
総合評価
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powered by ブクログ「ゆうえんち」最終の5巻。 体の裡に棲む魔性が蠢き続ける限り、敗北ではなく勝利への途中という思考だったか柳龍光。気持ち悪さが「ゆうえんち」の柳はたまらなくぞわぞわさせる。これのあと死刑囚編の柳を見ると、毒気が薄れたように思えます。 柳との決戦の後、蘭陵王との戦いに臨むことになった無門。彼もあちら側へ行く有資格者でした。ここの挿絵がオーガ、愚地独歩、松本太山、柳龍光、神奈村狂太、久我重明の面々。獅子の門をくぐり、あちら側へと歩を進めた無門。その最初の相手が蘭陵王か。 ここの戦いもそそるものがありましたが、さらに古から続く闘争の歴史があるという新事実の披露がとんでもない好奇心を生み出してしまう。「準備はできたかい」がゴングとなって始まる格闘家たちの競演で饗宴で狂宴。こんな風呂敷広げて獏さん大丈夫?年齢も年齢だし、「ゆうえんち」連載中は体の不調も抱えていたことですし。体が資本なので、ご自愛下さい。でもね、広げっぱなしになるかもしれないけど、風呂敷畳んでくれてもいいのですよ。 ただ、ここで「準備はできたかい」の声がかかるキャラクター、存在が弱い。 斗羽や猪狩ならまだしも、花田はちょっと。 まあ、バキ本編で活躍中の登場人物でないメンツを選んだといってましたが、役者不足ではないでしょうか。まあ、無門が立ち向かってくれればいいのか。それですね。 物語の途中で風呂敷広げすぎて長編になってしまうのではないか、と危惧していた「ゆうえんち」。それはそれで楽しみではあったけど、まさか最後で大風呂敷あるとは思いもしませんでした。いやー可能性はゼロでないと思うので、一縷の望みをかけて待とうと思います。板垣恵介ワールドも好きだけど、夢枕獏ワールドも好きなのですよ。
0投稿日: 2024.01.20
powered by ブクログ夢枕獏『小説 ゆうえんち バキ外伝 5』秋田書店。 ついに完結。夢枕獏が様々な制約を物ともせず本気で描く、板垣恵介の『バキ』と夢枕獏の『獅子の門』『餓狼伝』『キマイラ』『魔獣狩り』の渾然一体となった夢の格闘技世界の第5巻。 非常に面白い。冒頭から葛城無門と柳龍光とのアドレナリン全開の『死合』が描かれる。夢枕獏の格闘技小説の集大成のように次々と過去の作品に登場した技が描かれる。そして、師匠・松本大山を殺した柳龍光との激闘の後、葛城無門の前に立ち塞がる『ゆうえんち』の主催者・蘭陵王。太古から続いて来た、終わらことのない格闘の輪廻。 タケミカヅチ…… 凄いのは夢枕獏が足掛け4年に亘り、リンパ癌を患いながらも、一度も休まずに連載を続けたことである。それに比べて、月に一度は必ず休載する板垣恵介の体たらくぶりは目に余る。 夢枕獏のあとがきによると、この『小説 ゆうえんち』が漫画化されるらしい。作画は『小説 ゆうえんち』の挿絵を描いた藤田勇利亜とのこと。漫画を原作にした小説の漫画化とは何ともややこしい。 本体価格800円 ★★★★★
6投稿日: 2022.02.10
