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ほのぼの路線バスの旅
ほのぼの路線バスの旅
田中小実昌/中央公論新社
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総合評価

4件)
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    ある日著者は練馬の自宅付近からバスに乗り、乗り継ぎながら、このまま西へ西へと行ってみようかと思う。途中で諦めては自宅に戻り、またバスを乗り継ぐことを続けること約20年。1995年、鹿児島の国分へとようやくたどり着く。車窓から著者が眺めている風景や、夜になってから飲み歩く店の様子や出会った人々のふるまいが事細かに描かれ、文庫で読めば数日で読み切ってしまうその文章のなかで約20年の時が経過していることを意識しながら読むと、バブルに浮かれ、やがてはじけた日本列島の西部を移動し記録し続けた貴重な本であると感じる。

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    投稿日: 2024.01.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    コミさんが路線バスを乗り継いで、東海道を進む。路線バスの切れる場所では、戻ったり回り道をしたりして。 旅の道連れは、居酒屋、スナック、知り合った女性。 場末への浸透力がすごい。 20年を経て、京都から鹿児島まで進む。呉出身の作者にとって、神戸や中国地方は親和性が高い。 福岡、熊本、鹿児島と進んで、国文に至った。

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    投稿日: 2020.09.25
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    バスが大好き――。路線バスで東京を出発して東海道を西へ、山陽道をぬけて鹿児島まで。コミさんのノスタルジック・ジャーニー。〈巻末エッセイ〉戌井昭人

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    投稿日: 2020.09.08
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    最近流行?路線バスの旅のハシリ。東京から鹿児島まで20年かけて乗り継いだ旅。飲み屋とストリップと諸々の取り留めのない独特の世界。 テレ東の路線バスの旅が好きなので迷わず購入。1996年の単行本の文庫化。最近中公文庫やちくま文庫、再版本が面白い。 計画なくふらっとバスに乗り西を目指す。関ヶ原を超えて挫折し名古屋に引き返したり、行き当たりばったりの旅。飲み屋で知り合った女性と同行したり筆者のストリップ関連の仕事の思い出などとりとめのない回想と、メモ書きのような看板名、地名の羅列が独特である。 バスが起伏の多い道を走りながら、チラッと見える海。そんな情景が旅情を誘う。 バス旅そのものより、飲み屋巡りがメインのようでもある。バス旅の蛭子さんの適当さと吉田類の酒場放浪記を合わせたような内容、独自の感性と筆致の紀行でした。

    1
    投稿日: 2020.05.11