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小説集 吉原の面影
小説集 吉原の面影
永井荷風、樋口一葉、広津柳浪、泉鏡花/中央公論新社
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総合評価

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    あなた、私の心が見えましょう 鏡花目的で購入したけれど、この編集考えた人天才。永井荷風の随筆と、そこで紹介された3作品を収録している。 でもやっぱり鏡花が最高。 同じテーマでも圧倒的に美しく、優しく、悲しくて幻想的。 江戸っ子言葉も読んでいてたのしい。 たけくらべは川上未映子の新訳がでているからそちらで読む予定。昔一回読んだけどあんまり記憶にない。 あと、雅文が読めないのです。 広津柳浪は会話が軽快でとても読みやすかった。 この辺りは田んぼだったとか、今は残っていないお稲荷様とか、昔の浅草を想像して読むのがとても楽しかった。今はもうほとんど面影はないけど、土地勘ある人にはぜひ、みんなにすすめたい。

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    投稿日: 2021.07.13
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    単純に4名の文豪の吉原をテーマの作品を揃えただけかと思いきや、これはこの文庫を企画編集された人のアイディアが面白い。 まず最初に荷風の「里の今昔」という随筆を持ってきて、その中で江戸の情緒が残る明治期の吉原の思い出を語らせます。 そしてその随筆内で荷風が推す「当時の吉原が上手く作品に描かれている」として、樋口一葉の「たけくらべ」、広津柳浪「今戸心中」、泉鏡花「註文帳」の3作品を挙げており、それを続けて掲載した一冊という体裁になっています。 ですので、読み方によっては「永井荷風セレクト吉原アンソロジー」って感じで楽しめる仕上がりです。 巻末解説(川本さん)に詳しく述べられていますが、3作品それぞれ視点の置き所が違いつつ、それぞれその作家らしい作品でどれも面白かった。

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    投稿日: 2021.07.05