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シベリア出兵 近代日本の忘れられた七年戦争
シベリア出兵 近代日本の忘れられた七年戦争
麻田雅文/中央公論新社
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総合評価

22件)
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    知らなかった歴史を知ることができ、興味深く読みました。 尼港事件については本書で初めてその内容を知り、言葉を失いました。 情報の取り扱い、意思決定のルート、様々な立場の人たちの思惑がからんだ先に起きてくる様々な事象に、これは過去のことと割り切ってしまってはいけないと、身が引き締まる思いでした。 また、戦争を終わらせることの困難さが、意思決定に携わる要人たち各々の人柄とともに伝わってきました。死者が増えてゆくほど引き返せなくなってゆく、その場にいる人にしかわからない苦しさ。「どうやって終わらせるのか」の判断の厳しさも思いました。 歴史に疎い私にもイメージが浮かぶほど、わかりやすく書かれており、シベリア出兵について初めて手に取ったのが本書でよかったです。

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    投稿日: 2025.04.17
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    歴史においてあまりクローズアップされないシベリア出兵ですが、実は後の第二次世界大戦にもつながっていく非常に重要な出来事でありました。 共産主義のソヴィエトを警戒する意図だけではなく、欧米諸国からの圧力、そして第一次世界大戦の分け前を得るために欧米諸国にアピールしなければならなかった背景など、この本を読んでいると知らなかった意外な発見に驚くことが多々あります。 シベリア出兵は日本の歴史を考える上で実は大きな意味を持った事件だったということをこの本では感じさせられました。

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    投稿日: 2024.08.16
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    シベリア出兵についてあまり書かれていないとあとがきでは述べられていたが、その後結構書かれていると思われる。朝日新聞で紹介されていた本である。  歴史というよりも日本のシベリア出兵における政治史であるというのは、原敬日記をもとにしているのからかもしれない。  歴史の教科書に書かれていない詳細な記述であった。

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    投稿日: 2023.01.25
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    日本でもあまり知られていないシベリア出兵について解説を入れて、時系列に何があったかが記載されている。日本の中ににも出兵の機運や、領土的野心があったことは確かで、しかしさまざまな意見があるなかで強行的なものが採用されたということなのだろう。現代の日本からは信じられないが、沿海州に親日国家を作るという構想もあり、しかし、これが戦略的には通常なのだとも気づく。翻って、この動きが米国の警戒感を引き起こしたことも述べられている。今考えれば、この時、こうしていればと思いを巡らせてしまうが、その時々にはベストと思われる判断(もしくはそれに近い判断)だったのだろうと思う。知らなかったことを知ることができるという意味だけでも、本書は有意義と思う。

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    投稿日: 2022.12.25
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    日本は第一次世界大戦にロシア属する連合国陣営としてドイツに宣戦布告して参戦。露と親密となる。戦中ロシア革命成る。レーニンは穀物地帯ウクライナ独立を承認するなどして独と講和。戦線離脱する。独は英仏との西部戦線に専念。英仏はソ連を再戦させることで独の戦力削りを画策、日米にシベリア出兵を促す。元老筆頭山縣は出兵反対。刀はどうして鞘に収めるか考えた後でなければ柄に手をかけるものではないとした。田中義一率いる陸軍参謀本部は出兵に積極。米から共同出兵要請により慎重論は吹き飛び出兵。名目はチェコ軍団救出。参謀本部は米との出兵数・地域を無視。原首相は兵力削減に努力。 ww1終結後も出兵は続く。背景にはシベリア支配、北洋漁業利権への野心があった。各国が撤兵する中現地軍はウラジオ沿海を制圧。原首相の撤兵行こうとそぐわない行動にでる。日本人虐殺事件や戦死者の多さから世論は撤兵。原は暗殺され山形は死去田中は陸相を辞任し大正天皇は病気、シベリア出兵、大正時代が曲がり角を迎える。露反革命派の敗北が決定的となり加藤内閣は撤兵。日本が南サハリン領有と北サハリン開発利権を保持しソ連と講和、国交樹立となる。共産主義への警戒心から治安維持法が制定される。 戦死者たちへの土産を獲得するまでは撤兵できないという考えが7年もの長期出兵の原因である。得たものは北樺太権益であったが、結局ソ連の圧力がかかりさしたる利益はなかった。

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    投稿日: 2022.08.29
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    第1次世界大戦末期以降、ロシア革命後のシベリアへ、チェコ軍救済のため欧米各国が連合し出兵した。 その中で日本が突出して多くの兵を送り、この地域への影響力を強めようとした。名目は居留民の保護、利権獲得のため。 日本の歴史教科書では、簡単な記述だけで詳しく触れられることはないが、この出兵は7年間に及び色々な事件も発生しており、決して忘れてはいけない戦争だった。 正直なところ、シベリア出兵と言われても全くピンとこなかった。 学校では年号と項目を習っただけで、昭和初期の日本の近代史の詳細はほとんど教えてもらえない。だからこの本を読んで日本軍がシベリアのバイカル湖付近まで出兵していたことに大変驚いた。 領土や利権獲得の野心で各国が色々な思想を持って干渉していた時代だから、ロシア革命のどさくさに紛れて、日本も領土を獲得したかったのだろう。 バイカル湖〜シベリア沿海州には、政権を取って独立を目指すロシア人の動きがいくつもあったようだ。 もし実現していたら、極東の今はもっと複雑な地域になっていたかもしれない。

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    投稿日: 2021.08.07
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    第二次世界大戦より前に日本が戦った戦争についての知識を得る一環で読んだ一冊。 チェコ軍団救出が名目だったというのは歴史の教科書に少し載っていたけど、第一次世界大戦中のロシア革命と対ドイツ東部戦線維持の関係から英仏の思惑や内戦状態のロシア・ソ連の複雑な状況も知ることが出来て満足のいく一冊でした。

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    投稿日: 2021.01.30
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    シベリア出兵のために米騒動が起き、寺内内閣が倒れたという程度の知識しかなかった。もちろん悲劇を伴う侵略なのだけれども、イルクーツクまで日本軍が侵攻したというのは興奮せずにはいられない。凄まじい外交戦は今の日本にできるのだろうか。

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    投稿日: 2019.08.05
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    第一次大戦末期、ロシア革命がおこり、ソ連が成立。英仏はドイツを挟み撃ちにするための同盟国が消滅することに衝撃を受け、共産党打倒のため米国、中国、日本にシベリア出兵を要請。各国はそれぞれの思惑でけん制しあいながらも「多国籍軍」として出撃していく。 各国がせいぜい数百人の形式的な派遣だったなか、数万の大軍を何年も駐留させたのは日本。サハリンの石油、シベリア鉄道などの権益がねらいであった。もちろん、革命のどさくさの中でニコラエフスクの在留日本人が虐殺され、邦人保護の世論が高まったことも忘れてはならない。革命直後のロシアは無政府状態だったのだ。同時に、日本軍がパルチザンが隠れていると疑われる村を「膺懲」すると称して焼き討ちにした事実も忘れてはならない(この行為は当時の我が国帝国議会でも問題になった)。 始めることは簡単だが終わらせることは難しい、この経験を全く生かせないまま日本はその数年後に満州事変に突入していくことになる・・・。

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    投稿日: 2019.01.01
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    なぜシベリア出兵という過ちを犯したのか、という疑問があったので読んでみた。 本書によると、出兵そのものよりもその規模や展開地域、とくに撤退するタイミングの、いわゆる出口戦略に大きな問題があったようだ。 これまでの派兵そのものを問題視するという単純な捉え方が改まった気がする。 目の前の利益を捨てる、いわゆる損切りというリスクをとることができないという点で、当時の日本政府の対応に大きな問題があったように感じた。 くわえて優先順位のつけ方も甘い。本書では政府と軍部の間での優先順位の相違、また個人ごとの考え方の違いなどの詳細や、小さな出来事(日本陸軍とチェコ軍との交戦など)も描かれていて、知らなかった事実をよく知ることができてよかった。 思うにアメリカとの共同派兵での約束事をなし崩し的に反故にしたところはかなりまずい。このリスクをきちんと捉えきれていなかったというのは残念に思う。

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    投稿日: 2018.12.09
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    [七年の逡巡]日本史の教科書でもちょこっとしか取り上げられないシベリア出兵。七年に及んだこの出兵の背景を分析するとともに,それが国際政治に与えた少なくない影響について考察した作品です。著者は,1980年生まれの新進気鋭の日中露関係史研究者である麻田雅文。 目の付け所だけですでに満点を叩き出したくなる一冊なんですが,その内容の濃密さ故に大絶賛を惜しみなく与えたくなる作品でした。読み進めるほどに「え,こんなことがあったのか」と驚かされる事実を次から次へと紹介してくれており,日本近代史に興味のある方はもちろん,国際政治に興味を持つ方にも強くオススメしたい一冊です。 〜開戦の決断は華やかで,勇ましい。その結果が戦勝であればまだしも,得ることもなく戦争を終わらせる責任を負うのは,その何倍も難しいことをシベリア出兵は教えている。〜 高評価続出の理由がよくわかりました☆5つ

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    投稿日: 2017.12.11
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    あまり詳しく知らなかったシベリア出兵について。政権と軍部の意見が対立したり、現地に都合のいい政権を樹立したり、その後の日中戦争で起きたことはこの時に起きていたんだな。 ロシア国内の事情、日米関係、日本の政局といろんな面からシベリア出兵の7年間を通して見れて勉強になった。

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    投稿日: 2017.12.10
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    我々日本人にも印象が薄い「シベリア出兵」を体系的に理解できる一冊。かくいう私もシベリアというとWW2後のシベリア抑留のイメージが殆どであり、本件については学生時代に知った程度であった。 WW1やロシア革命との関係や共同出兵した連合国との軋轢などは興味深かったし、以後の日中戦争、太平洋戦争へと突き進む素地がこの時にできていたように思う。 最近新書の中では中公新書を選択する確率が高くなってきている。それだけ好奇心をそそられる本が多い。

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    投稿日: 2017.09.08
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    これは読んでよかった。 教科書で触れたシベリア出兵、正直なんでこんなことをしたんだろうと思っていた。第一次世界大戦が起こって、同盟の関係で大陸に行って、でも撤退したのが遅くて批判…てくらいしか触れてなくて、全然意味が分からない。 分からないのは、知らないから。この本を読んで、全部納得した。外交の怖さ、このころからもう、次の戦争、日中戦争や大東亜戦争の足音は聞こえていたのだ。 シベリア出兵が次の日中戦争の教訓になっていないという悲劇、という一文も絶句した。 前回読んだ本に「人類の歴史は教訓が生かされない」とあって、これが戦略のロジック…と思い絶句した。 となれば、またこの国は…なんて空を仰いでしまう。その時私たちは冷静に物を見ることができるのだろうか(できないだろうな)

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    投稿日: 2017.08.19
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    ロシア革命の混乱の中、第一次世界大戦の終結への諸外国と人々の思惑によってシベリアの地に出兵された、その7年間について分かりやすく書かれています。出兵に意味はなかったと言われていて日本も多くを失ったのですが、では誰が出兵させたのか、なぜ幕引きが出来なかったのか。一人の人間が単純に決めたことではない舞台裏を見るにつけ、あれ、と既視感を覚える場面も、読後感にも、あります。何かを始めることは簡単でも、それを収めることの難しさ。今でも共通して見られるのではないでしょうか。とりあえずやって見たらいい、ダメだったらやめたら良い。ということは会社で働いていると当たり前のように聞きますが、それはとても無責任な発言だと気づかされました。現代の会社で働いていると、それは金銭的な損失でしょうが、ひいてはシベリア出兵のように人命にまで発展する可能性があるということ。何よりも責任の所在が曖昧になってしまうということ。重く考えなければならないと思わされました。

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    投稿日: 2017.08.11
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    『失敗の本質』で提示された論点を確認するケーススタディとして読む。現場と指揮との乖離・統制不全、グランドデザインの欠如、再学習の未実施など、多くが当てはまる。また、本件の後半から、アメリカ、イギリス、中国と良好であった関係が悪化するなど、先の大戦に繋がる線が見える。歴史の教科書では、ほとんど触れられない事案だが、その後の状況や現在の行動などに多くの示唆が得られる。

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    投稿日: 2017.06.05
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    著者は言う。日本人には、シベリア抑留はよく知られているが、シベリア出兵のことはよく知らない人が多い。そして、ロシア人は、シベリア抑留のことはよく知らないが、シベリア出兵はよく知っていると。 たしかに、ロシア革命後に列強各国がシベリアに兵を進めたということは、歴史的事実として知っていたが、その原因や経過などは知らなかった。また、「あとがき」にも書かれているが、一般向けの本もあまりない。 そういうわけで、興味を持って読み始めた。ボリシェビキに対する干渉戦争という理解は間違いではないが、日本が出兵したのは、第一次大戦の西部戦線でドイツと戦う連合国が強く働きかけたものであること、出兵に当たって日本政府はアメリカとの共同出兵を条件としていたこと、各国軍が撤退した後も含めて日本軍は7年間も駐留を続けたこと、など知らないことがたくさんあった。そして、統帥権に基づく軍部の独走、現地でのゲリラ戦に対する苦戦、傀儡政権の擁立目標など、後の日中戦争と同じようなことがシベリアでも起きていたのに、その経験を後に生かすことができずに同じ愚を繰り返してしまったことにも驚かされた。他方、撤兵に向けた政治的努力や世論の反対があったことが太平洋戦争とは違っていた。 2018年にシベリア出兵から100年の節目を迎えるに当たり、日本人の記憶に薄いシベリア出兵について分かりやすく書かれた本書の意義は大きいと思う。

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    投稿日: 2017.02.26
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    ロシア革命による混乱に乗じて各国が利権を得ようと介入したシベリア出兵。自分が生まれる前に他界した父方の祖父(富山)はこのシベリア出兵に従軍していた。朝鮮の光州でも商売やっていたので、大陸に何か思うところがあったのだろうか……。早稲田大学教授の本野英一先生のお祖父さん(本野一郎)登場(当然だが)。うちの祖父は単なる兵隊さんだが、こちらは時の外務大臣。ロシア通として知られ、シベリア出兵に積極的であった(ただし、1918年に57歳の若さで胃癌で亡くなった。寺内正毅も途中で死亡。原敬も死亡。山県有朋も死亡。加藤友三郎も死亡*。是清は生き残ったが、責任者が次々と死んだことも出兵が長引いた一因か。*加藤友三郎は1923年に死亡なので完全撤退までは生きられなかった)。 北サハリンからの撤兵も含めて7年間にもわたる海外での軍事行動で失われた将兵の数が3,333人(軍属のみの戦病死者)というのは意外に少ない気がした。もちろん、内戦で死んだロシア人の数(8万人という推計は過大かという著者の指摘)に比しての話だが。また尼港事件などでの民間人犠牲者は含まれていない。 ともかく他国の内戦に干渉するという、今も繰り返される軍事介入の典型。利害関係者が非常に多岐にわたるにもかかわらず、そして新書という限られたスペースにもかかわらず、大変わかりやすく書かれており、オススメ。当時の国内での動きもシベリア出兵というファクターを1枚噛ませると見えてくることも多々あり、勉強になった。 余談だが今年は大和和紀「ハイカラさんが通る」の劇場版アニメも公開されるとか。あれもシベリア出兵が時代背景……というか、まさにそれがなければわけわからない物語。今の若い人もこの本を読んで、「ハイカラさんが通る」を観に行かれることを強くオススメしたい(違)。

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    投稿日: 2017.01.08
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    第一次対戦末期の激動の時代。世界の力関係も刻々と変わり、昨日の敵が今日の友、政治による駆け引きと、武力による力関係で、不条理なこともたくさんあっただろうと思う。 原敬が総理大臣の頃は、総理大臣は今よりも、全然権限がないこと、などあまり知らなかった。 また、レーニンの革命直後の不安定な状況、山県有朋と原敬の関係など、臨場感のある筆致だった。 軍が内閣と別に権力を持ってること、様々な人の思惑の相違からシベリアからの撤退が遅れるなど、誰かが、強力な意思を持ち、早く判断し、ぐいぐい引っ張れるといいのにと思ったか、それが、ファッショに繋がる考え方なのかも知れない。

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    投稿日: 2016.12.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    終章で纏めているように「大陸における既得権益の維持と拡大を図ろうとした結果、出兵地域は拡散していったと考えられる。出兵の大義名分が二転三転したのも、拡大・縮小する戦線に、何とか辻褄を合わせようとしたためだ。そもそもチェコ軍団の救出という利他的なものだった大義名分は、満蒙権益の擁護など、次第に日本の利他的なものへ堕ちていった。」に尽きます。ほんとうに昔から政府も軍部もスケベ心が見え見えなのです。マスコミも戦績が良い時は好戦的だが、戦争が長引くと、手のひらを返したように反戦を声高に叫びます。今昔変わりなし。

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    投稿日: 2016.11.19
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    「“用語”が何となく知られている他方で、内容が然程詳しく知られているでもない」というような史上の事案は多々在る。そういうモノに関して「手際よく説く」というのが、“新書”の「望ましい役目」だと思うが、本書はそういう役目を確り果たしてくれる一冊だ。 「シベリア出兵」だが…これは大正時代の第一次大戦の終わるような時期、色々と混迷した当時の世相等が語られる文脈で「さらり」と用語が登場する…そういうような、「軽い扱い」である印象を免れ得ない。が、実際には「7年間」もの長きに亘って、国外で軍事作戦が展開され、出て行った将兵や現地の人達の中に大きな犠牲が生じていた事案で、もっと注目されて然るべきなのであろう… こういうようなことを踏まえて本書は登場したようだ。事態が発生したのが1918年ということで、間も無く“100年”ということにもなる…2014年頃、発生から“100年”ということで「第一次世界大戦」にスポットライトが当たった経過が在ったが、著者はそういう事柄も意識して本書に取組んだようだ。 価値ある一冊で、多くの方に薦めたい。

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    投稿日: 2016.11.03
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    1920年代前半、日本軍が遠くイルクーツクまで出兵していた事を知る人はあまり多くないと思われる。 この出兵から撤兵に至る経緯や、その間に起こった内外の交渉について、興味深い記述が続く。 昨今の南スーダンでのPKO活動を巡る議論にも示唆を与えてくれる一冊。

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    投稿日: 2016.10.22