさだったのかも。

    0
    投稿日: 2022.02.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【父はいないし、母はずっとあんなふうだし、祖父は目の前にいるが、心がここにない。祖母は、と訊ねるまでもない。しばらく留守にしているのだ。】羽猫山吹8才から、39才。1988年から2018年。章と章。行間に横たわるのは年連のヘンテコでも欠けていても紛れもなく愛がある【家族】の物語だ。【山吹は、知ることができない。母の心の変遷を。祖母の思いを。】【それでも、かかわることはできる。寄り添うことも。どうしてもわからないことは、わからないまま受け止めておくこともできるのだ】

    5
    投稿日: 2022.01.24
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    頼ちゃん好き。紅ちゃんも好き。全員辛いし全員悪くないし、だからこそ辛い。誰も責められないのが1番辛い。けど幸せになれてよかった。

    0
    投稿日: 2021.11.27
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    (山吹や紅ばかりでなく)破綻した家族からこぼれ落ちた人たちがどうにかこうにか居場所を見つけてそれぞれそれなりに納まっていくお話。 架空の犬は何度が登場するけど、嘘をつく猫って何だろう?小さいころからその場しのぎの嘘ばかりついていたというお父さんの淳吾のこと?怪しい店をやっている澄江お祖母ちゃんのことでしょうか? 何となくほのぼの終わった感じがしますが、個人的には(多分当人たちにとっては大きなお世話なんだと思いつつも、)西と東の魔女が哀しい話だったなぁ、というのが感想です。

    0
    投稿日: 2021.10.04
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    雲のようにふわふわとした母と、浮気中の父。夢ばかり追いかけている祖父と、噓はつくけれど比較的まともな祖母。そして、自分の気持ちに正直な姉。 そんな破綻した羽猫家の、長男山吹の成長を、5年ごとに追って書かれていた。 大人たちはいったいどこを向いて生きているのだろう。 だけど、心にポッと灯がともるような一文が見つけられる。 何か大事なことがたくさん隠されているような気がして、さーっと読み飛ばすのがもったいないと思ってしまった。 山吹のつく噓は優しさに満ちている。 世の中は、親という肩書きを背負って、きちんと立っていられる大人たちばかりではない。人間の正直な気持ちを、きれいごとで覆い隠すことなく書かれていて、気持ちがよかった。 みんなそれぞれに自分の物語を生きていて、愛せなくても、その存在を認めることはできるのだから。 みんなが幸せになれてよかった。最後まで読んでよかった。

    43
    投稿日: 2021.08.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

     人生に絶対的な幸せも、正解もない。そう思うと、少し生きるのが楽になる。  最後に刊行記念エッセイとして書かれた言葉は、物語を紡ぐ人たち全てが抱いている矜持だと思われ、物語に救われている者として、深く共感する。

    4
    投稿日: 2021.07.02
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    どうしてもわからない事は、わからないまま受け止めておくことも出来る。その存在を、認めることは出来る。 良い悪いではなく、在るものとして受け入れて、それぞれが生きていく話。

    0
    投稿日: 2021.05.24
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    羽猫家は、みんな「嘘つき」である――。これは、破綻した嘘をつき続けたある家族の素敵な物語。寺地はるなの人気作、遂に文庫化!〈解説〉彩瀬まる

    0
    投稿日: 2021.05.13
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    山吹くんの少年時代から大人になるまで。 こんな壮絶な家で育って、やさしい心を持っている山吹くんは、すばらしい。 山吹くんと頼ちゃんの関係も、なんか好きだな。

    0
    投稿日: 2021.05.04
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    んー、なんで今まで寺地さんを知らなかったんだろう。この本も、なんだか題名が某お笑い芸人の本のタイトルに似てんなと思いつつ買ったんだけど。午後から本屋に行って、しばらくは寺地三昧になりたいなと。

    0
    投稿日: 2021.01.30
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    嘘をつくことで家族のバランスをとっているんだなと思った。これはどの家でもあることだと思う。家族の縁はどんなに嫌でも切れないのだから。

    11
    投稿日: 2021.01.10
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    家族のそれぞれが好き勝手に生きているようななかで迷いながら生活している山吹。歳を重ね家族の本当の姿、想いを知った後に感じるもの。なかなか上手く付き合えなくても大切なことは事実で、目に見えないものも存在として確かにあり自分を支えてくれている。身近にある感情だったり何かに対する疑問だったり寺地さんの作品はそこを掬い取ってくれる。だからこれこらも読んでいきたいと思える。

    3
    投稿日: 2021.01.10
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    すごいヘビーな話だと思うんだけど、淡々とまるで他人事のように物語は進んで、何も解決せず、何かが変わるきっかけも事件もなく、許しが与えられるわけでもない。ただ、たくさんの時間をかけて、ゆっくりと怒りや悲しみがが擦り切れる事や、思いが育まれるさまが、かかれている。 不思議な作家さんだなぁと思う。 猫はでてこない。

    2
    投稿日: 2021.01.10